「男女の生活と意識に関する調査結果の概要」について

男女の生活と意識に関する調査結果の概要
性に関する知識・意識・行動について
2003 年 3 月
平成 14 年度厚生労働科学研究費補助金(子ども家庭総合研究事業)研究
「望まない妊娠、人工妊娠中絶を防止するための効果的な避妊教育プログラム
の開発に関する研究」班
社団法人日本家族計画協会
Ⅰ.調査の概要
1.調査の目的
性を中心とした日常の「男女の生活」について国民がどのような意識をもって行動し
ているかを調査し、今後の研究と取り組みの参考とすることを目的とした。
2.調査対象
平成 14 年 10 月1日現在、満 16∼49 歳の男女 3,000 人を層化2段無作為抽出法にて抽
出し、回答の得られた 1,572 人(52.4%)を分析対象とした。
10 歳代
20 歳代
30 歳代
40 歳代
675
63
164
217
231
897
73
213
287
324
総数
男
性
(人)
女
性
(人)
3.調査方法
調査員が調査対象者宅を直接訪問し、調査票を手渡し記入してもらい、後日調査員が
回収した。
4.調査期間
平成 14 年 10 月 31 日から 12 月 4 日
5.調査項目
(1) 日常生活や考え方
(2) 性の意識や知識
(3) 性行動
(4) 望まない妊娠の防止
(5) 性に関する事柄のサービス
1
Ⅱ.調査結果の概要
1
生活
(1)行動や考え方の影響源
「行動や考え方について最も影響を受けたもの」は、20 歳以上では男女とも、1位が
「親」、2位が「友人」
「行動や考え方について影響を受けたもの」を2つまで回答を得た。結果を、年齢階級
別にみると、
「親」を挙げる者が 20 歳未満では男女とも低い一方、「友人」や「学校」の
占める割合が高くなっている。
行動や考え方での影響(男性)
70
65.4
60.4
60
50
61.5
54.0
49.4
43.8
41.3
40
30
39.8
20.6
20
18.3
8.5
10
12.7
13.8
17.7
5.5 7.8
0
親
学 校
10歳代(n=63)
友 人
20歳代(n=164)
30歳代(n=217)
マスコミ
40歳代(n=231)
行動や考え 方での影響( 女性)
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
80.3 78.4
75.3
61.6
55.4
54.8
45.3
38.3
17.8
15.1
6.1 6.6 5.2
親
10歳代(n=73)
3.8
学 校
友 人
20歳代(n=213)
30歳代(n=287)
2
9.4 12.3
マスコミ
40歳代(n=324)
(2)両親の仲と、普段の親子での会話
両親の仲が「良かった」と答えた群では、親と「話をした」者は、男性 92.6%、女性
96.2%
一方、両親の仲が「悪かった」と答えた群では、親と「話をした」者は、男性 77.9%、
女性 77.3%
「中学生の頃まで、両親の仲がよかったか」という質問と、
「中学生の頃まで、普段、
親と話をしていたか」という質問の回答をクロス集計したところ、上記の結果が得られ
た。
両親の仲と、普段の親との会話(男性)
どちらともいえない(n=88)
77.3
22.7
0.0
悪かった(n=95)
77.9
22.1
0.0
92.6
良かった(n=461)
7.40.0
87.0
合計
0%
20%
12.3 0.7
40%
60%
話をした
話をしなかった
80%
100%
不明
両親の仲と、普段の親との会話(女性)
22.7
77.3
悪かった(n=128)
8.00.4
91.5
合計
20%
40%
話をした
60%
話をしなかった
3
0.0
3.8
0.0
96.2
良かった(n=586)
0%
9.8 0.7
89.5
どちらともいえない(n=143)
80%
不明
100%
2
親子の関係と性行動
(1) 親子の会話と最初の性交時の年齢
「親と普段、話をした」群では、最初の性交時の年齢が 18 歳未満であった者は、男性
23.6%、女性 16.1%
「親と普段、話をしなかった」群では、最初の性交時の年齢が 18 歳未満であった者は、
男性 29.6%、女性 22.2%
最初の性交時の年齢を 18 歳で区切って、
「親との会話」との関係をクロス集計した。親
との会話は、
「よく話をした」、
「時々、話をした」を「話をした」とし、
「ほとんど話をし
なかった」、「まったく話をしなかった」を「話をしなかった」とまとめて集計した。
普段の親との会話と、初回の性交年齢( 男性)
0%
20%
40%
60%
23.6
話をした(n=587)
60.2
29.6
