サプリメントの基礎知識 - NPO法人健康情報処理センターあいち

2013/11/2
サプリメントの基礎知識
一般社団法人 愛知県薬剤師会
会 長
村松 章伊
1
相談内容







医薬品とどう違うの?
信頼できるところが販売してるの?
本当に効くの?
安全?大丈夫?
医薬品と一緒に飲んで良い?
何を飲めばいい?
信頼できる情報源は?
苦情の内容は少ない
2
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健康食品の利用状況 1




20歳以上の男女5,316名を対象
51.8%が現在利用している
過去の利用を含めると76.5 %
素材・成分の認知度
コラーゲン83.2 % 、食物繊維81.6 % 、
ポリフェノール76.1 % 、アミノ酸87.8 % 、
DHA73.5 % 、グルコサミン71.6 %
(平成23年10月 経済産業省中部経済産業局)
3
WEB調査結果





健康食品の利用状況 2
約6割が健康食品を現在利用している
50代以上の約3割がほぼ毎日利用している
1ヵ月の支出は、約7割が3,000円未満
約6割が店舗購入
他の年代より50代以上では通信販売が多い
約4割が医療機関の受診をせずに不健康な
状態*を健康食品で改善しようとした
*ダイエット、コレステロールの低下、カルシウムの補給など
(平成24年5月 消費者委員会)
4
サプリメントの基礎知識
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利用増加の理由
①健康志向の高まり
健康増進・疾病予防に対する意識の高まり
メタボ、アンチエイジングなど新規分野の拡大
②経済的な動機づけ
健康保険制度の変更(自己負担の増加)
価格の適正化
③適正使用のためのエビデンスの構築
品質管理
安全性、有効性を示す比較試験の増加
5
健康食品(サプリメント)を摂ってい
ることを医師に伝えていないことが
多い。
食品だから・・・
 治療に不満があると思われる・・
 体調の悪さはサプリメントが原因とは
思っていない・・だって食品でしょ・・
 聞かれないから

6
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苦情はどこに

消費者庁事故情報データバンクシステム
http://www.jikojoho.go.jp/ai_national/

消費者庁と(独)国民生活センターが連携し、食
料品、家電製品、保健・福祉サービス等様々な
分野の事故情報について、トピックスや注目情
報などが閲覧できる。なお、「健康食品」で検索
すると、2,142件がヒット(平成25年9月20日現在)。
事故内容の詳細や傷病の程度、性別、年代など
が公表されている。
7
健康食品・サプリメントってなに

「健康食品」とは
健康食品と呼ばれるものについては、法律上の定
義は無く、広く健康の保持増進に資する食品として
販売・利用されるもの全般を指しているものです。

「サプリメント」とは
英語の「ダイエタリー・サプリメント」に由来し、「栄養
補助食品」と訳されたり、行政用語では「いわゆる健
康食品」と総称されている。
8
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医薬品・健康食品・サプリメントの区別
食
品
健康食品
医薬品
(医薬部外品を含む)
特
別
用
途
食
品
保健機能食品
特定保健用食品
(いわゆる健康
食品・サプリメント
を含む)
一般食品
栄養機能食品
トクホ
9
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医薬品とどう違うの?
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食品の3つの働き(機能)
1次機能(栄養)・・生命維持
2次機能(味覚)・・食事を楽しむ
3次機能(体調調節)・・体調の調節や疾病予防
生命を維持する
栄養面での働き
生体機能を調節する
生理的な働き
味や香り
嗜好面での働き
16
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健康食品は病気や体の不調を治す
ことを期待して利用するものではな
い。
健康食品はあくまでも食品。
食品として、栄養成分の補給・補充
の働きはあっても、医薬品のように
病気の治療や予防を目的とするもの
ではない。
18
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ヒトにおける安全性や有効性が
示されていない
有効性の確認試験が義務づけられてい
ない
 試験管の中の実験や動物実験の結果≠
ヒトに対する効果の評価


特定保健用食品は「ヒトでの試験」が許
可条件
⇒安全性・有効性が確認されている
19
「天然だから」「食品だから」安全?

