昔むかし、今のエチオピアがアビシニアと言われていた頃のおはなしです。アビシニア の南に広がる森に カルディというヤギ飼いの少年が住んでいました。カルディは、働き者。 ヤギたちの面倒をよくみます。ある日のこと、 カルディはいつものようにヤギを連れ、森を をぬけ、丘の上の草原へと向かいました。のんびりと草を食むヤギたち。日も暮れかけ た頃、そろそろ麓の村へ帰ろうかと、ヤギをかぞえるカルディ。おやおや1頭足りません。 さぁ、たいへん。カルディは、残ったヤギたちを連れ、深い森を分け入って、迷子のヤギ を探しました。仲間のヤギたちの心配そうな鳴き声に応えるように、森の奥から興奮した 迷子のヤギのいななきが聞こえてきます・・・カルディは、慌ててかけよりました。するとど うでしょう。迷子のヤギは、1本の潅木の前で、楽しそうに踊っているではありませんか。 どうやらヤギは、潅木にたわわに実る真っ赤な実を食べたていたようです。仲間の異変 に気付いた好奇心旺盛なヤギたちは、迷子のヤギにならって、次々に赤い実を口に含 んでしまいました。にぎやかなヤギたちの踊りの輪は、どんどん広がります。驚いたカル ディも、おそるおそる赤い実を口に含んでみます。これは、びっくり。みるみる身体に力が みなぎってくるではありませんか・・・ これが、エ チオピアに伝わるコーヒー発 祥の物語。こんがり茶色くローストされ たコーヒー豆の正体は、エチオピアで 発見された真っ赤な赤い実だったので す。この続きはNJ通信blogで! ★アフリカのものがたり ~エチオピア・コーヒー発祥伝説~ 山本純子 http://ngoma-japani.orio.jp/ ンゴマ★ジャパニ通信 2008年冬・第5号 ★ンゴマ・ジャパニれぽーと ンゴマ・ジャパニ通信の創刊から満1年。年に4度の季刊誌も今号で第5号を迎えます。 創刊当初モノクロだった誌面は、第2号からフルカラーに。記事の内容も盛りだくさんに なってバージョンアップ。誌面だけでは、納まらなくなった2年目からは、ンゴマ・ジャパニ 通信blogと連動し、よりディープな東アフリカを発信してゆきます。バックナンバーもPDF でダウンロードできるようなりました。幻の創刊号もプリントアウトしてご覧いただくことが できます。ンゴマ・ジャパニ通信blogは、コ チラから! http://ababa.cocolog-nifty.com/nj/ ★巻頭言 ★アニャンゴ通信 向山恵理子 る。はじめの一口をいただく前には大地に数滴たらし感謝や敬意を表す。後は次々と杯 を干しながら廻し呑みだ。ちなみにストローの先には椰子の繊維が束ねて巻きつけてあ ったりして飲むときに浮遊物が混じらないように工夫されている。 マルコ・ポーロの東方見聞録には酒の採れる樹として 椰子が紹介されている。サイパンではツーバ。フィリピ ンではトゥバ。ミャンマーではタンイェー。 インドではト アック。インドネシアやマレーシアではトゥアック。各土 地土地で椰子の種類は違う。タイではこの採取液を加 熱処理して椰子砂糖を作っている。ちなみにアラック (スリランカ)は蒸留酒。村に着くと大概ムゼーたちは ムナジを飲みながら談笑している。よく来たね、と迎え 入れてくれながら器に注ぎストローとともに渡してくれ ムナジ(椰子酒)。椰子の樹液を採取し発酵させ て作る、大別するならば醸造酒。樹液は葉の付 け根にある花軸を傷つけビンやタンクで受ける。 切り口は樹液が固まってしまうので朝夕2回の サイクルで傷をつける。採取した後は放置する だけで天然酵母の働きで自然発酵し半日から 一日でアルコール度6%(4~5%ととも言われ ている)の椰子酒になる。この椰子酒(醸造酒) はアフリカから東南アジアにかけて分布。(イン ド洋経由と言われている) ★東アフリカ・フォトぎゃらりぃ 撮影:佐藤太志朗 2007年5月15日、ケニヤ東海岸地区の都市、マリンディ 近郊のマドゥング ニという村にて、私、マビ・マンジがギリ ヤマ族の呪術師(ムガンガ)になるための儀式が密やか に執り行われた。