簡単アンケート第38弾:集中治療医のバックグラウンド(PDF)

簡単アンケート第 38 弾:
集中治療医のバックグラウンド
(2014 年 10 月実施)
JSEPTIC臨床研究委員会
アンケート作成者:讃井 將満
(自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部)
1
対象:すべての医療従事者
目的:専門医制度の変更にともない集中治療専門医が 2 階部分に入ることが示されました。将来、集中
治療を専門としたいが何科を 1 階部分にしたらよいか悩みを抱える若いドクターも多いと思います。今
回は、そのような若いドクターおよびすでに集中治療専門医であるドクターにとって、自らのバックグ
ラウンド、専門性、特性に関する質問です。ドキッとする質問があるかと思いますが、気軽な遊びのつ
もりで答えてくださればさいわいです。
作成者:讃井 將満
(自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部)
回答者 143 名
質問1.集中治療専門医の方にお伺いします(現在集中治療専門医資格を持っていない方は、「集中治
療専門医でない」を選び、次の質問へ)。あなたが他に持っている専門医・指導医資格は何で
すか。持っているものすべてを選択してください。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
集中治療専門医でない
4%
集中治療専門医だが他の専門医・指導医…
19%
救急専門医(含む指導医)
22%
麻酔科専門医(含む指導医)
5%
4%
5%
4%
総合内科専門医
小児科専門医
循環器専門医
外科専門医(含む指導医)
心臓血管外科専門医
胸部外科専門医(含む指導医)
脳外科専門医(含む指導医)
60%
1%
0%
1%
その他 (具体的に)
6%
*その他(具体的に記載)回答者 9 名
・ペインクリニック専門医
・プライマリケア学会認定指導医
・熱傷・外傷専門医
・感染症学会
・腎臓内科専門医(指導医)、プライマリケア連合学会認定専門医(指導医)
・心臓血管麻酔専門医
・ペイン、心臓血管麻酔
・腎臓専門医、透析専門医
・内科認定
2
70%
質問 2.将来集中治療専門医を目指しているドクターにお伺いします(それ以外の方は、「集中治療専
門医を目指していない、またはすでに持っている」を選び、次の質問へ)。集中治療専門医を
取得する前に、何科の専門医をお持ち(あるいは取得したいとお考え)ですか。1 つ選んでくだ
さい。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
47%
集中治療専門医を目指していない、また…
20%
救急専門医
16%
麻酔科専門医
6%
内科専門医(または総合内科専門医)
1%
総合診療医
4%
4%
小児科専門医
循環器専門医
1%
0%
0%
0%
1%
外科専門医
胸部外科専門医(含む指導医)
心臓血管外科専門医
脳外科専門医
その他 (具体的に)
*その他(具体的に記載)回答者 1 名
・腎臓内科専門医
質問 3.現在の集中治療専門医、または将来集中治療専門医を目指しているドクターにお伺いします
(それ以外の方は「集中治療専門医でない、または目指していない」を選び、次の質問へ)。
現在(あるいは将来)「自分の専門は何科ですか」と訊かれたら自分は何と答えますか。1 つ選
んでください。
0%
5%
10%
20%
25%
30%
35%
35%
17%
17%
*その他(具体的に記載)回答者 4 名
・救急集中治療科
・腎臓内科
15%
16%
集中治療専門医でない、または目指して…
集中治療
救急
麻酔科
内科(または総合内科)
4%
総合診療
1%
小児科
4%
循環器
4%
外科
1%
胸部外科 0%
心臓外科
1%
脳外科 0%
その他 (具体的に)
3%
(3)
3
40%
質問 4.他科専門医と比べて、集中治療を行う上での救急医としての強みは何だと思いますか。最も 当
てはまるものを 3 つまで選んで下さい。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
57%
診療対象患者の幅が広い
48%
意志決定、診療のスピードが迅速である
7%
協調性がある
4%
患者・家族関係に対する配慮ができる
49%
プレホスピタルから集中治療へシームレス…
17%
多数の患者を短時間でトリアージ、安定化…
11%
外科的管理(ドレーン管理など)に強い
46%
外傷・中毒に強い
16%
体外循環(CRRT、ECMOなど)に対する知…
6%
特にない
その他 (具体的に)
60%
2%
*その他(具体的に記載)回答者 3 名
