(特講) 第9回

(特講) 第9回
‹エントリーシート (2/2回)
Ⅴ.ESの書き方に迷ったとき
(2) (3) (4) (5)
Ⅵ.間違ったESを提出したとき
Ⅶ.ESの通過率
Ⅷ.ESの選考ポイント
‹トピックス
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Ⅴ.ESの書き方に迷ったとき(2)
平凡な学生生活でアピールするものが無い
【状況】・・・平凡な学生生活
•
•
•
•
成績は大して良くない。
サークル・アルバイトではリーダーになれなかった。
賞を取ったことがない。
人と違ったことに打ち込んだ経験がない。
1.他者よりも優れたことを書かないとダメか?
¾書くことが何もない人はいない。書くことはたくさん
出てくる。
2
¾「他者よりも優れたことを書かなければならない」
という思い込みがあるために、書くことが思い付
かない。
¾人気企業の合格者でも、優れたことを書いた訳で
はない。
2.発想を切り替え、仕事に役立つことを書く
¾小さなことでもよい。
¾無理して、大きなこと、大きな成果を書かなくても
大丈夫。
①得意な科目:
• 良い成績をアピールできなくても大丈夫。
3
• 学習態度のアピールで高評価が得られる。
・・・一番大変だった科目の経験。
【例】
(一番大変だった科目を挙げ)、毎日コツコツ努
力し、レポート提出◎◎回。
②サークル活動:
• リーダーシップや受賞をアピールできなくても
大丈夫。
• 役職の仕事で頑張ったことで高評価が得られ
る。
・・・会計や渉外係の経験。
【例】
①会計係としてお金を預かる。PCで会計帳簿を
作り 入出金を管理。1年間に1円の誤差もなし 4
②渉外係として他大学のサークルと交渉。交流
戦を◎◎回組むことができた。
③特技:
• 珍しいことや大げさなことが書けなくても大丈
夫。
• アルバイトの仕事で培ったスキルでも高評価
が得られる。・・・接客や事務の経験。
【例】
①8時間、立ちっぱなしで接客ができる。どんな
に疲れても笑顔は絶やさない。
②パソコン。ワードやエクセルは実務レベルで使
える。
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④趣味:
• 変ったことが書けなくても大丈夫。
• 仕事に役立つ心がけを書いて高評価が得られ
る。
・・・アルバイトで心がけていたこと。
【例】
①社内の整理整頓・トイレの掃除。お客様が気
持ちよく 過ごして頂けることにやり甲斐を感じ
た。
②私はメモ魔です。何でもメモをとり、1度教わっ
たことは忘れません。
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4.仕事で役立つ小さなことをリストアップする
¾採用者が求めている人材とは、仕事をしっかりや
ってくれる人。
¾どんな職種の仕事も、小さな仕事の積み重ね。
(営業、企画、総務・人事)
¾企業は、小さな仕事、地道な仕事、細かい仕事で
もしっかりフォローできる人を高く評価する。
¾自己分析チェックリストから、仕事で役立つことを
リストアップしてみる。
¾決して、大きなことを無理して書く必要はない。
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Ⅴ.ESの書き方に迷ったとき(3)
卒論欄はどう書くべきか?