その2 日前に私はムゼー・ツァンジェ(「ンゴマ・ジャパニ通信vol.2」で紹 介したンゴマ・ザ・ペポの伝説的太鼓叩き)に噂に聞く呪術師の家に連れられて行ってもらっ た 私を待っていたのはギョロっと血走った大きな目が印象的な初老の人だった。名はム ゼー・チャリフ・ワ・カツイと言う。眼光が異常に鋭く、私の心の奥底まで見透かされている 気がした。 ケニヤには42の部族がいる。呪術体系はそれぞれ違う。ギリヤマ族には3種 類ある。ムガンガ・ワ・ムブルガ、ムガンガ・ワ・クフンドゥーラ、ムガンガ・ワ・クヴォイェラだ。 ムゼー・チャリフはムガンガ・ワ・クヴォイェラとしてとても有名な人だ。ムゼー・ ツンジェは かつて彼と多くの悪い呪術師(ムチャウイ)を捕まえるときの無くてはならない太鼓たたき だった。ムガンガ・ワ・クヴォイェラはムチャウイを 捕まえること、盗まれたり無くなったものを探し出す ことが専門だ。ほとんどが男性だ。ムガンガ・ワ・ク フンドゥーラは薬草での治療、呪いを解くこと、呪わ れないように依頼者の身体を“閉じる”ことを専門と する。ム ガンガ・ワ・ムブルガは瓢箪(ムブルガ)を 振り、ペポ(精霊)の声えに従い森に薬草を採りに 行き、ンゴマ・ザ・ペポ(憑依儀式、治療儀式)を開 いて患者を治癒する。女性が多い。どういう師につ くかがとても重要であるので、私は時間をかけて名 の通ったムガンガに何人にも会った。ケニヤに頻 繁に行ける訳ではないので2年間を要した。熟考 の末、その圧倒的な実績から私はムゼー・チャリフ を選んだ。ムゼー・チャリフと面と向か い合い、ヤシ酒を特別の流儀に則ってまわし飲みしながら一対一の質疑応答が始まっ た。私がムガンガになりたいその理由、そしてどの種類のムガンガになるかを話し合った。 その内容には明かせないものもある。幸いにも私はまずはムガンガ・ワ・クフンドゥーラ の世界に入ることを許された。ムゼー・チャリフが私の師(フンディ)になってくれた。大き な関門を突破した。 2日後の5月15日、朝からムゼー・ツァンジェと森に分け入り数々の 種類の薬草を採取した。やがて師が登場し、我々の薬作りを見守っていた。立派な雄鶏 も用意された。かなりの時間を要して数種類の薬と何か別の得体の知れない薬が完成 した。師からそれら薬の使い方、ムガンガ・ワ・クフンドゥーラの仕事の仕方を伝授された。 彼はかなり簡単に省略して説明するので一つ一つ詳しく聞き出すのに苦労した。やがて 師が私の身体にあることを行い、私がムガンガ・ワ・クフンドゥーラになる儀式は無事終 了した。スワヒリ語はまだ自由に話せるところまで行っていない、ましてギリヤマ語は片 言だ。こんな遠い国から来た日本人が本当にムガンガになれるのかとの私の質問に、師 もムゼー・ツァンジェも問題は無いと言う。本当だろうかというのが私の正直な気持ちだっ た。また、ムゼー・ツァンジェは薬草の知識、薬の作り方を全て知っていた。なぜ彼はム ガンガではないのかとも聞いた。師はこう言った。「呪術の仕方や薬の作り方を知ってい てもムガンガになれるというものではない。ムガンガになるにはフンディに弟子入りし、そ してある“代償”を払わねばならない。お前はそれを払った。ゆえにお前はムガンガになっ たのだ。」ようするにここでは“代償” を払って儀式を通過することにより、師をはじめ周り から認められればムガンガになったことになる。後は実践を積み重ねて良いムガンガに なるかどうかはその人自身の問題だということだ。そう考えるとムガンガの仕事で使う薬 自体は薬草から出来ているので化学的に効果は発揮するはずで問題ないが、ある一定 地域やある時代の人々の信仰体系、共通の“思い込み”、すなはちギリアマ族の呪術や 精霊の「文化」の問題に効果を発揮するためには、やはりその言語力が圧倒的に必要な はずだ。先は長い。ムガンガの仕事には薬草が不可欠だ。