こちら - マリアニスト家族

世界マリアニスト祈りの日
2008年10月12日
2008年世界マリアニスト祈りの日にあたり、ブラジルのマリアニスト家族は皆さんに
ブラジルの守護者であるアパレシーダの聖母 ”Our Lady of Aparecida” 及びその巡礼地を
紹介できることを嬉しく思います。
1.
歴史
国家的巡礼地アパレシーダとしても知ら
れているアパレシーダの聖母バジリカはサ
ンパウロ州、サンパウロ市から170キロ
離れた、リオデジャネイロへの途上にある
アパレシーダの町にあります。
アパレシーダの無原罪の聖母の歴史は、こ
の地方の知事がガラチンゲータ
(Guaratinguetá) を通過するという知らせ
が入った1717年にさかのぼります。
知事の食事を準備するため、ドミンゴス マルチンス(Domingos Martíns), ホアン アル
ベス(João Alves), フェリペ
の漁を依頼されました。
が出来ませんでした。
ペドローソ (Felipe Pedroso) の三人が近くのパライバ川で
何時間もの苦労にもかかわらず、彼らは一匹の魚さえ取ること
彼らは祈りを捧げて、もう一度やってみたのですが、相変わらず
ホアンの網には一匹の魚もかからず、代わりに引き上げたのは小さな聖母像だったのです。
そしてこれに続いて、三人のつつましい漁師の網は魚で満ち溢れてしまったのです。
小さな聖母像はそれから15年間フェリペ
ペドローゾの家に保管され、近所の人々が祈
りにやってきました。 この信心が広まり、数多くの恵みが与えられたのです。
水の中から現われたことから“Aparecida” アパレシーダの名で知られるようになった聖母
の不思議な力の評判は近隣の地方にまで響き渡るようになりました。
フェリペの家族は
祈祷所を建てたのですが、これは直ぐに狭すぎるようになり、1734年にはガラチンゲ
ータの主任司祭の呼びかけで、ロス コケロス (Los Coqueros) の丘に聖堂が建設され、こ
れがアパレシーダの町の誕生となるのです。
巡礼者、信心を行う人の数は増え続け、1
834年には、今では“古いバジリカ”と呼ばれている大きな教会が建設されました。
アパレシーダの聖母への信心と多様な巡礼団は増加の一途を辿りつづけました。 そして、
1929年、アパレシーダの聖母は教皇ピオ十一世によりブラジルの元后、守護者と宣言
1
されたのです。
“新バジリカ”と呼ばれる現在のバジリカの建設は1955年に始まり、1980年の教
皇ヨハネ・パウロ二世の最初のブラジル訪問の際に献堂式が挙行されました。
バジリカはギリシャ式十字架の形に設計され、外陣の高さは40メートル、直径78メー
トルの丸天井の高さは70メートル、100メートルの鐘楼を具え、4万5千人を収容で
きます。
2.
聖母像
1717年10月後半にパライバ川の中から発見された聖母像は
テラコッタ製で、身長は40センチメートルしかありません。
当時の習慣に従って彩色された彫像だったと思われますが、長期間、
川の水と泥の中に沈んでいたため、彩色は失われています。
像が現在示す赤褐色、濃い茶色は巡礼者たちの捧げるろうそく、ラ
ンプの煙の結果です。
そしてこの殆ど黒ずんだような濃い色は、多種多様な種族と文化
を持つこの国で、アパレシーダの聖母を愛着のある、親しみやすいものにしています。
1904年以降、聖母像は冠と典型的な青いマントをつけていて、この姿でブラジル中に
知れ渡っています。
アパレシーダの聖母像はブラジルの各家庭や人々の心の中で今や国家的シンボルとなって
います。
3.
奇蹟
不思議な漁
ガラチンゲータ市参事会は、漁には向いていない季節であったにも拘らず、パライバ川の
魚を知事に味わってもらおうとしました。
漁師たちには何とかして、知事にはどうして
もこの川の魚を食べてもらいたかったのです。
ホアン、ドミンゴス、フェリペの三人の
貧しい漁師は一晩中網を打って、結局何の収穫も上げることができませんでした。
とこ
ろが突然、ホアンは網が重くなったのに気づきました。 魚がかかったのかな? いいえ、
それは一体の像、しかも頭のない像だったのです。
した。
彼らは像を脇に置いて、漁を続けま
突然またもやホアンの網の中に、黒ずんだ像の頭部が現われたのです。
ホアン
が注意深くこれら二つの部分をくっつけてみると、まさにぴったり、一つの像になりまし
た。 なんと不思議なことでしょう! 彼らは十字を切り、像を丁寧に布でくるんだ上で、
また漁を続けたのでした。
すると今度は彼らの網が破れそうになるくらい、そして船が
沈みかかるほどの大量の魚でいっぱいになったのでした。
2
ろうそくの奇蹟
フェリペ
ペドローソは像を我が家に持ち帰り、安置するための小さな木製の祭壇をつく
りました。
土曜日には、御像の前でロザリオを唱えるため近隣の人たちが集まってくる
ようになりました。
ある日、風もなく、説明できるような理由も見当たらないのに、祭
壇のろうそくが一斉に消えてしまいました。
そこで一人の女性が立ち上がって、ろうそ
くに火をともそうとしたところ、未だなにも手を加えていないのに一斉にろうそくに火が
ついたのです。
説明のつかないこの出来事があって以来、御像はフェリペ家のものではなくなって、皆の
もの、アパレシーダの聖母への信心を抱く私たち皆のものとなりました。
4.
