第2章 災害予防計画

第2章
災害予防計画
第2章
第1節
1
災害予防計画
防災関係機関の防災体制の確立
防災体制の確立
災害による被害を最小限にとどめるため、防災関係機関は各機関の防災
上の業務の大綱に基づき、災害の実体に即応した防災体制の確立を図るも
のとする。
2
防災知識の普及、徹底
防災関係機関は防災に関する組織対策、心得等について講習会、講演会
等の開催、機関紙の発行等により、部内職員に対し防災知識の普及、徹底
を図るものとする。
3
防災関係機関相互の協力体制の推進
防災関係機関は、防災活動を的確かつ円滑に実施するため、各機関相互
の防災活動が総合的、有機的に行われるように応援協力体制の確立を図る
ものとする。
第2節
1
自主防災体制の確立
防災知識の普及
防災活動を円滑に行うために、市民及び関係職員に対して災害予防、災害応
急対策等の災害に関する防災知識の普及を図るものとする。
(1)
普及事項
ア
佐伯市地域防災計画の概要
オ
災害時の心得
イ
気象、地象、その他災害発生の原因
カ
被災後の処置
ウ
防災施設の管理
キ
災害危険箇所の周知
エ
防災用品の準備
ク
避 難 施 設・避 難 方 法 の 周 知
(2)
普及方法
ア
市報による普及
イ
報道機関による普及
ウ
住民懇談会等による普及
エ
CATVによる普及
第2章
2
災害予防計画
防災訓練計画
防災についての知識、技能の習得及び住民に対する防災知識の普及、並 びに
災害時の応急対策の遂行を図るため、関係機関による連携のもとに総合的かつ
計画的な防災訓練を実施するものとする。
(1)
水防訓練
関係機関と共催し出水期に備え、水防活動の充実及び水防意識の高揚を 図
り、もって水防体制を強化し水害による被害の軽減を目的として、水防工
法訓練、救出救助訓練、市民参加型訓練、給水炊事訓練、情報通信・伝達
等を適宜織り込んだ訓練を実施する。
(2)
通信連絡訓練
災害時の通信、情報、連絡確保のための電話、防災無線等により通信訓
練を実施する。
(3)
避難訓練
学校、幼稚園、保育所、事業所等を対象に防災訓練、消防訓練と合わせ
て適宜な避難の指示、伝達の方法、避難の誘導等の訓練を実施する。
(4)
救出及び救護訓練
大火災、風水害、地滑り、地震、交通災害等により、生命身体が危険な 状
態にあることを想定し実施する。
(5)
非常招集訓練
災害発生時に迅速に配備体制を整えるよう非常招集の発令、伝達及び通
信連絡についての訓練を実施する。
(6)
総合訓練
水防訓練、消防訓練、避難、救出、救護訓練及び非常呼集訓練の二つ以
上を組み合わせ、総合訓練を県及び防災関係機関と合同で実施することが
できる。
(7)
図上訓練
災害発生を予想し、防災関係職員の知識と判断力を養うため図上訓練を
実施する。訓練実施事項は概ね次のとおりとする。
ア
迅速、的確な情報の収集及び伝達の実施
イ
関係防災機関相互の緊密な連絡及び調整の実施
ウ
多種多様に発生する非常事態に対応する措置の実施
エ
その他災害対策事務または業務の迅速的確な処理
(8)
実施時期及び実施の方法
防災訓練を実施する時期は、訓練の種類に応じて最も効果の期待できる
第2章
災害予防計画
時期を選ぶ。実施の方法については、次のとおり。
3
ア
防災訓練は被害規模を想定し、訓練実施要領を定めて実施する。
イ
防災訓練の細目事項はその都度定める。
ウ
防災訓練実施後は必ず検討会を実施する。
自主防災組織の確立
(1)
必要性
大規模な災害が発生すると、情報連絡手段の途絶や交通寸断等により、関
係防災機関の応急活動が十分に果たせなくなり、地域への救援対策が必ず し
も行き届くとは限らないことが予想される。
そのため、隣保共同の精神に基づく地域住民による自主的な防災活動が 行
える体制を確立しておくことが、被害の未然防止、軽減を図るうえで、よ り
有効な防災対策となる。
災害時における被害の認定、食料・飲料水等必需物資の配給、罹災者の
安否の確認、遺体の捜索・収容、避難、立退き、炊き出し及び災害応急復
旧作業等の災害応急活動については、本市の防災機関の組織だけでなく、
民生委員会、農業協同組合、PTA、婦人会等の公共的団体、民間協力機