天然のもの、自然のものであっても毒素
を含むものもある

特定の成分の過剰摂取は、必ずしも安
全とはいえない

食経験のないものは安全か
20
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含有量が表示されていない
ものがある






原材料が表示されていても含有成分は不明
成分名は表示させているが含有量が不明
効果の無いような微量しか含まれていないか
も
産地や収穫時期によって、品質が変わる
素材情報が製品情報ではない
含有量が明確でない⇒安全性や有効性も明
確でない
21
表示されていない成分が
含まれているものがある

含まれている成分すべてが記載されていない

医薬品の成分が含まれている可能性もある
⇒効果がある、健康被害がある
食品に医薬品成分を含むことは違法
海外では健康食品として許可されているもの
でも日本では医薬品成分の場合がある
個人輸入品に多くみられる



22
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健康食品・サプリメントに添加された
医薬品成分
・シブトラミン(食欲抑制薬)
・N-ニトロフェンフルラミン(食欲抑制薬)
・シルデナフィル(勃起不全治療薬)
・タダラフィル (勃起不全治療薬)
・デキサメタゾン(副腎皮質ホルモン)
・ヒドロクロロチアジド(利尿薬)
・甲状腺ホルモン
・グリベンクラミド(血糖降下薬)
23
24
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信頼できるものは・・
エビデンスがある
 臨床試験と同量が十分に含まれている

作用機序から考えて服用タイミングが
合っている
 価格が適正
 副作用が少ない
 成分表示、成分量が示されている

25
過去に健康食品が問題になった事例
食品名
健康被害
高麗人参エキス
のぼせ、めまい、喉・食道・胃の不快感、胃痛
クロレラ
光線過敏症、吐き気、顔の赤らみ、発汗、嘔吐
ギムネマ
ローヤルゼリー
むくみ、吐き気、下痢
胃の不快感、湿疹、腹痛、倦怠感、胃痛、嘔吐
グルコマンナン
全身の湿疹
イチョウ葉エキス
咳が止まらない、湿疹、痒み、吐き気
キトサン
アナフィラキシー症状、急性好酸球性肺炎
ガルシニア
過剰摂取による精巣への悪影響
L-トリプトファン
好酸球増多-筋痛症候群
ゲルマニウム
肝機能障害
アマメシバ
閉塞性細気管支炎
26
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カナダ保健省がカフェインとシネフリンを含む製品
に注意喚起(110131)
(国立健康・栄養研究所「被害関連情報」より)

シネフリン
陳皮 (チンピ)、枳実(キジツ)、呉茱萸(ゴシュユ)
など、ミカン科植物を基原とする生薬に含まれる
アルカロイドで、血管収縮作用、血圧上昇作用、
気管支筋弛緩作用が認められている。エフェドリ
ンと化学構造が類似しているため、エフェドリン
同様、カフェインならびにその他の興奮剤と同時
に摂取すると、めまい、ふるえ、頭痛、不整脈、
心臓発作、精神病、脳卒中など、有害事象が誘
発される可能性がある。
27
何であれば安心、信頼
できる?
28
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医薬品・健康食品・サプリメントの
区別
食
品
保健機能食品
医薬品
(医薬部外品を含む)
特
別
用
途
食
品
トクホ
特定保健用食品
一般食品
(個別許可型)
・条件付特定保健用食品
・規格基準型
〃
・疾病リスク低減表示〃
栄養機能食品
(規格基準型)
(いわゆる健康
食品・サプリメント
を含む)
29
特定保健用食品

