しのまさ通信29号(547836バイト)

コラム
「しがらみ」とコレステロールは似ている・
・
・
vol.29
5
∼ゼロなら死んじまうべよ!∼
「私なら変えられます!私には一切のしがらみがありません!
・
・
・」
こなしながら票と言うかたちで一定の支持を得られないと消えて
ここ近年の選挙でよく聞かれる言葉です。ひと昔前はいわゆる
“市
いくことになる)
難しい宿命を背負っています。
民派”
を名乗る人から聞かれましたが、最近では本来なら保守系と
このためには聞く、理解する、共感する、
しかし客観的にも見る、
言われるポジションの政党や人物もこれを語るケースが出てきて
言葉で説得する、すべての能力が必要です。大切なのは「しがら
います。
(そういえば今年の選挙でも聞いたような気が・
・
・)
み」
と言われるものを敵視したり恐れるのではなく、受け止めて調
これらを聞くたび、ああ、これも危険な単純化だなぁと私はゲンナ
整していく力です。
(もちろん、何かに偏ったり、
自分の直接的利益
リしているのですが・
・
・
を求めたりしないと言う前提ですが)
しがらみ・
・
・漢字では「柵」と書きます。文字通り水をせき止める柵
これはコレステロールと似ています。最近の文献では、悪の代
(さく)
と言う意味から来て、
まとわりつくもの、
じゃまをするものを
名詞のようなこのコレステロールも過ぎれば重篤な健康被害を招
指します。
くものの、適度に保持していないと
(むしろ少しだけ高めの方が)
政治においては、特定の団体や組織などに資金や票でお世話にな
長生きする、
と言う見解も出ています。
り、その組織が嫌がることには手を付けられないこと、
またもっと
このような現実を知らずに「私にはしがらみがない!」と言う政治
重症化すると、政治家が票や金を当て込んでその組織のチョウチ
家がいたら、それはきっとアホです。また知っていて何か清潔なイ
ンもちになったり、団体そのものが既得権擁護のため、政治家を誕
メージをまき散らすためにそう言っているなら、それはきっとウソ
生させたり、
と言うケースも見られます。
つきです。いずれにしろ、そういう言葉を軽々に使う人を私は政治
普通に考えれば確かに政治におけるしがらみは公正さの面から
家としてあてにしないし、信用しません。
問題がある、とも言えそうです・
・
・しかし、そんなに単純でしょうか?
でも・
・
・複雑な等身大の現実を簡単に説明するのは難しい。理解
ほんとうにしがらみのない人(政治家)なんているのでしょうか?自
されないかもしれない。だから多くの人は真実の追及を避け、単純
分の経験から言うと、
しがらみがない!と言いふらす人は、その攻
化した言葉で都合よく虚像化するのだと思います。
撃対象とは別のしがらみを抱えている人に過ぎません。また、本当
小さな市政の世界でも様々なしがらみはあります。これをあるが
に誰にも何らのしがらみもない議員がいるとしたら、それは誰から
ままに見つめ、彼等の思いを社会化の方向で変換し、
できることは
も相手にされていない無力無能な存在、
と言う事に他なりません。
目指していく、できないことは説明し、別の方法で折り合いがつか
政治とは本質的に「欲望の交通整理」です。どのような階層の
ないか考えていく、
また彼等が他者や未来を思う心と連帯してい
人、立場の人も例外なく
「自分や自分たち」が安泰に生きてゆきた
く、そんな作業をしてこそ、政治や政治家には価値があるのでは
いと思っています。また同時に、割合の差は大きいけれどこの国や
ないかと考えるのですが、いかがでしょうか。
社会の未来をまじめに心配する思いもあります。この両者のはざ
まで時には説得し、時には我慢を強いて誰かの一人勝ちにならな
いよう配慮しながら持続可能な未来を模索していく
(しかもこれを
ちょいと一服
6