関及び住民自治組織の協力があってはじめて防災対策の成果が期待できる
ものである。
このため市及び関係機関は、公共的団体及び民間協力機関等が地域の実
情に応じて結成した自主防災組織を積極的に指導、支援していくものとす
る。なお、自主防災組織の活動内容は次のとおりとする。
(1)
防災に関する知識の啓発活動
(2)
住民総参加(災害弱者も含む)による防 災 訓 練 の 実 施
(3)
災 害 の 発 生 時 に お け る 情 報 の 収 集 伝 達 、初 期 消 火 、救 出 救 護 、避 難 誘 導 、
給食給水等の活動の明確化
(4)
2
地域防災力向上のための防災士の育成
結成促進
自治委員会の各種会議において、自主防災組織の必要性を訴え、その結成促
進を図るものとする。
第2章
3
災害予防計画
組織の育成、強化及び装備、資機材等の整備
訓練、研修等を支援するために職員派遣及び佐伯市自主防災組織運営補 助 金
交付要綱に基づき、経費の補助等行うものとする。
第3節
災害危険区域の把握
災害時において迅速・的確な災害対策が実施できるように、地域内の危険区域
を次のとおり区分し、調査把握し関係者に周知しておくものとする。
(1)
水害危険区域
(2)
土砂災害発生危険区域
(3)
土石流発生危険区域
(4)
危険物貯蔵所、その他の防災上重要な施設の区域
2
危険区域の巡視・情報収集
大雨・洪水等により各種災害の発生が予測される場合、必要に応じて災害
危険予想箇所の巡視を行い、危険予想箇所の状況の変化、被災状況を早期に
把握することで被害の拡大防止に備えるものとする。
第4節
災害危険箇所の調査
災 害 対 策 基 本 法 第 59条 第 1 項 の 規 定 に 基 づ き 、 市 長 が 行 う 事 前 措 置 の 対 象 と な
る設備又は物件をあらかじめ平常時において調査把握しておくものとする。
又 、事 前 措 置 の 対 象 と な る 管 理 者 等 に 対 し て は 、災 害 が 発 生 し た 場 合 に 備 え て 、
事 前 で の 口頭による直接指導、又は文章による指 導 を 行 う も の と す る 。
第5節
1
防災事業の促進に関する計画
治山対策事業の促進
県が実施する治山事業において積極的に働きかけを行いながら、保安林の整備、
拡張、必要に応じた治山ダムの整備等に重点をおき、治山対策を促進するものとす
る。
また、普通林においても水土保全機能を高度に発揮させるため、佐伯広域森林組合
等関係団体と連携を図りながら、造林関係事業を活用した適切な森林整備を推進する。
さらに、市が実施する県単補助治山事業や市単独による林地等崩壊防止事業の実施
第2章
災害予防計画
により、林地崩壊による住宅等への直接的被害を防止するとともに、崩壊した林地
の復旧を図る。
2
河川改修事業の促進
直轄河川及び県管理河川は、河川改修、又は災害復旧等により、逐次整備さ
れつつあるが、河川改修事業は国・県計画によるものとし、市は国、県計画 へ
の働きかけと事業実施段階における地元協議に積極的に協力し、事業促進 を促
すものとする。
又、市管理河川及び準用河川については、計画的な改修によって河川改修事
業の促進を図るものとする。
3
道路整備事業の促進
本市は広大な市域面積を有する関係上、急崚な山間部や海岸部等が多く含
まれており、道路沿線は急傾斜地が多く、雨季等において崖くずれ、路肩崩
壊が多く発生している。
国、県道の改修事業は、国、県の計画によるものとし、市は国、県への計画
の働きかけと、事業実施段階における地元協議に積極的に協力し、事業促 進
を図るものとする。
市 道 の 整 備 に つ い て は 地 域 住 民 の 生 産 活 動 、日 常 生 活 の 利 便 性 を 向 上 さ せ 、
かつ、防災活動上主要な市道から逐次改良事業を実施するものとする。
4
砂防事業の促進
台風、集中豪雨により山崩れ、地すべり等による土石流の直撃を防止する た
め砂防事業、地すべり対策事業、急傾斜地崩壊対策事業の推進を図り災害防止
に努める。
第6節
1
(1)
各災害種別ごとの災害予防計画