【状況】
• ゼミに入っていない。
• 卒論の課題が無い。
1.ゼミ・卒論は内定の必要条件ではない
¾ゼミに入っていなければ内定はとれない、卒論を
書かないと内定は取れない・・・そんなことはない
¾無理に「ゼミ・卒論」欄を埋める必要はない。
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2.自分が「深く勉強したい」ことを書く
¾勉強は、人に言われてやるものではない。自分
がやりたいからやるもの。
¾「自分はこんな勉強がしたい」、「自分はこんなレ
ポートが書きたい」と感じていることを書く。「自主
ゼミ」「自主研究」「自主卒論」のようなものをやれ
ばよい。
¾学部の集大成として、自主的に取り組む姿勢を
打ち出し、向上心の高さを示す。
¾書いた以上は、必ず最後までやり抜くこと。充実
感が得られる。
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3.受かる人は、自分を成長させる人
¾書くことが無いなら、書きたいこと(得意科目、サ
ークル、特技、趣味)を今日から始めて、書けば
よい。
¾受かる人は未来に向かって日々進歩する人。
¾社会人になってからでも、仕事に必要な知識・能
力は、すぐに勉強を始めなければならない。
¾今の自分に必要だと思ったら、すぐに始めればよ
い。
•
•
•
•
資格の勉強
新しい特技を鍛える
新しい趣味を始める
新しいサークルに入る
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4.書き方
¾金融機関で働きたいと思っている学生
「2級FP技能士の資格(現在勉強中)」
¾出版社に入り、絵本を作りたいと思っている学生
「児童心理学の勉強」
※「柔軟に、自分を成長させる」
という視点で考えればよい。
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Ⅴ.ESの書き方に迷ったとき(4)
他の受験先をどう書くか?
【状況】
• 様々な業界の企業を受けたがすべて落ちた。
• 現在は、地元の中堅企業を志望して就活してい
る。
1.志望理由の一貫性に注意
¾ESの「他の受験先」欄の意図
①自社に対する志望の強さの確認。
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②自社に対する志望理由と一貫性がある企業、同じよう
なタイプの企業を受験しているかどうか、チェックしてい
る。
¾志望理由が大きく矛盾する企業や、全く違うタイプ
の企業ばかりを受験していたら、評価は下がる。
2.書き方
~相手に志望理由の強さが伝わるよう、誤解を受
けないように書く。
①次のような企業は書く必要はない。
• 志望度の低い企業。
• 単なる憧れ受験の企業。
• 社会勉強として受けている企業。
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②受けた企業をすべて書くことを義務付けられたら
• 落ちた企業も含め、包み隠さず書けばよい。
• 落ちた理由の説明の仕方が大切になる。プラス評価を
得るためには、理由を分析し、反省点を踏まえ、自己
改革していること。
3.面接での対応
~落ちた理由を説明する。
¾以前は会社の表面だけを見て企業を選んでいた
• 業界の順位
• 企業の規模
¾現在は業務の中身をしっかり研究して選ぶように
している。
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¾OB訪問、店舗見学、サービスも利用してみまし
た。
¾OB訪問では、△人と面談させて頂いきました。
◎◎様、□□様、△△様にお会いしました。
¾店舗も、○○支店と××支店を見学させていた
だきました。
~落とされたことに引け目を感じさせず、そこから
学びを得て、今の行動に活かしていることがプラ
ス評価につながる。
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Ⅴ.ESの書き方に迷ったとき(5)
「当社の短所」をどう書くか?
【状況】
• ESに「当社の短所」欄があった。
• 採用担当者にいやな感じを与えないか心配だ。
1.質問の意図
①客観的な根拠に基づいて書いているかの確認。
• しっかり調べているか?
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• データに基づいているか?
• 取材しているか?
②会社内容もわかった上で志望しているかの確認。
• 表面的な部分だけで志望していないか?
• 会社の実態や仕事の大変なところまで理解した上で志
望しているか?