巡礼
無数の巡礼者がアパレシーダに押し寄せてきます。
その数は年間八百万にのぼり、特に
アパレシーダの聖母の祝日である10月12日には巡礼者数は23万人を越えるほどです。
アパレシーダに来る巡礼者たちはそれぞれの苦しみ、希望、願い、約束を抱えてやって来
ます。 それは病気回復の希望、仕事を見つける希望、より良い生活や平和への望みです。
ロザリオをつま繰るその手でろうそくや、写真や、花、旅路の帽子やサンダルを捧げるの
です。
彼らはひざまずくか、或いは完全に自らを捧げきったことを示して腹ばいになっ
て進みます。
足はくたびれて、傷ついています。
こにあります。
でも全てを与え、奉献された心はそ
魂は聖なるものの感覚と現存に捕らえられています。
これこそ誠実な
精神と信仰、謙遜な人の持つ力でなされるアパレシーダの聖母巡礼です。
巡礼者たちはバス、車、バイク、徒歩、或いは自転車または馬でアパレシーダにやってき
ます。 富める者や貧しい者、教養のある人や文盲の人など全てを網羅する巡礼者たちは、
ブラジルの豊かな文化的、社会的多様性を表わしています。
アパレシーダの聖母 “Mãe
Aparecida” を訪ねるという自分たちの生涯の夢を実現するために、いつもとは違う条件に
身を投じ、何日もかけて旅するこれらの人々を目にするのはまさに心を揺さぶる光景です。
巡礼団の中でも最も驚くべきものの一つは、ありとあらゆるバイクに乗ってやって来る
10万を超えるバイク乗りの人たちの巡礼団です。
5.
祈りの日のためにブラジルのマリアニスト家族が提案する祈りの意向
ブラジルのマリアニスト家族のメンバーである私たちは、第五回ラテンアメリカ・カリブ
地区司教会議のために作成されたアパレシーダ文書を基に、以下の祈りの日のための意向
を提案いたします:
* キリストの最初の宣教師である弟子たちの喜びと確信をもって、私たちのキリスト教徒
としての身分を行きぬくこと。
* マリアの模範に従い、よりマリア的な教会を生み出すことのできる信仰の共同体を作り
上げること。
3
* 教会の中で中心的役割を演じるものとして女性の役割と参与を推進すること。
* 貧しい人々、疎外された人々に主眼をおく私たちの方針と努力を更新すること。
* 若者たちの養成と宣教活動に同伴すること。
* 原住民の人々、アフリカ系の人々をより高く評価し、尊敬の念を深めること。
* 私たちの母なる大地への配慮を怠らず、神の計画に従ってエコシステムを遵守すること。
6.
アパレシーダ、ラテンアメリカ、そして世界
2007年5月、第五回ラテンアメリカ・カリブ地方司教会議は、教皇ベネディクト十六
世聖下のご臨席をえて、アパレシーダで開催されました。
この会議はそれまでのリオ
(1955年)、メデリン(1968年)、プエブラ(1978年)、サントドミンゴ(1992年)
に続いて開かれたものです。
アパレシーダ文書は、全ての人々がキリストの中に生命を得るために、イエスキリストの
弟子、宣教者としての私たちが辿るべき道を提案しています。
文書はまたこの大陸のた
めのミッションを提案し、ラテンアメリカにおける教会のための特性を確認しています:
それは貧しい人々に主眼点をおくこと、キリスト教基礎共同体、神の国に向かう道として
の解放、“見て、判断し、行動する”方法、社会的・構造的変革への参加、自由の殉教者た
ちの追憶、命の泉としての聖書です。
7.
祈り
ブラジルのマリアニスト家族は、全世界のマリアニスト家族全員に向かって、アパレシー
ダの最終的メッセージを自らのものとして信仰と希望を表明するよう呼びかけます。
4
祈
りの中に一つとなった私たちは、神の母で私たちの母、生命と愛と平和の奉仕のための第
一の弟子であり宣教者であるマリアに、私たちの家族、共同体、町と村を委ねます。
世界五大陸の教会の一員である私たちマリアニスト家族は、以下に列挙することを希望い
たします:
* 神の言葉と聖体に養われた、生きた、忠実な、信頼できる教会であること
* キリストの最初の宣教師である弟子たちの確信と喜びをもってキリスト教徒の身分を
生き抜くこと
* 信仰を育み、宣教的行動を鼓吹する生きた共同体を形成すること
* 交わりの精神の中で多様な教会組織を評価すること
* 神の国を告げ知らせ、それを見えるものとする使命を持つ成熟し、かつ、共同責任を担
う信徒の成長を促すこと
* 社会と教会における女性の行動的参与を推進すること。
* 努力を繰り返しつつ、福音に従って、貧しい人々に主眼を置く私たちの方針を堅持する
こと
* 若者たちに奉仕するという私たちの方針を新たにしながら、彼らの養成において、また、
彼らのアインデンティティー、召命、ミッションの探求において、彼らに同伴すること
* 神の国の建設・到来のために善意を持つ全ての人々と共に働くこと
* 家族と生命のための司牧活動を勇敢に強化すること
* 原住民の人々、アフリカ系の人々への評価、尊敬を高めること
* 「全ての人が一つになるため」のエキュメニカルな対話や、宗教間対話に向け前進する
こと
* 南米大陸を和解、正義、平和のモデルとすること
* 神の計画に則り、皆のもの(共通の家)である創造の環境保護に配慮すること
* ラテンアメリカとカリブの人々の統合に貢献すること
この希望の大陸が愛と生命と平和の大陸となりますように!
註:
ブラジルでのマリアニストの生活に関する写真、音楽、紹介に興味のある方は
http://www.flickr.com/photos/jornadadeoracaomarianista2008
にアクセスしてください。
アパレシーダの official site は
http://www.santuarionacional.com です。
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