特特集集 - 日本マテリアル・ハンドリング(MH)協会

ISSN 2185-9418
ジ
ャ
ナ
ル
特
集
我
が
社
の
最
新
技
術
本
マ
テ
ア
ル
ハ
ン
ド
ン
グ
︵
︶
協
会
特集:我が社のMH最新技術
● 高速立体仕分けシステム
「Uni-SHUTTLE
HP!(ユニシャトルHP)」
● 薄物なら何でも仕分け可能なソーティングシステム
「キュービックソータ」
村田機械"
三機工業"
● 省エネ効果に優れた天井搬送システム
「Smart Hawk
(スマートホーク)」 "岡村製作所
● ライダー型無人フォークリフトの提案と無人フォークリフトシステムの動向
●
eco物流に貢献するMDR(Motor
Driven Roller)
● RFID技術を基盤としたロジスティクスへのアプローチ
● お客様の視点に立って省力化を考える
日本輸送機"
伊東電機"
日本パレットレンタル"
京町産業車輌"
MHジャーナル
265号(春季号)
目次
2011.Apr
巻頭言 中国物流産業の発展と課題
北京物資学院・物流学院准教授 経済学博士 姜
特集
旭
氏 ………2
我が社のMH最新技術 ………………………………………………………………3
寄稿文
●高速立体仕分けシステム
「Uni-SHUTTLE HP!(ユニシャトルHP)」……………………4
村田機械株式会社 ロジスティクス&オートメーション事業部
開発部2課 小川 和彦 氏
●薄物なら何でも仕分け可能な ………………………………………………………8
ソーティングシステム「キュービックソータ」
三機工業株式会社 機械システム事業部
機械システム部 大熊
篤 氏
●省エネ効果に優れた天井搬送システム……………………………………………12
「Smart Hawk
(スマートホーク)
」
株式会社 岡村製作所
●ライダー型無人フォークリフトの提案と…………………………………………14
無人フォークリフトシステムの動向
日本輸送機株式会社 常務取締役 営業本部長
灰崎 恭一 氏
日本輸送機株式会社 技術本部
物流システム技術部長
山口 茂樹 氏
●eco物流に貢献するMDR(Motor Driven Roller) …………………………20
伊東電機株式会社 取締役常務執行役員
伊東 徹弥 氏
●RFID技術を基盤としたロジスティクスへのアプローチ ………………………26
日本パレットレンタル株式会社 情報本部 RFID推進部
部長 永井 浩一 氏
●お客様の視点に立って省力化を考える……………………………………………30
京町産業車輌株式会社 代表取締役 大野 雅隆 氏
〔連載〕
MH基礎講座‐8
●原価低減と施策 ………………………………………………………………………34
― 運搬原価とMH施策の関係を明確化 ―
日本MH協会 会長 秋庭 雅夫(東京工業大学名誉教授)
MH基礎講座‐9
●MH提案のアピール …………………………………………………………………36
― 顧客の心理構造を解析したMH評価因子 ―
日本MH協会 会長 秋庭 雅夫(東京工業大学名誉教授)
奥付 ………………………………………………………………………………………………40
Material Handling Journal No.
265
1
巻 頭 言
中国物流産業の発展と課題
北京物資学院・物流学院
准教授 経済学博士
姜
旭(きょう・きょく)
近年、中国の物流産業は経済成長にともなって発
一方、2009年時点で中国貨物輸送量は前年同期比
展し、「モノの移動」を中心に物流需要が急速に増
7.
5%増の278.
8億トンで、そのうち鉄道貨物輸送は
大した。その結果、物流産業には巨大なビジネス・
1.
9%増の33.
3億トン(全体に占める比率は11.
9%)、
チャンスがもたらされ、中国でも物流市場が激烈な
道路貨物輸送は9.
4%増の209.
7億トン(同75.
2%)、
競争時代を迎えることとなった。
水 運 は3%増 の31.
4億 ト ン(同11.
3%)
、航 空 は
実際には「世界の工場」から「世界の消費地」へ
9.
3%増の0.
4億トン(同0.
1%)などとなっている。
の移行を背景に売り手市場から買い手市場へ変化し
要するに、中国の経済発展の加速化にともない、生
たことにより、中国企業はロジスティクス、3PL
産・販売・貿易が拡大し、商品や消費財の生産の増
(サード・パーティ・ロジスティクス)、JIT(ジャ
大を基盤に貨物輸送量がますます伸びている。
スト・イン・タイム)
、SCM(サプライチェーン・
ところが、これらの商品や消費財の輸送は小口の
マネジメント)に関心を抱くようになった。物流管
出荷単位を基本とし、投下資本の回収を早めるため
理の最適化、物流コストのダウン、物流の時間短縮
に、多頻度・小口・高速のJIT型の物流が指向され
などは、もはや大多数の中国企業にとって解決せざ
るようになってきた。ただし、これにより道路貨物
るをえない重要課題になっている。
輸送が急増して全体の貨物輸送量が増加した反面、
たとえば2
0
0
9年における中国の社会物流総額は前
鉄道貨物輸送のシェアは大きく下がっている。
年同期比7.
4%増の9
6兆6
5
00億元となり、伸び率は
このような状況のもとで、消費財市場の拡大にと
1
2.
1ポイント下落し、史上初めて社会物流総額の増
もない物流需要が急速に増大し、生産と販売の拠点
加率がGDPの増加率より低くなった(GDPの増加
間を結ぶ効率的な総合物流システムを構築しなけれ
率は9.
1%)。2
00
8年秋のリーマン・ショックによる
ばならなくなった。さらにトータル・アウトソーシ
世界的な金融危機で需要が減退し、輸出入市場が大
ング機能を持つ専門的な物流企業や3PLの発展を
きく縮小したからである。また、2
0
09年における中
通じて、近代物流の効率化を図らなければならなく
国の社会物流コスト総額は前年同期比7.
2%増の6
なってきた。
兆8
0
0億元で、GDPに対する 総 物 流 コ ス ト 比 率 は
1
8.
1%となった。
とともに、環境問題、雇用問題、格差問題などを解
しかしながらアメリカや日本に比べ、中国では倍
決しながら中国における物流産業の成長を推進し、
以上の物流コストがかかるのが実態である。という
長期的な発展戦略を構築することが肝要と考えられ
ことは、中国の物流には改善と発展の余地が大きい
る。
と言えるのではないだろうか。
2
そのためには物流のインフラを整える必要がある
MHジャーナル
平成2
3年4月
特
集
「我が社の最新MH事例」
近年、物流設備への投資に慎重な企業が多いよ
が省エネや省力化、さらには物流品質向上に大き
く貢献することも事実です。
うに見受けられます。
ERP(Enterprise Resource Planning:統合
MH機器の導入に際しては取扱う製品の特性や
Man-
数量、実施したい物流サービス水準や物流施設の
agement System:倉庫管理システム)
、さらに
状況などを十分に考慮し、よりコストパフォーマ
はGPS(Global Positioning System)やVICS
ンスの高い機器を選定することが重要となりま
(Vehicle Information and Communication
す。また最近では環境面に配慮した省エネタイプ
System)を活用した車両動態管理システムなど
の機器を採用(代替)することで、行政から様々
IT設備に関しては積極的な投資が見られますが、
な支援を受けられる可能性もあります。
業務パッケージ)やWMS(Warehouse
自動倉庫や自動仕分け機など大型のMH機器の導
入はあまり活発に行われていないようです。
本誌では、本号と次号で当協会の会員各社の最
新MH事例(機器、システムなど)を紹介します。
製品ライフサイクルの短縮化が進み、また物流
工場や物流施設などMH機器が導入される現場
拠点の統廃合や移転が頻繁に検討され実施される
で、効率化、環境負荷軽減など今現場が抱えてい
最中にあっては、資金の回収や償却に時間を要す
る様々な課題解決につながる情報としてご活用い
る固定設備の導入に躊躇せざるを得ない状況にあ
ただければ幸いです。
ることは理解できますが、適正なMH機器の導入
(記
上田
実)
Material Handling Journal No.
265
3
特 集
●我が社のMH最新技術●
高速立体仕分けシステム
!
「Uni-SHUTTLE HP (ユニシャトルHP)」
村田機械株式会社
ロジスティクス&オートメーション事業部
開発部2課 小川
和彦
“Uni-SHUTTLE HP!(ユニシャトルHP)は、フレキ
い、小分けやパッキングなど、きめ細かな流通加工サー
シビリティに富む保管機能と、高能力の搬送、仕分け機
ビスを提供することで、配送先での荷降ろし作業の軽減
能を組み合わせ、グループ出庫や順立て出庫など物流品
を図ることが求められる。
質の向上、効率化を図る、画期的な自動倉庫システムで
一方、生産現場では、ジャスト・イン・タイムに対応
ある。
した多品種・小ロット生産が求められる。商品サイクル
※“Uni-SHUTTLE HP! (
”ユニシャトルHP、HPはHigh-Performanceの略)
もどんどん短くなる中、投入資源=材料・エネルギー・
労働力を減らし、市場の要求にマッチした新しい商品を
開発し、生産リードタイム、サイクルタイムを短くする
必要がある。
こうした背景に、高いスループットとオーダーごとの
単位出庫により、出庫後の積み込みや納入先での仕分け
作業を大幅に軽減するとともに、オペレーターの作業負
担を大幅に軽減する物流システムであること。そして、
生産工場内の効率向上を図るFAシステムであることを
開発ターゲットとした“高能力”
“高品質”
“高信頼性”の
システムがユニシャトルHPである。
柔軟な入庫・保管により、物流センター内、生産工場
内の効率向上はもちろん、納入先のニーズに合わせた物
流品質の向上、サプライチェーン全体の最適化を図るこ
写真.
1 ユニシャトルHP
■開発の背景
とができる画期的なソリューションとしてユニシャトル
HPを、2
0
1
0年9月、市場に投入した。
■主な特長
グローバルレベルでの競争が激化する近年、キャッシ
高速立体仕分けシステムユニシャトルHPは、1.
ラッ
ュフローの視点から最適在庫=余剰在庫の圧縮が求めら
クシステム(保管棚)
、2.
シャトル(搬送・移載装置)
れている。
そのため、
物流現場ではロットはより小さく、
と、3.
入出庫装置(スペースストレージ、バーチカルコ
搬送・輸配送回数はより増加する傾向にある。流通業、
ンベヤ)から構成している。まずは、それぞれの特長を
3PL、スルー倉庫では、オーダー別にピッキングを行
述べたい。
4
MHジャーナル
平成2
3年4月
高速立体仕分けシステム「Uni-SHUTTLE HP!(ユニシャトルHP)
」
1.ラックシステム(保管棚)
平棚仕様フリーロケーションラックを採用。カート
3.入出庫装置(スペースストレージ、バーチカルコ
ンベヤ)
ン/折りたたみコンテナ/バケットなど保管物の種類を
スペースストレージは、多量の荷物を一括して連続入
選ばない柔軟さ。棚1間口あたり、4∼7個※を効率的
出庫ができるシステムとして活用。入出庫能力は、最大
に収納できる。
1,
5
0
0個/h。バッファーとして1基あたりおよそ4
0個
※荷物1個あたりの大きさ:幅450∼17
5mm×奥行き
6
00∼2
25mm×高さ60
0∼9
0mm
の保管が可能。
バーチカルコンベヤは、12
0m/minの昇降速度で、最
大9
0
0個/hの入出庫能力。バーチカルコンベヤを複数
台設置することで、多方面への仕分け作業などに利用で
きる。
写真.
2 ラックシステム(保管棚)
2.シャトル(搬送・移載装置)
各段にシャトルが独立走行する。走行速度は4
0
0m/
min、移載速度は平均3.
5秒。リアフックを採用し、カ
ートン/折りたたみコンテナ/バケットなど保管物の種
写真.
4 バーチカルコンベヤ
類を選ばないフリーサイズ対応。回生電力を有効活用し
た省エネ設計で、最大30%の消費電力を低減している。
1,
2,
3を組み合わせることで、保管機能と搬送機能、
仕分機能を有する画期的な高速立体仕分けシステムとな
る。
モデルプランとして、入出庫装置にスペースストレー
ジを4基配置し、ラックを10段、5ゾーン、シャトルを
1
0台設置した場合、保管数は、2列×5連(7ケース保
管/1間口あたり)×1
0段で、最大7
00ケースの大量保
管が可能。入出庫能力は入庫1,
50
0ケース/h、出庫1,
5
0
0
ケース/hを合わせて3,
0
0
0ケースの能力を発揮する。
業界随一の入出庫能力を、所要床面積5
0㎡強の省スペー
スで設置することができる。
写真.