それに同業者の投稿を見ても、
マユツバものの歯が浮くよう
言われるシステムが普及してしばらく経ちます。また地方議会
な宣伝とか(ごめん!)お友達しかいない安全なタコツボで「い
は未だですが、
ネット選挙も解禁となり、政治の世界もいやおう
いね!」たくさんもらって自己肯定感丸出しとか(ごめんごめ
なしに対応を迫られます。
ん!)な∼んかな∼と言う感じです。それに先日、なんだかワケ
いや、
はっきり言ってわたしゃこの手のシステム、
嫌いなのです。
のわからん広告のウイルスみたいなのにやられて私がその商
品をおススメしているように拡散され、危うく買うとこだった、
他人がするのはOKですが、
自分が何を食ったとかどこ行ったと
なんて人に言われたらもう・
・
・
か、露出しまくることに抵抗感があるのかもしれません。衆目さ
助けて∼!と言う感じです。でもいまどきの議員ならうまく使い
らし用の日記、
というやつがです。
こなさなきゃいけないのだろうな∼
ホント、誰か助けて∼
したらお気軽にお寄せください。
またよろしければ通信のご感想等もお聞かせください。
4 TOPICS
「議員定数を1名削減したワケ・
・
・」
2 私の賛否
5 コラム
「しがらみ」
とコレステロールは似ている・
・
・
∼ゼロなら死んじまうべよ!∼」
3 25年ぶりに議案を修正可決しました! 6 ちょいと一服
「情報社会なんて、だいっ嫌いだ∼??」
「∼賛成20対 反対19で薄氷の勝利をつかむ∼」
※本紙は政務活動費で作成しております。
9月議会を終えて
1
市長が変わり、
二回目の議会を終えました。何せ今までのパターンと
いをよく知っている関係にある分、
余計に改善が難しく、
これからを憂慮
違うのですから、双方ともに距離感をつかみかねている様子は明らか
せずにはいられません。
このような中でも最善が尽くせるよう、
私たちの
で、
ぎこちない感じは続きます・
・
・もちろん、それが市政の停滞を招かな
責任は今までに増して大きくなっていくものと自覚しています。
いよう配慮する
「大人の対応」は当然で、
その意味で議会は及第点、
との
さて、
9月議会は8月29日よりスタートしました。今号も市政の様々な
感想を私は持っています。
しかし、
この続いて行くぎこちなさ、
もっと言え
動きについて以下にご報告致します。皆様に少しでも関心をお寄せいた
ば不信感のようなものを少し離れて客観的に見ていると、
政治や行政も
だければ幸いです。
「本音」
「おもろい」
「わかりやすい」をモットーに議会ごと発行させて
所詮は人間の所業、
と言う事がよくわかります。
ただでさえ、
何度も言うように政策や施策に
「絶対的な正しさ」など簡
いただきます市政報告「しのまさ通信」、
広く知ってもらうこと、
深く知っ
単に見つからないのですから、
これらをつなぐ潤滑油としての人間関係
てもらうことが両立できるよう、
これからも工夫を重ねて参ります。今号
が如何に大切か、
「油切れ」状態が如何に物事をわざわざ難しくし、
双方
がお一人でも多くの方の目に留まり、
市政ご理解の一助となりましたら
消耗を強いられるか、
実感する日々です。でもその油切れは以前から互
幸甚に存じます。 篠原 正寛
■会期 8月29日∼9月29日 *32日間 ■議案 (詳細は別記) ▶市側提出 条例関係12件 補正予算3件 決算認定6件 その他13件いずれも可決
▶議員提出 意見書1件(可決)修正議案1件(可決)議員定数条例改正1件(可決)
この他市民の皆さんから出された陳情1件について採択、不採択などを決定しました。
FacebookなどSNS
(ソーシャルネットワークサービス)
と
☆市政に関するご意見、
ご質問、
ご要望や情報提供がございま
1 9月議会を終えて
9月議会データ
情報社会なんて、だいっ嫌いだ∼??