2.対処方法
①データ収集
• 過去1年分の「過去記事」を検索する。(図書館で新聞の
縮小版を閲覧、インターネットによる過去記事検索サー
ビス「日経テレコン」など)
• 志望企業とライバル企業を調べ、比較する。
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【例】
• 数十の記事を見つけた。
• 重要な記事はコピーし、スクラップブックを作った。
【時間が限られたときのデータ収集】
• 各社のホームページから、有価証券報告書やIR関係
に的を絞って精読・分析・比較する。
• 『就職四季報』を活用する。
「記者評価」欄
・・・専門家からみた各社の概要や「売り」を把握。
「会社データ」欄
・・・業績(売上、利益)を比較する、
・・・“今後力を入れる事業”を比較する。
【参考】明治製菓 vs. 森永製菓、阪急交通社 vs. HIS、
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社名
特色
記者評価
明治製菓(株)
森永製菓(株)
食薬兼業。菓子大手。
菓子業界大手。
医薬は抗菌剤・抗うつ系中心。
キャラメル、ビスケットに強い。
菓子大手でチョコレートは長年シ
菓子中堅。「チョコボール」など定
ェア1位。第2の収益柱は医薬品
番品多数。森永乳業とは兄弟会
で、抗生物質とうつ病治療薬に
社。競合他社よりコンビニ向け菓
強み。ジェネリック医薬品にも注
子開発など出遅れ気味。近年「ハ
力、09年4月に明治乳業と経営
イチュウ」を米国で販売など、海
統合、11年4月には食品事業と
外展開にようやく力を入れ始め
薬品事業が分割され、食品事業
た。英語学習などへの補助も活
は明治乳業と一体化し(株)明治
発化している。
となる予定。
売上
411,035百万円
160,878百万円
利益
4,790百万円
3.466百万円
食料・薬品・ヘルスケア各事業
国際事業、健康事業
今後力を
入れる
事業
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社名
特色
記者評価
(株)阪急交通社
(株)エイチ・アイ・エス
阪急阪神交通社HD傘下
格安航空券で伸長、首位。
業界4位の大手旅行社
総合旅行業へ展開
中間持ち株会社傘下で、旧阪急
総合旅行5位、海外旅行の取扱で
交通社の旅行部門の継承会社
はJTBに次ぐ。自由旅行、若者層
として発足。業界大手5社の一角
に強いが、近年は団体・法人営業
。「トラピックス」主力に「クリスタル も強化。海外拠点は100を突破し、
ハート」「e-very」「ロイヤルコレク
特にアジアでのネットワーク拡充
ション」の4ブランド。海外ツアー旅
に注力。長崎のハウステンボスを
行に強い。10年4月阪神航空と
買収し再建中。創業者の澤田秀
統合、「フレンドツアー」事業継承
雄会長の影響力が大きい。
売上
352,943百万円
利益
NA
3,371百万円
今後力を
メディア営業・
法人・団体旅行部門
入れる
ウエヴ販売のさらなる拡大
海外支店網拡充
325,086百万円
事業
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②取材
• OB訪問や店舗見学で、志望企業の社員に上記デー
タ収集の結果について意見を聞いてみる。
• 短所に対する解決策、実施済みの対策について聞い
てみる。
【例】
• 2人のOBを訪問した。
• 気になった記事の内容について深く聞いた。(実際に
働いている人の意見は役に立つ)
③絞り込み
• ESに書く企業の短所は、自分の志望理由(やりたい
仕事)との関連性があるものに絞る。
• ESに統一感が出て、面接で会話を発展させられる。
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【例】・・・営業志望
• 集めた情報の中から営業手法に関するものを調べて
面接に臨む。
• ライバル社の動向、各社の成功例、自分のアイデアを
言えるように準備する。
3.短所を知るメリット
¾ 企業の短所も知った上で志望している者は、真面目に志
望していて、内定辞退・早期退職のリスクが低いとみなさ
れ、高評価を得やすい。
¾ 企業研究は長所のみに目が行きがちなので、短所もしっ
かり調べておくことが大切。
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Ⅵ.間違ったESを提出したとき
【状況】
誤字脱字のあるES(履歴書)を提出してしまった。
1.ケアレスミスの発生
¾ピーク時には毎日何枚ものES、履歴書の〆切り
に追われ、ケアレスミスも起こりがち。
¾マイナス評価につながる。