3 シャトル(搬送・移載装置)
Material Handling Journal No.
265
5
高速立体仕分けシステム「Uni-SHUTTLE HP!(ユニシャトルHP)
」
■用途別ソリューション
次に、どのような使い方が有効であるかを述べたい。
グループ出庫が行える。分岐ソーターを多数配置する
よりも省スペースで、より少ない人手で効率よくソー
ティングが可能。大量の商品を、多くの店舗に向けて
仕分け出荷する配送センターなどで威力を発揮でき
【ソーティングシステムとして】
入庫側にスペースストレージを、出庫側には複数の
バーチカルコンベヤを配置したシステム例。
スペースストレージで多量の荷物を一括して連続入
る。
【ピッキングシステムとして】
入庫側、出庫側それぞれにスペースストレージを配
置したシステム例。
庫。各段ごとに独立運転するシャトル台車と、複数台
多品種大量の荷物を、スペースストレージで一括連
のバーチカルコンベヤを組み合わせることで、それぞ
続入庫し、シャトルを使ってフリーロケーションラッ
れのステーションで順序ごとに整列された状態で高速
クへと自動補充する。出庫側にもペースストレージを
写真.
5 ソーティングシステム
6
MHジャーナル
平成2
3年4月
写真.
6 ピッキングシステム
高速立体仕分けシステム「Uni-SHUTTLE HP!(ユニシャトルHP)
」
配置することで、高速でグループ出庫ができます。作
業者は定点でピッキングが行えるので、多くの作業者
が広大な平置き倉庫を巡回していたピッキングを、よ
り省スペースで、より少ない人員で行うことができる。
■まとめ
ユニシャトルHPは、保管、ピッキング、アソート、
仕分けなど、生産と流通の現場で求められる機能をコン
パクトにまとめた省スペース&高機能のシステムであ
【パレタイズシステムとして】
入庫側にスペースストレージを、出庫側には複数の
バーチカルコンベヤを配置したシステム例。
る。サービスレベルの向上とコストダウンという2つの
課題を解決する、企業価値、競争力を高めるロジスティ
クスソリューションである。
スペースストレージで一括連続入庫した大量の荷物
を、シャトルを使ってフリーロケーションラックで一
お問合せ先
時保管。シャトルは必要な物品をパレタイズ装置前に
村田機械株式会社
設置した複数台のバーチカルコンベヤへと仕分ける。
ロジスティクス&オートメーション事業部
それぞれのバーチカルコンベヤが順序整列出庫し、パ
・東京支社
レタイズ装置に商品を供給する。従来、難しかった、
〒1
0
3−0
0
1
3
多品種同時生産工場での、複数アイテムの同時パレタ
東京都中央区日本橋人形町1−1
4−8
イズを省スペースで行うことができる。
TT‐1ビル8F
TEL:0
3−5
6
4
2−2
7
8
5
FAX:0
3−5
6
4
2−2
7
8
6
・大阪支社
〒5
4
1−0
0
4
1
大阪市中央区北浜2−6−2
6 大阪グリーンビル7F
TEL:0
6−6
2
0
2−1
1
2
1
FAX:0
6−6
2
0
2−1
1
6
1
※その他、各営業拠点、メールでのお問い合わせはウェ
ブサイトでご確認ください。
http://www.muratec.jp/logistics/index.html
写真.
7 パレタイズシステム
Material Handling Journal No.
265
7
特 集
●我が社のMH最新技術●
薄物なら何でも仕分け可能な
ソーティングシステム「キュービックソータ」
三機工業株式会社
機械システム事業部 機械システム部
大熊
篤
ターン組み替えも自由自在です。また、従来、重厚長大
1.はじめに
な仕分け機で機械化していたものを、機械化と同時に手
当社はこのたび、ダイレクトメール(DM)をはじめ、
作業による仕分けも可能とし、
「省スペース」
「高速化」
、
封筒や葉書など、厚みの薄いモノなら何でも、省スペー
を図り、仕分けのローコストオペレーションを目指し
スかつ高速に仕分けることができるソーティングシステ
た、競争力の高い製品となっています。
ム「キュービックソータ」を、2
01
1年1月、DM業界の
(株)
アイエムエス様に導入いたしました。本製品が非常
にコンパクトで既存の仕分け業務を現場で行なうなか、
導入できることが評価されて、今では通信教育のDMほ
か、アウトソーシング業務のメール便仕分けにも活用さ
れています。
本システムは、メール便事業の民営化に伴うメール取
り扱いの機械化促進に対し、2
00
8年に開発発表したも
ので、従来の仕分け技術と、新規の切り出し技術および
カメラ撮像・OCRシステム技術を組み合わせて、効率
的かつオリジナル性の高い仕分け機として製品化を実現
写真.
2 仕分け対象:メール
したものです。特に「OCR(光学文字認識Optical Character Recognition)付き切出し装置」の装備により「高
速化」
、
「安定化」を追求しました。立体形仕分け棚のパ
写真.
1 仕分け機本体
8
MHジャーナル
平成2
3年4月
写真.
3 OCR認識画面
薄物なら何でも仕分け可能なソーティングシステム「キュービックソータ」
2.システムの特徴
封筒や葉書などをまとめて投入しても、自動的にモノ
を1個ずつ切り出すことができます。その送り出された
ぞれ異なる特性のモノを投入できます。これにより
モノの追い積みが可能です。封筒、ハガキなどをま
とめて投入しても大量に処理できます。
②フィーダ部
モノの郵便番号や宛名などの認識文字がどこに印字され
4本のベルトによるフリクション切り出しで、フ
ていても、OCRシステムで自動識別して、該当の間口
ローティング方式の採用により、モノの厚みや凹凸
にセットされたコンテナに自動仕分けします。
(デコボコ)
に影響されず、
自動切り出しが可能です。
万一、切り出しやOCR不可能なモノがあった場合に
モノを確実に一通ずつ切り出すための2通切り出し
は、人手切り出し・仕分けが可能なシステムが標準装備
防止機構の装置で、一通ずつ切り離して送り出せま
されています。また、搬送部では、モノをフラットに搬
す。万一、二通以上の切り出しがあった場合、重送
送するため、仕分け部で段積み仕分けが可能で、仕分け
スキュー検知が即座に作動します。また、自動切り
コンテナ内の収納効率も高まります。
出しの難しいモノは、人手切り出しがその都度行な
仕分け部としては、立体形仕分け棚になっており、コ
ンテナ自動入出庫が比較的に容易な「上下仕分け」タイ
プと人手仕分け共存が容易な「左右仕分け」タイプがあ
えます。
③OCR(BCR)部
一通ずつ送り出された封筒、ハガキ等の郵便番号
などを高速に自動読み取りします。
ります。
通常、仕分け能力は1時間に7,
000∼8,
000個(当社
プリンタ印字による7桁の郵便番号が宛名面のど
調べ)
に比べ、1時間に9,
0
00∼10,
80
0個と高速なので、
の場所にあっても、正確に自動認識できます(読み
■仕分け作業の生産性の向上(工数削減、時間短縮)
取り精度約9
8%)
。
認識文字は明朝やゴシックなど、
■仕分け作業のミス削減
大きさは2mmから1
0mmまで可能で、しかもBCR
■仕分け作業の24時間バッチスケジュール展開
(バーコードリーダ)との併用もできます。
の実現が可能となります。
また、仕分け棚が立体形なので、従来の仕分けスペー
スの1/2以下で仕分けが可能かつ、増設も必要時、必
要な間口数分だけ可能です。
3.システムの概要
本システムは、以下の仕様と構成によります。
(1)システム仕様
方式、間口数を選択できます。
写真.
4 ホッパー部
①仕分け方式:上下仕分け/左右仕分け
②仕分け能力:1
0,
800∼9,
000個/時間
③仕分け間口:480∼6間口
(1∼2列×1∼60連×1∼4段)
④仕分け容量:530L×360W×27
0Hmm
(2)システム構成
構成は使用目的に応じてカスタマイズが可能です。
①ホッパー部
20センチ間隔で4ステージに分かれており、それ
写真.
5 フィーダ部
Material Handling Journal No.
265
9
薄物なら何でも仕分け可能なソーティングシステム「キュービックソータ」
(3)仕分管理システム機能
①仕分け管理システムは、仕分け処理のオンライン運
転を一括管理しています。運転の開始、終了や運転
状況の監視モニタリング・マシン故障時の異常個
所・異常内容とその復旧方法のガイダンスの確認
などが行なえます。
②仕分け処理グループの割付けメンテナンス機能で
は、
複数の郵便番号に対して、
グループ名を付けて、
その仕分け間口を任意に割付けすることができます。
③仕分け間口セットの割付けメンテナンス機能では、
グループ名ごとに仕分け間口を任意に割付けたあと
写真.
6 OCR
(BCR)
部
の複数のグループ名を一括して、仕分け間口セット
名を付けて管理できます。これにより、仕分けバッ
チごとの仕分け間口割付けのグループ名の変更が自
動的に行なえるため、仕分けバッチ回数を多くし
て、細かい仕分け区分が可能となります。
④仕分け実績の照会機能では、期間別、日付け別、時
間別に正常処理通数・リジェクト処理通数の表示と
郵便番号ごとの処理通数を集計して表示できます。
また、
OCR画像情報の照会機能では、正常処理・
リジェクト処理されたモノのカメラ画像を直接、
見ることができます。
写真.
7 ソータ部
4.製品化の成果と応用分野
④ソータ部
本システムは、最小システム構成単位1
2間口(フィー
読み取ったOCRデータに基づき、それぞれのモ
ダ1台、OCR1台)から、「上下仕分け」か「左右仕
ノを条件ごとに仕分け、段積み、集積します。最大
分け」かで、6間口単位または12間口単位で増設してい
の特徴は、列を2列か1列かで「上下仕分け」か、
けますので、まだ機械化されていない人手作業分野に対
「左右仕分け」を選べて、またこの連と段をそれぞ
して、段階的に投資効果に見合う、システム構成が可能
れ必要に応じて増設できます。連は最大60連まで、
となります。
段は最大4段まで増設可能です。組み換えパターン
また、封筒や葉書のほか、本やCD・ビデオ(A6∼B
を自由に選ぶことにより、使用目的に応じたあらゆ
4判、厚さ1∼5
0mm)
、
帳簿や伝票なども仕分けること
る条件の仕分け組み換えが可能になります。これに
ができるため、運送業や出版流通、通販や金融業界など
より、マン・マシン作業スペースは小さくなり、効
様々な分野への適用が可能かと考えています。実際、
率よく段積み仕分けができ、切り出しを止めること
2
0
0
8年には、本の返品仕分け業務で採用されています。
なく追い込み作業が可能となります。
1
0
MHジャーナル
平成2
3年4月
薄物なら何でも仕分け可能なソーティングシステム「キュービックソータ」
らと考えています。ちなみに、手書き認識の場合、今回
のOCR部を開発したツールは本来、手書き文字OCRに
も応用可能なものなので、手書き文字ライブラリを独自
に制作していくことで対応することができ、これによ
り、赤色枠のなかに書かれた郵便番号の認識も可能とな
ります。
今後、本システムが、仕分け作業の自動化に貢献でき
たらと切に願っております。
お問合せ先
写真.
8 仕分け対象:本
三機工業株式会社
機械システム事業部 機械システム部
5.おわりに
もともと、「コンパクト」
、
「ハイスピード」
、
「ローコ
スト」の実現をコンセプトに製品化された本システム
は、さらに3つの本コンセプトを追求するとともに、
「ハ
イスペック」要素として、手書き認識やステルスバーコ
ード印字認識の機構をニーズに合わせて装備していけた
大熊 篤(おおぐまあつし)
〒1
0
0−0
0
1
1
東京都千代田区内幸町1−1−7
電話:0
3−6
3
6
7−3
2
1
0
FAX:0
3−3
5
0
8−2
7
7
2
E-mail:[email protected]
Material Handling Journal No.
265
1
1
特 集
●我が社のMH最新技術●
省エネ効果に優れた天井搬送システム
「Smart Hawk
(スマートホーク)
」
株式会社 岡村製作所
株式会社岡村製作所は、省エネ効果に優れた天井搬
送システム「Smart Hawk(スマートホーク)
」を20
1
0年
9月より発売しました。「スマートホーク」は、多機
能化を追求せず、シンプル機能のユニットで構成する
群管理システムを採用することにより、必要とされる
搬送能力に合わせたスマートなシステム構築が可能で
す。蓄電による電源供給の効率化や待機中の消費電力
「ゼロ」の実現により省エネルギーに貢献します。ま
た、多彩な荷姿に対応し、天井空間を活かした効率の
よい搬送ラインを構築できるため、工程間搬送やセル
写真.