・麻酔科医と比べると、自分の責任で物事が決められる
・上記、救急医に限らず全科医師が持たなくてはならない素養。
・常に集中治療が傍にある環境で臨床力が染みついている。集中治療専門医が肩書きのみの医師も
・多い中で実臨床を良く知っている。
質問 5.他科専門医と比べて、集中治療を行う上での救急医としての弱点は何だと思いますか。最も当
てはまるものを 3 つまで選んで下さい。
0%
診療対象疾患が限られている
内科的鑑別診断能力に劣る
対症療法に偏り、根本治療が遅れる
特定の専門科の知識が不足する
専門科の医師の指示を従うだけになる
過剰診療になる傾向がある
慢性期の視点を持つことができない
気道管理に弱い
呼吸管理に弱い
栄養管理に弱い
感染症治療に弱い
特にない
その他 (具体的に)
10%
20%
30%
40%
50%
6%
36%
22%
46%
20%
28%
48%
2%
4%
5%
3%
6%
7%
*その他(具体的に記載)回答者 10 名
・緩和医療に対する知識が不足する
・全体的にざっくりとした管理になる印象があります
・本来救急医は救急外来にいるべきもの。ベッドサイドでじっと患者を診続けるという集中治療医に
必須のスタンスが欠ける
・専門的な各診療科の技術にどうしても頼らざるを得ない部分がある。
・救急医に対する偏見(緊急時以外は外来の振り分け屋と思われている)
・救急医だけでは治療が完結しない。
・病院前診療などが中心の医師の場合に集中治療に対する知識が不足するケースがあること
・予定手術術後に弱い
・集中治療医なのか救急医なのかアイデンティティの面で不安に感じる場合がある.
・<ひとりよがり>の医療を行っている医師が少なくない
4
質問 6.他科専門医と比べ、集中治療を行う上での麻酔科医としての強みは何だと思いますか。最も当
てはまるものを 3 つまで選んで下さい。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
1%
診療対象患者の幅が広い
意志決定、診療のスピードが迅速である
各種の手技(挿管、中心静脈路確保など)…
専門領域以外の診療に関する知識が豊…
周術期管理のリーダーとしてチームを牽引…
協調性がある
周術期医療に関する知識と経験をもつ
鎮痛・鎮静管理に強い
呼吸管理に強い
循環管理に強い
体外循環(CRRT、ECMOなど)に関する知…
特にない
その他 (具体的に)
14%
61%
2%
23%
8%
55%
57%
27%
7%
4%
4%
2%
*その他(具体的に記載)回答者 3 名
・気道管理に強い。
・ひとりの患者をじっくり診るのが得意。
・全身管理ができる。
質問 7.他科専門医と比べ、集中治療を行う上での麻酔科医としての弱点は何だと思いますか。最も当
てはまるものを 3 つまで選んで下さい。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
46%
34%
専門領域以外の診療に関する知識が不…
47%
慢性期の視点を持つことができない
20%
専門科の医師の指示に従うだけになる
8%
他の医療従事者との良好な関係を構築で…
腎・電解質管理に弱い
1%
1%
9%
栄養管理に弱い
26%
感染症治療に弱い
特にない
その他 (具体的に)
70%
80%
75%
内科的鑑別診断能力に劣る
対症療法に偏り、根本治療が遅れる
過剰診療になる傾向がある
60%
4%
4%
*その他(具体的に記載)回答者 5 名
・患者や患者家族とのコミュニケーション能力不足。
・上から5番目までの項目すべて。
・患者家族との関係構築が不得手。
・身体診察力が弱く診断能力が低い。
・外科的処置が不得手。
5
質問 8.他科専門医と比べ、集中治療を行う上での内科系の専門医としての強みは何だと思いますか。
最も当てはまるものを 3 つまで選んで下さい。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
72%
系統的に鑑別診断ができる
59%
病態をじっくり考えることができる
48%
専門領域の知識と経験に長けている
4%
専門領域以外の診療に関する知識が豊…
18%
ICUから病棟へシームレスに診療が可能…
48%
慢性期の視点を持って診療に携わること…
2%
協調性がある
11%
患者・家族関係に対する配慮ができる
4%
感染症に強い
4%
特にない
1%
その他 (具体的に)
*その他(具体的に記載)回答者 1 名
・術前、手術中からその後のことが考えられる。
質問 9.他科専門医と比べ、集中治療を行う上での内科系の専門医としての弱点は何だと思いますか。
最も当てはまるものを 3 つまで選んで下さい。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