(一応やってますが・
・
・)
Contents
YE SO
N
私の賛否
2
地方議会で個々の議員が各議案のうち、何に賛成し、何に反対したのか
「選んでいただいた議員がどういう考えで何を決めているか常に過不足
公表されていないのはおかしい!とずっと訴え、
自分の賛否を掲載してきま
なく公表する」を実行するため、議会での賛否について記載致します。
した。現在は議会ホームページに各議員の採決態度が掲載されるようにな
9月議会における議案と私の賛否は別表の通りです。
りましたが、少し見にくいため、
この通信への掲載を継続しております。
◆議会HP◆ http://www.nishi.or.jp/homepage/shigikai/
案件名
私の賛否
結果
賛成
全会一致
保育の実施に関する像令の廃止、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例制定、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例改正、家庭
的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例、幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例制定(5件)
賛成
賛成多数
西宮市公共施設保全積立基金条例制定の件
修正案
提出
賛成多数
予算(26年度補正予算)平成26年度一般会計補正予算4号、平成26年度西宮市公共用地買収事業特別会計補正予算1号、平成26年度一般会計補正予算5号(3件)
賛成
全会一致
締結[第46小学校新築工事、第46小学校電気設備工事、第46小学校空調設備工事、第46小学校衛生設備工事、学文殿保育所改築工事、夙川公民館耐震補強工事]処分
報告[一般会計補正予算第3号、工事請負契約変更の件]2件
賛成
全会一致
決算認定 平成25年度水道事業会計、工業用水道事業会計、下水道事業会計、中央病院事業会計、下水道事業会計利益余剰金処分の件 5件
賛成
全会一致
平成25年度一般会計及び特別会計歳入歳出決算認定
賛成
賛成多数
人事案件(教育委員の任命)
1件
賛成
賛成多数
賛成
賛成
賛成多数
全会一致
条例の制定・改正 市長等特別職の給与条例改正、芦之湯会館条例の改正、学校条例の改正、付属機関条例の改正、次世代育成支援対策推進法改正に伴う関係条例
制定、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例制定(6件)
その他 訴え提起[災害援護資金貸付金請求、市住明け渡し請求]、特定事業契約締結[市営甲子園春風町団地第一期建て替え、市営石在町団地整備事業]工事請負契約
陳情 2件
議員提出案件
・市議会議員定数条例の一部を改正する条例制定
・土砂災害から国民の生命財産を守るための抜本対策を求める意見書
25年ぶりに議案を修正可決しました!
3
TOPICS
議員定数を1名削減したワケ・
・
・
4
∼賛成20対反対19で薄氷の勝利をつかむ∼
地方議会なんて国会のようなドラマもなく、市長の提案する議案を次々にぼ
∼っと通過させていく、
と言うイメージでしょうか。新聞にもたまに、原案通過
率99%なんて書かれて議会不要論に一役買っています。
やる
とき
ゃや
る!
本紙に記載の通り、議案のほとんどは上級法の改正による条例の改正や道路
認定、帳尻を合わせるための補正予算など、争点がなく普通に通過するもの
がほとんどで、それを批判されてもなぁ・・・と思うのですが、やるときゃやる!
を今回示すことができました。
9月議会では議員提案で定数条例の改正案を提出し、来
背景について正確な情報を持たない世間が定数でも報
年 4 月の 選 挙から現 在 の 議 員 定 数 4 2 名を4 1 名としまし
酬でも多いと感じているのは、ようするに議員や議会に対す
た。えっ?たった1 名 の 削 減で何をエラそうに・・・ですか?
る不信です。こんな奴らいらん!もらいすぎや!と言う感情で
確かに世 間 的には議 員 定 数を減らせと言うお声は結 構 あ
す。だから応えるべきは数字ではなく、この不信であると私
るようです。ここでは議員定数に対する私の考えと、今回何
は考えます。他市に比べてお手盛りにならないよう注意しな
のために定数削減の提案者に名を連ねたのかについてお
がら、その定数や報酬が適切と思えるような議会を目指す
話しします・・・
ことが本質、何かに媚びで数字をいじりまわしても信頼感が
議員
解 説 し ま す!