話をしなかった(n=83)
合計
80%
16.3
56.3
24.4
14.1
59.7
18歳未満
18歳以上
100%
15.9
不明
普段の親との会話と、初回の性交年齢( 女性)
0%
話をした(n=821)
話をしなかった(n=72)
合計
20%
40%
16.1
60%
80%
17.5
66.4
22.2
14.3
63.5
65.9
16.9
18歳未満
4
18歳以上
100%
17.2
不明
(2) 親子の会話と、最初の性交時の避妊
「親と普段、話をした」群では、最初の性交時に避妊をした者は、男性 58.5%、女性 54.5%
「親と普段、話をしなかった」群では、最初の性交時に避妊をした者は、男性 50.7%、女
性 42.9%
「最初の性交時の避妊」と、「親との会話」の関係をクロス集計したところ、上記の結果
が得られた。
普段の親との会話と、初回性交時の避妊( 男性)
0%
20%
40%
60%
80%
58.5
話をした(n=587)
25.4
57.6
合計
し た
12.0 4.1
33.8
50.7
話をしなかった(n=83)
11.3 4.2
26.5
しなかった
100%
11.8 4.1
わからない(忘れた)
不明
普段の親との会話と、初回性交時の避妊(女性)
0%
話を した(n=72)
話を しなかった(n=821)
合計
20%
40%
60%
54.5
80%
28.2
33.3
42.9
し た
しなかった
5
12.5 4.9
22.2
28.5
53.6
100%
1.6
13.3 4.6
わからない(忘れた)
不明
(3) 親の性への厳しさと、最初の性交時の年齢
親が性的なことに関して「厳しかった」群では、最初の性交時の年齢が 18 歳未満であ
った者は、男性 19.4%、女性 15.5%
「厳しくなかった」群では、最初の性交時の年齢が 18 歳未満であった者は、男性 28.7%、
女性 12.0%
最初の性交時の年齢を 18 歳で区切って、「親が性的なことに関して厳しかったか」と
の質問の回答とクロス集計したところ、上記の結果が得られた。「厳しかった」と「ど
ちらかといえば厳しかった」との回答を「厳しかった」群にまとめ、
「厳しくなかった」
、
「どちらかというと厳しくなかった」を「厳しくなかった」群にまとめて集計した。
親の性に対する厳しさと初回性交年齢(男性)
0%
20%
40%
19.4%
厳しかった(n=36)
60%
50.0%
28.7%
厳しくなかった(n=157)
25.0%
8.3%
47.3%
20.4%
合計
100%
47.8%
17.0%
どちらともいえない(n=277)
80%
15.5%
50.1%
18歳未満
13.3%
18歳以上
不明
親の性に対する厳しさと初回の性交年齢( 女性)
0%
厳しかった(n=142)
20%
40%
15.5%
60%
53.0%
ど ち らともいえない(n=338)
13.3%
47.9%
合計
13.6%
53.1%
18歳未満
6
100%
12.7%
51.4%
12.0%
厳しくなかった(n=83)
80%
12.0%
15.1%
13.8%
18歳以上
不明
(4) 親の性への厳しさと初回性交時の避妊
親が性的なことに関して「厳しかった」群では、最初の性交時に避妊をした者は、男性
55.7%、女性 48.5%
「厳しくなかった」群では、最初の性交時に避妊をした者は、男性 49.4%、女性 42.4%
「最初の性交時の避妊」と、「親が性的なことに関して厳しかったか」との質問の回答と
クロス集計したところ、上記の結果が得られた。
親の性に対する厳しさと初回性交時の避妊( 男性)
合計
48.3%
22.2%
9.9% 3.4%
ど ち らともいえない(n=277)
45.1%
20.9%
10.1%3.6%
厳しくなかった(n=245)
49.4%
55.7%
厳しかった(n=140)
0%
20%
40%
し た
しなかった
26.5%
6.9%3.3%
15.7%
14.3% 2.9%
60%
80%
わからない(忘れた)
100%
不明
親の性に対する厳しさと初回性交時の避妊(女性)
合計
どちらともいえない(n=338)
厳しくなかった(n=165)
37.6%
20.7%
48.5%
20%
し た
10.7% 3.7%
13.9% 4.1%
11.5%1.2%
27.3%
42.4%
厳しかった(n=373)
0%
23.0%
43.1%
8.0%4.3%
24.1%
40%
しなかった
7
60%
わからない(忘れた)
80%
不明
100%
3
性に関する考え方と知識
(1) 性交を開始してよいと考えられる時期
