平成28年度のスタートにあたり -病院機能分化・医療連携推進について―

No.82 平成 28 年 4 月 1 日
公立阿伎留医療センターは、医の心を重んじ、患者の生命と健康と生活の質を考える良質の医
療を実践し、地域医療の最適化に努力します。
発行
地域医療連携センター
電話
042-558-0321(代表)
FAX
042-550-5190(直通)
平成28年度のスタートにあたり
-病院機能分化・医療連携推進について―
企業長・院長
荒川
泰行
日頃より、諸施設、諸先生方におかれましては当医療センターの医療連携推
進にご協力いただきまして、深く感謝申し上げます。
平成28年度のスタートにあたり、主に地域医療連携に関わる事柄について、
概要を申し上げます。
「地域医療構想」や「新公立病院改革ガイドライン」などを踏まえ、来たる
2025 年問題に向けて、秋川流域に最適な地域医療環境を構築するために、地域
特性や医療・介護ニーズに見合った病院規模の適正化と病床機能の再編に取り
組んで参ります。
まず、地域包括ケア病棟の開設についてです。
平成28年度診療報酬改定を踏まえ、平成28年7月を目途に一般病棟の急
性期病棟1棟(40床規模)を地域包括ケア病棟に転換します。
続いて、地域医療連携室を「地域医療連携センター」に改め、入・退院マネ
ジメント強化策として、PFM(Patient Flow Management)を実施します。
医療依存度の高い高齢患者などの退院後に地域での在宅生活を続けられるよ
う、患者の早期退院の在宅復帰支援を促し、
「病院頼みの医療からの脱却」を目
指すことにより、ベッドコントロールの効率化、平均在院日数の短縮、病床稼
働率の改善、在宅復帰率の向上、看護師の労働生産性の最大化、新入院患者数
の受け入れ拡大などに寄与することができると考えております。
次に、「診療体制の充実」についてです。
外来の医療資源を有効活用させるため、午後の時間帯に予約制の専門外来の
実施と平成28年9月を目途に、実施可能な診療科より、土曜日診療の開始を
進めてまいります。
診療時間の延長や土曜日診療を開始することは、受診日の選択肢を広げること
になり、職業人や学生など若年・壮年層への利便性が高まり、その結果として
集客増につながることが期待できます。
また、地域の先生方からご紹介患者さんの増加にも繋がり、様々なご要望に
対応できるよう職員一同努力していきます。
なお、地域医療連携センターのスタッフは以下の通りとなります。
今後とも、地域医療連携の推進にご理解、ご協力の程よろしくお願い申し上げ
ます。
センター長
樫田
光夫(副院長・診療統括部長)
副センター長
國吉
孝(総合内科部長)、蓑島
みのしま
京子(看護師)
事務担当主査 神田 直樹
看護師長
岩田 江利子
MSW
岩井 薫、百瀬みどり、坂原麻美子
看護師(再任用)橋本 千代、下村 幸枝
事務員(非常勤)新西 由美子、藤原 陽子
ご
挨 拶
~新たな地域連携システムの構築へ~
西成田 進
「地域連携」という考えはこの10年ほどの間に大きく変化した。そもそも
10 年前には「地域連携」という言葉さえ一般的ではなかったように思う。むし
ろ「病診連携」という言葉が一般的であった。これは患者さんの紹介、逆紹介
をめぐって基幹病院と診療所との間のいわば医師どうしの「仁義」に関するこ
とのようであり、
「病」にも「診」にもお互いに都合よく解釈のできるような連
携であった。さて、この間の医療状況の変化はすさまじい。急速な高齢化によ
る老人人口(医療受給人口)の増大と少子化(医療費供給人口の減少)。バブル
崩壊以後の企業レベルでの不景気(税収を含め社会保障財源の枯渇)。急速な医
療の高度化と高額医療の増加。国民の極端な健康志向と限りない長寿願望。入
りが少なく出が多ければ当然のことではあるが医療経済は破綻した。にもかか
わらず、病いを持つ高齢者は現に増加し続けている。どうするか。ここに「介
護」なる考えが生み出され、そこに固有の医療分野を設定し、さらに医療には
慢性期、亜急性期、急性期、超急性期なるレベルを設定した。もっとも医療費
