別ウィンドウ - 立命館大学アート・リサーチセンター

ART RESEARCH vol.16
日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点 2014年度 研究拠点形成支援プログラム 研究プロジェクト報告書①
アジア圏文化資源研究開拓
代表:赤間 亮(文学部・教授)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
冨田美香(立命館大学映像学部・教授)
な来年度以降の本格的なデジタル・アーカイブ活動に繋
金子貴昭(立命館大学衣笠研究機構・准教授)
げる予定である。
三須祐介(立命館大学文学部・准教授)
[研究成果の概要]
加茂瑞穂(立命館大学衣笠研究機構・専門研究員)
2015年2月4日
(水)~12日
(木)
までインド出張し資料
西林孝浩(立命館大学文学部・准教授)
前崎信也(立命館大学衣笠研究機構・専門研究員)
周 萍(立命館大学衣笠研究機構・客員研究員)
李 増先(立命館大学文学研究科・博士課程後期課程3回生)
リム・ベンチュウ(シンガポール大学・教授)
[研究計画の概要]
文化・芸術研究において、デジタル・アーカイブの必要
性が、ますます叫ばれるようになってきた。アート・リサー
チセンターでは、設立以来、デジタル・アーカイブを研究活
動の根幹に置き、さまざまな先導的な研究成果を残してき
たが、とりわけ、海外の博物館や美術館を対象としたデジ
《仏教美術分野》
収集、および3月23日
(月)
~27日
(金)
まで中国出張し、資
料収集と研究打ち合わせを行った。
中国社会科学院考古研究所漢唐研究室では、6世紀の
東魏および北斉の都であった鄴城について、地元自治体と
連携しつつ、30年以上にわたり、発掘・調査を継続してき
た。 この鄴城遺跡では、 近年、 仏像彫刻や寺院遺構およ
び寺院建築部材の発掘が相次いでいる。 インドに端を発
する仏教美術は、中国に伝わると、その造形様式や図像意
味において、 インド・西域由来とその中国化とのせめぎ合
いの中で展開することとなる。 北斉時代においては、中央
タル・アーカイブでは、圧倒的な成果を生み出し、文化芸
アジアのソグディアナ出身画家である曹仲達の活躍が史書
など、さまざまな研究プロジェクトの底支えとなってきた。
像や、河北省響堂山石窟の造像ではインド・グプタ様式の
術分野における、海外との研究交流ならびに比較文化研究
本研究では、これまで欧米を中心に展開してきた上記の
研究を、拠点形成支援資金という目的を踏まえ、あらたな
に記載されることや、また山東省青州市龍興寺遺跡出土仏
影響が濃厚な点が指摘されるなどインド・西域風がとりわ
け際立つ仏教美術が展開したと一般的には説明されてい
研究展開を目指して、文化・芸術の研究のアジア展開を構
る。
な相違が出てくると予想される。
全貌については、 詳らかにされてこなかったが、 近年の鄴
想するものである。 この場合、これまでの研究と次のよう
1,欧米に拡散した日本文化財の場合は、 工芸・美術品
従来は、鄴城の美術作例に乏しかったため、その実態や
城からの出土品により、ようやくその北斉美術の核心が明
が中心であったが、アジアを対象にする場合は、芸能や民
らかになり始めたのである。
2,「拡散された資源をデジタル化により集合させる」と
会科学院考古研究所を訪問し、漢唐研究室主任の朱岩石
俗資料にも対象を広げる必要がある。
いう方法よりも、同分野での文化財の比較が主要な方法と
なる。
こうした予想を踏まえて、本メンバーには、新たに学内か
らアジア美術専門の西林准教授、 ならびに中国演劇専門
の三須准教授を加え、また、客員研究員に予定している芸
能研究のシンガボール大学のリム教授を加え、アジアでの
アート・リサーチセンター研究活動報告
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作記録を予定し、いずれも本年度を準備期間として本格的
今回の中国出張では、3月26日に北京市にある中国社
氏と、これら鄴出土品について、何らかの研究交流や共同
研究が出来ないか打ち合わせを行った。漢唐研究室でも
鄴城から出土した仏教造像についての重要性は、十分に認
識されているとのことであり、 将来的には、 大部の美術全
集の刊行なども視野に入れているとのことであった。
現在は、 出土品の整理や修復といった基礎作業に時間
地域拡大ならびに研究の深化を図るものである。
をかける必要があり、 当面の出土品の整理作業(例えば、
能研究では、松葉涼子専門研究員、倉橋正恵客員研究員、
の三次元デジタルアーカイブ化といった、出土品の整理作
術史では、石上阿希専門研究員、亀田和子客員研究員が
しくは共同研究の模索をしてはどうかという提案をいただ
アジアでのデジタル・アーカイブ展開については、 仏教
のような交流や共同研究が具体的に可能かの検討会を、こ
なお、上記メンバーには記入していないが、その他、芸
ハワイ大学のジュリー・イエッツィ教授(客員研究員)、美
参画する。
美術・陶磁器に関して中国での来年以降の可能性を踏ま
えた予備調査、出版文化面では、韓国で日本古典籍や板木
アーカイブの交渉、 芸能調査では、とりわけマレーシアや
台湾などのビデオ記録やモーションキャプチャを使った動
出土品の図面おこし)
や、修復・復元が困難な作例について
業に関わるデジタル技術の研究交流や研究手法の開発も
いた。ついてはお互いの研究状況や研究手法を紹介し、ど
の1~2年のうちに開催することで、互いに一致した。
《工芸分野》
近代における日本の工芸品の輸出は基本的に「欧米向
側面を含む全6面のデジタル撮影と2D・3Dコンテンツによ
るweb公開についても情報を得ることができた。
の根拠であり、 欧米の美術館・博物館はその流行を証明
あり、引き続き協議会や国際会議を通じて各機関との交流
いる。 平成27年3月に米国オハイオ州クリーブランドの日
日中韓の板木や出版物を所蔵する韓国古版画博物館(館
ン48点の調査・撮影を行った。 ホージンガーコレクショ
のノウハウを用いて、同館所蔵資料の調査・デジタル化に
定である。 クリーブランド美術館は米国を代表するアジア
する見通しをたてることができた。
術館との関係を構築するためにもホージンガー氏とのコネ
《古典籍・版画文化分野》
明治半ば頃より中国(清国)
及び、朝鮮半島市場が日本
て、 教育制度の特徴の抽出を目指すプロジェクトを展開し
は日本陶磁器の輸出先として、中国は米国についで常に2
今年度はまず、日本側の基盤資料として、公文教育研究会
評価を受け、 貿易額が増加の一途をたどったというのがそ
するかのように、 多くの日本の工芸品が現在も所蔵されて
本陶磁器コレクター、 ジム・ホージンガー氏のコレクショ
ンはクリーブランド美術館での展覧会を数年以内に行う予
美術コレクションを有している。 今後、 クリーブランド美
クションが有用となるだろう。
の工芸品生産者に注目されはじめる。例えば、明治後期に
位、朝鮮半島は5位になる。食生活や工芸品のデザインに
次年度は中国で協議会・国際会議が開催される予定で
を進める予定である。また、各国の機関と交流を行う中で、
長・韓禅学氏)と連携し、2015年度以降、本プロジェクト
着手する方向で調整を進めており、比較板木研究の端緒と
古典籍分野においては、東アジアの教育史をテーマとし
たい。 その基本資料となる教科書の比較研究のために、
所蔵の往来物を中心とする歴史的教科書のデジタル・アー
ついて共通点が多いこの2市場は、国内向け製品をそのま
カイブを実施し、 江戸期147種の教科書をデータベース
これまでの近代陶磁器の研究ではアジア向け輸出という
については、東アジアの銅版画史の構築のために、日本の
の主要輸入国であった中国・韓国・台湾に現存する日本
東アジア図書館所蔵三井コレクションの調査を開始し、本
ま輸出できるためその輸出額は伸張しつづけたのである。
視点が抜け落ちていた。 そこで本研究では、 日本陶磁器
陶磁器とはいかなるものであるのかを明らかにすることを
登録し、全ページ閲覧・比較可能とした。 また、版画技術
銅版画を大量に所蔵するカリフォルニア大学バークレー校
年度中にほぼ95%の調査・デジタル化が進んだ。 これら
目的とする。 今後は将来的なデジタル・アーカイブ化を
は、まだ目録もできていない未整理の資料であり、当該図
本陶磁器の基礎調査を行いたい。
なお、韓国ソウル大学、台湾台北大学に所蔵される植民
目標として、両国の博物館・美術館等に所蔵されている日
書館と共同の上、研究基盤を構築したい。
地時代に大量に本土から移動した古典籍の調査について
《出版文化史分野》
は、本年度は実施できなかった。
タルアーカイブ構築と公開を継続してきたが、当年度は東
《映像分野》
た国々における板木の保存・研究体制の調査を行うととも
ており、日韓比較による映像研究の深化は、スタートしてお
過年度より当年度まで、日本国内に現存する板木のデジ
アジアに視野を拡げ、 特に日本と同様に木板印刷が栄え
映像分野では、 すでに韓国とのネットワークは構築され
に、比較板木研究の可能性を探った。
り、日本側と韓国映像資料院との映像文化に関するデジタ
(IWA)を通じて、 韓国・中国(チベットを含む)・ベトナム
論を深めることができた。 それによって、 解明されると予
当年度は、 韓国で開催された国際木版保存研究協議会
の板木所蔵機関との情報交換を行った。 韓国では国学振
ル・アーカイブなど、研究協力をすすめることについて、議
想できる両国共通の映像史についてアーカイブを蓄積しな
興院が中心となって65,000枚の板木が集積されており、
がら議論することに合意できた。
の板木80,000枚が現存し、 すでにユネスコの世界遺産に
《芸能分野》
万枚、徳格印経院(四川省)に30万枚の板木が伝存し、ベ
劇研究を視野に、国立台北芸術大学(以下、北芸大)演劇
現在も収集が継続されている他、 海印寺には高麗大蔵経
登録されている。 また中国では揚州雕版印刷博物館に10
トナムでは国家記録院が阮朝期(1802 ~1945)の板木
これらの情報交換により、日本のみ体系的な板木の集積や
保存体制が整っていないという実状も明らかになり、引き続
中国語圏の芸能分野については、 台湾における中国演
学部と中央研究院近代史研究所(近史所)を訪問して、将
来的な協力の可能性について検討した。 近史所では近現
代台湾における著名人(演劇界に通じた王叔銘将軍など)
の日記資料のアーカイブ化について協力の可能性が提示
き板木デジタルアーカイブ活動を通じた日本の板木保存体
された。 北芸大では演劇学部の研究者を中心に構成され
IWAの開催と同時に、韓国で開催された国際会議におい
に、 清朝及び日本時代の台湾における中国伝統劇資料な
制の構築が、喫緊の課題であることが浮き彫りとなった。
る東アジア大衆演劇研究会への参加を要請されるととも
て口頭発表を行い、日本の板木の現存状況、デジタルアー
どを提供してくれた。 演劇学部としての協力の可能性も
板木研究の可能性について報告を行った。 合わせて、国学
た。 ただし、今回提示された資料は文字資料が主であり、
カイブ構築による保存・活用と、 それをベースにした比較
振興院蔵板閣および海印寺について、板木収集や保存の実
態について訪問調査を行った。 国学振興院では、 板木の
あり、今後一、二年かけて継続的に協議していくことになっ
デジタル・ヒューマニティーズに適した資料の発掘、 収集
には一定の時間が必要だと思われる。
アート・リサーチセンター研究活動報告
35,000枚を管理しているなどの現状を把握できた。 また
ART RESEARCH vol.16
け」というイメージがある。 幕末から明治期にかけて欧米
を中心に開催された万国博覧会で、 日本の工芸品が高い
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ART RESEARCH vol.16
[研究成果(著書・論文・学会発表・その他)]
〈著書〉
前﨑信也『大正時代の工芸教育:京都市立陶磁器試験場付属伝習所の記録』宮帯出版社, 2014年6月
前﨑信也『没後100年 大塩が生んだ京焼の名工 三代清風與平』キャッチボール, 2015年9月
赤間亮・鈴木桂子・八村広三郎・矢野桂司・湯浅俊彦『文化情報学ガイドブック: 情報メディア技術から「人」を探る』勉誠出
版, 2014年11月
〈著書(分担執筆)〉
冨田美香「もう一つの運動体―『マキノ映画』解題」冨田美香監修『戦前期映画ファン雑誌集成 第1期 マキノ映画』第12巻,
ゆまに書房, pp.485-492, 2014年6月
冨田美香「東京から/への視点―M Pictureの理想と現実―」冨田美香監修『戦前期映画ファン雑誌集成 第1期 マキノプロ
ダクション』第9巻, ゆまに書房, pp.453-460, 2015年2月
Ryo Akama, ‘Yakusha-e: las estampas deactores en el contexto visual del ukiyo-e’, Fantasía en escena:
kunisada y la escuela utagawa , Madrid y Murcia, pp.31-44, may 2014
Ryo Akama, ‘Les differents types d'images d'acteure (Various Types of Actor Prints)’, Le geste suspendu;
アート・リサーチセンター研究活動報告
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ESTAMPES KABUKI DU CABINET D'ARTS GRAPHIQUES, Musees d'art et d'histoire de geneve, pp.30-53,
October 2014
〈論文〉
赤間亮「京都で日本文学・日本文化を学ぶということ」論究日本文学, 101, 2014年12月
赤間亮「立命館大学アート・リサーチセンターの古典籍デジタル化:ARC国際モデルについて」情報の科学と技術, 65,
pp.181-186, 2015年4月
西林孝浩「中国仏教美術における『火焰光背』の出現」佐藤文子, 原田正俊, 堀裕編『仏教がつなぐアジア 王権・信仰・美術』
勉誠出版, pp.36-68, 2014年6月
前﨑信也「五条坂に残る粟田口の登り窯―安田家と京都陶磁器合資会社」京都市編『元藤平陶芸登り窯の歴史的価値等調査
研究』京都市, pp.17-28, 2015年3月