からだの生理機能などに影響を与える
保健機能成分(関与成分)を含み、血圧
などを正常に保つことを助けたり、おな
かの調子を整えるのに役立つなどの特
定の保健の用途のために利用され、ヒト
での有効性、安全性、品質などの科学
的根拠を示して、国の厳しい審査・評価
のもとに、国の許可を受けた食品
30
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特定保健用食品の表示例
・血圧が高めの方に適する
・コレステロールが高めの方に適する
・お腹の調子を整える
・食後の血中の中性脂肪を抑える
・血糖値が気になる方に適する
・虫歯の原因になりにくい
・体脂肪がつきにくい
・歯の健康維持に役立つ
・ミネラルの吸収を助ける
・骨の健康が気になる方に適する
31
32
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特定保健用食品
疾病リスク低減表示
○疾病リスク低減表示を認めるもの
関与成分
カルシウム
1日摂取目安量:
300~700mg
特定の保健の用途に係る表示
この食品はカルシウムを豊富に含みます。
日頃の運動と適切な量のカルシウムを含む
健康的な食事は、若い女性が健全な骨の
健康を維持し、歳をとってからの骨粗鬆症
になるリスクを低減するかもしれません。
この食品は葉酸を豊富に含みます。適切な
量の葉酸を含む健康的な食事は、女性に
とって、二分脊椎などの神経管閉鎖障害を
(プテロイルモノグルタミン酸)
持つ子どもが生まれるリスクを低減するか
1日摂取目安量:
もしれません。
400~1000μg
葉酸
33
特定保健用食品の許可等の要件
1.食生活の改善が図られ健康の維持
増進が期待できるもの
2.保健の用途の根拠が医学的・栄養
学的に明らかにされているもの
3.適切な摂取量が医学・栄養学的に
設定できるもの
4.安全なもの
34
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特定保健用食品の許可等の要件
5.次の事項が明らかにされていること。た
だし、合理的理由がある場合は、この
限りでない
ア 物理的、化学的及び生物学的正常
並びにその試験方法
イ 定量及び定性試験方法
6.栄養成分の組成を著しく損なわない
7.日常的に食べられている食品
8.「医薬品の範囲に関する基準」に該当
するものでない
35
ヒト有効試験の被験者例
コレステロール 原則、TC値(200~240mg/dL)、LDL値(120~
160mg/dL)の被験者
中性脂肪関係 原則、正常高値域からやや高め(120~
200mg/dL)の被験者
血圧関係
原則、正常高値血圧者並びに低リスク及び中
等リスク軽症高血圧患者
血糖関係
原則、空腹時血糖値(糖尿病学会基準による)
が境界型又は糖負荷試験により境界型にあ
る被験者
体脂肪関係
原則、年代別・男女別、日本肥満学会の肥満
1度(BMI25≦~<30)又は正常であっても比
較的高値な者
36
サプリメントの基礎知識
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ヒト安全性試験
①試験の目的と計画
・日本人の食経験が十分なもので、食経験のない
素材については十分な安全性のデータが必要
・過剰投与試験については、原則として通常食の
3倍量、錠剤・カプセルについては原則5倍量
・長期摂取期間については、 12週間以上の試験
②安全性の確認
・必ず統計学的処理による有意差検定による
・医師による被験者の有害事象の有無、生化学的
指標の異常変動等の確認
37
栄養機能食品

高齢化や食生活の乱れなどにより、通
常の食生活で、1日に必要な栄養成分を
摂れない場合に、栄養素(ビタミン・ミネ
ラル)の補給のために利用される食品で、
定められた規格基準に適合していれば、
国への許可申請や届出なしに、企業の
責任において国が指定した栄養成分の
機能を表示できる食品
38
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栄養機能食品
表示の対象となっている栄養成分(17種)
ビタミン:ナイアシン、パントテン酸、ビオチン
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2
ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC
ビタミンD、ビタミンE、葉酸
ミネラル:カルシウム、亜鉛、銅、鉄、
マグネシウム
39
特別用途食品

特別用途食品とは、たんぱく質の制限を必要
とする腎臓疾患の方のためにたんぱく質を低
減させたり、特定の食品アレルギーの方のた
めにアレルゲンを使用しない、または除去し
た食品および乳児用、妊産婦用、えん下困難
者用など特別の用途に適するという表示を国
が許可した食品をいいます。現在45件の食品
が許可されています。
(平成25年9月19日現在)
40
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特別用途食品 の分類と表示
41
保健機能食品以外で勧め
られる健康食品はあるの
か?
42
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求めている改善症状とサプリメント成分例
訴求(求める有効性)
サプリメント成分
訴求(求める有効性)
抗うつ
セントジョーンズワート
眼精疲労・加齢性黄
斑変性症
ブルーベリー、ルテイン
抗不安
バレリアン
認知症
イチョウ葉
膀胱炎・尿路感染症
クランベリー
変性性関節炎
脂質異常症
紅麹
滋養強壮
抗がん・免疫作用
高麗人参、冬虫夏草
前立腺肥大症
ノコギリヤシ
サプリメント成分
グルコサミン、コンドロイチン
霊芝、アガリスク、メシマコブ
血糖コントロール
ギムネマ、桑葉
ホルモン様作用
イソフラボン
43
例えば・・・