のかかる急性期を縮小・孤立化させ、もっとも時間の長い慢性期を在宅と介護
にふりわけてその境界を不明にした。患者はそのような病態分類システムに従
って移動せざるを得なくなった。高齢者の病いはその最初が急性期であろうが
慢性期であろうが、最終的に完全な健康状態で戻るということは少ない。在宅
を念頭におきながらも、患者は現実にはこれらの医療機関の間を動かかざるを
得ないとすれば、病いは特定の施設での貫徹を考えるよりは、どうしてもその
地域内での施設間移動を考えざるを得ない。地域連携である。この診療と移動
に医療費が深く関与するシステムになっている。他方、患者は移動したくない
のである。さらに人は齢を重ねるほどに「加齢」自体が「病」そのものに転化
し「加齢」と「病」の境界はあいまいになってくる。
現に起こっている医療の状態は必然であり、それに対応する多くの政策もまた
必然であり、すべては政策立案者・行政の手の中にある。基幹病院から介護施
設にいたるまでの多くの議論はこの行政・制作立案者の投げかける投網の範囲
から一歩も出ていないようにみえる。いま現場の医療、介護組織は生き残りを
かけて必死の努力を続けているが、長期的に見て努力の結果は悲観的である。
どこかで常識を打ち破り、投げられた投網の外から現実をみる視点が必要であ
る、それには相当に大胆な発想の転換を必要としており、それはある面で「身
銭」を切り、そしてある面で「患者さんのため」という医療の絶対命題を犠牲
にしてもやらねばならないことであるかもしれない。夢と希望に満ちた地域連
携構想の言葉ではなく、医療の現場に無理と根性を強いる言葉でもなく、現実
を直視する冷徹な視点から出る「鋭い一手」の必要性を述べて退任挨拶とした
いと思います。
(平成28年3月22日記)
健康出前講座について(ご報告)
公立阿伎留医療センターでは、地域の皆様に健康に関する知識や関心を高め、
日頃の健康生活の維持向上を目的とした「健康出前講座」を開催しております。
今年 2 月、3 月分の 4 件についてご報告させていただきます。
2 月 19 日(金)薬のお話
2 月 24 日(水)小児の一次救急
油平長寿会 【講師】山本和彦
あきる野市神明保育園【講師】松村昌治
3 月 9 日(水)薬のお話
3 月 24 日(木)糖尿病について
日の出町第 10 自治会 【講師】山本和彦
雨間健康クラブ【講師】北森要一郎
~栄養指導の必要な患者さんのご紹介をお願いします~
生活習慣病内科部長 北森要一郎
当医療センターでは、管理栄養士による栄養指導を行っております。
糖尿病に限らず、減塩、減量目的、または日頃の食事の見直し等にも対応して
おります。原則として、火曜日午前中と水曜日午前・午後に受付しております
が、その他の曜日も可能な限り対応させていただきます。
別紙「診療情報提供書」(地域連携栄養指導予約申込用)にご記入のうえ、地域
医療連携センターにFAXでお申し込みください。(直通 fax 042-550-5190)
選定療養費等の一部変更について
平成28年4月1日より、非紹介患者初診加算料、室料差額料等が、一部変更
となりました。非紹介患者初診加算料については、病診連携、機能分担の推進
などを考慮した結果、近隣の公立病院と同額で改正いたしました。
室料差額料等の内容につきましては、同封の一覧表をご覧ください。
常勤医師の入退職について
【入職】
皮膚科
勝田 倫江
【退職】
院
長
西成田
進 ※
大山 俊雄 ※
平原 和久 ※
久野木 直人
吉澤 信輔
石川 淳一 ※
消化器内科
牧野 加織
産婦人科
外
科
日髙 綾乃
皮膚科
耳鼻咽喉科
馬塲 有加
消化器内科
産婦人科
副田 翔
外
科
(臨床研修医 梶原 勲)
耳鼻咽喉科
※ 非常勤医師として、勤務いたします。
曜日については同封の外来担当医表をご確認下さい。
~
ご挨拶 ~
副看護部長
小門 尚子
平成26年4月に看護部から診療部地域医療連携室に出向し、地
域の先生方、また、福祉施設職員の皆様には、大変お世話になり、
ありがとうございました。この4月からは副看護部長職に専念いたします
しますが、今後とも地域医療連携センターをよろしくお願い申し
あげます。