外部講師派遣実施報告レポート 実施機関 鳥取県中部地区幼稚園協会 実施日時 平成 23 年 8 月 27 日(土) 午前 9 時 30 分~11 時 30 分 実施会場 鳥取短期大学附属幼稚園ホール 参加人数 鳥取県中部地区幼稚園協会会員 24 名 講 義 「幼児の動きとあそび」 講 師 (財)鳥取県体育協会 会長 油野 利博 先生 ○運動感覚は様々な生活体験の中から培われていく ・「子どもの頃の体験と大人になってからの資質や能力関係」(独立行政法人国立青少年 教育振興機構 2009)によると子どもの頃の自然体験が豊かな人ほど意欲や関心か高 く、友だちとの関わりをたくさん持った人ほど社会的な規範意識が高い傾向にあると いう結果となる。つまり、子ども時代の豊かな遊び体験がやる気や生き甲斐ある大人 を育てることにつながっていく。 ・運動有能感とは、運動の達成や成功体験を積むことで「やればできる」という有能感 を形成することで、肯定的な自己概念を形成し、積極性・運動好き・自信などの積極 的行動傾向につながっていく。 ○幼児児童の体力・運動能力の実態から ・1985 年と 2007 年の幼児の運動動作の違いを明らかにした研究によると、2007 年の 5 歳児のボール投げの評価は、20 年前の 3 歳児とほぼ同じであったという報告がなされ ており、小学生においても 20 年前の 5 歳児とほぼ同じで極めて劣っているとされ、そ の他の運動動作を加えた総合評価でも、20 年前のレベルの約 60%にとどまっており、 鳥取県の児童生徒においても同様の傾向を示している。 ・地域共同体によるあそびの伝承・遊び文化の創造という環境の崩壊は、子どもが仲間 と身も心も総動員して遊び、運動・自主性・社会性を覚え「自己教育力」を身につけ る機会を奪うことになった。 ○幼児期が動作・スキル獲得のゴールデンエイジ 幼児期は生涯にわたって必要な多くの運動(日常・表現・労働・スポーツ)の基礎・基 本となる運動を幅広く習得する大切な時期である。 ・走動作の発達 2 歳児の走能力は極めて低いレベルから始まり、6 歳頃になれば「ほぼ成人型に近い疾 走動作」を獲得する。幼児期は基本的な走運動形態を獲得する時期で、顕著な走動作 の習熟に伴い走能力が急速に発達する特有な時期である。 ・跳動作の発達 子どもが走れるようになる頃には跳ぶ動作が出現する。立ち幅跳びや垂直跳びの動作 は、その後の学習によって獲得する習得運動であり 2 歳児以降に基本的な跳動作の習 熟過程がある。 ・投動作の発達 二足性と肩関節の可動性などの人類特有の動作が、投動作を可能にしている。投動作 には男女差が大きく男児が優位であり、指導や意識して遊びの中に取り入れることで 投動作を習得していく。 ○演習「遊びながら習得する」 ・メンコ 投動作の習得・広告紙による簡単なメンコの作り方とその遊び方 ・クラッカー 投動作の習得・広告紙によるクラッカーの作り方とよい音を鳴らすコツ ・紙飛行機 投動作の習得・紙飛行機の作り方と飛ばし方 ・ランニング凧 走動作・凧の作り方 ○スポーツ指導の3要素 ・自らへの身体への気づきを促す ・仲間との交流 ・身体の調整力の獲得
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