Shinya Maezaki, ‘Fukami Sueharu Now: From 2:30 p.m. to 7:00 p.m., July 10, 2014’, Erik Thomsen Gallery
ed., “Fukami Sueharu, Erik Thomsen Gallery ”, September 2014
〈口頭発表〉
赤間亮「古典籍デジタル・アーカイブと複製出版事業の行方」日本出版学会(関西部会)・日本アート・ドキュメンテーション
学会(関西地区部会)共催研究会, 立命館大学大阪梅田キャンパス(大阪), 2014年6月
金子貴昭「日本近世期の板木現存状況とデジタルアーカイブによる保存・活用」東アジア木版国際学術会議『記録遺産と
木版文化 (The East Asian International Woodblocks Conference, Documentary Heritage and Woodblock
Culture)』ソウル大学湖岩教授会館(韓国), 2015年3月
冨田美香「1950年代京都における映画興行の様態―アトラクションつき興行を中心に」『昭和戦後期における日本映画史の
再構築』, 国際日本文化研究センター(京都), 2014年4月26日
冨田美香「1950年代京都における映画興行の様態―アトラクションつき映画興行を中心に―その2」『昭和戦後期における
日本映画史の再構築』, 国際日本文化研究センター(京都), 2014年9月27日
冨田美香「史料からみる砧撮影所―音画芸術の殿堂―」『東宝スタジオ展 映画=創造の現場』記念講演, 世田谷美術館,
2015年2月28日
冨田美香「擬似家族の<間>と「茶の間」―「男はつらいよ」の反復とずれ―」『「間(ま)と間(あいだ)」日本の文化・思想
の可能性』, “Colloque international Des possibilités de la pensée et de la culture japonaises, ma et aida,A l’
Université de Strasbourg et au Centre européen d’études japonaises d’Alsace ”, 2015年3月13日
冨田美香「1950年代京都における映画興行の様態―アトラクションつき映画興行を中心に―その3」『昭和戦後期における
日本映画史の再構築』, 国際日本文化研究センター(京都), 2015年3月28日
西林孝浩「瑞像の規範力:南北朝後期仏教美術への一視点」中国美術研究会, 2014年11月22日
前﨑信也「美術展覧会という外交―1935 年にロンドン王立芸術院で開催された大中国美術展と日本―」民族藝術学会, 第
134回研究例会, 兵庫県立美術館(兵庫), 2014年6月
前﨑信也, ‘Tradition in Motion: Creating “Jakuchu” with Bamboo and Lacquer’, 第56回意匠学会大会, お茶の水女
子大学(東京), 2014年7月
前﨑信也「五条坂に残る登り窯の今―産業廃棄物と文化遺産のはざまで」文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
「京都における工芸文化の総合的研究」
(立命館大学)
『京都の土と石―伝統工芸を支える資源―』, キャンパスプラザ京都
(京都), 2015年3月
三須祐介「『読む』ことの快楽、『書く』ことの 政治学─林懐民『逝者』をめぐって─」,日本台湾学会第16回学術大会, 東京
大学(東京), 2014年5月24日
ART RESEARCH vol.16
Ryo Akama, ‘Floats (Float Decorations) and Pictorial Themes( 山 車と 画 題)’, Degrees of Narrativity in the
Japanese Visual Tradition, Hawaii Pacific University (USA), January 2015
Ryo Akama, ‘Global Digitalization Project (woodblock prints and printed books, Japanese art and culture,
international research and educational activities)’, デジタル・ヒューマニティーズ・ワークショップ in コロンビア
大学 (USA), 6 March 2015
Ryo akama, ‘The ARC's Digitalization Project: Its information-technological aspects’, デジタル・ヒューマニティー
ズ・ワークショップ in コロンビア大学 (USA), 6 March 2015
Ryo akama, ‘Digital Humanities for Japanese Arts and Culture: the Case of the Art Research Center,
アート・リサーチセンター研究活動報告
Ritsumeikan University’, Digital Humanities and The Futures of Japanese Studies: A Symposium and
Workshop , University of Michigan (USA), 14 march 2015
Shinya Maezaki, ‘On the Role of the Kyoto City Ceramic Research Center (1896–1920) in Education for
Taishō Era Ceramic Arts’, International Workshop “Ceramics, Art, an Cultural Production in Modern
Japan ”, the Sainsbury Institute for Japanese Arts and Cultures (UK), May 2014
〈招待講演〉
赤間亮「デジタル・アーカイブの構築―ARCモデルの海外展開―」日本新聞協会「報道資料研究会」総会, 朝日新聞大阪本社
(大阪), 2014年5月8日
前﨑信也「やきものに描かれた想い:文様と日本陶磁器」第17回清風研究会講演会, 2014年4月
前﨑信也「アート&アーカイブ:日本文化デジタル化の現在」学習院大学国際研究教育機構主催デジタルアーカイブ講演会,
学習院大学国際会議場(東京), 2014年6月
前﨑信也「姫路が生んだ世界の清風」姫路市書写の里・美術工芸館主催講演会, 姫路市書写の里・美術工芸館会議室(兵庫
県), 2014年9月
前﨑信也「近代の海外と京都のやきもの」わん・碗・ONE展エンディングセレモニー第二部, 京都きよみず花京か, 2014年11月
Shinya Maezaki, ‘Chinese Art for Japanese Literati Culture in the Late Edo and Meiji Period’, Oxford Centre
for Asian Archaeology, Art and Culture, Institute of Archaeology, Seminar Room (UK), May 2014
〈講演〉
西林孝浩「北斉時期的仏教芸術」中国社会科学院考古研究所 公開講座, 中国社会科学院考古研究所(中国), 2014年9月
19日
前﨑信也「近代京焼の登り窯」元藤平陶芸登り窯および跡地の保存・活用に関する検討会議, 立命館大学朱雀キャンパス(京
都), 2014年5月
Ryo Akama, ‘Image Database and Digital Humanities’, Joint Seminar Maison Universitaire France Japon –
JSPS , Maison Universitaire France-Japon (France), 30 March 2015
〈その他〉
金子貴昭「板木デジタルアーカイブが切り開く出版研究の可能性」『文化情報学ハンドブック―情報メディア技術から「人」を
探る』, 勉誠出版, pp.67-71, 2014年11月
金子貴昭「永井一彰『板木は語る』笠間書院」, 図書新聞, 3174, 2014年9月8日
冨田美香「色つきではなく色彩で:イーストマンカラーで求めた色彩」『NFCニューズレター』, 114, 5p
前﨑信也「美術工芸作品を可視化する」赤間亮他編『デジタル・ヒューマニティーズ 文化情報学ガイドブック』, 勉誠出版,
pp.77-82, 2014年11月
前﨑信也「融合する工芸―出会いがみちびく伝統のミライ」田辺小竹他編『融合する工芸―出会いがみちびく伝統のミライ』,
pp.3-4, 2014年10月
《受賞》
金子貴昭, 第35回日本出版学会賞奨励賞『近世出版の板木研究』, 法蔵館, 2014年5月
《報道》
金子貴昭「版木に伝わる出版事情 若手研究者が調査研究 法藏館」, 文化時報, 2014年9月3日
《外部資金》
平成25-27年度科学研究費・若手研究(B)
「板木を核とした出版記録の再読解と出版記録データベースの構築」
(代表者・
金子貴昭, 2013-2015年度)採択
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ART RESEARCH vol.16
日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点 2014年度 研究拠点形成支援プログラム 研究プロジェクト報告書②
京都の歴史GIS
代表:河角龍典(文学部・教授)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
矢野桂司(立命館大学文学部・教授)
ような広域にわたる三次元都市モデルを利用した借景、眺
加藤政洋(立命館大学文学部・准教授)
い。 三次元都市モデルを利用した庭園研究の手法を造園
中谷友樹(立命館大学文学部・教授)
望に関する景観分析は十分な研究事例が蓄積されていな
三枝暁子(立命館大学文学部・准教授)
学、ランドスケープ研究の分野に提案する。
谷端 郷(立命館大学文学研究科・博士課程後期課程4回生)
[研究成果の概要]
佐藤弘隆(立命館大学文学研究科・博士課程前期課程2回生)
(矢野・中谷・河角・谷端・永田)
赤石直美(立命館大学歴史都市防災研究所・客員研究員)
谷崎友紀(立命館大学文学研究科・博士課程後期課程1回生)
1.バーチャル京都の高度化
永田彰平(立命館大学文学研究科・博士課程前期課程2回生)
2014年9月に長谷川家住宅で発見された「京都市明細
前田一馬(立命館大学文学研究科・博士課程前期課程1回生)
+索引図(4枚)+地図(283枚)の全体を見ると、 本原図
[研究計画の概要]
ると推定された。
今村 聡(立命館大学文学研究科・博士課程前期課程1回生)
図」の原図のデジタル化、GIS化を実施した。 表紙(1枚)
は、大正15年/昭和元年(1926年)に発行されたものであ
1.バーチャル京都の高度化
この原図は、「大正元年京都地籍図」
(1912年、1200
従来データベースが希薄であった中・近世京都、 昭和
の1)の間の大正期末の京都の状況を示す貴重な地図であ
(矢野・中谷・河角・谷端・永田)
30年代京都など基盤となる地理情報の整備
2.GISを活用した中世京都の都市史研究の展開
分の1)と、「京都市明細図」
(戦後の書き込み、1200分
る。 通りの拡幅前や御土居の位置情報などの情報を多く
含んでいる。
現在、 ArcGISOnlineやGoogleマップでの公開を検討
(三枝・河角)
している。
在地に関するGISデータ構築
2.GISを活用した中世京都の都市史研究の展開
在するものの、 テキスト情報から獲得できる地理情報につ
『北野天満宮史料 古文書』所載の応永26年(1419)
本研究課題では,中世都市を構成する重要な要素である
いて、「町人」の証判・署名の有無や、土倉・酒屋所在地
の都市史研究に新たな研究手法を提案する。
表の情報に従い、 高橋康夫ほか編『図集日本都市史』
15世紀の酒屋名簿等を利用した京都の土倉・酒屋所
※中世京都に関しては、 地理情報を含む大量の史料が存
いてGISを活用した可視化や地理的分析は十分ではない。
土倉・酒屋に着目し,建築史学や歴史学分野における中世
3.京都の花街とその周辺を対象とした都市史研究の展開
(加藤・赤石・前田)
・京都明細図を利用した花街とその周辺地域の分析
(三枝・河角)
土倉・酒屋請文および応永32年(1425)の酒屋交名につ
の情報、屋号の情報を一覧できるよう、表を作成した。
(東京大学出版会、1993年)所載の「室町期の京都 市街図」を用いて、土倉・酒屋の所在地を地図上に落とし
た。
その結果、 土倉・酒屋請文に署判する土倉・酒屋の所
・古写真集(加藤藤吉写真集)の撮影場所や撮影対象に
在地がほぼ、 六条通~六角通の範囲におさまり、 五条坊
※京都明細図・古写真(加藤藤吉撮影)
に関しては、これま
た。 また、同一人が、複数の土倉・酒屋を管理・経営する
実施されてきた。 本課題では、それらのデータベースを活
ことも明らかとなった。 さらに、「越前」を名乗る酒屋が
タベースの人文学における研究利用の可能性を示す。
に所在することも明らかとなった。
関するGISデータの構築と現地調査
アート・リサーチセンター研究活動報告
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れるようになった。 しかし、 バーチャル京都に代表される
でアート・リサーチセンターにおいてデータベース構築が
用した花街研究、都市研究を展開し、明細図や古写真デー
4.京都の庭園に関する地理情報のデジタル・アーカイブ
門通ついで四条坊門通に特に集中することが明らかとなっ
場合、それらの土倉・酒屋を近隣に所在させる傾向にある
千本通から京極通に至るまでの、ほぼすべての南北の通り
今後は、当該期の歴史地理情報(酒屋の立地条件、例え
ば、 井戸の水源・水利にかかわる情報など)と重ねあわせ
および景観分析(河角・谷崎・今村)
てGISデータを構築する計画である。
バーチャル京都を利用した景観分析
3.京都の花街とその周辺を対象とした都市史研究の展開
・京都を代表とする庭園の景観データベースの構築及び
庭園(史)研究では、 近年GISを利用した研究が実施さ
(加藤・赤石・前田)
た。 紫区画は花街に関連する機能を示していることから、
それらが集積する地区は、花街(遊廓)と考えてよい。