1 停止中は、
走行ユニットの消費電力
「ゼロ」
生産への供給、病院・図書館の院内・館内搬送システ
ムや物流センターの搬送ラインなど、さまざまな用途
でお使いいただけます。
2.高効率
ユニット台数の増減で搬送要求能力に合わせた効率的
なシステム構築が可能。搬送速度は標準速
(3
0m/分)
と
高速(6
0m/分)の2タイプを用意し、選択が可能です。
天井搬送システム「Smart Hawk(スマート
ホーク)」の特長
また、蓄電装置への充電は、搬送物の移載作業などの
停止時に極めて短時間で行います。
1.省エネ
本体の蓄電装置に必要な電力を自動充電して自走する
システムのため、ライン全体を駆動させるなど無駄な電
力を使わず、省エネ効果に優れています。
また、停止中には走行ユニットの制御電源を完全に遮
断し、消費電力「ゼロ」を実現します。
写真.
2 充電器で急速充電中
1
2
MHジャーナル
平成2
3年4月
省エネ効果に優れた天井搬送システム
「Smart Hawk
(スマートホーク)
」発売
■天井搬送システム「Smart Hawk(スマートホーク)
」
3.スペース有効活用
天井空間を活かした効率のよい搬送ラインを構築で
き、床面スペースを有効活用できます。天井搬送エリア
から作業エリアへの搬送物の昇降はオプションの昇降モ
ジュールでスムーズに行えます。
4.フレキシブルなラインレイアウト
カーブ、分岐・合流、昇降、ストッパーなどを自由に
レイアウトでき、運用に合わせたフレキシブルなライン
構築が可能。
5.多彩な荷姿に対応
搬送物を積載するキャリアはオーダーメイドでさまざ
お問合せ先
まな荷姿に対応可能。
搬送質量は、最大10
0Kg(高速タイプ:最大5
0Kg)
。
株式会社 岡村製作所
物流システム事業本部 マーケティング部
〒1
0
0−0
0
1
4
6.クリーンで静か
給電トロリーやドライブシャフト、チェーン、ベルト
類がなく、走行は小型モーターの使用によりクリーンで
千代田区永田町2−1
4−2 山王グランドビル2F
TEL:0
3−5
5
0
1−3
5
5
7
FAX:0
3−5
5
0
1−3
53
5
E-mail : [email protected]
URL: http : //www.okamura.co.jp/product/butsuryu/index.html
静かな搬送システムです。
主要取扱製品
■保管機器
■搬送機器
自動倉庫
固定棚・移動棚・流動棚
■仕分け機器
ラインベルトソーター
ローラーコンベヤ
天井搬送システム
ピッキングサポート製品
作業用ワークステーション
■周辺機器
スライドシューソーター
Material Handling Journal No.
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1
3
特 集
●我が社のMH最新技術●
ライダー型無人フォークリフトの提案と
無人フォークリフトシステムの動向
日本輸送機株式会社
常務取締役 営業本部長
灰崎
日本輸送機株式会社
技術本部
物流システム技術部長
恭一
山口
茂樹
リフト構造規格」などが規定される労働安全衛生法を中
はじめに
心にフォークリフトトラックとして定められているJIS
1
97
1年に当社が世界初の無人フォークリフトを開発
してから40年が経過しようとしている。その間FA(Fac-
も適用されることが、いわゆる無人搬送車との異なった
特徴である。
tory Automation)の波に乗り多種多様な無人搬送車が市
場に現れ、国内納入台数を増やし、安定した状況を保っ
ている。しかし、無人フォークリフトは近年、無人搬送
車納入台数の増減に係わらず、国内納入台数が概ね50
台/年レベルで推移している。
ただ、様々の分野で柔軟性を発揮できる無人フォーク
リフトには、まだまだ発展の余地があり、その新しいコ
2.機 種
無人フォークリフトはその定義に従い、以下の種類に
分類される。
リーチ型無人フォークリフト
ンセプトをもった開発機種「ライダー型無人フォークリ
フト」と無人フォークリフトシステムの動向について述
べる。
1.定義と規格
1.定義
広義にはJIS D68
01「無人搬送車−用語」で定義され
リーチ型フォークリフトを無人専用化用途は
主に1∼3tの荷の段積み倉庫
ているように、無人けん引車とともに無人搬送車として
カウンターバランス型無人フォークリフト
扱われる。
ただ、構造的には「フォーク、ラムなど荷物を積載す
る装置およびこれを昇降させるマストを備えた動力付荷
役、運搬用車両」で定義される一般のフォークリフトと
しても扱われる。
2.規格
無人搬送車としてのJIS規定以外に、前述の通りフォ
ークリフトとしての機能を有しているので、「フォーク
1
4
MHジャーナル
平成2
3年4月
カウンターバランス型フォークリフトを無人化
用途は主に2t以上の荷の段積み倉庫
多数パレットの同時搬送が可能
ライダー型無人フォークリフトの提案と無人フォークリフトシステムの動向
3ウェイスタッキング型無人フォークリフト
リーチ型無人フォークリフトの発展型
用途はラック倉庫への荷のスタッキング、FA工程間
の荷の搬送
左右への荷の繰出しが可能で取合い装置の高さや手段
などに自由度がある
無人搬送車の国内納入台数の推移(日本産業車両協会調べ)
4.ライダー型無人フォークリフト
当社は2
0
0
9年に無人フォークリフト市場を活性化さ
せ、市場の拡大を図るため多機能型無人フォークリフト
サイドフォーク型無人フォークリフト
として「ライダー型無人フォークリフト」を開発、提供
することとなった。
1.コンセプト
無人フォークリフトの新たな市場を創出するため、次
のコンセプトでライダー型無人フォークリフトを開発し
た。
台車型AGVにリーチ型フォークリフトのマスト部分を
側面に設置したもの
用途はFA工程間の荷の搬送が中心
取合い装置の高さや手段などに自由度はあるが繰出しが
一方のみ
・従来の無人専用機種に対し、有人切換え機能によ
り、フレキシブルな運用を可能とする。
物量に応じて有人/無人運転を切換えることにより
効率的な運用を図る。
・有人車をベースとし、低価格で信頼性の高い無人フ
ォークリフトを提供する。
3.現 状
無人搬送車の国内納入台数は2007年と2
00
8年を除
き、
1,
000台/年前後で推移している。
200
7年および2
0
0
8
・フォークリフトの特長である、パレット、カゴ台車
など多様な荷姿のハンドリングを可能とし、直置
き、直取り、段積みといった台車型無人搬送車に出
来ないハンドリングを可能とする。
年は自動車産業の設備投資に支えられ大きく納入台数を
伸ばしたが、200
9年は自動車産業を始めとした設備投
資の抑制により、200
4年以前の1,
000台以下のレベルま
で低下した。
2.概要
ベース車体として、当社リーチ型フォークリフト「プ
ラッター」FBR1
5−H7
5を用い、無人搬送制御装置を付
無人フォークリフトの国内納入台数については、2
0
0
2
加したシンプルな構造でオートガイダンスや自動荷役動
年に135台になったが、ここ1
0年はほぼ50台/年前後で
作を可能とするとともに、有人車レベルの悪路走破性を
定着しつつある。
有する性能向上も可能とした。また、無人搬送車に要求
されるJISの安全規格に準拠した装置を具備させたこと
は言うまでもないことである。
Material Handling Journal No.
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1
5
ライダー型無人フォークリフトの提案と無人フォークリフトシステムの動向
さらに有人フォークリフトとしての機能・性能も法・
規格に準拠させるため、電磁ブレーキでの制動性能の確
保などの課題を克服した。
6)制御構成
有人フォークリフト(FBR型)に無人搬送用制御
装置を付加することで、標準車の信頼性を損なうこ
となく、当社で実績ある無人搬送制御技術を連携さ
せることとした。
3.仕様
主な仕様と無人化システム開発概要は次の通り。
開発部分をインターフェース部分に制限し、信頼
性を確保するとともに、検証時間の短縮、開発費用
1)走行機能
ACモータ/インバータ制御
有人操作時 負荷/無負荷 8.
0/8.
5km/h
の抑制によりコストの低減も両立した。
制御構成は図のように当社FBR‐
7
5型に従来の無
無人操作時 負荷/無負荷 3.
6km/h
人フォークリフトFBR‐MG7
5型制御装置をCAN通
停 止 精 度 前後±1
0mm
信で結び、両者の制御ソフトウェアも基本的に変更
2)リフト機能
せず、制御上競合する部分(モータ制御など)につ
ACモータ/インバータ制御:油圧駆動
いてのみ、操作モード(有人/無人)に応じて実行
有人操作時 負荷/無負荷31
0/54
0mm/sec
するプログラムを切り替える方式を採用した。
無人操作時 負荷/無負荷23
0/40
0mm/sec
停 止 精 度 ±1
0mm
MPU
3)リーチ機能
ACモータ/インバータ制御:油圧駆動
有人操作時 負荷/無負荷 2
00mm/sec
走行モータ
油圧
油圧モータ
EPS
無人操作時 負荷/無負荷 2
00mm/sec
EPS
停 止 精 度 ±5mm
ディスプレイ
4)ティルト機能
ACモータ/インバータ制御:油圧駆動
走行
EPSモータ
有人車制御機器
(FBR‐
7
5を流用)
CAN通信接続
ティルト角度 0∼3°
基本制御
5)誘導方式
I/O
基本的には、信頼性を重視した磁気誘導方式を中
心に、地上(床面)工事を軽減したジャイロ誘導方
無人搬送用制御装置
(FBR-MG7
5と共通)
誘導制御
主制御装置
演算
荷役・運行管理
式やレーザ誘導方式まで展開する。
7)ブレーキングシステム
無人フォークリフトに対応するため、標準車で採
用しているディスクブレーキから電磁ブレーキに変
更した。
労働安全衛生法「フォークリフト構造規格」やJIS
で規定された有人運転時の最高速度における制動距
離の確保と無人運転時の非常停止における車体の横
滑りを防止するため前輪(ロードホイール)ブレー
キを付加した3輪ブレーキ方式とした。
写真.
1 ライダー型無人フォークリフト
1
6
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ライダー型無人フォークリフトの提案と無人フォークリフトシステムの動向
8)安全装置
JIS D6
80
2 無人搬送システム−安全通則に準拠
した安全装置を具備した。
主な装備として、車体前後に障害物検出センサ、
フレームスカート部にバンパーセンサ、車体側面に
ト」のバランスを強く求められる。ライフサイエン
ス(食品、農業、医薬) 高機能素材(化学、印刷)
、
特殊環境(原子力、防爆、汚染エリア、バイオマス
など)等、成長分野でその特長がますます活かされ
ると思われる。
人的作業との共存の高まりから、RFID+無線
非常停止ボタンを、また、メロディアラーム(警報
器)やマスト側面に警告灯を設置した。
また本機の特徴に応じ、無人運転時に運転席への
搭乗による危険防止のための搭乗者検知装置を追加
LAN、ティーチング、高速化、容易なレイアウト
変更等、フレキシブルなシステムも検討すべき課題
である。
装備した。
9)悪路走破性
主体となる磁気誘導方式無人フォークリフトで
6.無人フォークリフトに要求される将来技術
は、地上に設置した磁気テープ等を検知するセンサ
現状FAで使用されている無人搬送車の市場拡大する
を車体下部に取付け、検出の安定性に基づき床面と
ためには、配送センターを始めとするフォークリフトを
所定のクリアランスを設定している。
使用したエリアで、よりフレキシブル性を発揮できる無
従来の設定では、有人操作時の悪路走破性(勾配
1/20、段差10mm)を満足できないため、磁気テ
人フォークリフトの先端技術の応用と開発が必要とな
る。
ープの変更と磁気検出センサの改良により、床面と
各要素技術に関しての将来技術について考察する。
のクリアランスの拡大を可能にし、悪路走破の条件
1)自律走行技術
をクリアした。
レーザレンジセンサを用いた電子地図誘導方式
10)自動充電機能
(SLAM制御)が実用化されたが、さらに信頼性を
地上に設置された充電用コンタクトと車体側コン
タクトを自動的に接続、自動充電を行い24時間稼動
を可能とした。
高めるため、レーザまたは画像処理を用いた3次元
の距離測定へと発展している。
また、ジャイロセンサ、屋内GPSなどとの協調に
よるフレキシビリティと信頼性、精度の向上も期待
5.無人フォークリフトシステムの動向
1)無人フォークリフトの特長的な市場
荷姿や、固定設備の高さ方向に影響されないハンド
される。
2)安全性の確保
近年中に規定されるISO3
6
9
1−4に基づいた安全
規格に準拠する。また高速化対応、人との共存を考
リングのフレキシビリティ性が最大の特長である。
慮した安全装置への対応として各種センサの採用、
・24H稼働生産ラインの最終出荷場への一時保管シス
画像認識やID認識などを用いた全方位検出による
テム
・温度、クリーン度別エリア間の工程間搬送システム
・印刷工場(2
4H)の原反工程間搬送システム
・移動ラック等スペース効率の高い保管機器との連動
システム
2)今後の動向
今後は従来以上に「安全」
、
「品質」
、
「トータルコス
接触回避が課題。
3)エネルギー源の改良と省エネ
完全無人化や人手でのメンテナンスを不要とする
ために、自動充電+メンテフリー電池の採用が必至
となる。
現在でも2
4時間稼動のAGVでは、リチウムイオ
ン電池や電気二重層キャパシタを搭載するものが数
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1
7
ライダー型無人フォークリフトの提案と無人フォークリフトシステムの動向
多く見られるが、価格が高いため採用は限定されて
いる。しかし、HVやEVといった電気自動車へのリ
おわりに
チウムイオン電池採用拡大に伴う価格低減で、近い
少子高齢化社会を迎え、就労者人口の減少に伴い、サ
将来には無人搬送車、無人フォークリフトに搭載さ
ービスロボットとともに、新しい自由度をもった高能力
れることは確実である。
な無人搬送システムの活躍の場が得られる大きな機会が
また、省エネに関しても油圧から電動化への切替
拓けている。特に、台車型無人搬送車と異なり、無人フ
えを図り、エネルギー効率を上げる機構に発展させ
ォークリフトにはフレキシブル性の強みがあり、既存の
る。現在、当社の3ウェイスタッキングフォークリ
フォークリフトに取って代わる機能、性能を有すること
フトでは、シフト・ローテイト部の電動化により大
でより進化したシステム化への発展が期待できる。
きな省エネ効果を上げている。
4)リードタイムの短縮
無人化に対する要求事項としてリードタイムの短
縮が最重要課題となる。
高速化については、社団法人日本産業車両協会規
格
(JIVAS)
ガイドラインの速度規制(最高3.