¾重大なミスならなおさら。
• 氏名、住所、学歴、
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2.リカバリー(一刻も早く修正版と差し替えてもらう)
①修正版を送る。
• 速達(または宅配便)で送る。
• 必ず、手書きのおわび状を添える。
・・・迅速に対処できることが認められ、好印象につなが
る。
②修正版を持参する。
• 直接会社を訪問し、採用担当者に手渡す。
• アポは敢えて取らなくても構わない。或いは、会社の
前まで行ってから電話することでも構わない。急いで
届けに来た雰囲気が出ればよい。
• この場合も、必ず手書きのおわび状を添える。
• 受け取ってもらえたら、その日の内にお礼状を速達で
出す。
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・・・行動力をアピールでき、採用担当者本人に手渡せな
くても迅速な対処で高評価を得られる。
・・・担当者に会えれば、顔と名前を覚えてもらえる。
③面接の際に修正版を持参する
• 軽度のミスの場合、先ず採用担当者に電話でミスの
内容を伝え、対応(修正版の提出方法)を相談する。
• 「持参致しましょうか?」 「郵送致しましょうか?」
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Ⅶ.ESの通過率
1.『就職四季報』 試験情報欄
¾通過率、選好ポイント
• 「ES通過率◎◎%」・・・ES通過数÷ES受付数。
• 「ES提出なし」・・・ES自体がない。
• 「ES選考なし」・・・ESでは選考しない。
2.業種・会社によるES選考の度合い
¾ソフトウエア、外食、卸業、小売では、ES自体がない(
またはESでは選考しない)会社が多い。
・・・大量採用し、比較的離職率が高い会社が含まれ
ているので注意する。
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¾ マスコミ、コンサルテイング、食品、映画会社などは、少な
い枠に応募者が殺到するので、ESで厳しく絞り込む。
¾ 人気業種でも、金融や商社は「ESでは選考しない」方が
多い。人を相手にする仕事では、実際に面接してみて判
断する意向が強い。
¾ 堅実な会社にも拘わらず、知名度が高くないために応募
者が少なく、ESでは選考しない会社もある。
3.ESで落とされる確率を下げる工夫
¾ 個々の会社のESに対する取り扱い方針の背景を探る。
¾ 「ESでは選考しない」会社を志望会社群に入れて置く。
¾ 就職ナビサイト以外の媒体からも会社を選ぶ。
¾ ES選考の考え方など、会社の採用方針は、前年度を踏
襲するのが殆どであり、そう簡単には変わらない。
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Ⅷ.ESの選考ポイント
1.『就職四季報』 試験情報欄
¾選考ポイント・ES
テーマは、「志望動機」と「自己PR」が圧倒的多数。
¾ESを通じて採用担当者が知りたいこと
• どうして自社に興味をもってくれたのか?
• 自社にどう役立つのか?(相性はどうか? 一緒に仕
事をしてゆけるか?)
【参考】資格の有無、サークルの役職、語学力などでは
判断されない。
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2.志望動機
• 志望企業を知ったきっかけ。
「有名だから」「いつも商品を使っている」
• なぜ興味を持ったか(好きになったか)
会社研究の過程で、発見したこと。
他社との比較(商品、広告・販売促進)
3.自己PR
• 会社との接点を盛り込む。
長所から生み出された志望動機・自己PR
• 会社の情報と自身とのマッチングが欠かせない。
面接では、本当に自分の頭で考えだされたESかどうか
が検証される。
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‹トピックス
日本経済新聞 朝刊4面 企業1欄
企業が求める人材 労働政策研究・研修機構調べ
2011年6月24日付
• 育成に力を入れる人材。
「チームワークを尊重する人材」から「指示されたことだ
けでなく、自ら考えて行動できる人材」に。
• 新卒者の採用で、これから重視する点。
トップは、「コミュニケーション能力が高い」こと。従来は、
「仕事に対する熱意」「職業意識や勤労意欲が高い」こと。
• 今後重視する能力。
「部下や後継者の指導」
「組織や人を管理するマネジメント能力」
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