風水害に対する予防対策
危険区域の巡視
異常降雨時における被害の拡大を防止するため、関係担当部門は河川管
理者及び消防機関等の協力により、重要となる水防箇所、その他危険区域
を巡視警戒し、危険な箇所があれば直ちに水防管理者又は河川管理者に通
報し、適切な処置を逐次実施する。
第2章
災害予防計画
(2)
ダム等の管理者の市長への連絡
ダム、溜池、水門等の管理者は、水位の変動を常に監視し、水防管理者
と連絡を密に図り適切な管理を行うものとする。なお、貯溜された流水を
放流することにより、災害が発生するおそれがあるときは、あらかじめ市
長及び警察署長等に通報するものとする。
(3)
灌漑用排水路の点検
農業用灌漑排水路、樋門等の工作物を管理する管理団体は、災害時等に
おける点検と適宜な予防措置を講じ、未然に災害を防止するよう努める。
(4)
水防資機材の点検・整備
水防管理者は、水防倉庫に備蓄する水防用資機材を災害時期前に点検を
行い、不良品の更新、所定数の確保に努めるものとする。
(5)
道路、橋梁等の維持補修
道路管理者は所管の道路、橋梁をパトロールし、通行に危険が予想され
る箇所については立札、道路標識によって表示し、通行又は重量の制限を
行う。
(6)
構造物、その他の風害予防措置
アーケード、看板、広告物、その他の構造物の占有者、所有者又は管理
者は、暴風雨を事前に察知した場合、構造物等の点検を行い危険が予想さ
れる箇所について、適宜な予防措置を講じ、未然に災害を防止するように
指導する。
2
地震に対する予防対策
大地震が発生した場合、防災関係機関は全力をあげて防災活動を行うが、
道路の損壊、電話の不通、火災の発生、停電等の多種多様な阻害要因が重な
り、防災関係機関の活動能力は著しく低下することが考えられる。
このような事態において、被害の拡大防止を図り併せて被害を軽減するた
めには、市民の自主的な防災活動が重要であり、住民への啓発活動によって
地震が発生した場合の応急措置がとられるよう指導普及を行う。
3
土砂災害の予防計画
急傾斜地の崩壊、土石流、地滑りの危険が予想される地域を毎年「防災体
制整備促進月間」に調査し、警戒避難措置等の必要な防災体制の確立を図る
とともに、大雨、台風時には特に巡視を厳重に行い、防災体制整備の必要に
第2章
災害予防計画
応じて防災措置の実施を促進する。
(1)
土石流とは
土石流は昔から「山津波」「鉄砲水」などと呼ばれて、その現象が非常
に不可解なものとして恐れられている。
土石流は先端部が土石で盛り上がり小山のように直進し、しかも突発的
に 生 じ 、一 瞬 に し て 人 命 を 奪 い 、人 家 、公 共 施 設 等 に 壊 滅 的 な 被 害 を 与 え 、
このため洪水災害とは異なり圧倒的に人命被害が多い。
(2)
土石流危険渓流
「 土 石 流 危 険 渓 流 」 と は 、 昭 和 53年 8 月 4 日 付 建 設 省 河 砂 発 第 46号 に よ
る土石流及び危険区域調査等により、土石流の発生の危険性があり5戸以
上の人家(5戸以下でも官工署、学校、病院、駅、旅館、発電所等のある
場所を含む)に被害が生ずるおそれのある渓流をいう。
(3)
急傾斜地崩壊危険箇所
「 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 」 と は 、 傾 斜 度 30度 以 上 、 高 さ 5 m 以 上 の 崩 壊
する危険のある急傾斜地で、その崩壊により危害が生ずるおそれのある人
家が5戸以上(5戸未満でも公共的建物、旅館等のある場所を含む)ある
箇所をいう。
(4)
土砂災害警戒区域
県知事が指定する、土砂災害警戒区域における土砂災害防止対策の推進
に関する法律(通称「土砂災害防止法」)第6条に基づき急傾斜地の崩壊
が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生じるおそれがあると
認められる土地の区域をいう。
(5)
土砂災害特別警戒区域
前号の警戒区域のうち、急傾斜地の崩壊が発生した場合に、建築物に破