6km/h)
撤廃を受けて、当社では9km/hまでの対応は実証
を完了している。
今後、真のリードタイムの短縮にあたっては、荷
役動作を含めた動作の俊敏性が求められる。無人動
作を人手作業に近づけるため、教示システムによる
人の動きを再現させるアプリケーションの構築が必
要となる。
1
8
MHジャーナル
平成2
3年4月
お問合せ先
日本輸送機株式会社 滋賀工場
〒5
2
1−1
3
3
4
滋賀県近江八幡市安土町西老蘇8−1
物流システム技術部 部長 山口 茂樹
TEL:0
7
4
8−4
6−5
4
4
5
FAX :07
4
8−4
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8
4
3
E-mail : [email protected]
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特 集
●我が社のMH最新技術●
eco物流に貢献するMDR(Motor Driven Roller)
伊東電機株式会社
取締役常務執行役員
伊東
徹弥
米国コンベヤ工業会(CEMA : Conveyor Equipment
はじめに
Manufacturers Association)が発行しているアプリケー
伊東電機株式会社(本社:兵庫県加西市、社長:伊東
ションガイドにMDRの定義を紹介しています。(写
一夫)は1946年、小型モータの専門メーカーを目指し
真.
1)抜粋・和訳しますと『MDRはユニット・ハンド
て創業し、本年2月にお蔭様で65周年を迎えました。ま
リング・コンベヤ業界には比較的新しい方式で、そのコ
た、マテハン業界参入の切っ掛けとなりましたモーター
ンセプトは従来のコンベヤにある大型モータで長距離駆
ローラ(パワーモーラ)の開発・販売開始は197
5年で、
動する方式との決別です。MDR方式はローラ内部にモ
以来独自技術とバイタリティーを駆使して時代をリード
ータを内蔵させ、他のローラとともにゾーンと呼ばれる
するコンポーネント・ユニット・モジュールを開発し続
セクションを駆動する方式です。MDRは本来、安全で
け、36年が経過いたしました。
営業拠点として、国内をはじめアメリカ・フランス・
イギリス・ドイツ・上海・香港に構え、日本・北米・欧
州・アジアの世界4拠点体制にてモータローラのトップ
メーカーとしてグローバル展開を図っております。
昨今はエコ・省エネ・環境・安全等々が注目され、ま
た物流業界は物流搬送における中枢的役割りであるピッ
キングや包装作業の自動化が叫ばれております。弊社は
昨年9月開催の国際物流総合展にて物流・配送センター
を模擬したシステム展示を行ない、そこで活躍するMDR
のユニット・モジュールを紹介しましたところ、来場者
の反響も大きく沢山のご意見や引き合いを頂戴いたしま
したので、今回のテーマに取り上げました。
第1章 MDRの特長
1.MDRとは?
MDRとはMotor Driven Rollerの略で、DCブラシレス
モータを搭載したコンベヤ駆動用モータローラの総称で
す。弊社はモータローラのトップメーカーとしてMDR
のグローバルな普及に取組んでおります。
2
0
MHジャーナル
平成2
3年4月
写真.
1 CEMAアプリケーションガイド
eco物流に貢献するMDR(Motor Driven Roller)
経済的に設計されています。各ゾーンへの通電は物を運
タ出力は約5倍にもなります。さらにエアーレスコンベ
ぶときのみになされます。それによりエネルギーの消
ヤのため、更なる省エネが期待できます。
費、騒音の発生、メカ部品の磨耗が軽減されます。ロー
ラ自身は低電圧で比較的低トルクで稼動し、手で止めら
れるくらいのトルクであるために作業者にも安全です。
MDRの特長はその柔軟性とシンプルさにあります。モ
ジュール式であり、大型モータを使用しないことでスペ
ースの限られた場所での使用にも最適です。制御は単純
搬送から、トラッキング機能付きのアキュームなど広範
囲で用途は多岐に亘ります。MDRシステムはシンプル
なメカ・デザインであるために、施工が簡単でメンテナ
ンス費も軽減できます。
』とMDRの特長を端的に表現し
図表.
1 ラン・オン・デマンド搬送
ております。
2.MDRの採用メリット
弊社は1988年(2
3年前)に「DCブラシレスモータ採
用のパワーモーラ」を開発し、さらに19
99年にはこれ
を磨き上げた「パワーモーラ2
4」を開発しました。同じ
DC24Vで稼動するコンピュータ系と直結可能とし、思
い通りのデジタル制御を実現するインテリジェント機能
を確立しました。
AC電源の定着、また単純搬送の多い日本の現場では
なかなか理解されませんでしたが、欧米市場では大きく
ブレイクしました。郵便事業では米国郵便公社(USPS)
向けに搬送システムメーカーが大量に採用したのを皮切
図表.
2 MDRとACフリクションコンベヤの
処理能力−消費電力量比較
りに、ドイツポスト・フランス郵政へと波及していき昨
今では中国郵政にも採用されるようになりました。
もちろん郵便事業だけでなく、薬品・書籍・食品・衣
料などの分野にも導入されており、この10年余りで米国
MDR市場での伊東シェアは9
0%を獲得しております。
なぜ、MDRが欧米を中心にそこまで高い評価を受け
ているのでしょうか。前述のCEMAのMDRの定義と複
◆安全への配慮
電源はDC2
4Vの低電圧で感電の恐れがなく、極めて
扱いやすくなっています。
また、手で止めることが出来る程度のトルクのため怪
我のリスクを軽減できます。
配線はプラグ&プレイで即稼動が可能、設置工事が短
層しますが、さらに詳しく特長をまとめてみました。
縮化でき専任技師も不要です。
◆省エネに貢献
◆快適空間の創出
MDRコンベヤは、品物の搬送に必要な部分だけを駆
従来方式のように外付けモータや回転シャフトが不要
動する「ラン・オン・デマンド搬送」
(図表.
1)によって、
なため、コンベヤ下部がすっきりしたシンプルラインと
外付けの1モータ駆動方式に比べて約60%の省エネ効
なりますし、低床ラインも可能です。騒音についても
果を発揮します。(図表.
2)また電力から駆動力へのエ
MDRの低騒音構造ならびにラン・オン・デマンド搬送
ネルギー変換効率はACモータの約5
0%に対し、DCブラ
(連続運転なし)
、
エアーレス化により快適空間を実現し
シレスモータでは7
0∼80%と高く、同サイズならモー
ます。
Material Handling Journal No.
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2
1
eco物流に貢献するMDR(Motor Driven Roller)
◆制御の高度化
分岐・合流・トレーサビリティ管理などの高度な制
御、搬送システムのインテリジェント化を実現します。
さらにCANopen対応コントローラを採用することによ
り、情報通信と融合した自律分散型コンピュータネット
ワーク制御が可能です。
◆トータルコストを低減
イニシャルコスト:プラグ&プレイやシンプル構造に
より工事費削減ができ、レイアウトも簡単設計により工
数削減が可能です。
ランニングコスト:省エネはもちろん、レイアウト変
更や追加工事も簡単で低コストの運用が可能となりま
写真.
2 伊東電機ブース
す。
メンテナンスコスト:部品点数が少なく、MDRの取
付けや故障時の交換に専門知識や技能は不要で、さらに
取付け・交換後の調整も不要なため、機器のダウンタイ
ムを短縮することが出来ます。
メンテナンスに掛かる人件費の削減に寄与し、イニシ
ャルとランニングコストのトータルで大幅なコストダウ
ンが得られます。
前述しました米国郵便公社(USPS)のコストダウン
事例が参考文献として掲載されています。(図表.
3)
写真.
3 高速仕分けF-RATソーターの
実演に多くの来場者見学
模擬して【eco物流で経営支援】をテーマに『MDRの
活用は“搬送からストレージへ”
“ストレージからピッキ
ング・ソーティングへと”用途拡大』
『伊東電機のコンポ
図表.
3 米国郵便公社(USPS)のトータルコスト
ダウン事例
ーネント・ユニットは、物流・配送センターの自動化・
省エネ化に貢献します』をキーワードに、物流分野市場
におけるMDR・伊東電機の役割りについてアピール
第2章 MDRを応用したモジュール・ユニット
1.国際物流総合展での出展事例
し、約4万人の方々にブースに立ち寄って頂きました。
展示内容は自動倉庫エリア、ピッキングエリア、スト
レージエリア、ソーティングエリアの4ゾーンに区分け
昨年9月14日∼17日(4日間)に開催されました、国
し(図表.
4)
、一連の流れの中でMDRならびにモジュー
際物流総合展(写真.
2、3)では物流・配送センターを
ルが活躍する様子を実演することにより、理解を深めて
いただきました。
2
2
MHジャーナル
平成2
3年4月
eco物流に貢献するMDR(Motor Driven Roller)
また、出荷計画・出庫計画に連動させ、出庫順に合わ
せたパレットの並び替えが可能です。
オートパレラックは生産計画とリンクした部品倉庫
や、入出庫が頻繁な多品種を扱う一時保管場所として最
適です。
すでに弊社工場内で用途に応じて3システムのオート
パレラックを設置し、省エネ対策・人件費削減・安全面
やクリーン化に貢献しております。またPR用モデルシ
ステムとしても活用したり、お客様の立場での使い勝手
の追求・改善に結びつけています。
図表.
4 物流・配送センターを模擬した展示レイアウト
2.eco物流に貢献するMDR応用商品
その中で、MDRの特長を活かした応用商品の一部を
紹介いたします。
◆パレット並び替え・保管・入出庫自動棚『オートパレ
ラック』
(写真.
4)
オートパレラックはMDRを使ったストレートコンベ
ヤとターンテーブル(反転装置)を組み合わせたシステ
写真.
4 オートパレラック
ムです。スペースや保管規模によってストレートコンベ
ヤやターンテーブルを自由に組み合わせることが出来ま
す。また、制御はCANopen対応の自律分散制御コント
ローラを採用しており、データトラッキング機能による
フレキシブルロケーションを実現しており、入出庫口が
自由に設定できます。
導入メリットとして
①スペースの有効活用………フォークリフト用通路
が不要なため、通路スペース分も保管
スペースを増やすことができます。
写真.
5 F-RATソーター
②作業の簡素化・平準化……全自動入出庫で入出庫
にかかる人手の削減につながります。
◆高速仕分けユニット『F‐RATソーター』
(写真.
