[雄勝花物語]の活動の歩み - 雄勝ローズファクトリーガーデン

[雄勝花物語]の活動の歩み
雄勝花物語 (2011年)の活動
雄勝花物語代表
徳水博志・利枝
○主催 ;[雄勝花物語]実行委員会(代表 徳水博志・利枝) 活動場所;石巻市雄勝町字味噌作 24-3
◯連絡先 〒986-0581 宮城県石巻市貞山 2 丁目 5-2-5 Eメール hirotoku3920@voice.ocn.ne.jp 電話 0225-23-2551
*ご支援をお願いいたします。振込口座 ゆうちょ銀行 18180 32210371『雄勝花物語』代表德水利枝
写真は雄勝町味噌作の実家跡地です。2011 年 3 月 11 日、ここで代表の徳水利枝の実母、叔母と従弟が津波から逃げ遅れ、
味噌作住民合わせて 60 人と共に亡くなりました。利枝の母親の供養のために利枝が始めた花畑が「雄勝花物語」の始まりで
す。1 年目はホウズキなどを植えました。2011年 9 月に石巻市雄勝町に支援に入っていた千葉大学園芸学部の秋田典子先生
と学生の皆さんと出会い、花畑造りが始まりました。手始めにパンジーの苗やチュ―リップの球根を植えました。
雄勝花物語 第1章(2012 年)の活動
◯2年目の 2012 年 3 月、3・11 花と緑のプロジェクトみやぎ委員会の支援を受けて、全国各地のボランテイアの皆さんと
雄勝住民の皆さん合計 70 人でメドウガーデンを造りました。瓦礫の中に咲いた花畑は被災した人達の心を癒してくれたと
いう声を多数いただきました。雄勝の被災者の皆さんが失ったものとつながる場を提供したり、雄勝森林仮設住宅でガーデ
ニング教室の支援活動を行ったりしました。これが雄勝花物語の第1章です。
○協力団体;3・11 花と緑のプロジェクトみやぎ委員会、千葉大学園芸学部、ボタニカルガーデン泉緑化(仙台市)、雄勝硯製造販売組合、
スイートトリート、INJM、ピースボート、オンザロード、NPOだんだんカフエ、石巻を花と緑で元気にする実行委員会、とんかつ和
幸、コメリ緑育成財団、のむぎ地域教育文化サンター、雄勝小学校児童、宮城ブルーベリー協会、キリストの幕屋、浄土真宗大谷派、新教
会ジェネラルチャーチ、ブーフーウー、ガーデニング誌 BISES、木材塗料の和信化学工業 KK、富山大学(球根支援)、そして地元住民です。
[雄勝花物語] 第2章(2013年) の活動
ローズフアクトリーガーデン・プロジェクト
◯3年目は、ガーデニング誌 BISES(ビズ)3・11 ガーデニングチャリテイーの支援も受けて、『雄勝花物語第2章ローズガ
ーデンフアクトリープロジェクト』に取り組んでいます。10 月に観光バラ園とハーブ園の造成完成、10 月 13 日にふれ
あいコンサートを開催しました。また雄勝町内で被災地の緑化支援活動も行いました。3月には雄勝小学校前のヤマテル跡
地に花壇の造成、11 月には雄勝たなこ屋仮設商店街に花壇の造成、74 名のお子さんが亡くなった大川小学校前花壇に植
栽を行いました。11 月は「NHK花咲かせようキャラバン」を主催しました。次はブルーベリーやイチジクのジャム製造、
将来的にはワイン製造による雇用創出を目指します。さらに地域の復興と教育を結ぶ活動を目指します。特に町の未来を担
う若い人を雄勝町に呼び込めるように、行政や他の団体と連携しながら雄勝町の震災からの復興を目指しています。
◯協力団体;山形市立山形第7中学校、神奈川高校自主活動実行員会(桐蔭学園高校生徒会他)、宮城復興支援セ
ンター、佐々木信幸さん(スレート葺き職人)、石巻を花と緑で元気にする実行委員会、木材塗料の和信化学工
業の柳和子様、(株)長栄(京都)、富士通エフサス、大学生ボランテ イア(龍谷大、慶応大、宮城大、東北工業
大)、横浜花キ協同組合、八ヶ岳グリーンネットワーク、小さな花屋「かりん」様、BOX 工房コウゴ、雄勝復
興応援隊の島田様、『工房鬼六』藤田貴行夫妻
ボランテイアの皆さんによるローズガーデン造り (3 月,6 月)
2013 年3月みやぎ委員会の鎌田さん、復興応援隊の島田さん
5月 山形市立山形第7中の生徒さん 70 名
2013 年 3 月・6 月『BOX 工房コウゴの向後邦雄さん
東京駅を模したガーデニングハウス