22%
専門領域以外の診療に関する知識が不…
15%
過少診療になる傾向がある
10%
他科の医師に対し強い主張ができない
4%
他の医療従事者との良好な関係を構築で…
45%
気道管理に弱い
66%
外科的管理(ドレーン管理など)に弱い
4%
栄養管理に弱い
36%
各種の手技(挿管、中心静脈路確保など)…
29%
体外循環(CRRT、ECMOなど)に関する知…
2%
特にない
その他 (具体的に)
70%
39%
意思決定や患者の安定化が遅くなる傾向…
0%
質問 10.他科専門医と比べ、集中治療を行う上での外科系の専門医としての強みは何だと思いますか。
最も当てはまるものを 3 つまで選んで下さい。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
62%
専門領域の知識と経験に長けている
専門領域以外の診療に関する知識が豊…
2%
意志決定、診療が迅速である
必要時に患者の生命に関わるような直接…
ICUから病棟へシームレスに診療が可能…
10%
慢性期の視点を持って診療に携わること…
11%
患者・家族関係に対する配慮ができる
4%
周術期管理のリーダーとしてチームを牽引…
協調性がある 0%
栄養管理に強い
4%
感染症に強い 0%
特にない
7%
その他 (具体的に)
1%
27%
65%
32%
6
*その他(具体的に記載)回答者 2 名
・ドレナージなどの手技に長けている。
・外科的処置ができる。
質問 11.他科専門医と比べ、集中治療を行う上での外科系の専門医としての弱点は何だと思いますか。
最も当てはまるものを 3 つまで選んで下さい。
0%
10%
20%
30%
40%
70%
80%
7%
32%
自分の専門以外の事柄には当該専門科…
8%
過剰診療になる傾向がある
29%
自身の意見を押し通す傾向がある
34%
手術さえうまく行けば周術期管理の良悪…
7%
患者・家族関係に対する配慮が不足する…
15%
18%
気道管理に弱い
感染症に弱い
特にない
60%
70%
内科的鑑別診断能力に劣る
対症療法に偏り、根本治療が遅れる
その他 (具体的に)
50%
39%
診療対象疾患が限られている
2%
1%
*その他(具体的に記載)回答者 1 名
・外科医は手術室でメスを振るう人のこと。その人が ICU で何をしようというのか?本当の外科 医
は術後はドレーンと手術創の管理だけしているものと思う。
質問 12.このアンケートについてのご意見、コメント、今後取り上げてほしいテーマなど、ご自由に記
載してください。(自由記載)
*回答者 22 名
 目的がよく分からない。
 今回のアンケートについて
集中治療を専門する場合何科を 1 階部分にするか?は集中治療医の役割は施設毎で違うと思うので
今回上がった科では何科を選んでも自分次第で正解だと思ってます。
 open ICU or closed ICU かどうかのアンケート。
それらの違いによる考え方の差。
最終的には、集中治療専門医が育っていない日本では患者の予後はどちらがよいのか。
 大学病院の集中治療室と一般病院の集中治療室では、集中治療室を担当する医師の背景が異なると
思われますが、実際はどうでしょうか。
大学病院の集中治療室は麻酔科または救急科が多く、一般病院の集中治療室は内科、外科、小児科、
循環器科、心臓血管外科、神経内科、脳外科、産婦人科、皮膚科等を背景とした医師が専従医とし
て登録されている印象を受けます。
大学病院以外では、麻酔科は手術の麻酔に専念せざるを得ず、救急科は救急外来での診療に専念せ
ざるを得ないのが現状ではないでしょうか。
言い換えれば、麻酔科と救急科のみに限定される集中治療専門医制度に危機感を感じている一般病
院が多いのではと思います。
 自分が気にしていたことなので結果が楽しみです。
 専門医制度の 2 階部分になった時点で、集中治療医の identity は、少なくとも制度上は、大きく
後退したと思う。
 集中治療医のアイデンティティーを主張する発言を時々聞きます。(特に評議員会などで)
しかし、「自分は麻酔科医ではなく集中治療医だ」というドクターはたくさんいますが、「自分は
救急医ではなく集中治療医だ」という方は聞いたことがありません。
麻酔科医の内部での近親憎悪のようなものが感じられる気がします。
7

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
また、集中治療医というのは、「何事についても 80%の知識を持っていて調整能力に長けた医師」
というのがわたしの印象ですが、その場合、純粋な集中治療医というのはやはりおらず、「何々科
出身の集中治療医」というかたちになるのが自然ではないでしょうか?