5)
③省エネで環境に優しい……パレット移動に必要な
F‐RATソーターは搬送物を上下させずに、水平に保
ローラのみ駆動します。またエアーコンプ
ったまま直角分岐できる機構のF‐RATを採用し、高速
レッサも不要のオール電動駆動です。
化を可能にしました。
④荷崩れの心配なし………MDRの特長でありま
また、制御においてもCANopen対応の自律分散制御
す、ZPA方式によりパレット同士の衝
コントローラの採用により、システム全体の通信速度向
突がありません。また、スロースター
上を実現しました。従来の直角分岐装置を組み合わせた
ト・スローストップ機能付で荷崩れや
仕分けソーターでは、時間当たり2,
0
0
0ケースの処理能
積荷の破損の心配はありません。
力が限界でしたが、倍の4,
0
0
0ケースが可能となり更に
Material Handling Journal No.
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2
3
eco物流に貢献するMDR(Motor Driven Roller)
は5,
000ケースに向けて開発中であります。
し、判断できる事柄は上位PCからの指令を待たず、コ
次に、
このユニットを構成しています直角分岐装置F‐
ントローラ本体が自律してMDRの駆動・停止、スピー
RATとCANopen自律分散制御についての特長を紹介さ
ドコントロール、データトラッキング等の制御や監視を
せて頂きます。
行なう制御をいいます。また、上位からの常時命令が不
要なため、システム全体の通信負荷軽減と上位制御プロ
◆直角分岐装置『F‐RAT』
グラムについては開発時間の短縮に繋がります。
弊社従来品の直角分岐装置は本流のスパイン方向(ベ
特長としまして、制御の部品化、故障診断と搬送モニ
ルト搬送)から仕分けのリブ方向(ローラ搬送)への切
タリング、プログラムの自動ダウンロード、センサー位
替え時に搬送物が上下動する機構になっていました。従
置調整不要、リモートモニターによるメンテナンス対応
って、時間が掛かるため処理能力にも限界があり、壊れ
も可能です。
やすい搬送物の対応に問題がありました。
F−RATはこの2点を解決し、分岐スピード・処理能
力を大幅に向上させました。また分岐時の上下動を無く
最後に
し、衝撃を緩和させる搬送を実現しました。分岐時の動
欧米においてはMDR化(DC化)が9
0%近くまで普及
作イメージは図表.
5にありますように、搬送物(ワーク
しており、さらに昨年からは中国にも浸透し始めまし
面)を基点にベルト・ローラ部が交互に上昇・下降して
た。一方国内のDC化は1
0%程度でACモータローラが
常にどちらかがワーク面を支えていることになります。
9
0%を占めている現状であります。しかし、今後の物
例えれば、お神輿の担ぎ手(ベルト部・ローラー部)が
流業界は更に自動化・高度制御化が進んでくるでしょう
お神輿
(搬送物)
を安定させながら交代するイメージです。
し、FA分野も効率生産に向け自動化・省エネ・環境を
追求したラインへと進化してくるものと思われます。従
って、日本のこれからの搬送も高度化・エコ搬送を基軸
に進化していくと予想され、それにマッチした搬送方法
つまりDCモータローラ搬送でMDRがブレイクしていく
と確信しております。
2
0
1
1年は海外のイベントが続いており、3月のPROMAT2
0
1
1(アメリカ・シカゴ)に出展し、5月2日∼
6日のCeMAT2
0
1
1(ドイツ・ハノーバー)にも出展予
図表.
5 F‐RATの分岐時の動作イメージ
定です。今回は前述の国際物流総合展のコンセプトを基
本に、MDRのピッキング・仕分けを模擬したデモンス
その他特長として、ラン・オン・デマンド方式採用・
トレーション機、さらには新規開発のユニット・モジュ
エアーレス化による省エネ、全高が12
0㎜のためライン
ールも出品するなど積極的に展開していきますので、現
の低床化・多段化が可能、MDRは3軸のシンプル構造
地にてご来場をお待ち申し上げております。
・搬送と直角分岐が1ユニット構造のため省工数・簡単
伊東電機は今後もマテハンメーカーと一緒になって搬
配線を実現、さらには既存ラインへの増設も簡単です。
送の自動化・省エネ化に貢献していきたいと考えています。
◆CANopen対応4ゾーンコントローラ
前述の『オートパレラック』
『F‐RATソーター』に使
用している制御は、上位PCやPLCの負担を軽減し、シ
ステムの簡素化に寄与するCANopen対応自律分散制御
のコントローラを搭載しております。自律分散制御とは
・・・MDRの状態や搬送物の有無などローカルで認識
2
4
MHジャーナル
平成2
3年4月
お問合せ先
伊東電機株式会社 営業本部
〒6
7
9−0
1
8
0 兵庫県加西市朝妻町11
4
6−2
T E L:0790−47−1115
FAX:0790−47−1325
URL:http://www.itohdenki.co.jp/
連★載
米国マテハン専門誌抄訳
vol.54 (2010.11∼2011.1)
米国の Modern Materials Handling 誌の内容を会員に海外情報として紹介すべく、近着の記事中か
ら選択抄訳と解説を掲載しています。全文記事については、インターネット上でmmh.comをクリック
して原文を読むことができます。
2010年11月号
○カナダ最大のDC
(カナディアン・タイヤ社)
カナダ最大の販売業の同社の2
0
0
9年1月に稼動した
モントリオール(ケベック州)DCは4棟の建物;コ
ンベヤ移送可能な2建屋と、フォークリフトで運搬す
る2建屋で構成される。MH機器としては以下のもの
がある。
・総長2
0kmに及ぶコンベヤ
・4層構造のピッキングモジュールコンベヤシステ
ム:1
2式
・ピッキングモジュールからのカートンを8本のアキ
ュームラインを介して1本の仕分コンベヤに合流す
るコンベヤシステム
・7,
2
0
0カートン/hの仕分け能力を有するスライドシ
ュー式高速仕分機
・ポップアップホイール式出荷用仕分機:4式で5
6方
面仕分
ピッキング指示は最大2
8店舗ごとのサイクル(1∼
2時間ごとと見込まれる)で発して、1サイクル内で
は1店舗のピッキングが終了しない限り、次の店舗の
ピッキングに進まないWMSとなっている。
2010年12月号
○AS/RSによる改善効果と3R
MH機器、メンテナンス部品を製造・販売するRCP
(ラバーメイド・コマーシャル・プロダクツ)
社ウィン
チェスター本社工場(バージニア州)では近年AS/RS
を導入し、自動化を図ったが、3R(リデュース、リ
ユース、
リサイクル)
も重要なポイントとなっている。
2
8通路の2
1m高さのラック、マニュアル稼動のスタ
ッカクレーン1
0台で、2
0年来稼動してきたシステムに
おいて、ラックはそのまま残し、1
0台のマニュアル稼
動のスタッカクレーンを2
8台のAS/RSスタッカクレー
ンにリプレースした。これにより、効率が向上し、2
1
m高さでの作業の危険性が回避された。
同社向けに特別設計されたスタッカクレーン
(自動)
は3方向フォーク機能を持ち、1.
6
5mの通路幅で使用
可とした。その他、ソータを導入した。
これら自動機器の導入とともに、WMS、コンベヤ
システム等のソフトシステムも更新し、定常作業のみ
ならず、緊急時の優先ピッキング対応も可能となっ
た。
2011年1月号
○音声認識システムによるパン製造工場の出荷の合理化
食品パン製造のテイスティ・ベーキング社(フィラ
デルフィア)が2
0
1
0年新築した工場では、音声認識シ
ステムを製品保管及びピッキングに採用した。
平均1日半の在庫量を持つ工場内製品倉庫から各顧
客へほぼ毎日出荷している。
4層 構 造 の 常 温 保 管 エ リ ア 及 び 冷 凍 庫 エ リ ア に
2,
0
0
0パレット保管し、常温エリアでは2∼4層を保
管エリア、1層目をピッキングエリアとしている。
ピッキングは出荷トラック出発スケジュールに同期
させて行われる。音声認識システムの利点は以下のこ
とである。
・スピード
・操作が簡単で、2日の訓練で覚えられる。
・ハンドフリーになり、ピッキング作業がしやすく
なる。
・どのくらい合理化したかが見えるようになる。
・以前の帳票でのピッキングであったようなピッキ
ングの落としがなくなる。
Material Handling Journal No.
265
2
5
特 集
●我が社のMH最新技術●
RFID技術を基盤とした
ロジスティクスへのアプローチ
日本パレットレンタル株式会社
情報本部 RFID推進部
部長 永井 浩一
1.当社のRFIDへのアプローチ
当社では、サプライ・チェーン上に存在するパレット
を把握するために入出荷ごとにパレット数量を手入力す
当社は、「11型」と呼ばれる、「1
10
0mm×110
0mm」
る、Web物流機器在庫管理システム「epal」
(イーパル)
サイズのパレットのレンタルを主事業としている企業で
を4
0
0社超、利用拠点数では約2,
5
0
0箇所のJPR ユーザ
ある。当社のパレットは多くの加工食品メーカー様、日
ー様・共同回収店様に導入いただき、パレット流通の
用雑貨メーカー様にご利用頂いており、消費財流通の基
可視化を総量管理の域で実施、99%の回収を実現し、
盤となっている。
一定の効果を得る事が出来ている。
当社のレンタルパレットにおけるビジネスモデルは、
しかし、高い回収率であっても、実数として年間10万
大きく二つに分けることができる。一つは、一般的であ
枚以上のパレットの回収ができず、その中には、不正な
る、レンタルご利用企業様(JPRユーザー様)に貸出し、
流用や転用が発生している可能性も高い。当社の事業を
返却してもらうというモデルである。
継続していくためには、この状況を改善する必要があ
もう一つは、サプライ・チェーン上にてパレットを共
り、パレットの管理を総量だけに頼るのではなく、パレ
同利用し、レンタルご利用企業様(JPRユーザー様)の
ット個体の動静を把握することが重要であると結論付け
顧客(共同回収店様)からの回収を共同で実施するとい
た。より精度を高める管理を実施していく目標として、
う「JPRレンタルパレット共同利用・共同回収システ
以下の3点をあげた。
ム」というモデルである。(図表.
1)
・なぜ未回収になるかをより精密に把握したい
・資産流出を最小化するために流通履歴を把握したい
共同
回収店様
・まず自社内で、流通実態を見える化したい
そこで、個体の動静いわゆる流通履歴を管理するため
に、RFIDを導入する事とし、利用可能とするために実
証することとした。
2.当社のRFID導入
図表.
1 JPRレンタルパレット共同利用・共同回収システム概念図
当社のビジネスモデル上でRFIDの導入による流通履
歴の管理の実現を具体的に示すと、当社デポから出荷さ
「JPRレンタルパレット共同利用・共同回収システ
れたパレットが、どこの共同回収店様から返却されたか
ム」モデルの場合、出荷したJPRユーザー様と入荷した
を個体レベルで把握する事としている。つまり、当社内
共同回収店様との間で、何枚のパレットの入出荷が発生
で把握できる範囲から流通履歴管理を実現することとし
したかを把握しておく必要がある。
ている。(図表.
2)
2
6
MHジャーナル
平成2
3年4月
RFID技術を基盤としたロジスティクスへのアプローチ
具体的に幾つかの視点からの数値による検証報告を述
共同回収拠点様
JPR
ユーザー様
べる。
a)企業によるパレット利用方法に差異
JPRデポ
製造業 A社様
250
200
図表.
2 現在のRFIDを利用した流れ
平均
パ
レ
ッ 150
ト
枚
数
100
現在、当社湾岸市川デポに、新規ハードウェアとソフ
50
トウェアの導入を行った。
今回導入したシステムは、RFID Tagから収集したパ
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
回転日数
レットの個体情報を「パレットが通過した情報」と「在
製造業 B社様
庫として滞留しているパレットの情報」とを判別し、通
過した情報のみをシステムに計上する事を目的に採用
70
平均
60
し、実用化している。
50
従来の導入していた機器と比較した場合、誤読が減少
40
し、入出庫作業にほぼ支障の無い状況で、高い精度での
30
読取を実現している。そのため、通過した個体情報を多
く収集することが可能になった。
20
10
0
1
3
5
7
9
11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53 55 57 59 61 63 65 67
図表.
3 製造業2社における1サイクルリードタイム
図表.
3における二つのデータは、同一カテゴリー(製
造業)の1サイクル(JPRデポ→製造業様→卸売業様→
JPRデポ)の分布であるが、まず、1週間以内での回転
の有無に違いが生じている。従来、当社のパレットを製
造業に貸し出した場合、全数を生産ラインに投入される
と考えてきたが、1週間以内で1サイクルしていると考
えた場合、出荷時の混載対応等でラインに投入せず利用
写真.