6 月屋根は雄勝石スレートです。復元された JR 東京駅舎の屋葺いた職人の佐々木信平さんに葺いてもらいました
2013 年3月と6月 千葉大学園芸学部の皆さん
2013 年7月『工房鬼六』藤田貴行夫妻の石絵です
ロ―ズフアクトリーガーデンプロジェクトの企画書
2013 年 3 月作成
2013 年6月 東京の『のむぎ』の平和のバラが咲きました
2013 年7月 つるバラの正面入り口
花と緑の力で 3・11 プロジェクトみやぎ委員会の立案
ガーデニング誌『BISES』2013 年 83 号に掲載
『雄勝花物語』事業構想
2013年8月
雄勝花物語実行委員会
徳水博志
<設立目的と方針>
①被災した雄勝中心部にローズ&ハーブガーデンと貸農園を創設して被災者の霊を弔い、雄勝住民が交流する
憩いの場を提供する。また緑化活動やガーデニング教室を通して被災地の支援活動を行う。(*貸農園あり)
②被災地復興に参加したい団体や個人並びに小・中・高・大学生及び社会人に対して、植栽や除草作業などに
ボランテイア活動の場を提供する。
*随時受け入れ中、これまでに延1000 人以上を受け入れた実績有り
③小・中・高・大学生及び社会人による被災地を巡る教育旅行や企業研修に対して、震災語り部、防災・減災
教育、復興教育、雄勝の森・川・海の自然環境を生かした環境教育、ESD(持続可能な開発のための教育)
の場を提供する。 (*2014 年 4 月から実施)
④雄勝ローズ&ハーブガーデンを起点に外部との交流人口の増加を目指すとともに、将来的にはブルーベリー
などの栽培からジャムやワイン製造などの新規事業を起業し、雄勝定住者への雇用を図る。
➄雄勝総合支所及び「雄勝生活研究所」並びに目的を同じくする住民や団体と協力しながら、住民主体の雄勝
町の復興と新しい町づくりを目指す。
1、震災後の石巻市雄勝町の現状
平成の大合併で石巻市の一部になった旧雄勝町は、地場産業のホタテの養殖と伝統的工芸品「雄勝硯」で
有名な町です。雄勝硯の原材料の玄昌石は、屋根材のスレートとして加工することができます。2012 年
10 月に創建当時の姿に復元されたJR東京駅舎(丸の内)の屋根材としても使われています。
ところが、600 年の雄勝硯の歴史と文化を誇る雄勝町でしたが、3・11 の高さ 20mの巨大津波によっ
て町の中心部は 95%が壊滅しました。犠牲者も 236 人に上りました。妻の母親、叔母、従弟も雄勝町の味
噌作地区で流され、帰らぬ人となってしまいました。妻利枝が母親の供養のために実家の跡地で始めた花畑
造りを出発点として、2011 年 9 月に千葉大学園芸学部の秋田典子先生と学生の皆さんとの出会い、そして
3・11 花と緑のプロジェクの支援によって 2012 年 3 月から進めている復興プロジェクトが、
『雄勝花物
語』であります。
さて、人口 4300 人の雄勝町は震災後の転出によって現在は 1000 人までに減少し、町が存亡の危機に
あります。石巻市役所雄勝総合支所の復興計画案は 2012 年8月に雄勝住民に提示されましたが、2012
年 12 月の最終希望調査の結果、雄勝町へ帰還する住民は津波で自宅を流失した 3300 人のうち 600 人し
かいないことが判明しました。特に雄勝中心部は住民 1600 人のうち、帰還者はわずか 128 人です。大多
数の住民は雄勝地域内の高台移転を望まずに、三陸自動車道に近い旧河北町の二子地区や生活に便利な石巻
市街地の蛇田地区に集団移転を決断しました。雄勝中心部への帰還者が少ない理由は、中心部は商店街と住
宅が連なっていましたが、その街並みが全て壊滅したことです。さらに、中心部は元々雄勝で働いていた人
が少なく、漁師さんの数も僅少で、震災前から近隣の石巻市内等に通勤するサラリーマンが大多数だったか
らです。したがって病院、学校、銀行などの公共施設と商店街や住居が流された以上、通勤・通学・通院に
不便な雄勝に敢えて戻る必然性が無くなったのです。震災によって過疎化が 10 年から 20 年、一気に前倒
しで起きてしまった町、これが被災地・雄勝町の現状であります。
2
雄勝の現状への危機感から
以上のような雄勝町の現状に対して、町がなくなるかもしれないという危機感から、雄勝町に残り復興に