損が生じ、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認
められる地域であり、かつ一定の開発行為及び建築物の構造等について規
制対象となる地域をいう。
規制については、次のとおりとする。
ア
開発行為の許可(都市計画法・建築基準法・宅地建物取引業法)
市長は、特別警戒区域における住宅宅地分譲の建築及び社会福祉施設
等の建設のための特定開発行為を制限し、許可、監督を行う。
イ
建築物の建築確認(建築基準法施行令)
市は、特別警戒区域に建設される居室を有する建設物について、建築
基準法による基準に照らして、当該災害の衝撃に対して安全性を有して
第2章
災害予防計画
いるか確認する。
ウ
土砂災害警戒区域の指定
市長は、県知事が指定した土砂災害警戒区域及びその土砂災害発生原因と
なる自然現象の種類(土石流、急傾斜地の崩壊、地滑り等)を記載した図書
の送付を受けた場合には、市報等によって住民に告知し、閲覧に付せるもの
とする。
エ
情報収集及び伝達体制の整備
市 及 び 防 災 関 係 機 関 は 、土 砂 災 害 に 関 し て 必 要 な 情 報 を 迅 速 か つ 的 確 に
地域住民等に伝達するため、情報収集体制及び伝達体制の整備を図る。
(ァ)
地 域 住 民 に 対 し 危 険 箇 所 の 周 知 徹 底 を 図 る と と も に 、防 災 意 識 の 高
揚を図る。
(ィ)
危険区域の情報の早期把握に努める。
(ゥ)
大 雨 、洪 水 に 関 す る 予 報 及 び 警 報 の 周 知 徹 底 を 図 る と と も に 、土 砂
災害危険箇所の警戒巡視をおこない、災害の未然防止に努める。
オ
警戒避難体制の整備
市は、警報の伝達、避難等の措置がとれる警戒避難体制を整備し、土
砂災害の未然防止に努める。
(6)
警戒避難基準
原 則 と し て 土砂災害の発生には、地盤のゆるみにつながる長期間の降雨と 、
短期間の強雨の二種類が影響すると考えられることから、大分県が定める 警
戒、避難の目安となる雨量については次のとおりとし、自動応答電話サービ
ス(24‑8406・24‑8405)によって得られる最新の雨量情報を基に住民は、自
主的な避難を行うものとする。
第2章
災害予防計画
基準雨量(大分県が定める警戒、避難基準の目安となる雨量)
観
測
名
警戒基準
222
222
222
139
139
139
222
222
222
佐伯総合庁舎
上 浦 津井浦
弥 生 門 田
本 匠 佩楯山
宇 目 重 岡
直 川 アセブ
鶴 見 有明浦
米水津 色利浦
蒲 江 楠本浦
基準雨量(mm)
避難基準
257
257
257
188
188
188
257
257
257
また、住民は次に掲げるような自然現象を確認した場合には、自発的に
避難を行う。
想定される土砂災害
土石流
地滑り
崖崩れ
第7節
前 兆 と な る 自 然 現 象
(ァ)
(ィ)
(ゥ)
(ェ)
(ァ)
(ィ)
(ゥ)
(ェ)
(ァ)
(ィ)
(ゥ)
(ェ)
山鳴りがする
腐った土の臭いがする
雨が降り続いているのに川の水位が下がる
川が急に濁り、流木が混ざっている
沢や井戸の水が濁る
地面にひび割れができる
家やよう壁に亀裂が入ったり、傾いたりする
斜面から水が吹き出す
崖から小石がパラパラと落ちてくる
崖から木の根が切れる等の音がする
崖に割れ目が見える
崖から水が湧き出ている
火災予防計画
佐伯市消防計画書に定めるところによる。
第8節
水防計画
佐伯市水防計画に定めるところによる。
第2章
災害予防計画
第9節
1
防災業務施設および設備等の整備計画
通信施設及び設備等の整備
(1)
災害連絡体制図の作成
災害通信連絡が迅速、的確に行われるように、各振興局及び防災関係機関
並びにその他の関係機関等に対する連絡のための体制図を作成する。
(2)
災害通信施設の整備災害通信は防災行政無線を使用し、必要により警察
署、消防署、九州電力及びJR無線を使用するので、これら通信体制の確
保に努めるものとする。
また災害時において被災地域と迅速に通信連絡がとれるようアマチュア
無線団体の協力を求めるとともに、佐伯市防災行政無線の整備を図る。