「紫区画」は、『京都市明細図』全286枚中23枚に確
認することができる。 その集積地区に注目すると、 当時の
京都市内に存在した花街(遊廓)である、《上七軒》、《五
る。 六軒町通を中心として計113区画あるが、 おおむね
正確に着色されていると言えよう。
とりわけ、《五番町》で注目されるのは、風俗営業として
の貸座敷が許可された分布をおそらくほぼ正確に読み取
ることができる点にある。 いわばこの紫区画の分布から、
昭和京都における法-地理学(legal-geographies)の仔
細を検討することができるわけで、 今後GIS化を進める上
番町》、
《島原》、
《先斗町》、
《祇園新地甲部》、
《祇園東》
での基盤を整備することができた。
8カ所が浮かび上がる。当時はまだ「売春防止法」
(1958
辺の景観復原に関する調査・研究も推進した。 特に今年
(旧祇園新地乙部)、《宮川町》、そして《七条新地》の計
年)が施行されておらず、芸妓・娼妓を並置する花街も含
まれた。
また、これら花街以外でも、鴨川右岸の高瀬川に沿った
《上木屋町》・《西石垣》・《下木屋町》と通称される街区
と、祇園町南側に近接する安井神社界隈、さらには八坂神
社周辺の《下河原》や《真葛ケ原》付近に集積していること
も確認される。
以上の概要を踏まえて、本プロジェクトではとりわけ《五
また、上記のテーマと関わって、古写真を用いた花街周
度は、『加藤藤吉写真集~京都編~』に収録された写真
(撮影ポイント)の位置比定を文献資料と現地調査を通じ
て実施した。 その結果、 ほぼすべての写真に関して撮影
ポイントを特定できた次第である。 同じく、 鴨川納涼に関
わる古写真・絵図の収集を推進し、 年代/場所別に整理
することで、ひとつの空間文化史としてまとめることができ
た。 その成果の一端は、2014年度大阪・京都文化講座
において、「鴨川納涼の空間文化誌」
(2014年6月30日)
番町》と通称される地区に着目して調査・研究を推進し
として報告した。
を本位とする遊廓色の濃い花街である。1926(大正15)
4.京都の庭園に関する地理情報のデジタル・アーカイブ
が芸妓本位に分かれて営業しており、機能的には緩やかに
・今村聡の修士論文の一環として、庭園のデータベース化
通りに面しているのは赤区画の商店であり、「紫区画」は
・UAVのドローンを使っての3次元モデルの構築の実験を
た。《五番町》は、《上七軒》と地続きでありながら、娼妓
年以降、四番町と五番町とで前者が娼妓本位、そして後者
空間分化していた。 千本通あるいは中立売通のような大
千本中立売の南西に大通りを避けるようにして集積してい
ART RESEARCH vol.16
『京都市明細図』を具体的な事例研究で利用すべく、
同図で紫色に着色された区画の集積する地区分析を進め
および景観分析(河角・谷崎・今村)
とGIS化を実施した。
実施した。
[研究成果(著書・論文・学会発表・その他)]
〈論文〉
赤石直美, 瀬戸寿一, 福島幸宏, 矢野桂司「『京都市明細図』の記載内容に関する一考察」『立命館地理学』立命館地理学会,
26, pp.73-89, 2014年11月
赤石直美, 瀬戸寿一, 福島幸宏, 矢野桂司「『京都市明細図』と京都市の都市計画履歴」『地理情報システム学会講演論文
集』地理情報システム学会, 24, 4p., (CD-ROM), 2014年11月7-8日
小野映介, 河角龍典, 柏田有香「法勝寺八角九重塔の支持地盤」日本文化財科学会 第31回大会,奈良教育大学.要旨集:日
本文化財学会第31回大会研究要旨集, pp.352-353, 2014年7月5日
小野映介, 河角龍典「京都盆地東部,白河街区跡・延勝寺跡・岡崎遺跡における遺構面下の地質」
『京都市埋蔵文化財研究所
発掘調査報告2014-1 延勝寺跡・岡崎遺跡』,公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所, pp.32-33, 2014年7月31日
小野映介, 河角龍典, 藤根久「京都盆地における姶良Tn火山灰の堆積状況」日本地理学会秋季大会 日本地理学会発表要旨
集, 86, 富山大学, p.142, 2014年9月20日
小野映介, 河角龍典「京都盆地東部に位置する白河街区跡,法勝寺跡,岡崎遺跡の地質」
『京都市埋蔵文化財研究所発掘調査
報告2014-6 白河街区跡・法勝寺跡・岡崎遺跡』,公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所, pp.26-27, 2014年12月26日
市史の基層として大地・地面・土地を考える』, 日本都市史学会建築歴史・意匠委員会 都市史小委員会, pp.5-11
河角龍典, 今村聡「GISを用いた遺構情報のデジタルアーカイブと地理的分析―平城京を事例として―」日本文化財科学会 第
31回大会,奈良教育大学.日本文化財学会第31回大会研究要旨集,pp.352-353, 2014年7月5日
三枝暁子「『町』共同体をめぐって」歴史科学, 218, pp.29-37, 2014年11月
村上晴澄, 佐藤弘隆, 矢野桂司, 福島幸宏, 土橋誠「近藤豊写真資料のデジタルアーカイブ構築と過去の景観」『立命館地理
学』立命館地理学会, 26, pp.35-46, 2014年11月
矢野桂司「誓願寺門前図屏風を洛中絵図と重ねる―高精細デジタル画像を用いて―」京都文化博物館編『展覧会図録「京を
描く」』, pp.218-225, 2015年3月1日
矢野桂司「立命館大学アート・リサーチセンターでの大学院展開」第20回公開シンポジウム「人文科学とデータベース」発表
論文集, 2014, pp.53-54, 2014年12月20日
アート・リサーチセンター研究活動報告
河角龍典「都市史研究とジオアーケオロジ―古代日本における都市開発と微地形―」シンポジウム「都市と大地」シリーズ『都
51
ART RESEARCH vol.16
〈口頭発表〉
小野映介, 矢田俊文, 海津颯, 河角龍典「徳島県撫養地区における塩田開発と1596年慶長伏見地震の関連性」日本地理学会
春季大会,日本大学(東京), 2015年3月28-30日
佐藤善輝, 小野映介, 河角龍典「珪藻分析を用いた伊勢平野中部における完新世中期以降の古環境復元」日本珪藻学会第34
回研究集会,滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀), 2014年11月8日
矢野桂司「パネル・ディスカッション:『文化情報学とデータベース』」第20回公開シンポジウム「人文科学とデータベース」,
近畿大学本部キャンパス(大阪), 2014年12月20日
〈基調講演〉
矢野桂司「コンピュータグラフィックで蘇る大船鉾巡行風景」大船鉾復興記念フォーラム, 京都ホテルオークラ
(京都), 2014
年6月12日
矢野桂司「デジタル・ヒューマニティーズとバーチャル京都」空間情報シンポジウム2014, 大阪産業創造館
(大阪), 2014年7
月17日
矢野桂司「ジオデモグラフィクスとは何か?」空間解析・ジオデモグラフィックシンポジウム, TKP品川カンファレンスセンター
(東京), 2014年7月15日
矢野桂司「デジタル・ヒューマニティーズとバーチャル京都」空間情報シンポジウム2014, ウインクあいち
(愛知), 2014年7
月23日
矢野桂司「3D-GISで歴史都市京都をアーカイブする」第8回四国GISシンポジウム, GIS学会四国支部, 徳島大学
(徳島),
2015年2月23日
〈講演〉
河角龍典「3次元デジタル地図で見る平安京の三山と街づくり」京都伝統文化の森推進協議会文化的価値発信事業 第10回
公開セミナー「観光都市京都・三山の魅力を探る」京都大学稲盛財団記念館(京都), 平成26年6月18日
河角龍典「GIS でみる平安京のまちづくり」GIS Day in 関西2014,立命館大学(京都), 2014年10月25日
河角龍典「都市史研究とジオアーケオロジー―古代日本における都市開発と微地形」日本建築学会 建築歴史・意匠委員会
都市史小委員会 シンポジウム都市史研究の最前線「都市と台地」シリーズ,第1回『都市史の基層としての大地・地面・
土地を考える』,京都工芸繊維大学工繊会館(京都), 2014年12月12日
矢野桂司「立命館大学文学研究科文化情報学専修のプロジェクト概要」「デジタル技術が 生み出す 新たな文化効果」立命館大
学文学研究科文化情報学専修2014年度連続講演会第2回, 立命館大学アート・リサーチセンター(京都), 2014年7月30日
矢野桂司「東日本大震災・阪神淡路大震災等の経験を国際的にどう活かすか」第10回日本学術会議主催学術フォーラム「東
日本大震災・阪神淡路大震災等の経験を国際的にどう活かすか」, 日本学術会議講堂(東京), 2014年11月29日
矢野桂司「「京都の歴史GIS」―デジタルヒューマニティーズの新たな展開―」沖縄GISフォーラム, 沖縄県立博物館・美術館
(沖縄), 2014年12月5日
矢野桂司「文化・歴史・地理空間情報を活用した地域研究の展開」立命館地理学会, 立命館大学衣笠キャンパス(京都), 立
命館大学, 2014年12月6日
Keiji Yano, ‘Digital Museum Project (GIS, motion capture, Gion Festival, information technology)’, Digital
Humanities Workshop , Columbia University(USA), 6 March 2015
〈その他〉
《講座》
加藤政洋「鴨川納涼の空間文化誌」2014年度大阪・京都文化講座, 立命館大阪梅田キャンパス(大阪), 2014年6月30日
矢野桂司「デジタル地図読む」立命館大学土曜講座『地図を読む』, 立命館大学 末川記念会館講義室(京都), 2014年9月13日
《コメンテーター》
河角龍典, 2014年度都市史学会大会記念シンポジウム「都市史の現在Ⅱ」,全体討論コメントとリプライ,京都工芸繊維大学
(京都), 2014年12月14日
アート・リサーチセンター研究活動報告
52
《新聞》
河角龍典「阪神大震災から20年 今日の研究者3人に聞く」京都新聞, 朝刊17面, 2015年1月16日 ART RESEARCH vol.16
日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点 2014年度 研究拠点形成支援プログラム 研究プロジェクト報告書③
京都・日本文化デジタルアーカイブデータに基づく
DM技術開発
代表:田中 覚(情報理工学部・教授)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
田中弘美(立命館大学情報理工学部・教授)
西浦敬信(立命館大学情報理工学部・教授)
野間春生(立命館大学情報理工学部・教授)
八村広三郎(立命館大学情報理工学部・特任教授)
平林 晃(立命館大学情報理工学部・教授)
前田 亮(立命館大学情報理工学部・教授)
矢野桂司(立命館大学文学部・教授)
ラック・ターウォンマット(立命館大学情報理工学部・教授)
ロペス・ロベルト(立命館大学情報理工学部・准教授)
李 亮(立命館大学情報理工学部・講師)
させるプログラムを完成させる。
[2b]船鉾の懸装品の触覚体験に関し、新たなセンサを開
発・導入して、精度とリアリティを向上させる。
3.文化デジタルアーカイブデータのための新しいデータ
ベース技術を開発
[3a]浮世絵画像のDM構築のために、 世界各地の美術
館・博物館のWebサイトで公開されている複数の浮世絵
画像データベースを横断検索する手法、さらに複数データ
ベースに存在する同一品を自動的に同定する手法を開発
する。
長谷川恭子(立命館大学情報理工学部・助教)
[3b]スパースコーディングとは,高次元データを少数の
木村文則(立命館大学衣笠総合研究機構・専門研究員)
データそのものを自動的に生成する技術である。 この技
福森隆寛(立命館大学情報理工学研究科・博士課程後期課程)
などを高速検索できる技術を開発する。
脇田 航(立命館大学情報理工学部・助教)
王 晟(立命館大学情報理工学研究科・博士課程後期課程)
辻 健太(立命館大学情報理工学研究科・博士課程前期課程)
石河 健(立命館大学情報理工学研究科・博士課程前期課程)
佐藤弘隆(立命館大学文学研究科・博士課程前期課程)
小泉慶太郎(立命館大学文学研究科・博士課程前期課程)
[研究計画の概要]
1.3DゲームエンジンUnityを核とした、文化デジタルアー
カイブデータの可視化及び体験のための環境を構築
[1a]従来はUrbanViewer、 GooleSketchUp、 Maya
などのソフトウェアでそれぞれ構築していた船鉾町、 長江
家、船鉾町会所、船鉾、大船鉾などの3次元モデルを、3D
基本データのみを用いて効率的に表現するために、 基本
術を用いて、モーションキャプチャデータ、超高精細画像
4.研究成果の対外発信を積極的に行う
[1]中間的な成果を祇園祭の期間中に京都文化博物館に
おいてデモ展示会として一般公開する。
[2]IEEE などの著名学会等が主催する国際会議や国際
ジャーナルで論文を発表する。
[研究成果の概要]
1.3DゲームエンジンUnityを核とした、文化デジタルアー
カイブデータの可視化及び体験のための環境を構築
京都の祇園祭で重要な役割を果たしている町のひとつ
ゲームエンジン Unityの環境に移植し、統合する。 これに
である船鉾町を取り上げ、 その町並みや京町家の仮想空
[1b]4K以上の大型のディスプレイでの一般公開環境を
し、 WebブラウザでのVR体験システムや、操作性の高い
ディスプレイでの船鉾、
大船鉾の立体視表示を実現する。
た。 これにより、 デジタル・ミュージアムのための仮想空
間内で動く船鉾、大船鉾のデータに連動して再生できるよ
ゲームエンジンが非常に有効であることを示した。 構築し
より、 CGの品質、速度、対話性を格段に向上させる。
設計する。また、
大阪のグランフロントでの大型裸眼立体視
うにする。
VR体験システム、没入感の高いVR体験システムを実現し
間の構築と、それを通じた文化の公開、発信のために、3D
た船鉾町の仮想空間では、極めて容易にリアルタイムでの
[1d]Unity の仮想空間でのウォークスルーの結果を漫
ウォークスルーと、 高度なレンダリング処理に基づく高品
[1e]仮想空間の操作をタブレット端末などで行えるよう
時代の切り替え、 鉾立過程の動的な表示,文字情報や音
画として出力・記録できるようにする.