妊娠を希望している ⇒葉酸
加齢黄斑変性 ⇒ビタミンC、ビタミンE、β カロチン、
ルテイン 、亜鉛




サプリメントとして摂取した場合に食事から多く摂取した
場合と同等の効果があるかどうかは不明である。
骨粗鬆症 ⇒カルシウム、ビタミンD
味覚異常 ⇒亜鉛
軽いうつ状態 ⇒セントジョーンズワート

医薬品との相互作用に注意
44
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いわゆる健康食品の規格基準は?
(財)日本健康・栄養食品協会
協会は健康補助食品(現在63種類)の独自の
規格基準を設け、これ基づいて安全・衛生面
はもちろん、表示内容についても厳しい審査
を行ない、品目別規格基準に適合した製品に
対して認定マークを表示、許可している。
プロポリス、クロレラ、
イチョウ葉エキス、イソフラボンなど
45
特定保健用食品と医薬品との
相互作用
健康食品の
素材
医薬品
相互作用
「血圧が高めの
方の特定保健用
食品」
ラクトトリペプチ
ド(アミールS)
かつお節オリゴ
ペプチド
サーデンペプチ
ド、イソロイシル
チロシン
・高血圧治療薬
(ACE阻害薬)
同様な作用を持つため、
併用により降圧作用が
増強される恐れがある。
・カリウム保持性
利尿薬
・カリウム製剤
併用によりカリウム貯
留作用が増強され血
清カリウム値が上昇す
るおそれがある。
(愛知県薬剤師会 http://www.apha.jp/medicine_room/entry-3755.html#h9461より)
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血管拡張および収縮

特保「血圧が高めの
方の食品」カゼインド
デカペプチド、かつお
節オリゴペプチドなど
のペプチド
→ACEの働きを阻害す
ることにより、アンジオ
テンシンⅡの生成を阻
害して血圧の上昇を
抑制する
アンジオテンシノゲン
↓←レニン
アンジオテンシンⅠ
↓ ←アンジオテンシ
ン変換酵素(ACE)
アンジオテンシンⅡ
↓
血管壁の収縮
↓
血圧上昇
47
血糖値低下

特保「血糖値が気になりはじめた方の食
品」グアバ葉ポリフェノール、難消化性デ
キストリン、ポリフェノール
腸内で糖質を分解する消化酵素α-アミ
ラーゼの活性を阻害し、糖の吸収を低下
させる→α-グルコース阻害剤

水溶性食物繊維
48
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アレルギー物質表示

<特定原材料5品目 (表示が義務化) >
卵、乳、小麦
症例数の多いもの
そば、落花生
症状が重篤であり、生命に関わるため特に留意が必要
なもの
<特定原材料に準ずるもの20品目
(可能な限り表示することが推奨 )>
あわび、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフ
ルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、
まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、バナナ
49
健康食品の利用
販売者側の話や広告に頼らず、食生活・生活習慣を見直して、何が不足し
ており、何が必要とされているかを考えて、以下の事に気を付けて利用
して下さい。
1.健康食品とは、食事で不足している栄養素を補い、健康の保持・増進を
図るものである
⇒食生活をチェックし、過不足になっている食品・成分を調べる
⇒何の目的で利用するのか
2.健康状態をチェックする
3.製品の表示をみて、成分、成分量、摂取量を確認し、安心して使えるもの
を選ぶ
4.摂取目安や使用法を守る
⇒多く摂れば効果が高く出るというわけではない
5.効果がなかったり体調が悪化した場合は、すぐに中止する
⇒購入するときは少量から
6.医薬品と併用する場合は、医師又は薬剤師に相談する
⇒健康食品は病気を治すものではない
⇒病状を悪化させたり、医薬品の作用に影響を与えるものもある
50
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健康食品の利用 1~3
1.健康食品とは、食事で不足している栄養素
を補い、健康の保持・増進を図るものである
⇒食生活をチェックし、過不足になっている
食品・成分を調べる
⇒何の目的で利用するのか
2.健康状態をチェックする
3.製品の表示をみて、成分、成分量、摂取量
を確認し、安心して使えるものを選ぶ
51
健康食品の利用 4~6
4.摂取目安や使用法を守る
⇒多く摂れば効果が高く出るというわけではない
5.効果がなかったり体調が悪化した場合は、すぐに
中止する
⇒購入するときは少量から
6.医薬品と併用する場合は、医師又は薬剤師に相談
する
⇒健康食品は病気を治すものではない
⇒病状を悪化させたり、医薬品の作用に影響を与
えるものもある
52
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気をつけたい相互作用
セントジョーンズワート ⇒CYP3A4、1A2の誘導
 イチョウ葉エキス ⇒CYP2C9を誘導、CYP3A4を

