本格的シェアオフィスの運営で大分の起業家を応援する ユナイテッド

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シニア起業
本格的シェアオフィスの運営で大分の起業家を応援する
ユナイテッドシェアー 代表 酒井 英俊さん
住所:大分県大分市末広町 1-5-16 ユナイテッド末広ビル3F
電話番号:097-594-2131
設立:2009 年 12 月
FAX 番号:097-594-2032
従業員数:2名
E-mail:[email protected]
主要事業:インキュベーション・シ
HP:http://www.unitedshare.jp
ェアード・レンタルオフィスの運営
■創業のきっかけ ~創業時の負担を軽減したい
大分駅前で、国内で初めてインキュベーションマネージャー(IM)が運営するシェアオフィス(共同貸事
務所)を開設した酒井さんの経歴はユニークである。
別府市で生まれ、大学まで過ごしたあと 1984 年に地元の新聞社に入社したまでは平穏であるが、新聞社を
7 ヶ月で辞めたあとは、何故か、福岡市でフランス料理店の店長、その後別府に戻り不動産会社に転職。
1991 年には、友人からの誘いで、熊本県天草市で有機栽培農業。韓国とのエコビジネスや、アマゾンの森
林環境保護活動に NGO として参加等。1993 年今度は、大阪市で食品流通会社を設立し、上場食品会社の商
品開発に関与。水産加工業にも手を広げた。2006 年、友人に請われて故郷の別府に帰ってきた。
別府市では、友人の会社の取締役になり、経営する民間創業支援施設でIMとなった。社団法人日本ビジネ
ス・インキュベーション協会(JBIA)の認定IMとなり、それまでの様々な業種での経験と人的ネットワーク
を活かして、入居企業へ経営アドバイスを行うなど 3 年間勤めた。
大分市内のビルオーナーから、リノベート(改修)した中古ビルの3階のフロアー
が空いていると聞き、即断でワンフロアを借り、シェアオフィスを始めようと思いた
ち、名前もビル名を使って、
「ユナイテッドシェアー大分」に決めた。
自身の起業経験により、事業初期段階では、固定費の負担が大きい個室フロアーよ
りも小さな貸しブースの方が良いと思い、1 つのスペースを複数で分け合って使用す
るシェアオフィスの形態とした。場所も大分駅から徒歩数分、交通アクセスも良く、
共用OA機器、無線 LAN、郵便ポスト、固定電話、住所、看板も用意し、安い家賃
で個人や法人向けに提供するとともに、
“IMのネットワークを活かして事業支援の
ためのアドバイスをしたい。
”という思いで始めた。
【UNITED SHARE 大分】
【シェアオフィス】
・ひとつのスペースを複数の入居者で分け合って使用することで、家賃を安くできるとともに入居者間でのコミュニケーションが
促進される、新しいスタイルのオフィス。ノマドワーカーと呼ばれる、パソコン1台で外出先の街中のカフェ等で仕事をする人
たちの増加に伴い、都市部で広がってきている。
【インキュベーションマネージャー(IM)
】
・起業しようとする人、起業はしたが知識や経験が乏しい人の相談相手となり、起業ノウハウや経営資源など不足するものを補い、
事業達成まで導く人。
【ビジネス・インキュベーション(BI)
】
・貸しスペースを提供し、起業家の支援・育成をする創業支援施設。
■事業のあらまし ~夢を抱き、時代を創る
大分県には、
「大分県iプラザ」
・
「ものづくりプラザ」といった公営の創業支援施設があるが、これとは別に、
民間賃貸オフィス等の施設を「大分県ベンチャーサポート施設」として指定し、これら施設に入居して創業・
新事業を展開する事業者に対しても支援を行っている。ユナイテッドシェアー大分は、大分県指定の8施設の
うちの 1 つである。
ユナイテッドシェアー大分は、単なる貸し事務所ではなく、IM による支援サービスを加えたインキュベーシ
ョン型シェアオフィスである。従って入居対象者層は幅広く、起業・創業の初歩的段階の方から、一般企業・
県外企業の営業所としても受け入れを行なっている。
現在(2012 年 12 月)
、個人、法人、NPO、財団法人、士業含め
様々な事業形態の28社が入居している。家賃は月額 14,175 円。電
話自動転送サービスは別途月額 1,575 円であり、郵便物・宅急便の受
け取りや電気、光熱費、水道料は無料である。
異業種共有オフィスであるため、起業家同士のコミュニティが形成
しやすいというメリットがあり、刺激と情報が気づきをもたらし、入
居事業者間で仕事も発生している。
さらに、代表が企画して、無料勉強会やセミナー等の開催、人脈作 【ユナイテッドシェア大分内部の様子】
りのための交流会も定期的に開催しているという。
“独立を考えている人や、主婦で起業をしたい人、既に SOHO で事業をしており法人登記したいが自宅では
どうもと考えている方、打ち合せ場所は無いかと思案している方等に利用して貰いたい。
”という。
なお、大学の先生や学生、各種サークル、文化講師、塾の先生などによる、ミーティング、会議、自習室、
個人学習塾等として、時間単位での利用も可能であるとのこと。
■今後の取組 ~割り算ではなく、掛け算の空間を提供
代表は、
“事業のサイクルは、
「人・人・モノ・カネ」の順番がある”という。
物や金の前に、先ずは人脈が大事であるとのこと。これは、色んな業種を経験し
てきた代表ならではの言葉であり、過去の転職・転身に当たっては、すべてが知
人・友人から声をかけられたことがきっかけという、持ち前の人的ネットワーク
構築能力の高さゆえの言葉である。
また、運営できるだけの安い家賃で提供し、利用者から収益を得ようとは考え
ていない。支援者自らが事業をしてみせることが大事だという思いで、大手企業
の商品開発のコンサルタント等の事業は個人として継続している。
なお、入居に当たっては審査があり、
“信念があって、まっすぐで真剣な人に使
ってもらいたい。そういう人の応援をしたい。
”という。代表が培ってきた人脈を
【UNITED SHARE 東津留】
活用して、
“事業の販路を繋いであげたい”という。
さらに、平成25年2月に、2箇所目となるインキュベーション施設の自社ビルをオープンさせた。3階建
ての2階フロアー全体を個室とシェアオフィス、ミーティングフロア、カウンターカフェ等のフリースペース
を設けている。現在入居者の募集が始まったばかりで、更に支援活動の拡充を図ろうとしている。
代表は、中学生の頃、あるきっかけで「詩吟」を習い始め、高校三年生の時に九州代表として全国大会に参
加したという経歴を持っている。その詩吟の源流である広瀬淡窓が開いた私塾「咸宜園」
(大分県日田市)に心
酔しており、
“起業家は自分の事業を確立させることによって、新しい時代を切り開いていく”
、
“時代は人が創
るもの”という信念で、現代版「咸宜園」を目指し、新規事業者のための支援を続けていきたいという。
■活用した施策
・大分県指定ベンチャーサポート施設
■その他特記事項
・JBIA 認定シニアIM
・キャリアコンサルタント
■創業予定者に対するメッセージ
“自らの仕事を築き、自らの時代を創る。そんな志が事業を生む。時代は早くも遅くもない。ただ、じっと時
代という川の流れを眺めているか、自ら舟を漕ぐかの違いである。大事なことは、川に流されないことである。
”
「倫理観を持った、本能的判断と行動」
、全ての行動は思いから始まる。