にする。
2.船鉾の五感体験コンテンツを拡充
[2a]辻回しの振動体験を完成させる。 辻回しの激しい
振動の計測データを、 展示用振動台の動きに正確に反映
質な画像表現を同時に実現できた。 また、 現代と過去の
響情報の対話的提示といった対話性を実現した。
3DゲームエンジンUnityで実装した京都街並み仮想空
間を高い没入感をもって体験するための出力装置として、
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いることが有効
である。 HMDを用いた体験システムでは、 高い没入感を
アート・リサーチセンター研究活動報告
[1c]祇園祭のお囃子の音声データを、 Unityの仮想空
間を、3DゲームエンジンUnityの開発環境を使って構築
53
ART RESEARCH vol.16
実現することができ、没入感の増加により仮想空間への興
させてきている。 同時に、 今までの研究成果の社会還元
の展示として有効であることが分かった。 HMDは個人が
ジタル化については大きな改良が進み、11月にフランス
味・関心に繋がることが分かり、 デジタル・ミュージアム
体験するためのシステムであり、多数のユーザが同時に体
験できるシステムとして、 大型裸眼立体視ディスプレイで
Toulouseで開催されたシンポジウム"Dance Notation
and Robotics"での発表は、 諸外国からの参加者から大
の船鉾、 大船鉾の立体視表示を実現した。 大型裸眼立
きな注目を受けた。 また、9月にワルシャワで開催された
(NICT)で開発が進められている多視点裸眼立体表示技
経過について発表し、また、元八村研博士学生の鹿内菜穂
体ディスプレイとしては,独立行政法人情報通信研究機構
術 REIを利用した。 これによりデジタル・ミュージアムと
して仮想空間で再現した京都・船鉾町を、 多視点裸眼立
IICST2014では、 八村が基調講演者として今までの研究
氏の発表に対して、 主催者からInnovation Prize が送ら
れた。 研究成果公開促進費では、 ARCにモーションキャ
体視迫力のある映像で体験できる有効なコンテンツである
プチャ装置を導入以後、 およそ16年間に撮りためた身体
近年、ユーザにとって有用な情報や商品を選び出し、提
タベース構築、 身体動作検索表示システムの研究開発を
は、これまで主に通販サイトや動画サイトなど2次元Web
的ではあるが、 ARCにおいて公開することを考えている。
ことが確認できた。
示する推薦システムの普及が進んでいる。 推薦システム
コンテンツで使用されてきたが、 仮想空間のような3次元
動作データを公開するためのデータの編集作業と、 デー
行ってきた。 このデータベースは2015年度末には、限定
Webコンテンツへの応用は少ない。 仮想空間は、 現実世
3.文化デジタルアーカイブデータのための新しいデータ
プラットフォームを提供していることなどから娯楽目的以
浮世絵画像のDM構築のための研究として、従来から開
界を模倣して構築され、 様々なアプリケーションのための
外にも研究対象として注目を集めている。 この仮想空間
の利用において, ユーザらが豊富なコンテンツの中から自
分に合ったコンテンツを見つけることが難しいという問題
ベース技術の開発
発を進めている世界各地の美術館・博物館のWebサイト
上の複数の浮世絵画像データベースを横断検索するシス
テム「FeSSU」について、 対応データベースの拡充および
がある。 本研究では、 豊富なコンテンツの1つである仮
ユーザインタフェースの改善を行った。 また、複数データ
適用による前述の問題の解決を目指した。 既存の推薦
法に関して、新たに作品の原題とその英訳の組み合わせに
想空間を構成するエリアに焦点を当て、 推薦システムの
領域では、 主に推薦対象ユーザと他のユーザ群の嗜好情
報を活用して推薦を行う協調フィルタリング手法Matrix
Factorization (MF)が予測精度や拡張性の高さから用い
られることが多い。 本研究では、このMFに仮想空間特有
の情報を組み込むことによる精度向上を狙った協調フィル
ベースに存在する同一浮世絵作品を自動的に同定する手
対して同定を行う手法を開発した。
スパースコーディングの分野で近年、盛んに研究されて
いるdual dictionary learning の手法を用いた超解像度
手法を提案し、国際会議で発表した。 この手法を今後、画
像だけでなくモーションキャプチャデータベースにも適用
タリング手法を構築した。 また、 提案手法の性能を検証
し、動き情報の高精細化を実現していく計画である。
タを使用しユーザの興味のあるエリアPoint-Of-Interest
7/23-25京都文化博物館にてデモ展示を行った。 その結
するため、 仮想空間Second Life (SL)から収集したデー
(POI)の推薦実験を行った。 この実験で、提案手法が既存
祇園祭山鉾巡航経路に合わせたお囃子体験システムを
果、 小中学生や外国人ら多数の見学者に体験頂き、 多数
の推薦領域に対し用いられてきたMFを上回る性能を示し
の有益なコメントやアドバイスを頂くことができた。 次年
する手法の提案、実世界でのプレイする位置情報ゲームの
して、新しいコンテンツを製作し、精力的に研究発信を行
2.船鉾の五感体験コンテンツを拡充
4.研究成果の対外発信
は、 八村研を解散した本年度からは、 新しい成果に直ち
プログラムなどで収集・蓄積した文化デジタルアーカイブ
2014年度には基盤研究(B)と研究成果公開促進費の2
〜25日の3日間に渡り、京都文化博物館別館にて「祇園祭
た。 また、 ユーザの場所や展示物への興味度合を定量化
開発を行い、それらの有用性を確認した。
八村研究室が中心となって進めてきた研究に関して
アート・リサーチセンター研究活動報告
54
のプロジェクトも進めている。 舞踊譜Labanotationのデ
に繋がるような発展・向上は、 すぐには難しい。 しかし、
つの科研費課題の採択を受け、過去アートリサーチセンタ
を中心として研究を支えてくれ、 今は研究者として育って
いった、 元PDの方々の協力のもと、 少しずつ研究を発展
度のデモ展示会では、 お囃子体験の臨場感の向上を目指
う計画である。
文部科学省21世紀COEプログラム、 グローバルCOE
データを活用した成果を一般公開する場として、7月23日
デジタル・ミュージアム展」を開催した。 来場者数は約
1600名にのぼり、 来場者からは概ね高評価を得た。 特
に、来年も展示会をして欲しいという声を多く得ている。
[研究成果(著書・論文・学会発表・その他)]
〈論文〉
木村泰典, Biligsaikhan Batjargal, 木村文則, 前田亮「言語が異なる浮世絵データベース間における同一作品の同定手法の
提案」 第77回情報処理学会全国大会講演論文集, 第4分冊(1ZC-05), pp.639-640, 2015年3月17-19日
ART RESEARCH vol.16
佐藤弘隆, 髙木良枝「京町家における暮らしのデジタルアーカイブ-長江家住宅収蔵品データベースの構築-」『立命館地理
学』立命館地理学会, 26, pp.59-72, 2014年11月
田中士郎,高柳亜紀,土田勝,坂口嘉之,田中弘美「高分解能マルチバンドHDR画像解析に基づく織物の分光反射率推定」日
本色彩学会 視覚情報基礎研究会 第22回研究発表会, CSA-FVI-2014-28, pp.31-36,中央大学後楽園キャンパス(東
京), 2014年12月6日
田中士郎, 高柳亜紀, 土田勝, 坂口嘉之, 田中弘美「高分解能マルチバンドHDR画像解析に基づく織物の分光反射率推定」日
本バーチャルリアリティ学会論文誌, 20(1), pp.35-44, 2015年3月
田中弘美「織物の質感シミュレーション」日本衣服学会誌特集号『衣服をシミュレートする』, 58(1), pp.15-19, 2014年10月
千葉慧, Bang Hai Le, Ruck Thawonmas「滞在時間を用いてユーザの好みの場所を予測する位置情報ゲーム」平成26年
度情報処理学会関西支部大会講演論文集(電子ファイル), G-109, 6p.,2014年9月17日
八村広三郎「無形文化遺産のデジタル・アーカイブ」『バイオメカニズム22 -人間の動きの分析-』バイオメカニズム学会,
pp.1-12, 2014年7月31日
村上晴澄, 佐藤弘隆, 矢野桂司, 福島幸宏, 土橋誠「近藤豊写真資料のデジタルアーカイブ構築と過去の景観」『立命館地理
学』立命館地理学会, 26, pp.35-46, 2014年11月
脇田航,古川耕平,八村広三郎,田中弘美「反射光解析に基づく薪能のリアルタイムCG表現」日本バーチャルリアリティ学会論
文誌, 20, 1, pp.25-33, 2015年3月
Worawat Choensawat, Minako Nakamura and Kozaburo Hachimura, ‘GenLaban: A tool for generating
Labanotation from motion capture data’, Journal of Multimedia Tools and Applications, August 2014
Kanta Kawase, Bang Hai Le and Ruck Thawonmas, ‘Collaborative Filtering for Recommendation of Areas in
Virtual Worlds’, Proc. of the 2014 International Workshop on Network and Systems Support for Games
(NetGames 2014), Nagoya, Japan. pp.1-3, 4-5 December 2014
Liang Li, Woong Choi, Kozaburo Hachimura, Keiji Yano, Takanobu Nishiura, Hiromi T. Tanaka, ‘Virtual
Yamahoko Parade Experience System with Vibration Simulation’, ITE Trans. on MTA , 2(3), pp.248-255,
2014
Liang Li, Kyoko Hasegawa, Takahiro Fukumori, Wataru Wakita, Satoshi Tanaka, Takanobu Nishiura,
Kozaburo Hachimura and H. T. Tanaka, ‘Digital museums of cultural heritages in Kyoto: the gion festival in
アート・リサーチセンター研究活動報告
a virtual space’, 16th International Conference on Human Interface and the Management of Information
(HIMI 2014) , Heraklion, Greece, Springer LNCS 8522, pp.523-534, 2014
Chulapong Panichkriangkrai, Liang Li, Ross Walker and Kozaburo Hachimura, ‘Image Analysis for Historical
Japanese Book Archives’, International Journal of Asian Business and Information Management , 5(2), pp.