阻害
グレープフルーツジュース⇒ CYP3A4を阻害
 キチン・キトサン、食物繊維 ⇒吸着作用
 抗がん剤 ⇒CYP3A4が関与
 血糖降下剤 ⇒作用増強
 ワーファリン ⇒ビタミンK、クロレラ、作用増強

53
体重減少を目的として使用したキトサン含有健康
食品によりてんかん発作が再発した症例報告
(101112)

てんかん治療のためにバルプロ酸ナトリウム
とクロバザムを服用していた18歳女性(日本)
が、体重減少を目的に、キトサン含有健康食
品(含有量不明)を2ヶ月間摂取したところ(摂
取量不明)、血中バルプロ酸濃度が低下し、
全身けいれんが再発した。
(国立健康・栄養研究所「被害関連情報」より)
54
サプリメントの基礎知識
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
キトサンは、カニやエビなどの甲殻類から抽出さ
れるキチン(不溶性食物繊維)を加工して酸性水
溶液に溶けやすくしたもので、重金属や種々の
化学物質を吸着する作用がある。このため、バ
ルプロ酸ナトリウムの吸収が阻害され、その血
中濃度が低下したと想定される。

なお、バルプロ酸ナトリウムは副作用として食欲
亢進および体重増加が報告されており、バルプ
ロ酸ナトリウム服用患者が、体重減少を目的とし
た健康食品を自己判断で併用する可能性が想
定されるため、注意が必要である。
(国立健康・栄養研究所「被害関連情報」より)
55
血液凝固抑制及び促進

納豆、緑黄色野菜、
クロレラ、青汁、ビタ
ミンA、E、C、特保
「骨の健康が気にな
る人」ビタミンK2高産
生納豆菌
→ビタミンKが肝臓で
ワーファリンと拮抗
⇒ワーファリン効果
減弱
56
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手術前に中止すべきハーブ類
ハーブ名
中止期間
エキナケア
データなし*
麻黄(エフェドラ)
少なくとも術前24時間前から中止
(医薬品成分)
ニンニク
少なくとも術前7日間の中止
イチョウ葉
少なくとも術前36時間前から中止
チョウセンニンジン
少なくとも術前7日間の中止
フィーバーフュー
少なくとも術前7日間の中止
セント・ジョーンズ・ワート 少なくとも術前5日間の中止
ショウガ
魚油
少なくとも術前7日間の中止
少なくとも術前3~4日間の中止
* 安全性確保から、可能であれば、術前2週間前から使用を中止することが望ましい。

57
グルコサミン・コンドロイチン ⇒ワーファリン
の抗凝固作用が増強
サイリウム⇒リチウム濃度の低下
 紅麹⇒HMG-CoA還元酵素阻害剤 (スタチン系薬

剤) と同様の作用をもつ

マンゴ⇒ビタミンAを含む
58
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病状によって注意する





高尿酸血症、痛風 ⇒プリン体を高濃度含む
ビール酵母、尿のpHを酸性にするクランベ
リージュース、プレーンエキスなど
腎不全 ⇒タンパク質を含むクロレラ、プロテ
イン、コラーゲン飲料
胆道閉塞症、胆石 ⇒ウコン(胆汁分泌促進作用)
C型慢性肝炎 ⇒鉄
アレルギー疾患 ⇒プロポリス、エキナセア、
コンドロイチン、ローヤルゼリー
59

グルコサミン摂取による血糖値、血圧、血中
コレステロール値の上昇などが懸念されてい
るので、糖尿病、高脂血症 (脂質異常症) 、高
血圧のリスクのある人は、より多くの情報が
得られるまで、注意して利用する必要がある。
また、甲殻類海洋生物由来の硫酸グルコサミ
ンは、甲殻類アレルギーの人においてアレル
ギー反応を誘発する懸念があるので注意す
る。
60
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お薦めサイト

国立健康・栄養研究所
http://hfnet.nih.go.jp/



消費者庁「健康や栄養に関する表示の制度につい
て 」のページ
http://www.caa.go.jp/foods/index4.html
健康食品ナビ (東京都)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/suppl
y/index.html
愛知県薬剤師会(医薬品との相互作用)
http://www.apha.jp/medical/infobox/entry-3620.html
61
今、大人気の商品の実
際はどう?
62
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虚偽誇大広告 じゃない??