1 現在のRFID読取機器
されているケースが存在していることを裏付けるものと
なった。
当社の目的は、前述のようにパレットの流通履歴を分
析し、その動静から企業のパレット利用の実態などを数
b)同一企業間を経由する場合の日数差異
値化して把握する事にあり、今まで実績と経験に頼って
図表.
4は、出荷先であるメーカーを表頭、届け先企業
いた部分を、客観的な数値として把握する事とともに、
を表側に掲示し、各企業を経由した1サイクルあたりの
総量管理では把握する事が出来なかった、パレット自体
平均・最大・最小の所要日数を示している。
の動静を数値として明確化する事にある。
Material Handling Journal No.
265
2
7
RFID技術を基盤としたロジスティクスへのアプローチ
を提供できる唯一の企業である点が大きいものと考えて
回収元拠点名称
着ユーザー!
着ユーザー"
着ユーザー#
着ユーザー$
着ユーザー%
着ユーザー&
着ユーザー'
着ユーザー(
データ
平均
最大値
最小値
平均
最大値
最小値
平均
最大値
最小値
平均
最大値
最小値
平均
最大値
最小値
平均
最大値
最小値
平均
最大値
最小値
平均
最大値
最小値
製
造
業
A
製
造
業
B
製
造
業
C
製
造
業
D
製
造
業
E
製
造
業
F
4
3
5
0
2
3
2
3
3
2
1
5
4
2
6
2
2
5
2
6
4
3
1
4
3
7
4
2
3
3
3
6
4
2
1
9
3
9
4
0
3
8
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1
1
6
3
2
5
6
1
4
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6
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1
3
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2
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6
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5
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2
1
製
造
業
G
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4
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2
4
4
2
4
6
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3
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製
造
業
H
3
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3
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5
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1
1
4
4
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0
6
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0
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0
製
造
業
I
製
造
業
J
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4
4
3
1
9
3
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1
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6
1
3
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4
3
6
8
1
0
5
2
5
9
3
7
いる。
1)2
0
0
0年からRFIDの研究を行っており、豊富な経
験を持っている
2)RFIDや周辺機器などのハードウェアは自社製品
として保有していないため、国内外メーカーの中か
ら、現場環境に併せた適切なハードウェアの選択・
提供が可能である
2
6
4
0
1
5
3
0
4
8
1
9
2
7
3
3
1
8
3
1
4
4
1
5
3)Web物流機器在庫管理システム「epal」などの提
3
7
4
9
2
4
4
4
4
4
4
4
図表.
4 経路間1サイクル所要日数比較
供により、独自でソフトウェアを構築することな
く、すぐにRFIDシステムを導入することが可能で
ある
4)ハードウェアのレンタル提供も可能であり、
「epal」と併せてイニシャルコストを抑え、資産計
上せずに導入できることが可能である
発着が同一の企業間を経由する1サイクルの比較で
も、所要日数に大きな差が生じている。特に、同一企業
昨年度、製造業様への通い容器管理を受託したのに続
を経由していても2ヶ月近い日数の差異が生じている事
き、本年度は食品卸売業様、小売業様に対して導入を受
例もあり、従来考えていたよりも色々な用途にパレット
託した。今回は、その中の事例として、取引先X社での
が利用されているケースと、過剰に入荷した場合など
通い容器のサンプル検証について簡単に述べることにす
は、早急に返却されるケースが、同一拠点を経由した中
る。
で発生しており、企業間での利用に法則性はなく、その
ときの状況に応じて利用形態が変化しているものと推察
今回X社様でサンプル検証を実施したものは、通常利
用している「かご台車」である。
X社様では、かご台車を自社店舗配送に利用してい
される。
この結果は、資産管理という観点からでは、単にパレ
る。このサンプル調査は、かご台車の出荷の際と、物流
ットの1サイクルあたりの所要日数を明確にする事が重
センター様に戻ってきた時点で、かご台車のシリアル番
要であるが、サプライ・チェーンという観点からでは、
号をデータとして蓄積する事によりサンプル検証を行う
当社のパレットに積載されている商品情報と組み合わせ
方式を採用した。(図表.
5)
る事が可能であれば、パレットに積まれた商品が、「何
物流センター様
時」
「何処に」所在していたかをパレット単位で把握する
事が可能になり、製造業や卸売業にとって商品を把握す
る上で重要になるというだけでなく、小売業等で商品の
店舗様
流通経路と商品鮮度を把握することができる一助になる
と考えることが出来る。
3.当社取引先通い容器による事例
図表.
5 X社様におけるサンプル調査範囲
当社がRFIDに関して実証や導入を実施している経験
X社様の場合、通常の1サイクル(物流センター様
から、取引先である様々な業界の企業から導入を依頼さ
⇒店舗様⇒物流センター様)が成立している場合は、
れることが、近年増加している。
平均5.
0日と効率的な運用をおこなっているような数値
当社への依頼が増加している要因としては、以下全て
2
8
MHジャーナル
平成2
3年4月
となっているが、1ヶ月の利用回数では4回以下の利用
RFID技術を基盤としたロジスティクスへのアプローチ
が83.
9%となっており、かご台車の使用頻度にバラツ
キがあり、必要以上の台数が存在する事をうかがわせて
いる。
4.まとめ
今回は、実例として当社のパレット及び当社取引先様
利用
回数
構成比
累計構成比
1
2
3
4
5
6
7
8
9
1
0
2
3.
2%
2
4.
0%
2
0.
9%
1
5.
7%
9.
3%
4.
5%
1.
7%
0.
5%
0.
1%
0.
0%
2
3.
2%
4
7.
2%
6
8.
1%
8
3.
9%
9
3.
2%
9
7.
7%
9
9.
4%
9
9.
9%
1
0
0.
0%
0%
1
0
0.
総計
1
0
0%
図表.
6 X社様における月間のかご台車
利用回数構成比
RFIDを現場で利用するには、現時点では、商品単品
レベルでの利用ではなく、通い容器にRFID技術を利用
する事で通い容器資産を適正化(適正在庫量)させるケ
ースが多く見受けられる。しかしながら、資産の適正化
のみならず、通い容器の流通経路や滞留日数などを明ら
かにする事により、積載されている商品の鮮度管理、管
理在庫を通い容器単位で管理する事など、より広い管理
をサプライ・チェーン全体で実施し、共有する事が可能
になると考えている。
のかご台車の事例を紹介したが、搬送用の通い容器であ
り、利用範囲は制限されているものである。
しかし将来的には、食品を中心としたサプライ・チェ
ーンにおいて、通い容器を軸としたRFID技術の利用に
よる、より高度な情報を「製・配・販」の流通三層で共
有し、消費者により高い「安全・安心」を提供できる可
能性を秘めていると思われる。
お問合せ先
日本パレットレンタル株式会社
情報本部 RFID推進部
部長 永井 浩一
(日本物流学会 監事)
TEL:0
3−3
6
6
6−8
4
7
7
E-mail : [email protected]
JPR最新の情報はこちら。
⇒http : //www.jpr.co.jp
★YouTubeで見るJPR(JPR You Tube TOP)
⇒http : //www.youtube.com/user/JPRcorp
Material Handling Journal No.
265
2
9
特 集
●我が社のMH最新技術●
お客様の視点に立って省力化を考える
京町産業車輌株式会社
代表取締役 大野 雅隆
1.様々な現場に対応できる省力化機器を提案
その他にも原料を容器のまま
撹拌できるフープシェーカー
弊社は「未来への物流をアシストいたします」をモッ
や、環境関連機器である回転ふ
トーに、様々な分野の作業現場に省力化機器を提案いた
るい機スクリーントロンメルを
します。重量用キャスターや運搬車、ハンドリフトなど
開発しました。一方省力化機器
省力化機器を製作しているほか、撹拌機器や環境関連機
の開発も進み、近年ではスーパ
器、重量物牽引用のドライブも製作しており、さまざま
ーアシストという重量物搬送の
な作業現場の省力化をお手伝いしております。
作業軽減ができるドライブユニ
ットを開発しました。スーパー
2.京町産業の歩み
(キャスターからリフトへ)
アシストはリフターや台車に容
易に取り付けることが出来るた
写真.
2
アシストリフト
最初は鋳物製のキャスターを製造する会社でしたが、
め、標準品リフターとの複合販
客先の要望にこたえ、台車の製作、ハイスタッカーとい
売を行うことが出来ました。ま
う昇降機や、荷物の上げ下ろしを行うハンドリフトが製
た、スーパーアシストをリフターに内蔵することにより
作されました。その後、昇降機能の他、ドラム缶を反転
重量物の搬送昇降を容易に行うことができるアシストリ
することができるハンドドラムリフト、お客様のお好み
フトの開発に至りました。その後牽引ドライブの開発に
の高さにて容器を反転し内容物を投入できるインバーシ
成功し、
省力機器の取り扱いの幅が大幅に広がりました。
ョンリフト、ロール原反を反転搬送することができるロ
ール反転リフトを開発致しました。
3.荷役作業の省力化、
軽作業化など
顧客ニーズの変化
近年の製造現場では、作業対象物の大型化や重量増
加、作業者の高齢化、製造現場への女性の進出などが進
んでおり、作業の省力化が最重要課題となっておりま
す。弊社は標準型製品の販売の他に、それをもとにした
改造型製品の制作も、お客様との相談や打ち合わせによ
って行っており、運搬、搬送、物流から環境機器まで幅
広いお客様のニーズに合わせて、今までの実績を駆使し
写真.
1 鋳物製キャスター
て設計製作してきました。
弊社はお客様に対して「できない」という言葉を極力
3
0
MHジャーナル
平成2
3年4月
お客様の視点に立って省力化を考える
使わないように心掛けており、以前に事例のない話で
も、一度客先から相談を頂いたことは社内で協議し、何
らかの答えを提案するようにしております。
写真.
5 2
0
1
0年物流展弊社ブース
写真.
3 大型ロールを反転する外径チャック式
ロール反転リフト
また、国内にて弊社製品を広く知っていただくため、
様々な分野の展示会に出展しております。物流関連の展
示会への出展はもちろんのこと、医薬関連、食品関連、
4.展示会を軸とした営業展開と新製品開発
環境事業関連など業種が違う展示会への出展すること
で、新たな分野の顧客を開拓しております。
弊社の営業展開と新製品開発の軸は展示会の活用で
出展した展示会では、営業マンだけでなく全社員がそ
す。展示会を視察、出展することにより情報収集を行っ
れぞれの立場で製品の説明を受け持ちます。そこでの営
ており、そこから新製品につながるアイデアを模索して
業活動を通じて、製品の使い勝手の良し悪しなどお客様
おります。展示会の視察は国内外におよび、中国、ヨー
が感じていることを知ることができ、社員教育にも役立
ロッパ、アメリカなど世界の様々な場所で行われている
っています。
展示会を積極的に視察することで、省力化機器の最先端
また展示会で得ることができたお客様の様々なニーズ
の情報を得ることができ、世界的にどのような需要があ
はデータベース化されており、そこから需要の方向性も
るのかということを知ることもできます。
把握し新製品開発が行われます。
5.全国的なデモ活動を展開
このほかに新製品を売り込むため、全国をキャラバン
カーで回っております。ユーザーの工場にデモ機を持参
し、デモ活動を行ったうえで製品の操作性を実感してい
ただき、購入していただくという営業展開を行っており
ます。4年前ほどからデモ活動を行っておりますが、全
国で行ったデモ活動を通じて、新製品へのヒントを得る
ことがあります。例を挙げますと、近年、フォークリフ
トを使用する作業では運転免許が必要となり、使用者が
限られてしまう事、近年多発するリフトの転倒や追突等
の事故から工場作業者の安全を確保するためのフォーク
写真.
4 ドイツハノーバーにてセマット視察
リフトレスが進んでいる事などから、フォークリフトの
代わりに重量物を牽引出来る機器を導入する必要がある
Material Handling Journal No.
265
3
1
お客様の視点に立って省力化を考える
ため、牽引ドライブの需要が高まっていることを知りま
会内の横のつながりは非常に大事であり、加盟している
した。この需要を受け昨年、「e-Driveひっぱるぞう」
協会との連携も大切にしていこうと考えております。そ
の開発をすることができました。
のため協会内のみの横の繋がりのみにとどめず、業種別
に設置された部会にも各部会の弊社における担当者を決
め参加しております。各担当者は部会に参加すること
で、日本の物流業界の動向を把握することが出来るた
め、このことは社員教育にも役立っています。
写真.
