第5学年 ○ 組 道徳学習指導案 指 導者 主題 資料 ○○ ○○ 本当の友達 (2−(3)信頼・友情) 「白いテープ」 指導観 ○ 本主題は、励ましやアドバイスをする友だちの気持ちを推しはかり、それに応えるために、 また自己を伸ばすためにも努力して信頼関係を高めようとする態度を育てることをねらいとし ている。 信頼は、社会生活を営む上で基盤となるものであり、人と人をつなぐ重要な絆である。この 人間関係の絆とされる真の信頼は、自分の立場ばかりを考えず、友だちの身になって考える思 いやりと友だちを裏切らない誠実さに支えられている。信頼することによって、相手の向上を 願っての忠告や助言 、励まし合い 、助け合うことができ 、人間関係が高められていく 。友情は 、 この信頼が互いに向けられたものであり、優しい思いやりと厳しい励まし、それに応えようと する努力などの関係により深められるものである。 本主題で扱う資料「白いテープ」は、次のような話である。運動が苦手なあきらは、運動会 の全体リレーが、みんなから中傷されることを恐れ憂鬱でたまらない。しかし、走順を決める 際、よし子が、あきらをアンカーにすることを提案する。みんなで差を広げ、あきらにバトン タッチする作戦のため、みんなが、心を一つにして練習する。くじけそうになったあきらは、 「目標35メートル−みんながなかま 全員でがんばろう」という文字を見つけ、友だちに励 まされる。 運動会当日、1位でバトンを渡されたあきらは、まっしぐらに白いテープをめざして走る。 この資料を通して、友だちの励ましに応えようと努力するあきらとあきらを支えようする友 だちとの信頼関係に気づかせ、友情の深まりに気づかせることができる。日常生活における自 分自身のと友だちの在り方を見つめるための視点とすることができる上で価値がある。 本主題に関しては、低学年で、身近にいる友だちと仲良くし、助け合うことの大切さを学習 した。中学年では、自分側だけで判断するのではなく、相手の立場や気持ちを推しはかって理 解することの大切さを学習した。これらを受けて、第5学年では、友だち同士が、互いに信頼 し合うことで学び合い、友情を深め、真の友情を育てることへの学習と発展するものである。 ○ 本学級の子どもたちは、何かに挑戦しようとする友だちに対して「がんばれ」と励ますこ とができる。また、16/20人の子どもが、励ましてくれたことに対して、それに応えよう と 努 力 を し 、 友 だ ち に 感 謝 の 気 持 ち を 持 つ こ と が で き る 。 友 だ ち と は 、「 何 で も 話 せ る 宝 物 」 「助け合う大事な仲間」などとほとんどの子どもが、自分にとってかけがえのない存在である と思っている。 し か し 、 日 常 生 活 の 場 面 で は 、「 自 分 さ え よ け れ ば 」 と い う 自 己 中 心 的 な 考 え に よ る 言 動 が あったり、互いに相手の立場を理解しているとは言えずにけんかになることが多く見られる。 また、互いを向上させるために、アドバイスし合うという友情関係が持てるまで育っていると はいえない。 ま た 、 4 / 2 0 人 の 子 ど も は 、 友 だ ち に 励 ま さ れ た 経 験 を 思 い 起 こ す こ と が で き ず 、「 友 だ ちは遊ぶ仲間」であり、自分と友だちとの関係について意識したことがなく、深く考えていな いことも伺える。 そこで、集団における自己の役割の自覚が進み、相手の身になって思いやる共感的能力が発 達し、共によりよく生きようとしてくるこの時期に、本主題を取り上げる。相手の気持ちや立 場を思いやり、友だちを信頼して、共に高め合うことの大切さに気づかせたい。 ○ 本主題の指導にあたっては、励ましやアドバイスをする友だちの気持ちを推しはかり、そ れのに応えるために、また自分の力を伸ばすためにも努力することで、さらに信頼関係を深め ることができることに気づかせたい。 ま ず 導 入 段 階 に お い て は 、「 本 当 に 友 だ ち だ と 感 じ る 時 の 心 を み つ け よ う 」 と い う め あ て を つかませ、課題意識を高めたい。そのために「自分にとっての友だちとは」というアンケート の結果を提示し、学級の仲間が「友だちとは」どう考えているかを知らせる。 展開前段では、まず「あいつがいると勝てないよな」と言われたあきらの疎外感、自信のな さ に つ い て 捉 え さ せ 、「 ど う せ 、 ぼ く は だ め だ 」 と 落 ち 込 ん で い る あ き ら の 気 持 ち に 共 感 さ せ る 。 次 に 、「 目 標 3 5 メ ー ト ル − み ん な が な か ま 」 と 、 自 分 を 信 じ て 励 ま し て く れ る 友 だ ち に 応えたいと、自分の弱さをふりはらえたのは、友だちを信頼したからであるという価値に気づ かせたい。そのために、あきらの気持ちを吹き出しを通して考えさせ、信頼友情に関する気持 ちを分析する。