体験談や医師などの専門家による推薦 は本
当?
「がんが治った」などの医薬品的な効果や効
能 は違法
過度の期待感を抱かす書き方には注意
効果はすべての人にあるのか
「○○省許可」??
国の許可は特定保健用食品だけ
63
国立健康・栄養研究所
http://hfnet.nih.go.jp/
64
サプリメントの基礎知識
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栄養研の「健康食品」素材情報データベース
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail573.html より

ヒアルロン酸は、加齢とともに減少することから関節
炎などに対する効果、美肌効果などが期待されてい
る。俗に「関節痛を和らげる」「美肌効果がある」とい
われているが、経口摂取によるヒトでの有効性につ
いては信頼できるデータは見当たらない。ただし、
外用で口腔粘膜の炎症の治療に、眼内注射で白内
障治療の補助剤として、関節内投与で骨関節炎の
治療に有効性が示唆されている。安全性について
は、経口摂取には信頼できる充分なデータがない。
外用および非経口で適切に使用する場合はおそら
く安全と思われる。関節内投与の副作用としてアレ
ルギー反応が起こることがある。
65
グルコサミン、コンドロイチンには
関節痛緩和の効果なし
股関節や膝の変形性関節症(骨関節炎:OA)の
痛みを緩和する目的で多くの人がグルコサミン
およびコンドロイチンのサプリメント(健康補助食
品)を利用しているが、このようなサプリメントに
治癒効果があるとのエビデンス(科学的証拠)は
認められないことが、大規模研究の新たな分析
によって示され、英国医師会誌「BMJ」オンライ
ン版2010年9月16日掲載された。
(医療ニュースCareNet.comより)
66
サプリメントの基礎知識
33
2013/11/2
栄養研の「健康食品」素材情報データベー
スより-グルコサミン-


ヒトでの有効性については、硫酸グルコサミ
ンの摂取が骨関節炎におそらく有効と思われ
ている。ただし、重篤で慢性的な骨関節炎の
痛みの緩和に対しては、その効果がないこと
が示唆されている。
塩酸グルコサミンの経口摂取による、膝の痛
み、変形性関節症、関節リウマチに対する有
効性が指摘されているが、これらの情報は不
十分であり、更なる検証が必要である
67
コラーゲンってなに?その効果は?
コラーゲンとは、タンパク質の一種で、からだを構成
する全タンパク質の約30%を占めています。体内コ
ラーゲンのうち40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存
在しています。
コラーゲンは「皮膚」「骨・軟骨」を構成する物質として、
なくてはならないタンパク質なので、「それを食べれ
ば、皮膚や関 節によいに違いない」と思うかもしれま
せんが、残念なことに、 現時点での科学的知
見では、コラーゲンを食べても「美肌」 「関節」に
期待する効果が出るかどうかは不明です。
(国立健康・栄養研究所より)
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サプリメントの基礎知識
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2013/11/2
?
×
健康食品(サプリメント)
をとるのなら・・
○
69
カプセルや錠剤といった形をしてい
るので、特定の成分を過剰にとりや
すくなっている。
たくさんとれば効果が期待できるも
のではない。
ビタミンなどの栄養成分でも、とりす
ぎるとからだに悪い影響がでる可能
性がある。
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サプリメントの基礎知識
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2013/11/2
◆受診した際には、利用しているサ
プリメントを主治医に話しましょう
◆治療中にサプリメントを利用する
際は、あらかじめ医薬品との相互
作用の可能性を確認しましょう
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◆自己責任です
健康食品の購入は、消費者の皆様の
「自己責任」 において行われます。
◆目的をはっきりと持ちましょう
健康食品とは、食事で不足している栄養素を
補い、健康の保持・増進を図るものであります。
まず、食生活を見直し、過不足になっている食
品・成分を調べましょう。
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サプリメントの基礎知識
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2013/11/2
健康食品がドーピングに関係?

医薬品や健康食品を摂取することで知らない
うちにドーピング防止規定違反を犯してしまう
ことがあります。
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何をどれだけ食べるか?
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サプリメントの基礎知識
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2013/11/2
ご清聴
ありがとうございました
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サプリメントの基礎知識
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