2
水防資機材の整備充実
(1)
水防資機材の確保
災害発生の防止及び拡大を防止するための水防資機材については、逐次
充実整備するよう努力するものとする。また災害時においては、県及び防
災関係機関に協力を要請する。
(2)
水防資機材の点検
毎年、梅雨期以前に水防資機材の品名、数量等を総点検し、備蓄数量の
不足について補充を図るものとする。
3
防災基盤施設設備の整備
防 災 基 盤 整 備 と し て 、耐 震 性 貯 水 槽 、防 火 水 槽 、小 型 動 力 ポ ン プ 、避 難 地 、
避難路、防災情報システム等の整備を行なうものとする。
4
災害応急対策協定の締結に向けた取り組み
(1)
応急対策協定の締結
災害時に万全の対策を期するため、民間協力団体と協力協定を結び、平
素から連絡を密にし、協力業務や協力方法を定め、協力団体との体制を確
立していくものとする。
(2)
ア
協力業務
異常気象、災害危険箇所等を発見した場合、市及び関係機関に連絡す
ること。
イ
避難誘導、避難所内被災者の救助業務に協力すること。
第2章
災害予防計画
ウ
被災者に対する炊き出し、救助物資の配分等に協力すること。
エ
被害状況の調査に協力すること。
オ
被災区域内の秩序維持に協力すること。
カ
公共施設の応急復旧作業に協力すること。
キ
仮設住宅の建設に協力すること。
ク
建設資機材の調達に協力すること。
ケ
生活必需品の移送及び調達に協力すること。
コ
その他の災害応急対策業務に協力すること。
第10節
災害時要援護者(災害弱者)の安全確保
高齢者、乳幼児等(妊産婦も含む)、傷病者、心身障がい(児)者、観光客・外
国人等様々なハンディキャップを負い、災害時の対応能力が弱い人の安全確保 及び
その防災活動の支援を行うための対策は、この計画に定めるところによって実 施す
るものとする。
1
高齢者、障がい(児)者、乳幼児等の要援護対策
(1)
市(福祉保健部)における体制
災 害 発 生 に 際 し て は 、数 々 の 災 害 救 助 業 務 の ほ か 、生 活 福 祉 資 金 の 貸 付 、
応 急 仮 設 住 宅 等 福 祉 サ ー ビ ス の 実 施 等 、膨 大 な 種 類 と 量 の 業 務 が 発 生 す る
こ と か ら 、災 害 の 規 模 及 び 行 政 機 能 状 況 等 を 勘 案 し 、次 の 点 に 留 意 し な が
ら、福祉に係る災害応急対策を実施するものとする。
ア
災害救助関係業務と並行して障がい(児)者及び高齢者等に対するホ
ームヘルパーや手話通訳者の派遣、補装具の提供等の福祉サービス等の
関係業務処理体制の確保に努めるものとし、必要に応じて、県、他市町
村等に応
援要請するものとする。
イ
災害発生後一定の期間経過後に業務量が多くなることから、時間の経
過とともに変化する状況に対応した組織と人員に留意しつつ、対策を講
ずるものとする。
(2)
社会福祉協議会における体制
各 地 域 に お け る 災 害 時 の 自 助 、共 助 に 関 す る 知 識 の 普 及 活 動 を 実 施 す る
ものとする。
ア
地区ごとに設けられた地区社協(ボランティア、民生委員、自治会役
員等)及び小中学校並びに一般を対象とした、聴覚・視覚障がい者の誘
第2章
災害予防計画
導、車いすの誘導等の「災害ボランティア体験事業」を実施することに
よって、地域におけるボランティア活動の知識普及を図る。
イ
地域における要援護者を把握するため、「災害時要援護者マップ」、
「災害時要援護者緊急連絡票」の整備充実に努める。
(3)
地域における体制
地 域 住 民 が 協 力 し て 、高 齢 者 、障 が い( 児 )者 の 避 難 を 行 う 環 境 に 対 し 、
多角的に支援するものとする。
ア
災害発生後最低3日間程度の食糧、飲料水等については住民自らの家
庭備蓄により対応できるよう、事前の備えを推進するとともに、災害弱
者に考慮した救援活動が行えるよう、毛布等の備蓄・調達態勢を整備し
ておくなどの対策を推進するものとする。
イ
民生委員及び介護支援専門員(ケアマネジャー)やホームヘルパーな
