2015 年版 アラブ首長国連邦における問題点と要望 1/3 アラブ首長国連邦における問題点と要望 区分 1 外資参入規制 意見元 No 問題点 日機輸 (1) 外資マジョリティ規 ・外資規制があり、当国への事業投資に際し、出資マジョリティをとれない問題が ・規制撤廃が望む。 ・UAE 会社法 22 条 Ministerial Decision 制 ある。 1989 (No.71) ・フリーゾーン以外に現地法人を設立する場合、UAE 側企業が 51%以上(石 油・ガス等のエネルギー関連は 60%以上)参加していることが必要。また、駐在 員事務所を設置する場合でも、UAE 国民若しくは UAE 企業のスポンサーが必 要となる。現在外資 100%での現地法人の設立を可能にすべく、法整備中。 ・外資の会社設立に関する規制があり、外資の資本比率が 51%以上の場合会社 ・外資企業の参入障壁を撤廃して頂きた を設立できない。(フリーゾーンでは当規制対象外の為、フリーゾーンに会社設 い。 立することで対応中。) ・事務所開設許認可、ライセンス更新、駐在員のビザ取得にはアブダビ現地有力 ・中東湾岸他地域では同じようなスポンサー 者の身元保証が必要。 制度が過去からあるが、一部地域・国では 撤廃の動きあり。アブダビでも身元保証の スポンサー制度廃止を望む。 日商 日商 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 (対応) ・現地法人設立の場合、外国資本の出資比率は最大 49%に制限。ただし、フリーゾーンでは外国資本 100%の企業設立も可能。UAE の国民が 51%以 上出資することが設立の原則条件だが、以下の場合は例外。 −外国企業の支店または駐在員事務所の場合 (ただし、UAE 国民または 100%UAE 資本の法人による「サービス代理人」(Service Agent。一般的に「スポンサー」と呼ぶ)が必要。石油関連企業 はスポンサーなしでの事務所設置が可能な場合もある。) −専門的職種の個人事業体(医療サービス、法律コンサルタント等)(スポンサーは必要。) −フリーゾーンの場合 -- 100%UAE 資本による所有が法律により義務づけられている場合 -- 100%GCC 資本による所有が認められている事業分野の場合 -- 100%GCC 資本の会社が UAE 国民とパートナーシップを結ぶ場合 建機工 9 輸出入規制・関 日鉄連 税・通関規制 日商 (2) 外国企業によるサ ・アブダビで機械のサービスをするにあたり、現地資本との JV でなければサービ ・規制を撤廃して貰いたい。 ービス事業規制 スが出来ないと言う制限あり。当社中東出先はドバイにあるが、ドバイからのサ ービスも出来ない状況。 (1) 原産地証明の必要 ・2003 年 1 月 1 日より GCC(湾岸協力会議)諸国(UAE、バーレーン、クウェート、 ・制度の撤廃ないし手続きの簡素化。 オマーン、カタール、サウジアラビアの 6 カ国)の産業保護育成のため、政府の 発行する原産地証明が必要。 (対応) ・2003 年 1 月 1 日、GCC は関税同盟を正式に実施した。UAE は、GCC 関税同盟に基づく義務の一部として、第三国からの輸入に関して他の GCC 加 盟 5 ヶ国と同一の非特恵原産地規則を適用する。GCC 原産は、GCC 加盟国で全体が生産又は製造された物品及び国内付加価値が 40%以上となる 物品について与えられる。 (2) 複雑な事前登録制 ・2010 年より、保健省管轄の医療機器等の製品を事前に同省に登録する制度が ・明確かつ簡素な制度への見直し。 本格履行されたが、制度が極めて複雑で理解が困難な状況。登録期限が重ね ・国際的な枠組みによる簡素化に向けた取 度 て延長されているものの、抜本的な解決が必要。 り組み等との連携。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 10自由貿易地域・ 日機輸 経済特区での活 動規制 日機輸 No 問題点 問題点内容 (1) 自由貿易地域の不 ・FZ:UAE 国内(アブダビ)の企業から商品を購入し自社倉庫に保管後、Free 合理な制度運用 Zone ではない UAE 市内の顧客に販売しようとしたところ、関税の支払いが必 要と言われ、現在税関当局と折衝中。UAE 国内で製造された商品を UAE 国 内の客先に販売するのに何故関税がかかるのか、理解に苦慮している。 