マドゥングニではまだまだ 森があるので問題ないと思っていたら、最近は少しずつ少なくなっ て来ているそうだ。薬 草の知識は人類の叡智でありかけがえの無い財産だ。これが消え去ると病院や薬局の 薬に頼るしかなくなる。それには高額のお金が必要になり、現金収入の殆どない地域の 人に とっては大変な問題になる。私はギリヤマ族のムガンガとして森や植物のかけがえ のなさを訴えてゆきたい。(ムカンガが使う様々な森の薬草が、ンゴマ・ジャパニ通信 Blogにアップされています。是非ご覧ください! http://ababa.cocolog-nifty.com/nj/ ) ★ンゴマ・ジャパニ・ニュース ~マビ・マンジ、ムガンガになる~ 水川勝利 新企画!ンゴマニア・セミナーがスタート!(2007.11.17.) 『東アフリカ新発見!』を合言葉に、東アフリカで暮らす人びとの生活や文化を同じ目線で体 感し、共有する場作りとしてンゴマニア・セミナーがスタートしました。記念すべき第一回のゲスト は、エチオピア研究界の若手ホープ!日本学術振興会特別研究員の川瀬慈さん。『映像と 音楽で現代エチオピアを知る』をテーマに、川瀬氏撮影によるドキュメンタリーフィルム『Room 11, Ethiopia Hotel』の上映と世界的に注目を集め始めたエチオ・ジャズについて、貴重な音源を交 え、お話しを伺うディープなセミナーとなりました。 今回の上映作品(ドキュメンタリー映画)、“Room 11, Ethiopia Hotel”はエチオピア北部の地 方都市ゴンダールに暮らすストリートチルドレンの日常を追った作品です。多くの参加者が監督 であり、撮影者であり、出演者でもある川瀬さんのユニークな視点、撮影スタイルに引き込まれ、 偏りのないそののスタンスに共感しました。多くの参加者は、ストチルのステレオタイプな印象が 崩れたと言います。少年たちは、若者らしくヒップホップに興じ、おとなびた口調で熱く商売を語り、 将来に夢を馳せます・・・そんな場面に彼らのリアルな日常を垣間見、パーソナリティに触れ、少 年たちは、私たちにとってグッと身近な存在へと進化してゆきました。ストチルではなく、一個人と して。ともすると苦しみや悲しみばかりが全面に押し出され、やるせない気持ちになるドキュメンタ リー作品が多いなか、続きを見たい!と思わせる川瀬さんの作品には、川瀬さんの想いと情熱 に溢れ、静かだけれど漲る力に溢れていました。上映後のパネルディスカッションでは、パネリスト そっちのけで、会場から次々と投げ掛けが続き、作品と同時にエチオピアへの理解もグッと深まっ たのではないかと思います。 第二部の『エチオジャズ・ロックの新たな展開』では、貴重な音源を交え、かつての皇帝たちが 西洋のブラスバンドに魅了され、海外から人材を呼び寄せて楽団を編成したという史実や、そこ から派生して育まれていったクラッシク・ジャズとその変遷。知る人ぞ知るポップでブルースなエチオ・ ジャズの世界は、驚きの連続でした。 満員御礼、好評を博した第1回ンゴマニア・セミナー。ンゴマ・ジャパニは、これからも多様な東 アフリカを多面的に捉えるユニークな企画を発信し続けます!どうぞ、ご期待ください!!! ショナ族の杖を持ち、原始的な生活と姿をしていて、 ペットは亀でした。「長生き をするから良い動物だ」と 日本との近さを感じさせます。スピリチュアルな話を するのかと思えば、日本は経済的に援助してくれて歓 迎だなどと現実的な話をします。ショナ族の中に暮ら していると、病気になれば「スピリットのバランスが悪 い」など言いますし、彼らにとってスピリットや霊媒師 は特別な世界ではなく、実生活なのだということを強く 感じます。 大発表!ンゴマ・ジャパニの年間活動スケジュール ☆2008年4月 東アフリカの写真&楽器展示@広尾JICA地球ひろば ンゴマニアセミナー(エ チオピア編・連続3回講座) ☆2008年夏 ンゴマニアセミナー(ケニア編) ンゴマニアセミナー(ジンバブエ編) ☆2008年秋 ンゴマニセミナー(ケニア編・連続2回講座) NGOMA★JAPANI VOL.3 ☆2008年冬 ンゴマニアセミナー(ジンバブエ編) 詳細スケジュールは、決定しだいンゴマ・ジャパニ通信blogでご案内します。 