「性交を開始してよいと考えられる時期」は 10 歳代では、男女とも「いつから開始する
かは本人の自由」が最も多い(男性 52.4%、女性 65.8%)。
40 歳代では、男性は「いつから開始するかは本人の自由」(28.1%)、女性は「経済的に親
から独立してから」が最も多い(34.6%)。
性交を開始してよいと考えられる年齢(男性)
20歳代(n=164)
4.8 6.3 9.5
17.5
10歳代(n=63)
10.4
14
30歳代(n=217)
3.7
21.7
40歳代(n=231)
3.5
22.9
全体(n=675)
9.1 6.1
0%
2.8
7.4
5.8
19.1
28.1
7.8 3
6.71.6
41.6
40%
60%
中学校を卒業してから
経済的に親から独立してから
いつから開始するかは本人の自由
不明
60.9
43.3
27.3
20%
6.10
54.3
21.7
18.7
6.5
6.33.2
52.4
80%
100%
高校を卒業してから
結婚してから
この中にはない
性交を開始してよいと考えられる年齢(女性)
10歳代(n=73)
8.2 8.2 4.1 8.2
20歳代(n=213)
7.5
15.5
30歳代(n=287)
5.9
19.9
40歳代(n=324) 1.2
全体(n=897)
4.8
0%
15.4
65.8
13.6
46
8
26.1
7.3
34.6
16.3
15.7
24.4
20%
40%
中学校を卒業してから
経済的に親から独立してから
いつから開始するかは本人の自由
不明
5.63.8
30.3
22.5
34.1
10.6
8
2.7
2.7
60%
9.1 1.4
7.7 2.8
7.22.6
80%
高校を卒業してから
結婚してから
この中にはない
100%
(2)性に関する情報源
「性に関する情報源」は 10 歳代では、男女とも「教師、学校の授業」が最も多い(男性
63.5%、女性 69.9%)
40 歳代では、男性は「友だち」(54.1%)、女性は「マスコミ」(45.4%)が最も多い
「性に関することや避妊方法について主としてどこから知ったか」を質問した(回答は 2
つまで)結果は上記のとおり。
性や避妊の情報源( 男性)
70
63.5
56.7
54.3 56.2 54.1
60
50
39.6
40
30
40.9
38.1
27
22.1
20
10
52.4
12.1
0
教師、学校の授業
10歳代(n=63)
友だち
20歳代(n=164)
30歳代(n=217)
マスコミ
40歳代(n=231)
性や避妊の情報源( 女性)
80
70
60
50
40
30
20
10
0
69.9
55.9
43.8
36.9
33.3
38.5
28.8
教師、学校の授業
10歳代(n=73)
48.1 45.4
40.4 43.2 40.4
友だち
20歳代(n=213)
9
30歳代(n=287)
マスコミ
40歳代(n=324)
(3) 性に関する知識を得るべき年齢
15 歳まで(それ以下の年代を含む)に知っておくべき、との回答が多く得られた性に
関する知識は、男女とも、「二次性徴など身体のしくみ」(男性 88.6%、女性 92.6%)
、
「男
女の心と身体の違い」
(男性 88.5、女性 91.6%)
、
「受精、妊娠、出産のしくみ」
(男性 85.1%、
女性 87.8%)
以下の図は「性に関する事柄について、一般的に、何歳くらいの時に知るべきか」という
質問の答えを「13∼15 歳」
(それ以下の年代を含む)までに知っておくべき、との回答の
率にしたがって並べたもの。
何歳までに知識を持っておくべきか(男性)
離婚
多様な性のあり方
結婚
性的被害の対処法
コンドームの使い方
人工妊娠中絶
性に関する倫理や道徳
エイズ以外の性感染症
人とのコミュニケーション
男女間の平等や助け合い
避妊法
エイズとその予防
受精、妊娠、出産のしくみ
男女の心と身体の違い
二次性徴など身体のしくみ
0%
20%
3∼5歳
13∼15歳
個人によって異なる
40%
60%
6∼9歳
16∼18歳
知る必要は無い
80%
100%
10∼12歳
19歳以上
不明
何歳までに知識を持っておくべきか(女性)
離婚
結婚
多様な性のあり方
コンドームの使い方
性的被害の対処法
人工妊娠中絶
性に関する倫理や道徳
エイズ以外の性感染症
男女間の平等や助け合い
エイズとその予防
避妊法
人とのコミュニケーション
受精、妊娠、出産のしくみ
男女の心と身体の違い
二次性徴など身体のしくみ
0%
20%
3∼5歳
13∼15歳
個人によって異なる
40%
60%
6∼9歳
16∼18歳
知る必要は無い
10
80%
10∼12歳
19歳以上
不明
100%