JAFZA では、かような商売の形態が過去存在していないという事で、問題の有 無、他社への影響、運用について税関当局と協議をしているという話しであるも のの、時間がかかりすぎ(問題提起から既に 2 ヶ月以上経過)で、全く埒があか ない。 ・FZ:海外から商品を輸入し、そして Import Duty Exemption を持っている UAE 国内の客先に販売する場合、仕入先である本社の委任状<(日本の)商 工会議所の認証(スタンプ)、そして日本の外務省若しくは在ドバイ日本領事館 の VISA 付>がないと、客先は免税を受けることができないという、面倒な手間 を必要としている。 アラブ首長国連邦における問題点と要望 2/3 要望 準拠法 ・UAE 国産品に関する Free Zone 内と Free Zone 以外の市内(on shore)との売 買(商売)の定義・運用を明確にすべきで ある。もし、税金がかかるようなことになれ ば、UAE 国産品の拡販に支障が出るので 善処をお願いしたい。 ・Free Zone は海外扱い(off-shore)なの で、本社の委任状なしで UAE の客先が免 税措置を受けられるように改善をお願いし たい。また、本社以外からの直接輸入が実 質できないことになるので、UAE の客先に 競争力のある第 3 国品を直接輸入でき ず、UAE の客先にとってもビジネス機会 喪失となってしまう。 12為替管理 JMAA (1) 急激な為替変動 ・円建てでの直貿で、海外販売店は為替差益を得ているが、値上げの交渉は困 ・為替の安定、変動幅が 6 ヶ月で数%以内。 難。 現地通貨建てでの海外子会社との親子間取引で、現在円安効果で特別価格に て販売が可能だが、利薄の取引が多く、将来取引が続いて円高に振れた時にた やすく損失が出てしまうほどの変動幅。 16雇用 日機輸 (1) 現地人雇用義務 ・給与等処遇水準の高い当国民の民間企業における雇用義務に起因する採算 ・義務撤廃、給与格差補填、高等教育拡充 ・Ministerial Decision 2005 (No.41, 42, 43) 面および運営面での問題がある。 等を望む。 ・従業員 50 名以上の事務所では、従業員の 2%以上(保険部門は 5%、銀行部 ・自国民雇用の必要性は理解する。一方 門は 4%)の現地人を採用する義務がある中で、条件に合う現地人の採用が困 で、多様な人材を供給できる体制を構築し 難となっている。 て戴きたい。 日商 17知的財産制度運 日機輸 用 (1) 模倣品処理費用の ・偽造品、模造品の撲滅に向けた取組みを行っているが、没収した偽造品の保 ・知的財産権の執行法令の強化。 ・ACTA-国際模造品撲滅貿 負担 易協定(2010.10) 管、輸送、破棄費用が負担となっている。 ・税関取締り強化。 ・偽造品輸入差止手続の導入、簡素化。 ・正規輸入者に対する没収偽造品の関連 費用負担の軽減。 22環境問題・廃棄 日機輸 物処理問題 (1) 省エネ規制の突然 ・省エネ規制改定の発表(4 月頃)から実施(9 月)までの時間が短く、商品の開発 ・2∼3 年のスケジュールで省エネ規制など の改定 が間に合わない。現在、省エネ規制に対応した製品を開発中だが、工場生産し 事前に発表してほしい。 輸出するまで時間がかかり、半年以上の間、製品が輸入販売出来ない。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 アラブ首長国連邦における問題点と要望 3/3 意見元 No 問題点 JEITA 日機輸 (2) 酸化型生分解性プ ・2014 年 1 月 1 日から施行されている、UAE Ministerial Decree no.118-2013 ・電気電子製品の包装材は、適用除外にし ・United Arab Emirates / Ministry of ラスチック包装材の では、酸化型生分解性プラスチック包装材の使用義務は、これまでのショッピン て頂きたい。 使用義務 グバックへの規制から 15 品目の包装材に対象が拡大され、明確ではないが電 (対象の明確化、施行の延期を求めて、欧 Environment & Water 気電子製品の包装材まで拡大されているようである。UAE で認可済みの添加 州の DE、韓国の KEA がレターを送付済 Office of the Minister 剤を用いて作成された包装材のサンプルを更に認可を受けて認証マークを表 み。また、GPCA, Gulf Petrochemicals Decree No.118-2013 示することが要求されている。