6 デモ活動の様子「デモ機を持参します」
写真.
8 上海セマットアジアにて
7.蓄積してきた経験をもとに世界へ発信
様々な展示会の視察や、徹底したお客様志向による経
営の推進、展示会への出展やデモ活動を軸としたマーケ
写真.
7 牽引ドライブ「e-Drive
ひっぱるぞう」
ットの把握、また新製品開発の継続、中国への展開、そ
してさらに新しい分野への参入を視野に入れておりま
6.日系企業を中心に新たな中国展開
今後検討しているのは、中国への展開です。販売は国
内中心ですが、部品仕入れは一部中国から行っておりま
す。
マーケットにマッチした新製品作りに全員一丸となっ
た力を発揮し、より多くのお客様へ弊社製品をご提供し
ていきたいと考えております。
す。しかし、部品仕入れだけではマーケットやお客様の
顔が見えないため中国の取引先を拠点として日系企業を
中心に営業展開するなど、販売をすることも検討してお
お問合せ先
ります。そのためには企業を訪問して情報収集を行い、
京町産業車輌株式会社
省力化機械のマーケット調査から始めようと考えており
本社所在地:〒9
2
0−0
8
4
8 石川県金沢市京町10−3
0
ます。
TEL:0
7
6−2
5
1−0
1
1
1
中国への展開は、弊社が加盟する「日本物流システム
機器協会」も積極的に対応しています。情報の共有や協
3
2
MHジャーナル
平成2
3年4月
E-mail : [email protected]
ま め 知 識
(シリーズ!)
文/佐藤
■印鑑ものしり話
………………………………………………
…………………………………………………………………
新しい生活のスタートにふさわしいこの季節に大活躍する
のが印鑑でしょう。家や車など大きなものを買う時、部屋を
借りる時、銀行口座をつくる時、あらゆるシーンに印鑑が登
場しますね。
個人で使う印鑑には「実印」
「銀行印」
「みとめ印」がありま
す。実印とは、市区町村役所に登録してあって、印鑑証明書
を受けられる印鑑のこと。登録できるのは1人1本で法的な
効力があると同時に契約者が「本人である」ことの証明にな
ります。そのため不動産購入や婚姻届、保険加入、遺産の相
続といった重要な契約で使われます。万一紛失した時は、す
ぐに登録している役所に届け出ましょう。これで印鑑証明書
の交付をストップさせることができます。その上で改印届け
を出します。紛失した実印で行った契約はそのままで大丈夫
です。銀行印は、口座を開設する時に金融機関に届ける印鑑
です。実印を使う人もいますが、紛失や盗難に遭った時のこ
とを考えて別にすることをおすすめします。みとめ印は暮ら
しの中で使うことが多いのですが、捺印したことで印鑑の効
力が発生することは頭に入れておきましょう。
現在「印鑑社会」になっているのは日本、中国、台湾、韓
国の4か国とされていますが、歴史を遡ると紀元前のメソポ
タミア地方にそのルーツがあると言われています。所持して
いたのは有力者のみで権力や富を誇示するためだったのでし
ょうか、宝石を使ってつくられ、贅を尽くしたものだったよ
うです。また、旧約聖書の中にも印鑑について言及されてい
るそうで、その昔はヨーロッパでもサインより印鑑社会だっ
たのかもしれません。日本での最古の印鑑はご存じ「漢倭奴
国王」という金印で紀元前5
7年に中国・光武帝から贈られた
ものです。現在の制度になったのは、明治時代からです。
さて、日本のお札を見てみると、表には「総裁之印」
、
裏は
「発券局長」の印影が押されています。しかも表面は「印て
ん」という京印章、裏面は「小てん」という東京風と書体を
替えてあるのだそうです。
履歴書や受け取りに押すみとめ印から、人生の大きな節目
に使う実印まで。実印を持つということは、名実ともに社会
人になるということかも知れませんね。
※参考:株式会社 ハンコヤドットコム
http://www.hankoya.com/
印鑑の優美 http : //www.max.hi-ho.ne.jp/hanko/
はんこ屋さん2
1 http : //www.hanko21.co.jp/
大槻栄文堂 http : //www.eibundou.com/
誠
■身もお財布もカジュアルになった、
空の旅。
………………………………………………
…………………………………………………………………
1
9
1
0年1
2月、東京・代々木練兵場で動力付飛行機がわが国
で初めての飛行に成功してから約1
0
0年。かつて高嶺の花だ
った飛行機旅行は、パック旅行の発売や円高などに後押しさ
れ、ずいぶん身近になりました。
そして今、注目されているのが「格安航空会社」
、
いわゆる
ローコストキャリア(LCC)です。これまで格安で飛行機に
乗ろうと思ったら「格安航空券」が主流でした。この2つ、
一体どこが違うのでしょうか。
「格安航空券」とは、航空会社が旅行会社に卸している割
引料金の航空券のこと。旅行会社からのみ購入できるチケッ
トです。対して「格安航空会社」とは、効率化や経費削減を
行うことにより、安い運賃で旅客サービスを提供する航空会
社を言います。食事や飲み物といった機内サービスを省略ま
たは有料化、座席指定不可、予約や購入がインターネットの
み、さらにはトイレの有料化、立ち席の検討など徹底したコ
スト削減で、大手航空会社や格安航空券よりも安い料金が実
現するという仕組みです。
もともとは1
9
9
0年代、航空自由化政策によりさまざまな制
約が緩和されたためにアメリカやヨーロッパで始まったビジ
ネスモデルで、次第にアジアへと広まりました。日本にもジ
ェットスター航空をはじめとして、茨城・上海間の料金が
4,
0
0
0円ということで大きな話題になった春秋航空が参入
し、今後も続々と就航する予定です。さらに全日空も春をめ
どにLCCを立ち上げ、東京・大阪間が5,
0
0
0円程度という新
幹線より安い、
長距離バス並みの料金を予定しているようです。
大手旅行会社の調査によれば、格安航空会社を知っている
人は5
6%いるものの、利用したことがある人は5%とまだま
だ少ないことがわかりました。ただ、約4割の人が今後利用
してみたいと答えていて、浮いたお金は旅行回数を増やすと
言う人が3割で一番多かったそうです。
格安料金を実現させるため、航空会社のウェブサイトから
しか購入できなかったり、キャンセル料がかかったり、荷物
の持ち込み制限が厳しかったり、欠航や遅延時の他社便振替
サービスの有無も各社まちまちです。それでも安い料金で気
軽に海外に行けるのは魅力的ですね。
※参考:財団法人 日本航空協会 http : //www.aero.or.jp/
空の日ネット http : //www.soranohi.net/
東京新聞 http : //www.tokyo-np.co.jp/
全日本空輸株式会社 http : //www.ana.co.jp/
世界の格安航空会社完全ガイド
http : //lowcost-airline.info/
株式会社 ジェイティービー http : //www.jtb.co.jp/
海外旅行インターネット活用術
http : //homepage3.nifty.com/timetravel/
春秋航空 http : //tickets.china-sss.com/jp
ジェットスター航空 http : //www.jetstar.com/jp/ja/
佐藤
誠
有限会社 アッ
ト・イーズ 代表
財団法人 生涯学習開発財団 認定プロフェッショナルコーチ
株式会社 コーチ・
トゥエンティワンクラスコーチ
NLPマスタープラクティショナー
日本FP協会認定AFP会員
e-mail : mac-sato@df7.so-net.ne.jp
Material Handling Journal No.
265
3
3
MH基礎講座8
原価低減と施策
― 運搬原価と MH 施策の関係を明確化 ―
日本MH協会会長 秋庭 雅夫(東京工業大学名誉教授)
1. 原価低減への取組み
原価低減への取組みには、図表.
1に示すように、二つ
の方式がある。
① トップダウン方式(目標展開方式)
全体として、いくらの原価低減をするのかを最初に
決め、それを原価構成要素に目標展開して個々の構成
要素の目標を設け、それを実現するための施策を選定
図表.
1
原価低減への取り組み方
する。
この取り組み方は、次のような利点がある。
数値で行ってみよう。数値は取組み方を説明するための
a.意図する成果を最初に掲げ、これを全員が認識
もので現実的な意味はない。
できる。
① 目標設定
b.全体を見渡して、構成割合が大きい部分に重点
的に原価低減の目標を展開できる。
いま、運搬原価は1日あたりに換算すると9
0,
0
0
0
円であり、その2
0%の1
8,
0
0
0円を低減するという
c.施策によって得られた個々の成果により、全体
目標を立てた。(実際には、使える費用や成果を獲
の原価低減目標について達成状況が把握できる。
得する期限などの制約が示されるがここでは省略す
② ボトムアップ方式(成果積上げ方式)
現場を見て問題が認められる箇所を指摘し、そこを
改善することにより得られる個々の成果を見積り、そ
の成果を積み上げていって、全体としていくらの原価
低減が見込めるかを算出する。
る)
。
② 目標展開1
運搬原価は、労務費、設備維持費、設備稼働費で
構成されている。
労務費
(6
0%) 54,
0
0
0円
この取組み方は、次のような利点がある。
設備維持費(2
5%) 22,
5
0
0円
a.それぞれの人が自分の仕事を良く理解し、その
設備稼働費(1
5%) 13,
5
0
0円
効率化を図っていく。
b.それぞれの提案が採用されることにより、改革
に意欲的になる。
c.体質の整備が着実に進められる。
[解説]最近では、業績確保・体質向上の双方に目標
このうち、労務費に目標を展開することにした。
目標:労務費 ▲1
8,
0
0
0円
③ 目標展開2
現在の賃率・運版時間は次の通りである。
賃率
1,
3
5
0円/時間
を設定し、それを展開して各個別目標を担当現場に提示
運搬時間
し、それを受けた側が施策を考え提案するというよう
ここでは賃率を変えずに運搬時間に目標を展開す
4
0時間/日
に、トップダウンとボトムアップの良い点を融合した方
る。その場合、運搬時間は労務費の低減率だけを低
式が採用されるケースも多くなってきている。
減すればよい。
労務費の低減率=1
8,
0
0
0÷5
4,
0
0
0=0.
3
3
4
2. 原価低減と目標展開
原価構成は、図表.
2に示す、ある事業所の原価構成の
一部を借用・省略し、これを用いて目標展開を具体的な
3
4
MH ジャーナル
平成2
3年4月
計算では低減率は0.
3
3
3……であるが、切上げと
した。以下、端数は切上げとする。
運搬時間4
0時間/日×0.
3
3
4=1
3.
3
6時間/日
目標:運搬時間 ▲1
3.
3
6時間/日
原価低減と施策 ―運搬原価と MH 施策の関係を明確化―
④ 目標展開3
運搬時間は、搬送時間、積卸時間、除外時間(無
3. 施策の選定
いほうが好ましい時間)で構成されている。
搬送時間(50%)20時間/日
積卸時間(35%)14時間/日
余裕時間(10%) 4時間/日
除外時間(5%) 2時間/日
目標:搬送時間▲1
1.
40時間/日
余裕時間▲0.
52時間/日
除外時間▲1.
44時間/日
⑤ 目標展開4
搬送時間は、移動時間と移動回数の掛け算である。
移動時間(平均)0.
4時間/回
移動回数
50回/日
目標:移動時間▲0.
1時間/回
移動時間が0.
3時間/回となるので、これで5
0回/日
移動すると、搬送時間は0.
3時間/回×50回/日=1
5.
0
時間/日となり、5.
0時間/日低減できる。
搬送時間の目標は11.
4時間/日であるので、1
1.
4時
間/日−5.
0時間/日=6.
4時間/日をさらに低減する
必要がある。6.
4時間/日を0.
3時間/回で移動すると、
6.
4時間/日÷0.
3時 間/回=2
1.
3・・・、切 り 上 げ て
2
2回/日となり、これを低減する必要がある。
目標:移動回数▲22回/日
[検算]目標展開後の移動回数は、5
0回/日のうち2
2回
/日が低減するので2
8回/日となる。この回数を0.
3時
間/回で移動するので、2
8回/日×0.
3時間/回=8.
4
時間/日となり、現状の20時間/日に対して2
0時間/日
図表.
2
目標展開と施策の対応
−8.
4時間/日=11.
6時間/日となり、搬送時間の目標
11.
4時間/日は達成できる。(端数切上げ)
⑥ 目標展開5
移動時間は、運搬距離と運搬速度で決まるが、運
各個別目標について施策を検討した結果、次の施策が
選定された。
搬速度には目標を展開しないで、移動時間の低減割
運搬距離▲2
5%:一部設備配置替えして経路変更
合0.