http://ababa.cocolog-nifty.com/nj/ ANYANGO(アニャンゴ)とニャティティワレンボ、今年は更なる飛躍の年です!!! 2008年年明け早々、ア ニャンゴ一向は箱根小涌園の 大宴会場にて、700名のお客さんと共に、ニャティティ の怒涛のNGOMAの場を生み出しました!!箱根が熱く 燃え、揺れた瞬間でした。3月23日には飯島俊輔監督 がアニャンゴを追いかけて撮影したドキュメンタリー映 画「UPEPO」が公開となります。5月のGWは老舗のジ ャズフェス「祝春一番」に出演。5月下旬のTICADに向 けても数々のアフリカ関係フェスティバルに出演予定 です。6月には、今日本で一番大きな祭り「よさこいソ ーラン」に出演。2000人と共に織り成す「ニャティティ ソーラン」で札幌をNGOMAの渦に巻き込みます。 また、日本ハムファイターズで有名な札幌ドームでも 、チアリーダーアフリカ版(?)として出演予定!!野球 の歴史に名を残します!ケニアダンスクラスも場所を 拡大。大阪、愛知、東京、仙台と飛び回ります。 10月には念願の師匠たちを日本へ招聘予定。 今年も突進します!!! ムビラ(mbira dzavadzimu)は、祖先の霊を霊媒師に降ろ し、メッセージをもらう楽器と前回話しました。ジンバブエ で霊媒師を英語でmidium spirit、ショナ語でsvikiro(スゥ イキロ)と いいます。写真左は、2002年に出会った儀式 での霊媒師。ヒョウの毛皮を羽織った老人で、儀式の中 ムビラが止み厳粛な雰囲気となった暗闇で、老人は体を 震わせ恍惚とした表情になり、参加者にメッセージを語 り、私にハリネズミの小さな固い毛をくれました。「これは あなたを守るだろう」といってくれたので今でもそれを大 切にしています。あの時、暗闇の中でハリネズミの毛が 光って見えた不思議さ忘れられません。写真下は、2006 年にジンバブエ3大霊媒師の一人だと聞き訪ねたセグ ル・ムショーレ。山の中に伝統的なかやぶき屋根の小屋 と石に囲まれ暮らしていました。聖なる地に入る前には 靴と時計などの機械類をとるように言われ、「ホロロロー」 と声を出しながら、スラップハンド(拍手)をするように礼 儀を教えられました。彼は、黒い毛皮を着て、 発行日:2008年1月(第5号) 発行所:東アフリカNGOMA親交会(ンゴマ・ジャパニ http://ngoma-japani.orio.jp/ ) 発行責任者:山本純子(ンゴマ・ジャパニ) ~ジンバブエの霊媒師たち~ ハヤシエリカ ンゴマ★ジャパニ通信 の作り方! ★特集 アフリカの霊媒師たち ★シリーズ・踊り ~エチオピア ソマリ民族族の踊り(ソマリ州)~ 案内人:山本純子 エチオピア東部、ソマリアとの国境付近に暮らす ソマリの人びとは、アラブの影響を受け、 イスラームを信仰 する人びとが多く暮らしています。ムスリムならではの、髪 をスカーフで覆うスタイルは、慎ましいソマリ女性の美しさ を際立たせます。男性は、大きな1枚布をロングスカートの ように腰に巻いて踊ります。太鼓のリズムに合せ、優雅に、 けれど、しっかりとステップを踏みながら、男性は、しなやか に逞しく、女性は、長いスカートを蝶のように広げ華麗に舞 います。 ★エチオピア・ミレニアム特集 ~ビヨンセ、エチオピアに来る!~ レポーター: 山本純子 独自の暦で歴史を刻むエ チオピアは、2007年9月12日にエチオピア暦2000年を迎えま した。エチオピアの富の象徴、アラブの石油王を父に持ち、美しいエ チオピアの母を持つ この国一番の大富豪アラムディ氏が、ミレニアムを記念して建設したホールには、大晦 日の晩、新たな千年紀の始まりを祝おうと大勢の人びとが詰め掛けました。