1-11, April-June 2014
Yasuhiro Nishiwaki, Wataru Wakita and Hiromi T. Tanaka, ‘Real-time Anisotropic Reflectance Rendering of
Noh-Costume with Bonfire Flickering Effect’, ITE Transactions on Media Technology and Applications ,
2(3), pp.217-224, 1 July 2014
Wang Sheng, Ken Ishikawa, Hiromi T. Tanaka, Akihiro Tsukamoto and Satoshi Tanaka, ‘Photorealistic VR
Space Reproductions of Historical Kyoto Sites based on a Next-Generation 3D Game Engine’, J. Adv.
Simulat. Sci. Eng., 1(1), pp.188-204, 2015
Seiya Tsuruta and Kozaburo Hachimura, ‘Real-time Motion Recognition of Complex Whole Body Motion
for Virtual Dance Collaboration’, International Journal of Digital Content Technology and its Applications,
8(5), pp.13-26, October 2014
Wataru Wakita and Hiromi T. Tanaka, ‘A Digital Archiving for Large 3D Woven Cultural Artifacts Exhibition’,
ITE Transactions on Media Technology and Applications , 2(3), pp.236-247, 1 July 2014 Wataru Wakita, Jiro Hara and Hiromi T. Tanaka, ‘A Real-Object-Oriented Exhibition System of Ukiyo-e of
Anisotropic Reflection Properties’, ITE Transactions on Media Technology and Applications, 2(3) pp.209216, 1 July 2014
〈口頭発表〉
石河健,王晟,徐睿,長谷川恭子,田中覚「3Dゲームエンジンを用いた祇園祭仮想空間の構築とWeb公開システム」第19回日
本バーチャルリアリティ学会大会,名古屋大学(名古屋), 2014年9月17-19日
田中士郎, 高柳亜紀, 土田勝, 坂口嘉之, 田中弘美「高分解能マルチバンドHDR画像を用いた織物の微小構造に基づく鏡面反
射の色度解析」情報処理学会 コンピュータビジョンとイメージメディア研究会(CVIM2015), 奈良先端科学技術大学院
大学(奈良), 2015年1月22日
田中士郎,坂口嘉之, 田中弘美「高分解能マルチバンドHDR画像を用いた織物の微小構造に基づく鏡面反射の色度解析」質感
脳情報学第9回領域班会議, 千里ライフサイエンスセンター(大阪),2015年3月18日
55
ART RESEARCH vol.16
脇田航, 田中士郎, 古川耕平, 八村広三郎, 田中弘美「反射光解析に基づく薪能における能装束の質感再現」情報処理学会 コンピュータビジョンとイメージメディア研究会(CVIM2015), 奈良先端科学技術大学院大学(奈良), 2015年1月22日
Biligsaikhan Batjargal, Takeo Kuyama, Fuminori Kimura and Akira Maeda, ‘Identifying the Same Records
across multiple Ukiyo-e Image Databases Using Textual Data in Different Languages’, In Proceedings of
アート・リサーチセンター研究活動報告
56
ACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries (JCDL 2014) , pp.193-196, City University London (U.K.),
September 2014
Satoshi Chiba, Bang Hai Le and Ruck Thawonmas, ‘Players’ Interest Measurement Based on Visiting Time
in a Location-Based Game’, Proc. of the 3rd IEEE Global Conference on Consumer Electronics (GCCE
2014) , Tokyo, Japan, pp. 492-493, 7-10 October 2014
Worawat Choensawat, Minako Nakamura and Kozaburo Hachimura, ‘Applications for Recording and
Generating Human Body Motion with Labanotation’, Toulouse, France, 2014
Woong Choi, Kyosuke Tanaka, Satoshi Nakajima, Liang Li and Kozaburo Hachimura, ‘A Molecular Modeling
System using Hand Gestures’, SIGGRAPH Asia 2014 , Shenzhen Convention and Exhibition Center (China),
3-6 December 2014
Kozaburo Hachimura, ‘Culture and Computing -Past, Present, and Future-’, Keynote at IICST'14, Warsaw
(Poland), 5 September 2014
Yasuhiro Nishiwaki, Wataru Wakita, Shiro Tanaka and Hiromi T. Tanaka, ‘Anisotropic Reflectance Rendering
of Noh-Kimono Costumes in Dynamic Lighting Environments with Bonfire’, Proceedings of the Fifth
IEEE International Conference on Computational Photography(ICCP) 2014 , Intel campus in Santa Clara
(California), 3-4 May 2014
Kenta Sakurai, Woong Choi, Liang Li and Kozaburo Hachimura, ‘Retrieval of Similar behavior data using
Kinect Data’, 14th International Conference on Control, Automation and Systems (ICCAS 2014) , KINTEX
Center (South Korea), 2014
Kenta Sakurai, Woong Choi, Liang Li, Jun Minagawa and Kozaburo Hachimura, ‘Similarity Retrieval of
Motion Capture Data using Kinect Data’, Fourth International Symposium on Technology for Sustainability
(ISTS2014) , National Taipei University of Technology (Taiwan), 2014
Shiro Tanaka, Aki Takayanagi, Masaru Tsuchida, Yoshiyuki Sakaguchi and Hiromi T. Tanaka, ‘Estimating
Spectral Reflectance of Fabrics from High-Resolution Multi-band HDR Images’, 21st Japan-Korea Joint
Workshop on Frontiers of Computer Vision (FCV2015) , Shinan Beach Hotel, Mokpo(South Korea), 28-30
January 2015
Shiro Tanaka, Yoshiyuki Sakaguchi and Hiromi T. Tanaka, ‘Extracting subsurface scattering properties of
silk-like fabrics from high-resolution HDR images’,Brain and Information Science on SHITSUKAN (material
perception) International Symposium “Future of Shitsukan Research ”,Institute of Industrial Science, the
University of Tokyo (Japan),16 July 2014
Takuya Umehara,Kazushi Mimura and Akira Hirabayashi, ‘A method for single frame super resolution
with inpainting based on sparse dictionary learning’, in Proceedings of the 2014 Asia-Pacific Signal and
Information Processing Association Annual Summit and Conference (APSIPA ASC) , 5p. (CD-ROM), Siem
Reap, Cambodia, December 2014
Wataru Wakita and Hiromi T. Tanaka, ‘An Unconstrained Tactile Rendering with Tablet Device based on
Time-series Haptic Sensing with Bilateral Control’, Proceeding of the ACM SIGGRAPH 2014 Posters ,
Vancouver Convention Centre (Canada), August 2014
〈招待講演〉
田中覚「3大規模 3 次元点群データの解析を支援する半透明可視化」日本原子力学会「2014秋の大会」,京都大学(京都),
2014年9月8日
田中覚「大規模ポイントクラウドの確率的レンダリングに基づく3次元文化材の透視可視化」可視化情報学会・共感型防災可
視化研究会, 富山大学(富山), 2015年3月25日
田中弘美「京都文化の五感体験デジタルミュージアム」文部科学省科学技術人材育成費補助事業 女性科学者が語る研究の
醍醐味第1回,鳥取大学(鳥取),平成26年5月23日
Kozaburo Hachimura, ‘Culture and Computing -Past, Present, and Future-’, Keynote at IICST'14 , Warsaw
Poland, 5 September 2014
〈その他〉
《受賞》
王晟, 長谷川恭子, 岡本篤志, 田中覚「粒子ベースレンダリングを用いた松が峰教会の半透明レンダリング」第42回可視化情
ART RESEARCH vol.16
報シンポジウム・アートコンテスト「大賞」,工学院大学(東京), 2014年7月21-22日
Nao Shikanai and Kozaburo Hachimura, ‘The effects of the prsense of an audience on the emotions and
movements of dancers’, Procedia Technology , 18, pp.32-36, 2014
《デモ展示》
一般公開 「祇園祭 デジタル・ミュージアム2014」京都府京都文化博物館(京都), 7月23-25日
《マスメディア報道》
「大船鉾もCGで巡行 祇園祭をバーチャル体験」 KBS京都ニュース, 2014年7月23日
「150年ぶり復帰の大船鉾CG動画に 立命大教授が巡行再現」 京都新聞, 2014年7月15日
《外部資金》
平成26-28年度科学研究費・基盤研究(B)
「文化芸術活動における身体動作と集団行動のデジタルアーカイブと解析・表現
アート・リサーチセンター研究活動報告
57
ART RESEARCH vol.16
技法の開発」
(代表者 八村広三郎, 2014-2016年)採択 平成26年度科学研究費・研究成果公開促進費(研究成果データベース)採択
日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点 2014年度 研究拠点形成支援プログラム 研究プロジェクト報告書④
メタバースを活用した文化資源の仮想展示と
アーカイビングプロジェクト
代表:細井浩一(映像学部・教授)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
進捗させた。
稲葉光行(立命館大学政策科学部・教授)
1)については、 板木研究が明らかにしている板木の特
北原 聡(横浜市立大学映像学部・教授)
現況を精査した上で、板木が有する表象的、工芸的意義を
山本真紗子(日本学術振興会・特別研究員)
分担者と検討を重ね、「生田敦盛」および「斑目」の2種類
Ruck Thawonmas(立命館大学情報理工学部・教授)
性についての知見およびそのデジタルアーカイブデータの
金子貴昭(立命館大学衣笠総合研究機構・准教授)
最も適切に表現できる仮想空間展示の構成について研究
石上阿希(立命館大学衣笠総合研究機構・専門研究員)
加茂瑞穂(立命館大学衣笠総合研究機構・専門研究員)
[研究成果の概要]
アート・リサーチセンターにおける過年度の諸研究プロ
ジェクト(グローバルCOE、科研費基盤研究、私大戦略的
研究基盤形成事業、 研究拠点形成支援など)において構
築してきた研究用メタバース(インターネット上の三次元
仮想空間)は、すでに下記の仮想展示、仮想環境を有した
日本の文化資源に関する本格的な仮想展示および協調学
習のための空間として評価を得ている。
・「能舞台および能舞モーション」体験施設
・「加賀お国染めミュージアム」
図1:板木ミュージアム空間の基本設計
を題材とすることにした。 展示空間としては、 各工程の板
木を確認しつつ多色刷のプロセスを俯瞰することができる
ように、図1のような方形の回覧型展示空間を設計した。
・「伊勢型紙美術館」
・「京都『型友禅』ミュージアム」
・「仮想展示〜春画を見る、艶本を読む」
続いて、各板木の役割(刷面、色)をよく理解できるよう
本申請においては、これらの諸展示、学習空間の既存成
果を踏まえつつ、1)アート・リサーチセンターにおける日
本文化資源研究の成果を新たに仮想空間において公開、
発信していくこと、2)既存の仮想空間展示についても追加
的なリニューアルを行い、 研究成果のアップデートと継続
的な公開、発信を追求すること、3)日本文化についての協
調学習環境の改良を行い、既存展示の内容、趣旨と連動さ
アート・リサーチセンター研究活動報告
58
せた学習プログラムを開発すること、をサブテーマとしたプ
ロジェクト型研究を実施する。 とりわけ、 メタバースの特
性を活用した日本文化資源研究展示による成果発信とそ
の学習促進に関する実践的な課題解決を主要なイシュー
図2:板木ミュージアム空間の順路とギミック
としつつ、あわせて、メタバースを一種のデジタルアーカイ
ビングの環境として位置づけ、 アーカイバルサイエンスを
含めたデジタルアーカイブの諸研究、 諸実践の観点から、
その可能性と課題についても新たな研究課題とする。
[研究成果の概要]
研究計画に従い、サブテーマ1)から3)について研究を
図3:完成した「生田敦盛」と「斑目」
印)を設置した上で、順路の最後に完成された刷絵を配置