集中治療領域は、高度な知識と経験が十分無いとできません。しかし、未だに多くの施設で、諸先
輩方からの経験の基に、十分な知識もない他科医師が兼任しています。今回の専門医制度の変更に
よって、更に顕著になることを危惧しています。まずは集中治療医の地位を上げないことには、今
後専門医を目指す先生方の未来は無いと思います。学会をあげて取り組むべき課題です。
なし。
特記事項なし。
「何科の医師が集中治療を行なうか」というよりも「集中治療を行なうために持たなくてはならな
い素養・経験・知識」をまとめることが重要ではないでしょうか?質問からは救急医 vs 麻酔科 vs
内科 vs 外科という構図が見え隠れするような気がします。
いつでもコンサルトに応じてくれるすばらしい総合内科医がいる病院でなければ, Closed ICU の集
中治療医は自身で鑑別診断から診断確定まで, 内科的 common disease や感染症診療の知識まで持
っていなければ務まらない. 実際のところそんなすばらしい総合内科医がいる病院は稀であるため,
日本の集中治療医はもっと総合内科的知識を持たねばならない. 総合内科専門医でなければならな
いという意味ではなく, そういうトレーニングができるプログラムが必要. (時間的余裕がある状
況にも関わらず) 鑑別診断を上げることもなく対症療法に走る麻酔科系集中治療医のなんと多いこ
とか。
麻酔系集中治療医と救急医系集中治療医の違い、それぞれのジレンマなどを取り上げてほしいです。
特に地方の拠点病院では多く感じる所があります。
選択肢に偏りがあると思われても仕方がないので、全診療科統一した方がよかったと思います。
選択肢に作為的なものを感じます。何科だからいいとか悪いではなくて総合的に患者を診療する体
制が整えればいいと思いますが。
集中治療医の存在意義があるかないかではなく、ただの資格としてとらえればいいのではないでし
ょうか。
(集中)治療のエンドポイント観。
コスト、社会資源としての集中治療。
アンケートの選択枝に恣意的なものを感じます。
選択枝の回答数を1つもしくは3つまでに制限されているので,アンケート集計を行う側にはやり
やすさがあるのかもしれませんが,回答する側からみれば,考えを全て伝えきれていないという感
じが拭えません。
毎回楽しみにしてます。
集中治療は様々な専門医(医師だけではありませんが)がお互いに協力しあい、弱点を補い合うこと
が大切だと思います。
日本の集中治療は外科系に偏りがちですので、内科系の集中治療医がふえてくることを望みます。
内科系も、循環器科以外の、呼吸器内科や腎臓内科、感染症科などの視点が増えるといいですね。
アンケートに集中治療医の優位性を導くような意図を感じるのは私だけでしょうか?
特に外科系の専門医の弱点の部分で、自身の意見を押し通す・・・、手術さえうまくいけば・・・
はやりすぎではないかと感じます。集中治療医だけの自己満足のアンケートなら良いのでしょうが、
不快に感じる人は多いと思います。以前にも脳外科医を対象に同じようなことがあり、謝罪する場
面があったと思います。
アンケートとしては意図的な質問が多く、さらに各設問で選択を 3 つに絞らせる意図も不明で、こ
れで何かを判断するのは不適切だと感じた。
来る震災等の大規模災害において集中治療患者の搬送所要が発生します。また移植医療や高度治療、
小児高度手術において地域偏在が依然として存在し、また ECMO の様に治療の集約化が検討されて
います。勿論日常診療の中で画像診断(CT 撮影)のように院内で人工呼吸器などの生命維持装置を
つけての搬送は経験するところです。院外、陸路、空路を問わず、最も搬送に不適な集中治療患者
の搬送について、どの様に実践し、未来や理想を考えているでしょうか?難しいアンケートかつマ
イナーな案件で解答率も低いことが予想されますが、いつかは直面する重要な課題であり、アンケ
ートを通して意識付けは必要かと思います。
以上
8