立ち上がったプロジェクトが『雄勝花物語』です。このプロジェクトには大きく三つのねらいがあります。
一つ目は、3・11の被災者の霊を弔うとともに、雄勝住民の皆さんが失った大切な人・故郷・雄勝の自
然とつながる場を提供することです。さらに元雄勝住民同士交流したり外部の皆さんと交流したりする憩い
の場を提供することです。そこで『雄勝花物語』のガーデン造りに参加していただくことを通して、被災者
の御霊の弔いの場と交流の場、そして雄勝復興の活動場所を作り出そうと思い立ちました。雄勝住民のみな
さんだけでなく、被災地復興に参加したい個人および団体、並びに小・中・高・大学生に対して、植栽や除
草作業などのボランテイア活動の場を提供します。これまでに30以上の団体やグループ、延べ1000 人以
上の参加がありました。さらに、仮設住宅の皆さんへの緑化支援活動も行います。これまでに仮設住宅へ植
栽したプランターを設置したりガーデニング教室を開催したりしました。さらに雄勝町内に新しく花壇を造
る緑化活動も行いました。
ねらいの二つ目は、外部との交流人口を増やすことです。雄勝に新規事業を起こして雇用を生み出し、定
住人口を増やすことです。現在の雄勝の地場産業はホタテとホヤの養殖業です。それに有名な伝統工芸品の
雄勝硯の工房がありますが、この就労人口だけでは10年から 15 年後は限界集落に陥ります。どうしても
若者の就労の場が必要です。すでに学校再建は決定しています。平成29年4月に雄勝町大浜地区に小中併
設校が開校します。雄勝地区震災復興まちづくり協議会の住民運動の成果です。残された大きな課題は、雄
勝を近い将来の限界集落から再生し、持続可能な町に復興することだけです。そのためには何としても外部
の若者を呼び込むことができる新規事業と持続可能な魅力ある町づくりが必要となります。
そこで、目をつけたのが更地となった津波の災害危険区域です。ここでは居住用の住宅は建築制限されま
す。それで「花と緑の力で 3・11 プロジェクトみやぎ委員会」の支援を受けて、観光バラ園やハーブ園を
思いついたわけです。観光バラ園開園の暁には、新規雇用を生み出し、外部から雄勝町に定住する人口を増
やしていくこと、これが『雄勝花物語』のねらいの二つ目であります。3年間の目標としては、この更地に
観光バラ園とブルーベリーやハーブの栽培などの観光農園造成を目指します。2年目に法人化も進めます。
そして最終的には 10 年後に雄勝特産の農産物の栽培を目指していきます。たとえばブルーベリー栽培から
ジャムやワイン製造などです。
ねらいの三つ目は、小・中・高・大学生並びに社会人に対して、雄勝の森・川・海のつながりを生かした
環境教育の場を提供し、地域復興と一体化した教育活動(ESD:持続可能な開発のための教育)を展開する予定
です。特に平成29年に開校される雄勝小中併設校の子どもたちに対しては、地域復興の主人公となっても
らうために、地域教材の学習の場を提供し、外から学校教育を支えるつもりです。経済的利潤のためのグロ
ーバル人材の育成ではなくて、世界全体と雄勝地域
をつなぐグローバルな発想と行動力をもった、地域
復興と持続可能な地域の再生を担う主人公を育てる
教育を目指します。
雄勝復興に関しては、行政側にも建設的な意見を
提案するとともに、復興事業に携わる地域住民や目
的を同じくする他団体と連携しながら、住民主体の
雄勝復興を担っていきます。
現在このプロジェクトに参加しているボランテイ
ア団体や支援団体は30団体です。以上が『雄勝花物
語』の事業構想の説明です。
現在このプロジェクトに参加しているボランテイ
ア団体や支援団体は30団体です。
以上が『雄勝花物語』の事業構想の説明です。
≪メディア掲載≫
東北放送 ウオッチンみやぎ
2013 年3月
NHK仙台 テレまさむね
2013 年5月
ガーデニング誌『BISES』
2013 年82号~85号
2014年87号(冬号)
毎日新聞夕刊
2013 年6月 26 日
NHKおはよう日本(関東、東北)2013 年7月
NHK震災プロジェクト1min
2013 年7月
仙台放送 スーパーニュース
2013 年 8 月
東北放送
2013 年 10 月
毎日新聞夕刊記事