ど、在宅高齢者、障がい(児)者の居宅の状況に接することのできるも
のに対し、家庭における家財点検等の防災知識普及を図る。
(4)
社会福祉施設における体制
高 齢 者 、障 が い( 児 )者 、児 童 の 要 援 護 者 が 利 用 す る 社 会 福 祉 施 設 に 対
し 、安 全 確 保 の た め の 組 織・体 制 の 整 備 促 進 を 指 導・支 援 す る も の と す る 。
ア
社会福祉施設に対する指導及び支援を通じ、関係防災機関との連携を
図り、要援護者に関する協力体制を整備するものとする。
イ
社会福祉施設の管理者は、施設自体の災害に対する安全性を高めると
ともに、防災設備の整備、資機材等の配備に努めるものとする。
2
観光客・旅行者などの安全確保
(1)
避難所・避難路の標識が観光客・旅行者などにも容易に判別できる標示
とし、その安全確保を図る。
(2)
地域全体で地震災害時の観光客・旅行者等への安全確保や救助活動を実
施できる体制の整備を図る。
3
外国人の安全確保
(1)
避難所・避難路の標識には外国語を付記するなど、災害時に多言語によ
る広報を行なえるよう、外国人に配慮した情報の手段の整備を図る。
(2)
地域全体で地震災害時の外国人の安全確保や救助活動を支援できる体制
の整備を図る。
第2章
災害予防計画
(3)
地域内で生活する外国人の地震災害時の安全確保を図るため、多言語に
よる防災知識の普及活動を推進し、外国語の防災パンフレット等の作成・
普及、外国人を対象とした防災訓練の実施・推進を図る。
第 11節
1
地域の防災環境整備計画
避難場所の指定・整備
(1)
避難場所の指定
避難場所として市内の公共的施設を指定する。また、災害の規模が大き
く 、既 存 施 設 の 被 害 が 甚 大 で あ る 場 合 や 被 災 者 が 多 数 の た め 既 存 施 設 の 収
容力を超えた場合に開設する野外収容施設も整備を図る。
(2)
避難予定場所となる施設管理者との事前協議
ア
避難予定場所の施設管理者と予め協議をする必要がある。
イ
連絡方法及び連絡事項について定めておく。
ウ
管理責任者等を予定しておく。
(3)
避難場所の安全性確保
避難場所となる公共建物に対しては、耐震診断を適宜行い、危険箇所に
ついては補強工事を施すなど安全性を確保する。
(4)
避難路の整備
災害時に緊急避難する場合の避難場所までの避難ルートを日頃から確
認しておく。
第 12節
1
迅速かつ円滑な災害応急対策のための事前措置計画
物資、資機材等の確保体制の充実
(1)
救出救助用資機材・消火用資機材は、災害発生時極めて緊急度が高いの
で、住民が身近に確保できるよう、自治会及び消防団分団単位での確保を
柱とした整備を図る。
(2)
医薬品・医療用資機材は、災害発生時極めて緊急度が高いが、十分な量
を備蓄しておくことが難しいため、緊急調達を迅速に実施できるよう医師
会、薬品卸業界等と「医薬品等の供給に関する協定」を締結し、災害発生
時の確保の整備を図る。
第2章
災害予防計画
(3)
食料・水・被服寝具等の生活必需品の確保については、災害発生3日以
内を目標に調達体制を確立することとし、それまでの間は家庭や地域等で
の確保ができるよう対策を構築する。
ア
家庭、社会福祉施設、医療機関、ホテル・旅館等への食料・水・被服
寝具等の生活必需品の備蓄に関する啓発を図る。
イ
市における食料・水・被服寝具等の生活必需品の備蓄促進を図る。
ウ
大手取扱業者(大型小売店舗、生活協同組合、問屋)との協定等締結
を図る。
2
防災ヘリコプターの派遣要請
(1)
大規模な地震が発生した場合、道路の寸断や渋滞によって陸上からの情
報収集や輸送・搬送に大きな障害が発生する可能性が高い。そこで、大分
県の防災ヘリコプターを要請し、災害応急対策活動等が迅速・的確に行な
われるよう対策に努める。
(2)
ア
被害情報の収集
イ
物資や防災要員の輸送
ウ
負傷者の搬送
臨 時 ヘ リ ポ ー ト の 設 定 に つ い て は 、 第 3 章 災 害 応 急 対 策 計 画 第 17節 「 輸 送 計
画」に準ずる。