することとした。
のタイトルを「多色摺木版画の板木―彫摺の技法として看
ART RESEARCH vol.16
に、 各工程の板木のデジタルデータを強調加工して設置
し、順路にそってアバターを回遊させるためのギミック(矢
板を設置した。
2)については、「メタバース展示運営者ミーティング」
を実施し、それぞれの展示内容のアップデート、リニューア
ルについて検討した。 特に「仮想展示〜春画を見る、艶本
を読む」については、2015年度中に実空間での展示企画
(東京、永青文庫)が予定されていることから、実空間-仮
想空間のハイブリッド展示について、 要件整理および仮想
空間におけるオブジェクト設計を進めた。 3)については、 現況の「神社」空間と各日本文化関連
展示との連携による協調的学習用の空間について再定義
を試み、 日本の伝統文化の学習支援という側面に加えて、
衣・食・住に関わる日本滞在中の日常生活の支援に焦点
図4:仮想展示「多色摺木板画の版木―彫摺の技法」の外観
最後に展示空間の外観について検討し、 板木の背景と
歴史を踏まえた形で落ち着いた木造建築風とし、仮想展示
を当て、外国人研究者・留学生が日本の生活スタイルを総
合的に学習できる環境という基本的なリデザイン構想を進
めた。
[研究成果(著書・論文・学会発表・その他)]
〈著書(分担執筆)〉
細井浩一「世界に通じる文化を国内で保存すべきである」福井健策・吉見俊哉監修『アーカイブ立国宣言』, ポット出版,
2014年11月
〈論文〉
井上明人, 福田一史, 鎌田隼輔, 中村彰憲, 細井浩一「デジタルゲームにおけるプラットフォーム概念の基礎的区分の再提案」
『日本デジタルゲーム学会2014年次大会予稿集』, pp.159-162, 2015年3月
鎌田隼輔, 細井浩一, 中村彰憲「オンラインゲームのアーカイブ構築に関する基礎的研究」『アート・リサーチ』, 14, pp.7385, 2015年3月
Mitsuyuki INABA, Michiru TAMAI, Kenji KITAMURA, Ruck THAWONMAS, Koichi HOSOI, Akinori NAKAMURA
and Masayuki UEMURA, ‘mplementing and Evaluating Collaborative Serious Games for Japanese Cultural
Learning in 3D Metaverse’, Proceedings of Replaying Japan Again: 2nd International Japan Game Studies
Conference 2014 , University of Alberta (Edmonton), Canada, p.47, 21-23 August 2014
〈招聘講演〉
細井浩一「日本の文化創意産業の発展と地域振興の新しいモデル」国際学術検討会『文化創意産業発展与創新』, 大連工業
大学(中国), 2014年9月9日
〈その他〉
《外部資金》
平成27-31年度科学研究費補助金・基盤研究(B)
「メタバースを用いた日本の伝統文化及び生活文化の状況学習支援環境
に関する総合的研究」
(代表・稲葉光行, 2015-2019年)採択
アート・リサーチセンター研究活動報告
59
ART RESEARCH vol.16
文部科学省 共同利用・共同研究拠点
立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点2014年度
A. テーマ設定型 ①
共同研究成果報告書
京都をプラットフォームとした文化資源デジタル・コンテンツの
利活用と流通の促進に関する研究
研究代表者:奥窪宏太(凸版印刷株式会社 文化事業推進本部)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
矢野桂司(立命館大学文学部・教授)
川嶋將生(立命館大学・名誉教授)
(え)デジタル・アーカイブの権利処理・課金システムに
エンス研究部・准教授)
《2.先行事例を活用したプロトタイプ制作》
塚本章宏(徳島大学大学院ソシオ・アーツ・ アンド・サイ
ついての先行事例情報収集
河角龍典(立命館大学文学部・教授)
(あ)京都盆地GISの汎用WEBプラットフォーム(ArcGIS
矢口浩平(ESRI ジャパン株式会社)
(い)2Dと3D地図を重層化したGPS連動文化財情報アプリ
河原 大(株式会社キャドセンター)
福島幸宏(京都府立総合資料館)
西山 剛(京都府京都文化博物館)
佐伯敬太(凸版印刷株式会社文化事業推進 本部 文化事
業推進部 部長)
加茂竜一(凸版印刷株式会社文化事業推進 本部 部長)
中島基道(凸版印刷株式会社 文化事業推進 本部 文化
事業推進部 係長)
[研究課題の概要]
本研究では、これまで様々な機関において作製されてき
た京都の有形無形の文化資源デジタルコンテンツを集積
させ、 それらを流通・活用させるためのプラットフォーム
を構築する。 このプラットフォームを通して、 様々な文化
観賞シーンにおけるユーザ体験を向上させることはもちろ
ん、 それによって文化資源のデジタルコンテンツの蓄積が
さらに促進されるという、 文化資源の宝庫である京都なら
ではのデジタル・アーカイブ・スパイラル(循環)を創出
し、 さらにそれらを相互に利用 することによって、 それら
を素材とした新たなデジタルコンテンツの構築を促進させ
る。 また、 そうした文化資源デジタルコンテンツの流通や
活用に関する著作権などに関しても検討する。
アート・リサーチセンター研究活動報告
60
て情報収集
(う)メタデータのありかたについての検証
[研究成果の概要]
2014年度の研究では、 翌年度のプラットフォームテス
ト公開に向けた基礎資料として、京都盆地を対象にした文
化資源デジタルコンテンツの利活用と流通を促進するプ
ラットフォームのβ版構築に向けた《1.先行事例の情報
収集・分析》と《2.プロトタイプの制作》を実施した。
《1.関連する項目についての調査》
(あ)既存のデジタルアーカイブプラットフォームについて
の先行事例情報収集・分析
(い)既存の京都関連のデジタルアーカイブデータについ
へのバーチャル京都の移植)
ART RESEARCH vol.16
文部科学省 共同利用・共同研究拠点
立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点2014年度
共同研究成果報告書
A. テーマ設定型 ②
海外日本美術品・工芸品のデジタル・アーカイブと
コレクション研究
研究代表者:John Carpenter(メトロポリタン美術館・学芸員)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
Bincsik Monika(メトロポリタン美術館・日本部門学芸員)
ることにより、 海外に輸出された美術・工芸品がどのよう
に理解されてきたか、コレクションそのものの総体がどのよ
Janice Katz(シカゴ美術館・アソシエート学芸員)
うな性格を持つのか、 それらが日本文化理解をどのように
担当学芸員)
異なる美術品・工芸品を結びつけ、また、未整理・新収の
芸員)
ことに務める。 可能な限り一般公開に結びつけ、この分野
Alice Kraemerová(ナープルステク博物館・日本・韓国
Markéta Hánová(プラハ国立美術館アジア部・主任学
深めて来たかを考察する。 データベース化により、分野の
文化資源についても、 継続的にデジタル・アーカイブする
Hans Thomsen(チューリッヒ大学東洋美術部・教授)
の研究環境の高度化を実現する。
Andrew Gerstle(ロンドン大学SOAS・教授)
[研究成果の概要]
小山 騰(ケンブリッジ大学図書館・日本部門司書)
Ellis Tinios(リーズ大学・名誉講師)
Timothy Clark(大英博物館・日本担当主任学芸員)
松葉涼子(大英博物館・アジア部・研究員)
Rosina Buckland(スコットランド国立博物館・東アジア
担当上級学芸員)
Clare Pollard(オックスフォード大学アッシュモーリアン
博物館・学芸員)
Annegret Bergmann(ベルリン自由大学美術史学部・
准教授)
Cora Würmell(ドレスデン州立磁器美術館・学芸員)
Matthi Forrer(ライデン民族学博物館・主任学芸員)
Ewa Machotoka(ライデン大学・地域研究研究所)
Donatella Filla(キォッソーネ東洋美術館・館長)
Bonaventura Ruperti(ヴェネチア大学日本学科・教授)
Silvia Vesco(ヴェネチア大学アジア・北アフリカ学科・
教授)
Sonia Favi(ヴェネチア大学・日本学科・助手)
前崎信也(京都女子大学・准教授)
赤間 亮(立命館大学文学部・教授)
鈴木桂子(立命館大学衣笠総合研究機構・教授)
金子貴昭(立命館大学衣笠総合研究機構・准教授)
川内有子(立命館大学文学研究科・博士課程後期課程1回生)
常木佳奈(立命館大学文学研究科・博士課程前期課程2回生)
[研究課題の概要]
欧米各国に散在する日本美術・工芸品をアート・リサー
チセンターのデジタル・アーカイブ技術を活用して、 デジ
タル化し、各所蔵機関が共同で利用できる大規模なデータ
ベースを構築する。 このデータベースを共同利用しなが
ら、とくに、関連するドキュメント、古典籍をもデジタル化す
組織が所蔵する日本美術・工芸品のデジタル・アーカイ
ブを実施した。
1.NYメトロポリタン美術館収蔵品 バーシ・バウコレク
ション(絵本)の約240点のデジタル化とWEB公開。
従来からの収蔵品(古典籍)のデジタル化も継続中。
2.カリフォルニア大学バークレー校東アジア図書館 旧
三井コレクションの内、まったく未整理未登録となって
いる、銅版画作品のデジタル化と整理。
3.大英博物館日本古典籍のデジタル化 大英博物館
所蔵の日本古典籍全3000タイトルのデジタル化を完
了。 専門研究員の派遣、 大英博物館の一般公開コレ
クションDBから閲覧が可能。 絵巻・掛幅2000点の
デジタル化について、 立命館院生のインターンシップ
型派遣により、 継続。 大英博物館の展示計画に合せ
て、 根付等の小物立体物のデジタル技術調査(3D計
測、 CTスキャンなど)
4.ケンブリッジ 大 学 図 書 館Aston, Satow and von
Siebold Collectionsのデジタル化継続と改修プロ
ジェクトの開始。
5.ライデン民族学博物館の古典籍デジタル化
6.「日本の版画」美術館(個人美術館・アムステルダム)
の冊子資料デジタル化
7.スイス・チューリッヒ大学との共同研究 ジュネーブ
市立歴史美術博物館版画部での展覧会開催、リート
ベルグ博物館の古典籍のデジタル化に向けた、予備調
査実施。
8.ヴェネチア大学との共同研究 ヴェネチア東洋美術館
にて「広重展」開催。 ローマ・サレジオ大学図書館マ
レガ文庫のデジタル化と一般公開。
アート・リサーチセンター研究活動報告
加茂瑞穂(立命館大学衣笠総合研究機構・専門研究員)
今年度は、 分担研究者が所属する研究組織や関係する
61
ART RESEARCH vol.16
文部科学省 共同利用・共同研究拠点
立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点2014年度
B. 個別テーマ型 ①
共同研究成果報告書
デジタル・アーカイブ手法を用いた近代染織資料の
整理と活用
研究代表者:青木美保子(京都女子大学・准教授)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
並木誠士(京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 ・
教授、同大美術工芸資料 館・館長)
鈴木桂子(立命館大学衣笠総合研究機構・教授)
山本真紗子(日本学術振興会・PD)
加茂瑞穂(立命館大学衣笠総合研究機構・PD)
[研究課題の概要]
本研究は、学術資料として俎上に上がっていない近代染
織史に関連する資料の整理・蓄積をすすめるものである。
現在、近代染織史を研究するための資料は散在し、かつ未
どのコレクションを見学し、染織技法に関わる聞き取り
調査を実施した。
4.株式会社キョーテック・株式会社キョーエース/戦前
から型染め用の型を生産している同社へ訪問、 調査を
実施した。 工場内部の見学、 戦後京都の染織産業の
変遷や染織技法に関する聞き取り調査を進めた。
【研究資料の整理】
整理のものが大半であり、 基礎的な資料調査が必要不可
『染織日出新聞』の記事見出し一覧の作成を進めた。
は聞き取り調査もまだ可能、かつ研究手法の有効な手段で
に発信し、当時の様子を詳細に知ることのできる一次資料
欠な段階にある。 しかしながら、近代の染織産業について
あり、 文献資料には残らない情報を今なら収集することが
できる。
そこで、本研究では、近代染織研究に必要な資料整理や
調査を進めつつ、 資料・情報を蓄積していく場を構築し、
情報技術を駆使してその共有化を進める。 この資料・情
報の整理・蓄積・共有化は、 染織研究関係者と染織業従
事者へ新たな交流の場を提供することとなり、 延いては染
織業の活性化を模索する足掛かりとなるであろう。
[研究成果の概要]
【聞き取り調査】
京都市内を中心に、染織業従事者及び染織資料蒐集家
に聞き取り調査を実施した。
1.薗部染工/京都市内において「墨流し染」をおこなう
薗部染工へ訪問調査を実施した。 作業工程の動画撮
アート・リサーチセンター研究活動報告
62
家の元を訪問調査し、近世後期から現代までの型染め
のキモノ・布帛(綿・絹)、型友禅のキモノ、長襦袢な
影、染見本の撮影、染見本をもとにした染色技法に関
する聞き取り調査を実施した。
2.株式会社マドレー/近代に入って新たに開発された墨
流し染めの流れを汲むマドレー染の資料を保存する株
式会社マドレーへ訪問、調査を実施した。 染見本をも
とにした染色技法に関する聞き取り調査と染見本やキ
モノのデジタル化のための基礎調査を進めた。
3.悠々亭(個人コレクション)/大阪市の染織資料蒐集
染織日出新聞は、 戦前の染織産業に関わる情報を定期的
である。
ART RESEARCH vol.16
文部科学省 共同利用・共同研究拠点
立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点2014年度
B. 個別テーマ型 ②
共同研究成果報告書
浮世絵データベースシステムを応用した浮世絵の新研究
研究代表者:岩切友里子(京立命館大学 客員研究員)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
中村恵美(元都立中央図書館・司書)
ユーザーメモ機能により、古典籍のページ単位による画題
索引の構築をスタートさせた。
John Resig(立命館大学衣笠総合研究機構・客員研究員)
Tim Clark(大英博物館・日本担当主任学芸員)
Angus Lockyer(ロンドン大学SOAS, Lecturer in the
History of Japan)
赤間 亮(立命館大学・文学部・教授)
松葉涼子(立命館大学衣笠総合研究機構・専門研究員)
Vanessa Tothill(立命館大学大学院文学研究科・博士
課程後期課程3回生)
[研究課題の概要]
浮世絵専門のイメージ・データベースとして、 世界を
代表するものにアート・リサーチセンターの浮世絵データ
ベースとJapanese Woodblock Print Searchがある。
データベースシステム開発のキーマン二人と、浮世絵専門
研究者による新たな研究データベースを開発する。 研究
データベースは、 カラログレゾネの日常的な蓄積を可能と
する応用的な展開を目指すもので、これによって、具体的
にはRoger Keyes北斎カタログ(未刊行)のデータベー
ス化を実現し、その上で、大英博物館での北斎展に結びつ
ける。
[研究成果の概要]
本年度は、電子版カタログレゾネを実現するために基盤
となるARC浮世絵DBの構造や機能を本プロジェクトの提
案により大幅にバージョンアップした。 オンラインDBとし
て、 WEBブラウザのみを使った効率よいDBの編集機能
や、 FTP等の専門的な知識を使わずに、 新規にデータ登
録を行える機能を追加した。 また、 カタログレゾネシステ
ムとしての機能アップのため、 複数のシステム項目を追加
した。 また、その出力デザインのシミュレーションのため、
画像とデータをARC浮世絵DBに搭載し、システムデザイ
ンを開始した。 これにより、微妙な配列を可能とする手入
力による調整が可能な年代項目を追加、また、これまで懸