最後に、白いテープに向かって走るあきらの心情を捉えさせるために、役割演 技を通して話し合わせ、信頼し助け合うことの快さに気づかせる。 展開後段では、実態調査をもとに自分の体験を振り返らせ、自分の中にも友だちの成長を願 って励まし、それに応えるために努力する自分がいることに着目させ、真の友情の関係ができ あがりつつあることのよさについて気づかせる。 終末では、アテネオリンピックの水泳400メートルメドレーの銅メダルを取った選手の話 を聞かせ、実践の意欲化を図る。 -1- 計画 (1時間) ○事前 自分の日常の友だち関係を見つめ、自分にとっての友だちとはどういう存在なのか を考える。 ○本時 資料「 白いテープ 」をもとに 、信頼と友情の大切さについて話し合わせる 。−( 1 ) ○事後 心のノートをもとに信頼友情の価値のふりかえりをする。 ・「 友 だ ち が い て く れ て う れ し い 、 あ な た が い る か ら 心 づ よ い 」 と 感じ た 場 面 を 生 活日記に記録する。 本時 平成○年○11月5日 金曜日 第2校時 第5学年組○教室において ねらい 1 真の友情とは、友だち同士が互いの信頼をもとに、学び合うことを通して、互いに磨きあ うことができる関係であることに気づき 、その友情を大切に生活しようとする態度を育てる 。 2 資料「白いテープ」をもとに、主人公の気持ちに寄りそって考えることで、自分が元気に なるためにも、自分の力を伸ばすためにも 、「みんななかま 」「みんなが思ってくれている」 「 励 ま し に 応 え た い 」「 一 人 じ ゃ な い 」 な ど と 友 だ ち を 信 頼 す る 気 持 ち が 大 切 で あ る こ と に 気づくことができるようにする。 準備 資料「白いテープ 」、アンケート結果、場面絵、道徳ノート 展開の大要 段階 導 入 学 1 習 活 動 学級の仲間が「友だちとは」どう考えているかを知る ことで、本時のめあてを確かめる。 ・よい仲間 ・大切な存在 、 家族の次に大事、宝物 ・友だちがいるから学校に来る 具 ○ 体 的 支 援 自分にとっての友だち とはというアンケートの 結果を提示し、本時の価 値へ向かうめあてをつか ませる。 「本当の友だちだ」と感じる時の心をみつけよう。 展 2 資料「白いテープ」を通して、信頼・友情の大切さにつ 開 いて話し合う。 前 半 ( 1 )「 あ い つ が い る と 勝 て な い よ な あ 」 と 言 わ れ て う つ む ○ あ き ら の の 気 持 ち に 共 い た り 、「 ど う せ 、 ぼ く は だ め だ 」 と 思 っ て い る あ き ら 感させるために、友だち の置かれた状況を確かめる。 からいやな言葉を言われ ・いやだなあ。 ・学校休みたいなあ。 たあきらの心情を話し合 ・みんなは走るのが得意だからいいよね。 うことで状況を把握させ ・いくら練習したって、どうせぼくは、だめだ。 る。 ( 2 )「 目 標 3 5 メ ー ト ル − み ん な で が ん ば ろ う 」 と い う 記 ○ あ き ら が 頑 張 ろ う と 決 録表を見て、はっとしたあきらの気持ちについて話し合 心したときの気持ちを吹 う。 き出しに表現し、その根 ・友だちっていいな。 底には友だちへの信頼と ・みんな、ぼくのことを思ってくれている。 いう価値があることの理 ・ぼくは、一人ぼっちじゃない 解を図る。 ・よし子やけんじも、励ましてくれているんだ。 ・ぼく自身が、がんばらなくてはいけないんだ。 ・はじめから、あきらめたらいけない。 ・がんばってみよう。 -2- (3)まっしぐらにテープに向かって走るあきらの気持ちに ○ あ き ら が 白 いテ ー プ に ついて話し合い、友情の価値についてとらえる。 向かって走っていく役割 ・みんなのために、絶対1位でゴールする。 演技を通して話し合い、 ・みんなと練習した成果を出したい。 友情の価値を確認させる 。 ・みんなが応援している。 ・あきらめないで練習してよかった。 お互いを信じ合い、はげまし合えて、がんばろうと 元気になれる心が、本当の友情。 展 3 開 後 半 これまでの自分の体験を想起し、話し合う。 ○ 自分の生活を振り返ら ・ 陸 上 記 録 会 で 、「 が ん ば れ 」 と 応 援 し て く れ た 。 嬉 し せ、相手のことを思い高 かった、元気が出たような気がした。 め合おうとする信頼友情 ・きらいな跳び箱を飛ぶとき、励ましてくれた。できた の価値があることに気づ 時嬉しいでたまらなかった。友だちっていいな、と思 かせ、自分の中にある友 った。 だち像を明らかにする。 終 4 教師の説話を聞き、信頼友情を大切にしようとする思い ○ 自 分 な り の 友情 関 係 を 末 をあたためる。 深めていこうとする、実 践への意欲につなぐ。 -3-
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