エチオピア の偉大なるスターたちが競演するステージはTV中継され、国民的行事として沸き立った と言います。そんなミレニアム・イヤーのエチオピアに鳴り物入りでやってきたのは、なん とビヨンセ。高価なチケットは飛ぶように売れ、満員御礼となったミレニアム・ホール。さて、 この米国からやってきた超セレブを巡って、エチオピアでは、ちょっとした騒動が起こって いるようです・・・一部の報道によると、過激な衣装とパフォーマンスで若者に圧倒的な指 示を受けるビヨンセ嬢。その過激なスタイルのまま、なんと、エ チオピア正教の最高位に 君臨する大司教との謁見を許され、歓迎の言葉をかけていただいたというのです。敬虔 なエチオピア正教徒の間では、これは神をも冒涜する行為であるとか、いや、その背後 には政治的意図が絡んでいるのではないか・・・など、様々な憶測が飛びかい、遂には 学生のハンガーストライキにまで発展。そんな事態をよそに感激のビヨンセ嬢、次回は 慈善事業のためにエチオピアを再訪したいのだとか・・・最近では、かのブラッド・ピットと アンジェリーナ・ジョリー夫妻がエ チオピアから養子を取ったことが話題になっていますが、 ハリウッド・セレブとエ チオピアの蜜月に思わぬ波紋が広がっているようです。 ★東アフリカ・ゲストエッセイ 大河原有佳 今回は私が初めてケニアに行った2005年3月の旅行時の、ごく個人的なエピソードを一 つご紹介します。 ケニアはインド洋に面した国。海岸にある街ワタムに滞在 していたとき、旅行していたメンバーたちとインド洋からの ぼる朝日を見に浜へ出かけました。海の色は何ともいえな い、うすいうすいペールブルー。真っ白な砂はとても細か くて、波で濡れた部分は踏み込むとほとんど泥のような感 触。しばらくは波打ち際を歩い ていましたが、こんな海を魅せ つけられてはもう耐えられない! 服のまま海へ飛び込みました。あがってきた太陽の暖かさと、 360度の海と空。これ以上の気持ちよさはない!実はこのとき 腹巻ベルトにパスポートをつけていて、この身共々ずぶ濡れイ ンド洋漬けになったのですが…(IC カードが入る前でよかっ!) あの海はまた行きたいですね。 ★古今東西音楽雑記帖 ナビゲーター:佐藤太志朗 タッチについて一考。Vol.1 さて、いきなり「タッチ」と言われても、、、と言う方 も多いやも知れません。今回とりあげる「タッチ」と は、この場合ハンドパーカッション(素手で叩いて 演奏する打楽器)においてとても重要な打面に手 が当たった時のニュアンスとしておきましょう。 そもそもハンドパーカッションの音の叩き分け方と しては・・・ ①打面の叩く部分の違い ②手の平の形を変化させることによる違い ③叩く力の強弱 ④叩いた直後の打面に触れる力やタイミング ・・・などがあります。「タッチ」の狭義としては上記の ④を主に指す場合もありますが広義としては全ての ショットにおいて手が打面に触れる瞬間のニュアンス コントロールを指します。製品化されているコンガなど のハンドパーカッションは、時に初級者用~上級者用 と同メーカーの中で区別があったりしますが、この区 分の要素の大きなひとつにタッチのニュアンスに対する楽器のレスポンシビリティが挙げ られます。初級者用ほどレスポンスが甘くその替わりに上記の①・②のような叩き分け (オープントーン、スラップトーン、ベーストーンなど)をした時に、効率よく音色が発音され ます。逆に上級者用になると一音一音の発音がシビアになり甘いタッチでショットすると 楽器がきちんと鳴りきらずショボい音がしますが、奏者側が楽器に対するタッチをつかむ と細やかなタッチの違いをきちんと楽器がレスポンスするのでとても饒舌で表現力豊かな 楽器となります。次号に続きます。webの方にも追々考察を展開しますね。
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