京都の観光のあり方

京都の観光のあり方
1.京都観光の現状
・観光関連産業という複合産業は「アゴ(料理飲食)・アシ(交通)・マクラ(宿泊)」を
中心として7業界 25 業種を成立させており、裾野の広い経済波及効果をもたらし、京
都経済全体の活性化に寄与している。
・近年の入洛観光客数はおおむね 3700 万∼3900 万人で推移している。
国内観光客数や国際観光客数の伸びに比較して、頭打ち状態。
↑
団体慰安旅行客の減少・海外旅行人気の拡大化
アジアからの誘客強化の必要性
2.国際文化都市・京都の活性化の課題
①京都の社寺と観光税
→観光開発・振興、文化財の保護・保全のための財源確保
観光行動は 1 つの寺院の単体的な問題ではなく、京都の観光資源のネットワーク化を
強化することで相互にシナジー効果を発揮する
→すべての京都の観光資源が「共有・共生・共栄」するという相互主義による理念構
築が必要不可欠
②京都の祭り
次世代へと伝承されてきた京都の文化ではあるが、町や人の変容に伴い、祭りや行事
も修正される必要性がある
→歴史・伝統の継承だけに終始する考え方に固執せず、文化遺産という豊富なハー
ド面、神事などのソフト面へのマーケティング戦略ばかりでなく、人材・後継者
の育成といったヒューマンな面での戦略展開の是非を検討
「京都まつり」への期待
現代的個別生活基盤(主催者・市民主導)
↓
①ソフト…宗教性無し・市民企画・演出
②ヒューマン…参画者・観る者
③ハード…ステージ・広場空間
④市民参加理念…ニーズ創造・神不在
③食文化と京料理
観光の側面から魅力ある総合芸術品として京都の料理が質的に高められることが必要。
にわか料理の横行は、観光客の期待を裏切るものとなり、観光資源の善し悪し以前に
京都観光全体への不満となることは必然的。
④修学旅行
少子化・ニーズの多様化 → セールスというスタンスではなく、マーケティング戦
略を展開すべき(鑑賞型→体験型)
ホスピタリティの重要性
⑤京都の景観と観光資源
「開発・共生・創造」という三位一体の選択肢によって最適空間を形成することが必
要
不可欠
(ⅰ)ハード面の課題
国際観光都市・京都らしい景観といかにマッチした開発がなされるべきか。単なる
「点・面」として「眺める景色」として捉えるのではなく、市民や広く国民にとっ
ての遠近を含めた空間全体の景観、いわゆる「美しい環境」、観光資源として配慮
されるべき。
(ⅱ)ソフト面の課題
国際文化観光都市の有形な文化財を長期的に保存するにはいわゆる規制・法律のシ
ステムの制定が必要。地域の独自性を配慮した柔軟なシステムの構築を目指すべき。
(ⅲ)ヒューマン面の課題
京都市民は国際文化観光都市としての京都の文化を理解し、京都市内の歴史的文化
価値に誇りをもち、理解を深めることが必要(市民自身のセンスアップ)
京都の景観を単にきれいにするばかりでなく、さらに市民自身が国際文化観光都
市・京都の保存・共生・創造のためにも市民参加のシステムを構築し、積極的にホ
スピタリティあふれる対応ができるという体制づくりが大切。
⑥国際化
国際化については京都 1 都市では対応できない。
21 世紀におけるグローバルな人的交流の重要性を考えると、日本社会の秩序維持を標
榜する「閉ざされた国」から世界秩序維持のため「開かれた国」としての政策転換を
段階的に緩和していくことが必要。
◆ 観光開発と保護・保存問題の対立 → ハード面の開発の遅れ
もはや京都の観光は、「日本のふるさと」として日本人のみを標的市場とした時代は
終わり、他の諸外国にない「日本の文化・日本らしさ」という独自の観光資源・施設
をハード・ソフト・ヒューマンの面から充実し、日本文化のハブ・ターミナルとして
差別化戦略を展開すべき
〈参考〉
京都市観光協会 「京都観光産業のあらまし」
http://www.kyokanko.or.jp/
京都市産業観光局 「京都市観光調査年報」「京都市観光振興基本計画」
http://www.city.kyoto.jp/sankan/kankokikaku/index.html