製品の品質確保の点で丈夫で頑丈な包装材を使 and Chemicals Association も本規制 ・UAE 閣僚決定 No.118(法 用すべきところに、酸化分解され易くした包装材を使用することには無理があ は、プラスチックのリサイクルに悪影響を与 律) る。 えるなど決して正しい解決策ではないとの ポジションペーパーを出している状況。) ・PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)素材の包装材に、認証された酸化型生 ・対象製品カテゴリーを環境への影響が大 分解性プラスチックを使用し、マーキングを行うことが要求事項としてあるが、対 きいものに絞り込み、電気電子製品や物 象製品の範囲を示す公式な説明がなく、酸化型生分解性プラスチックの仕様も 流包装は対象から除外して頂きたい。 明確ではない。また、もし全製品の包装材が対象となる場合、膨大な包装材の ・プラスチックで包装された最終製品は対 種類があるため、対応は非常に困難である。プラスチックで包装された最終製 象外と口頭のコメントを得ているが、それを 品は対象外と口頭のコメントを得ているが、それを正式に示す文書が発行され 正式な文書や FAQ として発行して頂きた ていない。 い。 (1) 許認可取得リスク ・国営企業との契約において、免税の是非を決定する経済省(Ministry of ・国営企業側が許認可取得リスクを負うこと の負担 Economy)の許認可取得リスクを入札者側が負っている。 を望む。 (2) 司法制度の未熟 ・債権債務の判定、認定に非常に時間がかかり、債権の保全(差押え等)が全く ・今回のような意見交換、情報交換の場を できない。また、ドバイで出された判決をアブダビで執行しようとすると、アブダビ 定期的に設け、情報提供、改善要望を行 っていくこと。 の裁判所で再考の上、確認認定が必要となり意味をなさない。 (3) コンタクターライセ ・アブダビで Contractor Classification が導入され、2013 年度から事実上運営 ンス制度の下での 開始される。アブダビでの事業実績が無かったり、適切な技術系スタッフおよび 事業継承とライセン 財務スタッフを適正数おかないと事業が継続できない。政策変更は難しいと見 ス取得の困難 られるが、新規参入者にとってハードルが高まることが懸念される。 ・当地 DED による Contractor Classification は、日本商社の業容にはそぐわ ・License や Classification の問題に縛ら ず Contractor license の取得が困難。商社を Contractor として認め得るよう れずに日本商社が MAIN な登録カテゴリーそのものが無い。 CONTRACTOR として Work できる様な 規制の運用を望む。 (4) 公文書の認証取得 ・トルコ・イラク・UAE・サウジ等向けの公文書に商工会議所、公証役場、在日大 ・制度・運用の見直しをお願いしたい。 使館の認証を求められる。また、在日大使館での手続きは、申請から受取まで の困難 時間が掛かり(申請してその場で受取れない)、また申請が午前、受取が午後と 時間的な制約があり、非常に不便である。 ・UAE の領事館認証費用(認証 1 件当り 12 万円)が、他国の同費用に比較し格 ・領事館認証費用の引き下げ。 段に高すぎる。 (5) 非効率な行政手続 ・市内:手続き自体はそれ程煩雑ではないが、関係する役所の非効率的な事務 作業により時間と手間を要する。 (1) 法令変更のリスク ・国営企業 TRANSCO との契約において税制を含む法令変更リスクを契約者側・国営企業側が税制を含む法令変更リスク が負う契約形態を強いられている。 を負うことを望む。 (2) 非現実的な法令制 ・2012 年に制定されたタイヤ保管/管理法令のように、実施不可能な法令、実施 度 要領が不明確な法令が多く、健全な企業活動の妨げとなっている。 日機輸 23 諸制度・慣行・非 日機輸 能率な行政手続 日機輸 日商 日機輸 建機工 時計協 日機輸 24法制度の未整 日機輸 備、突然の変更 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 貿易・投資円滑化ビジネス協議会
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