案であった、バイリンガル化のための、画題よみ項目の追加
をおこなった。 なお、よみ項目は、自動的にローマナイズで
きる。 また、描かれた作品の解説を効率よく記述できるよ
うにするため、サブジェクト辞典となる電子画題辞典、「画
題Wiki」を立上げた。 さらには、この画題Wikiの増殖を狙
うため、絵手本・画譜類の蓄積をやはり、ARC古典籍ポー
タルDB上で実施し、このシステムのサブシステムである、
アート・リサーチセンター研究活動報告
歌川芳年をサンプルとして、 カタログレゾネ化可能な量の
63
ART RESEARCH vol.16
文部科学省 共同利用・共同研究拠点
立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点2014年度
B. 個別テーマ型 ③
共同研究成果報告書
近世近代期京都の地誌・案内記を対象とした
デジタルアトラスの構築
研究代表者:塚本章宏(徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部・准教授)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
矢野桂司(立命館大学文学部・教授)
赤間 亮(立命館大学文学部・教授)
金子貴昭(立命館大学衣笠総合研究機構・准教授)
山路正憲(立命館大学衣笠総合研究機構・研究員)
[研究課題の概要]
本研究課題は、 近世から近代への移行期の京都におけ
る、あらゆる職種に関する人物・住所情報が記載された地
誌・案内記類のデジタルアーカイブを進め、産業の立地や
集積の地理的分布とその変遷を明らかにするためのデー
タ基盤の構築を目指すものである。 これまでのデジタル
アーカイブは、 インターネットでの画像公開が主であった
が、本研究課題では、地誌・案内記類の画像データベース
と、地理情報システム(GIS)の管理・分析機能と連携させ
ることで、 オンライン上で主要産業のGIS地図と原資料を
閲覧することができるデジタルアトラスを構築することを目
指す。 この成果によって、歴史学や地理学といった伝統的
な研究分野のみにならず、 デジタル・ヒューマニティーズ
の研究基盤、研究事例としても期待される。
[研究成果の概要]
2014年度は、 京都の地誌・案内記類の所蔵数で最大
規模の一つである、 京都府立総合資料館に所蔵された地
誌・案内記類および近代期に出版された絵図について、デ
ジタルアーカイブを進め、 インターネット上の画像データ
ベースにおける公開に向けた整備に取り組んだ。
デジタル撮影した資料の点数は、約100点、撮影カット
数では約7000カットを数える。 アート・リサーチセンター
のサーバーを利用して公開されている「京都地誌データ
アート・リサーチセンター研究活動報告
64
ベース」に画像データを追加した。 なお、2015年4月の
時点では、メンバー内の限定的な閲覧にとどめている。
上記の画像データベース構築・拡張についての作業を
進めつつ、 それらをインターネット地図から閲覧するため
の準備を進めた。 本研究は、デジタルアトラスの構築を目
指しており、 様々な時間断面の商工業者・文化人の居住
地分布がわかる地図から、人物が掲載されているページの
画像データへとリンクさせることが必要である。 また、 京
都の主要産業やアート・リサーチセンターの他の研究プロ
ジェクトと連携できるような職種や項目の選定を進め、 一
部の年代の地誌・案内記は、 WEBGIS化を進め、 それら
の連携テストを行っている
ART RESEARCH vol.16
文部科学省 共同利用・共同研究拠点
立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点2014年度
B. 個別テーマ型 ④
共同研究成果報告書
板木デジタルアーカイブ拡充による板木の研究利用促進
研究代表者:永井一彰(奈良大学文学部・教授)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
また、国際会議や国際協議会参加を通じて、海外所蔵機関
金子貴昭(立命館大学衣笠総合研究機構・准教授)
との関係構築をも行った。(4)については、研究協力者の
西村明高(株式会社法蔵館・代表取締役)
線撮影による板木内部の観察、 電子顕微鏡観察によって
栗田美由紀(奈良大学文学部・助教)
吉田 譲(佛光寺版木保存研究室・室長)
協力を得て、 保存科学の観点からの板木分析を行い、 X
部材ついての調査を行った他、板木に発生するカビの特性
を明らかにし、除法を蓄積した。
当該共同研究課題は、2015年度は本拠点において予
[研究課題の概要]
申請者らは、 近世文学研究・出版研究に関わり、「本」
算配分を受けないが、別予算によって上述の成果蓄積と発
信活動を継続し、国際展開も図る予定である。
ではなく、 近世出版の根本装置であった「板木」に主眼を
置き、本からは分かり得なかった情報を板木から得て蓄積
することにより、 文芸や出版に関わる新視点の獲得を目指
している。 それにあたり本研究課題では、デジタル技術・
IT技術による板木デジタルアーカイブ構築を推進し、日本
文化に関わる基礎資料の分析・考察という基礎研究型の
成果を創出するとともに、 デジタルアーカイブ公開によっ
て研究界全体の基盤強化をも目指す。 さらに、 博物館学
分野および板木所蔵機関と共同することにより、 板木の保
存・管理・活用に向けた所蔵機関ネットワークの構築に着
手するものである。
[研究成果の概要]
本研究課題では、
(1)これまで永井・金子を中心に構築してきた板木デジタ
ルアーカイブの拡充
(2)
(1)を通じて板木の研究利用促進と、 板木活用の裾
野の拡大
(3)
(1)の活動を通じてアート・リサーチセンターをハブ
とする板木所蔵機関ネットワークの形成
(4)博物館分野との連携による、板木の保存・管理に向け
た情報蓄積と(3)のネットワークにおける情報共有、
の活動を行った。
ルアーカイブ構築が進捗し、板木デジタルアーカイブを拡
充した。(2)については当年度中のデジタルアーカイブ公
開には至らなかったが、次年度以降の公開を視野に入れて
いる他、 当年度までに構築したデジタルアーカイブを基盤
に図録的研究書『(仮題)近世出版の扉を開く』を刊行す
ることが決定し(2015年度、 笠間書院)、 板木の研究利
用促進を図る予定である。(3)については、 株式会社法
藏館、 本山佛光寺とのネットワーク構築を確かなものとし
た他、2件の所蔵機関・所蔵者との連携関係を構築した。
アート・リサーチセンター研究活動報告
結果、(1)については当年度に15,609カットのデジタ
65
ART RESEARCH vol.16
文部科学省 共同利用・共同研究拠点
立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点2014年度
B. 個別テーマ型 ⑤
共同研究成果報告書
浮世絵技法の復元的研究のための光計測・画像解析基盤
技術の創出
研究代表者:南川丈夫(京都府立医科大学・助教)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
金子貴昭(立命館大学衣笠総合研究機構・准教授)
竹中健司(竹中木版 竹笹堂・五代目摺師・代表取締役社長)
とで、色材や彫摺技術などの特徴を抽出する有効な手段と
谷口一徹(立命館大学理工学部・講師)
マン散乱分光法を効果的に、あるいは融合的に活用するこ
永井大規(竹中木版 竹笹堂・摺師)
なることが明らかとなった。
[研究課題の概要]
板木へ展開していき、デジタル・アーカイブ化することで、
浮世絵は、江戸時代に発展した多色摺木版画であり、現
在では日本を代表する伝統美術として伝えられている。 し
かし、浮世絵の板木は、仮に現存する場合であっても、摺り
工程による摩耗等により、木版画の再現が不能なほど劣化
している事が多い。 また、 浮世絵の伝統技法は主に直伝
で受け継がれてきたため、浮世絵の製作手法や使用した材
料が現在では不明であることが多い。そこで、本研究では、
板木および版画を光計測・画像解析技術を駆使して科学
的に分析することで、当時の浮世絵の製作手法や材料の再
現による伝統技術の復元するための基盤技術の創出を目
指す。 本研究は、光計測、情報処理、木版研究の専門家と
浮世絵職人の産学・文理融合型のチームで推進する。
[研究成果の概要]
本研究では、ラマン散乱分光法による板木・版画の分子
分析法の開発、基礎スペクトルデータベース作成、および
反射・蛍光分光分析法の有効性の検討を行った。
その結果、色材や補助剤に特徴的なラマンスペクトルが
得られることが見出された。 さらに、これらは励起波長依
存性が見られることも明らかにし、ラマンスペクトルのデジ
タル・アーカイブ化のための基礎的知見を得ることが出来
た。 以上の成果を元に、 色材の基礎データベースの作成
を行った。
アート・リサーチセンター研究活動報告
66
法は分子選択性に乏しいものの、それぞれ特徴的な版画の
コントラストを得られることが明らかとなった。 これらとラ
また、木版画における色材の同定、および空間分布測定
を行った。 本プロジェクトでは木版画職人が参画している
ことから、現在までに受け継がれている伝統的木版画技法
によって摺られた木版画を試料として用いた。 その結果、
ラマンスペクトルから色材の分子構造を推定し、 用いられ
た色材の種類の同定が可能であることを示した。 さらに、
色材の微細な空間分布を得ることができる事を明らかにし
た。
さらに、反射分光分析法、自家蛍光分析法を用いた版画
分析法についても検討した。 反射分光分析法と蛍光分光
今後は、本研究で得られた成果を基盤に、様々な版画・
浮世絵技法の復元・継承・保存へつなげていくことができ
ると考える。
ART RESEARCH vol.16
文部科学省 共同利用・共同研究拠点
立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点2014年度
B. 個別テーマ型 ⑥
共同研究成果報告書
演劇上演記録のデータ・ベース化と活用、ならびに汎用利
用システム構築に関る研究
研究代表者:武藤祥子(公益財団法人 松竹大谷図書館)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
につれ、入力ペースや考証の精度も上がり、上演記録の考
井川繭子(松竹大谷図書館)
証方法を会得した人材の育成にもつながったといえる。
倉橋正恵(立命館大学衣笠研究機構・客員研究員)
アート・リサーチセンターとのコラボレーションで進行中
1回生)
化が完了する予定である。
村島彩加(日本学術振興会・PD)
青山いずみ(立命館大学文学研究科・博士課程前期課程
さらに、 別予算で進めている芝居番付のデジタル化が
であり、2014年度中に約6,000点の内、2,500点の画像
[研究課題の概要]
松竹大谷図書館は、開館以来、演劇史や演劇資料整理
の基礎となる演劇上演記録を作成してきた。
この上演記録は、 主に明治初年から戦前までの東京の
記録と、戦後の各地の大劇場、及び東京の小劇場の記録で
ある。 これらの上演記録は、元々図書カードによって整理
されていたもので、これを完全にデータベースに移行しつ
つ、不完全な情報については、資料の原典に当たるなど精
緻化、考証を進めてデータの精度を上げ、日本演劇の研究
と資料整理の基礎となる上演記録データベースを構築す
る。
[研究成果の概要]
2014年度研究では、今まで続けてきた劇場ごとの演劇
上演記録の考証作業を継続して行うことができた。
本年度はそれに加えて、 ジャンルを「新派」に限定して
戦後の上演記録の作成と考証作業を行った。
「新派」は明治期に旧来の歌舞伎などの演劇に対して、
新しく発生した演劇のジャンルだが、戦前戦後を経て、現
在でも劇団新派として公演を行っている。
現在の新派公演は松竹株式会社が製作しており、 その
ため歴代の演劇部新派担当プロデューサーや、 新派の演
出家が公演記録を書き留めていた冊子が存在する。 今回
ベースとした上で、 それらの冊子を重要な典拠資料として
データベース化できた。
またこの作業では、冊子をスキャンして画像化し、その画
像を新派担当プロデューサーにも提供した。
新派上演データベースが完成すれば、 今後の新派公演
製作業務に活用できる有益なデータベースとなるであろ
う。
また考証作業は、 今年度より演劇の専門知識を持った
新たな人材を得て入力作業が行われた。 考証作業が進む
アート・リサーチセンター研究活動報告
の考証作業では、当館が記録してきた上演カードの記録を
67
ART RESEARCH vol.16
文部科学省 共同利用・共同研究拠点
立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点2014年度
B. 個別テーマ型 ⑦
共同研究成果報告書
富本憲吉とバーナード・リーチ往復書簡の研究
―京都市立芸術大学所蔵資料を中心に
研究代表者:森野彰人(京都市立芸術大学 美術学部 准教授)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
鈴木禎宏(お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学
2014年度の研究成果として森野彰人・前崎信也編『富
研究科・准教授)
本憲吉著 我が陶器造り』
(里文出版)を2015年7月に出
永楽善五郎(京都市立芸術大学美術学部 美術研究科・
デジタル化、および全文の翻刻を行い、注釈を付した。 そ
Meghen Jones
(Associate Professor Alfred University)
版予定である。 立命館大学アート・リサーチセンターで
特任教授)
れに加えて、2013年12月に京都市立芸術大学芸術資源
彬子女王(立命館大学アート・リサーチセンター・客員研
ンポジウム『富本憲吉のことば』の対談の内容を含めた。
授)
【富本憲吉研究会の開催(2015年2月)】
松尾芳樹(京都市立芸術大学芸術資料館・学芸員)
究員/京都市立芸術大学芸術資源研究センター客員教
研究センターが主催し、京都国立近代美術館で開催したシ
前﨑信也(立命館大学衣笠総合研究機構・専門研究員)
京都市立芸術大学芸術資源研究センターにおいて、 本
程後期課程 芸術学領域)
究会の一環として研究対象としている京都市立芸術大学
入澤聖明(京都市立芸術大学大学院美術研究科・博士課
[研究課題の概要]
富本憲吉(1886-1963)は「色絵磁器」で第1回の重
要無形文化財保持者に認定され、 文化勲章を受章した陶
芸家である。 京都市立芸術大学の前身である京都市立美
術芸術大学において教授・学長も務め、20世紀を代表す
る多数の芸術家を育成したことでも知られている。2013
年、 京都市立芸術大学は富本憲吉記念館(奈良県安堵
町)から富本憲吉関連資料の寄贈(940件)をうけた。 本
研究では、 同資料中の富本と英国人陶芸家バーナード・
リーチ(1887-1979)の間で交わされた多くの書簡をデ
ジタル化し、画像データベースを構築、それをもとに研究
を行う。20世紀の日本と英国を代表する陶芸家のやりと
りを翻刻・研究し、画像及び研究成果を公開することによ
り、 日英の美術工芸史に新たな研究成果・手法を提示す
る。
アート・リサーチセンター研究活動報告
68
【『富本憲吉著 我が陶器造り』出版準備】
[研究成果の概要]
【「近現代陶磁器資料データベース」構築】
2015年2月に「近現代陶磁器資料データベース」を構
築し、 研究メンバーがウェブ上で資料データを共有できる
体制を整えることができた。 そのために、既存の画像デー
タベースの改編、 未撮影資料のデジタル化、 富本憲吉―
バーナード・リーチ往復書簡の翻刻を行い、すべてのデー
タのデータベースへの登録を行った。 現在は試験運用中
である。
研究メンバーによる研究の進捗状況の報告会を開催。 研
所蔵の富本憲吉関連資料の見学会を開催。
ART RESEARCH vol.16
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立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点2014年度
B. 個別テーマ型 ⑧
共同研究成果報告書
Scrolling Paintings (Emaki) from the Kyoto Region:
A Public, Online Resource for Students and Scholars