1時間/回÷0.
4時間/回=0.
25だけ運搬距離
積載数量1.
3
2倍:コンテナー化
を短縮すればよい。
余裕時間▲0.
5
2時間/日:事務打合せ情報化
目標:運搬距離▲25%
除外時間▲1.
4
4時間/日:管理方式変更で待ち削減
移動回数は、積載数量/回と搬送合計数量によって決
それぞれの施策について、他の原価項目に影響が波及
まるが、搬送合計数量は変えられないので、移動回数の
低減した分だけ50回/日÷38回/日=1.
32だけ積載数
量/回を増やせばよい。
目標:積載数量/回1.
32倍
しないか検討する。
このように、原価低減の目標展開と施策がタテ・ヨコ
で体系的に対応でき、施策の進捗状態によって原価低減
の目標達成状況が一目して把握できるようにする。
Material Handling Journal No.
265
3
5
MH基礎講座9
MH提案のアピール
― 顧客の心理構造を解析した MH 評価因子 ―
日本MH協会会長 秋庭 雅夫(東京工業大学名誉教授)
関係の大きい学科目を集めてくると、理科系という才能
1. 評価因子
因子に到達する。
提案された MH に対して、顧客はいろいろな期待を
人の才能因子は、理科系・文科系・特殊技能系の3つ
持っている。それは人によっても違うし、その時その時
で説明できるといわれている。それぞれの人は、この3
の状況によっても、また地域によっても違う場合が多
つの才能因子の割合で、何が得意なのかを説明できる。
い。そのような数多くの期待を取り上げて、それに応え
企業は「理科系」という才能因子の強い人を採用し、
ようとすると焦点が定まらなくなる。
その方面に対する能力の発揮を期待している。
そこで考えられたのが、顧客の心理構造を解析した評
また、学生は自分の得意とする才能因子を伸ばそうと
価因子という考え方である。それによると、口ではそれ
して、その才能因子に関係の大きい学校へ行ったり、ま
ぞれの人がいろいろな事柄を言うが、心の奥底では割合
た学科目を選択しているのである。
に数少ない項目で物事を見ていることがわかる。しか
も、それは人によって、地域によってといった違いが見
られないという。
企業は、新入社員を「理科系・文科系」に分けて募集
する。しかし、理科系という学科目はない。あるのは代
数、統計学、物理、化学、哲学、文学といった学科目で
2. 提案の仕方
提案では、次の3つの項目を明確に示す必要がある。
(1
0
0メートルの競走を例に説明する)
① 課題:何ができなければならないのか。
a.現状:スタート・ラインから、
ある。それでは理科系とは何であろうか。
いまクラスの人達がとった代数と統計学の点数を見る
と、図表.
1のように、点数は楕円の中に殆どが入り、統
b.目標:1
0
0メートル先のゴールに着く。
② 制約:何を守らなければならないのか。
計学の成績が良い人は代数の成績が良いという相関関係
a.仕組み:機械・道具類を使ってはいけない。
が見られる。これは代数・統計学という個々の学科目を
b.動き:他の人の走るのを妨害してはいけない。
通して、数学系が得意である程度によって2つの学科目
c.背景:競技が成立するのに各種条件がある。
の成績が決まることを意味している。この数学系のこと
③ 特徴:何を良さとしてアピールしたいのか。
a.優劣:タイムが他の人よりも良い。
を“才能因子”と呼んでいる。
数学系の得意な人は、物理の点数も良い傾向にあり、
b.態度:初めから終りまで、正々堂々と競技をし
これを数理系と呼ぶ。また、工学のように数理系と相関
図表.1
3
6
MH ジャーナル
平成2
3年4月
学科目の成績と才能因子
ている。
MH提案のアピール ―顧客の心理構造を解析した MH 評価因子―
されており、この製品評価因子は明らかになっている
3. 製品評価因子
し、製品企画・設計・販売の段階で数多く活用されてい
学生は数多くの学科目を履修し、それぞれの学科目の
成績が向上することを期待するが、それらの成績はそれ
ぞれの学生の持つ3つの才能因子の大きさの割合で説明
る。
図表.
2に、製品一般について解明されている製品評価
因子を示した。
がついた。
製品を販売する際に、その製品を採用・購買してくれ
る顧客も、
「こういう点が良ければ好ましいのだが」
と、
いろいろと数多くの期待を持って評価しているのが一般
である。
4. MH 評価因子
MH 提案に対して、それを採用・購買する顧客が持つ
評価因子を“MH 評価因子”と呼ぶことにしよう。
この場合、才能因子と同じように、顧客の心の奥底に
本来ならば、MH 提案に対する顧客の期待情報を収集
は少数の因子があり、それに作用されて製品を見て具体
して分析し、その有効性を検証すべきであるが、それに
的な期待を持っていることが知られている。この心の奥
は大きな手間がと時間がかかる。そこで、いろいろなケ
底にある因子を“製品評価因子”と呼んでいる。
ースにおいて、今までに抽出されている製品評価因子を
今までに製品の購買時における顧客の心理構造が解析
基にして、自分の場合に合うように一部の修正を加えて
いることが多い。
この製品評価因子を見ると、MH 提案にも十分に適合
しており、これを“MH 評価因子”として用いることが
できると考えられる。
5. 提案者の重点と顧客の重点
① 課題
MH 評価因子のうち「基本機能」は提案に対する
「課題」として一般に顧客側から与えられる性質の
ものである。この基本機能が実現できないならば、
提案としては不備であり受け入れてはもらえない。
特定の顧客に対する提案であっても、一般に公開す
る提案であっても、どのような機能が発揮できるの
かを明確に表示する必要がある。
② 重点の合致
その他の MH 評価因子は、提案の中に全て含ま
れている性質のものである。しかし、提案者がどの
評価因子に重点を置いているかが差別化の対象とな
るので、その重点とした評価因子を強烈にアピール
すべきである。
しかし、顧客も評価する際に心の奥底で感じてい
る重点がある。この顧客の持つ重点と提案者の重点
とが合致していなければ、その提案は魅力ないもの
として振り向いてもらえない。顧客がどの評価因子
に魅力を感じているのか、慎重に把握しなければな
らない。
図表.2
製品評価因子
Material Handling Journal No.
265
3
7
JMHS ニュース
中国最大の物流団体と調印
∼我が国で初、
物流及び MH の領域で相互協力∼
中国国家経済貿易委員会直接管理の15の総合的な協
会のひとつであり、26の全国的な専門協会と7つの事
業団体を管理する中国物流購買連合会(中国北京市;
会長:何黎明)をはじめとする4つの団体と日本 MH
協会は、我が国では初となる物流領域で、さる2月2
1
日(月)日比谷公園松本楼にて調印、締結いたしました。
中国物流購買連合会は、中国国務院の許可で設立
し、政府からは外交、業界統計、業界基準の作成等の
権限を有し、全国の会員総数6,
0
00社以上を誇る名実
ともに中国最大の物流団体です。
この調印により、中国物流購買連合会
(CFLP)
、中国
物流技術協会(CLTA)、中国物資貯運協会(CMSTA)
、
日本物流研究センター(JLRC)と日本 MH 協会(JMHS)
は相互に関係する物流および MH の領域で協力関係
を結びます。情報と知識面における協力に関して遵守
すべき基本原則を策定し、且つ具体的な項目の協力に
関して厚い信頼の基礎を確立するものであります。
具体的には、下記6項目にわたって今後相互に連携
を深めてまいります。
1.学術会議と物流・MH にかかわる情報コミュニケ
ーション
・双方は随時、自身が開催する学術会議や物流・
MH 活動にかかわる情報を交換する。
・双方は専門領域に関連する活動に関し、適切な方
法でその案内と資料を交換する。
・双方の会員は相手が開催する学術会議や展示会等
に参加することができ、且つ相手会員と同じ待遇
を受けることができる。
・適切な時期に、双方は共同で学術会議、セミナー、
展示会等、双方にとって重要で意義ある活動を行う。
・物流・MH にかかわる情報コミュニケーションの
発展を促進するため、共同で努力する。
2.関連する出版物と物流・MH 関連資料の提供
・双方は定期的に各自が出版した物流・MH に関連
する出版物を交換することで合意する。
・双方は相手の出版物に掲載された論文等について、
双方の出版物に掲載することができる。
3.共同開催での物流・MH 活動
・相手国で活動を行う計画がある場合、相手方にも
参加する機会を提供する。
・双方は各自の国で活動を行う際、その活動の計画
等に対し、相手方に参加を依頼することができる。
・上記の場合、その活動の準備段階において、参加
3
8
MH ジャーナル
平成2
3年4月
する程度に基づき双方が責任を負う範囲を協議
し、書類を交換することとする。
4.教育と研修活動
・双方は相手の物流・MH 領域内の教育と研修にお
いて提携するため、
可能なかぎり情報を提供する。
5.展覧・展示活動
・双方は物流の展覧・展示活動において互恵互利の
協力を強化する。
・日本 MH 協会(JMHS)は主催者である中国物流
購買連合会
(CFLP)
が開催する展示会等をサポート
し、日本 MH 協会が出版する雑誌等でその展示
会等について広報し、且つ会員企業を中心に日本
企業の同展示会等への出展及び見学を推奨する。
・中国物流購買連合会(CFLP)は主催者である日
本 MH 協会(JMHS)が開催する展示会等をサポ
ートし、中国物流購買連合会が出版する雑誌等で
その展示会等について広報し、且つ会員企業を中
心に中国企業の同展示会等への出展及び見学を推
奨する。
6.物流・MH に関するコンサルタントとサービス活動
・日中両国の企業間における交流と協力を推進する
ため、双方は共同行動をとり、必要とするサポー
トを行う。
・本国の企業が、相手国で関連する業務を展開する
ことをサポートするため、双方は独自あるいは協
力のかたちで両国の関連企業に質の高い物流・
MHに関するコンサルタントとサービスを提供する。
調印式の模様
左:戴副会長
(CFLP)
、
右:秋庭会長
(JMHS)
左:姜会長
(CMSTA)
、
右:秋庭会長
(JMHS)
JMHS ニュース
【中国物流四団体視察団参加者名簿】
1.戴定一:中国物流購買連合会副会長
中国物流技術協会理事長;中国物流学会
常務副会長
2.牟惟仲:中国物流技術協会元理事長;中国物流技
術協会専門家委員会主任
3.姜超峰:中国物資貯運協会会長;中国物資貯運株
式会社監事会主席
4.李小晶:中国物資貯運株式会社理事・副社長
5.劉起正:中国物資貯運株式会社理事・副社長
敬称略・順不同
6.程錦!:中国物資貯運株式会社遼寧支社社長
中国物資貯運株式会社運瀋陽物流センタ
ー社長
7.馮 軍:中国物資貯運株式会社陝西支社副社長;
中国物資貯運株式会社西安支社社長
8.姜 旭:日本物流研究センター副所長;北京物資
学院准教授;中国物流技術協会常務理事
・副事務局長・専門家委員会委員;中国
物流学会理事
【中国訪日団スケジュール】2月2
0日∼2
7日
2月20日(日):北京より東京羽田空港へ来日
2月21日(月):9:30∼13:00 東京日比谷公園松本楼にて協議書の調印式と会議
13:30∼14:30 経済産業省 商務流通グループ 流通・物流政策室表敬訪問
15:00∼16:00 国土交通省 政策統括官付参事官(物流政策・物流施設)室表敬訪問
官庁表敬訪問の模様
2月22日(火):1
0:00∼12:00 冷凍倉庫見学 株式会社ヒューテックノオリン関東第二支店(埼玉県越谷市)
14:00∼16:00 ターミナル見学 日本自動車ターミナル株式会社 京浜事業所(東京都大田区)
2月23日(水):9:00∼10:30 株式会社ダイフク表敬訪問(東京都港区)
11:00∼12:00 日本通運株式会社表敬訪問(東京都港区)
14:00∼15:00 日産自動車株式会社表敬訪問(神奈川県
横浜市)
2月24日(木):1
3:00∼15:30 トヨタ自動車株式会社表敬訪問(愛知県
豊田市)
2月25日(金):9:30∼10:30 西濃運輸株式会社表敬訪問
(岐阜県大垣市)
12:30∼16:00 MH 総合展示場視察 株式会社日に新た館
(滋賀県蒲生郡)
(株式会社ダイフク 滋賀事業所内)
2月26日(土):京都・大阪観光
2月27日(日):関西国際空港より北京へ帰国
企業表敬訪問の模様
Material Handling Journal No.
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