研究代表者:Chelsea FOXWELL(Asst. Professor, Dept. of Art History, Univ. of Chicago)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
article on the Ippen hijiri-e 一遍聖絵 (Ippen shōnin eden
WU Hung(Art History Professor and Director, Center for
一遍上人絵伝), the same scroll whose images we were
the Art of East Asia, University of Chicago)
able to purchase from Tokyo National Museum and are
Katherine TSIANG(Associate Director, Center for the Art
putting on the public side of scrolls.uchicago.edu.
of East Asia, University of Chicago)
Bridget MADDEN(Associate Director, Visual Resources
Center, Dept. of Art History, Univ. of Chicago)
[研究課題の概要]
http://scrolls.uchicago.edu/ is a digital database of East
Asian handscroll paintings that supports both teaching
and research. This interactive site uses animation and
zoom to simulate the experience of viewing handscrolls
in ways that transcend the possibilities of published
photographs and slides, while also making the scrolls
more accessible worldwide. The public site contains over
seventy handscrolls from museums such as the Museum
of Fine Arts, Boston; the Art Institute of Chicago; the
Palace Museum, Beijing; and the Metropolitan Museum
of Art, but few Japanese handscrolls are currently
available, even though of Japanese art regularly use the
site. Working together with ARC researchers, we will
identify medieval and early modern Japanese emaki in
Kyoto that are highly valuable to research and teaching.
We will then obtain secure, high-resolution images and
add them to our site. We will also add English-language
descriptions, annotations, and bibliographic references
based on current research.
[研究成果の概要]
presenting high-resolution images of their handscrolls
on our website. We were ultimately able to contract
with Tokyo National Museum and also prepare the way
for future collaboration with Kyoto National Museum. I
discussed challenges to the use of high-resolution images
online with scholars and curators. I received feedback at
Ritsumeikan’s conference. I researched image fair use
guidelines in the US and Japan. Finally, I published an
アート・リサーチセンター研究活動報告
We contacted several public and private museums,
along with shrines and temples, to inquire about
69
ART RESEARCH vol.16
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B. 個別テーマ型 ⑨
共同研究成果報告書
Archiving and Utilization of Japanese Performing Arts
Materials on GloPAD and JPARC
研究代表者:Katherine Saltzman-Li
(Associate Professor at the University of California at Santa Barbara)
[共同研究者(外部研究者・大学院生含む)]
Monica Bethe(中世日本研究所・所長)
projects that can now be realized.
Ann Ferguson(Special Collections Librarian, Seattle
We set out to do four projects, work on three portals
Public Library)
on the JPARC site, and establishing the groundwork
Beng Choo Lim(Associate Professor, National University
for setting up a digital conferencing and online article
of Singapore)
archive. In addition, we ended up spending a lot of time
Diego Pellecchia(ARC Research Project Associate)
evaluating the structure of JPARC and thinking about its
Nicolai Pesochinsky(Vice Rector and Professor, St.
redesign.
Petersburg State Theatre Arts Academy)
Joshua Young(Program Manager, Cornell University
[研究成果の概要]
East Asia Program)
We are concurrently working on five projects, three
永井彩子(立命館大学文学部研究科・博士課程前期課程
2回生)
赤間 亮(立命館大学文学部・教授)
for building content, one for developing an online archive
of PARC-related articles, and one to revamp the menu
structure and redesign the look of JPARC.
[研究課題の概要]
1. Nobumitsu Research Portal
The Global Performing Arts Consortium (GloPAC)
This site provides access to material about and by
runs a database (GloPAD) and a resource center on
the neglected, but very influential noh performer and
Japanese performing arts (JPARC) that use the material
playwright, Kanze Kojiro Nobumitsu (1435?-1516). For
on the database to build contextual content. When the
this we created content and held a workshop including
Consortium was set up, in the late 1990s and early
related papers and a lecture demonstration by a noh
2000s, it was a cutting-edge project in the digitization
actor, which we filmed.
of performing arts materials and in developing metadata
アート・リサーチセンター研究活動報告
70
specifically useful for the performing arts. By now, internet
2. Enhancing the Kabuki portal
technology has advanced far beyond the tools available
The goal of this project is to build a storehouse of
fifteen years ago, and while the site has been upgraded
kabuki-related material on JPARC that is as extensive
in the past, it is again in need of modernizing.
as the noh material, and that presents kabuki plays in a
The joint research project with ARC addressed
way that appropriately demonstrates their dynamic and
a number of areas for moving forward, primarily for
adaptable nature. We spent time analyzing the present
the JPARC site. This involved building new material,
portal and deciding on directions for improving
discovering new ways of involving young and established
scholars in the consortium, and reevaluating the pros
3. Interactive Noh Costume Project
and cons of the database and resource center. On all
The Noh/kyōgen costumes consist of layered
these scores, we considered the first six months as
ensembles of garments, with their presentation on
a time for taking stock and establishing approaches
the stage constituting an important part of an actor’s
for further action. Indeed, at the end of the period,
interpretation of a play. This interactive portal will draw
though there were not many “deliverables,” a great deal
visitors into the process of thinking about noh/ kyōgen
was accomplished in terms of research, consultation,
costumes as performance elements and as textiles. The
evaluation and analysis of approaches, and setting up
first six months were spent on setting up prototypes for
ART RESEARCH vol.16
templates and focusing on the costumes used in Funa
Benkei as a sample.
Concurrently, we have begun photographing and
filming workshops in the Nishijin weaving district of Kyoto
in order to create g a virtual tour of Nishijin, where the
costumes are woven, dyed, embroidered, and sewn.
4. Online Research Exchange and Repository for GloPAC
Scholarship
Our long-term goal is to establish an international
conferencing system built on the online exchange of
ideas and article drafts by registered correspondents.
We began by setting up rules and objectives and defining
a workflow5. Redesign the structure of JPARC as a
website.
5. Redesigning the JPARC site.
Work on each of the four projects outlined above
revealed a necessity for revamping the menu system
on JPARC to be more intuitive for users. We have
spent time analyzing the present site pages and their
interlinking and propose more rational organization. We
aim at making the entire menu consistently bilingual, at
presenting each theater art form in all its aspects and
at the same time encouraging cross-referencing and
comparison of elements across different arts. Certain
topics need regrouping and others, particularly in the
kabuki portal, need to be supplemented. In the next year
we hope to implement changes based on the results of
this preliminary investigation. To realize this, ARC has set
up a virtual platform of the site where trial versions can be
assessed.
アート・リサーチセンター研究活動報告
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