定数
何 をしたのか・
・
・
9月議会に一本の条例制定案が出されました。
「西宮市公共施設保全積立基金条例制定の件」
と言い、要するに
議案第467号
42 名
41名
来年4月からは
議員定数の背景
増すことはないでしょう。何の数字でも変えるときには正道
としての根拠をちゃんと持つべき、それが私の考えです。
いついかなる時もその根拠を明確にし、公表し、有権者の
審判を受ければよいと思っています。
今回1名減らしたワケは・・・
さて、このような中で今回は1名を減らす条例改正案の
老朽化がますます進んでいく市内の公共施設に対し、
マンションの修繕積立金のようにそれ専用の予
議員定数について、以前は地方自治法でその市町村の人
共同提出者となりました。その理由はズバリ、費用の捻出で
算を今後、積み立てていこうと言う趣旨の条例です。
これは数年前から市が温めていた構想で、その趣
口ごとに幅のある目安が決められていました。
しかし近年の
す。私は議会改革委員長を拝命して4年目になりますが、長
旨は良いのですが、今まで予算の都合で先延ばし気味になり、待ったなしの公共施設修繕を確実にや
改正でこの目安は廃止され、今は各自治体が条例で自由に
い議論を経て、来期(次の選挙以降)から計画するいくつか
ろうと言う割にはパッション
(情熱)
が足りないと感じました。
決められるようになっています。実はそのまちの議員の数を
の改革案に全会派が合意し、実施の目途がつきました。ひと
そこで条例の主旨は活かし、条文を修正することでより確実な実行を市に迫ったのです・・・
決める正確な根拠はどこにもないのですが、もともと人口
つは議会のインターネット中継。今まで直接傍聴に来なけれ
別になっていたところからあえて比較するならやはり同規
ば見られませんでしたが、来年の秋ごろからは議会のホーム
模の市と比べてどうか、
と言う事になります。で、我が西宮市
ページで議会の様子がいつでも見ていただけるようになり
はどうなのか、と言えば改正前の42名と言う数字は同規模
そうです。また、議会ごとに全戸配布している「議会だより」
自治体の中では平均より少し下、特に多いと言う事はありま
を4ページ増やし、もっと多くの情報や議会の考え方を載せ
せん。法律による縛りが消え、自分たちの意思で決めること
ていこう、
と言う事も基本合意し、準備が進んでいます。さら
になったのだから、何にせよより一層ちゃんとした根拠が必
に、山のようにある議会関係資料をデータ化し、各議員がタ
要だと言えます。
ブレットを常備して、いつでもどこでも、それを取り出して活
修正 の 内容
詳細は省きますが、条例の原案では毎年積み立てる額は金額を明示せず、
「規則で定める」
としてい
ました。
「規則」
とは条例に付帯して制定される運用の詳細を記載した決まり事なのですが、条例本体が
議会の議決事項であるのに対し、規則は議会を通さずに市が自由に変えられるものです。
で、規則でい
くら積み立てるのか?と聞いたところ、
「毎年度6億円以上」
とします!との答弁でしたが、
「以上」
と言う
事は決算が好調だったらそれ以上積み立てると言う事か?と重ねて聞くと
「市が
〝以上〟
と言うのは6億
円と言う事です」
と言うずっこけそうな答えが返ってきました。
これは二つの意味で問題です。
問題点1
問題点2
本気で積み立てるなら議会も巻き込んで堂々と
条例に金額を書けばいいものをこれを回避して
いるという点
必要額の根拠がまだ精密ではなく、余裕をもって
貯めたいところなのにどんなに決算が好調でも
増額する意思が実はない!
と言う点です。
「決算余剰金の2割もしくは6億円のうち高い方の金額」
そこで、条例そのものに
を積み立てると明記する修正案を作成し、提案したものです。
薄 氷 の 勝利 は 当日 の 朝7時半 に 決まる・
・
・
修正案に対して様々な議論がありましたが、少なくとも
「市長の提案を修正するなんて失礼だ」
と言
う昔の論理はなかったと思います。賛成、反対、それぞれが持論を展開し、悩み考えた結果、採決前日に
は当局の切り崩しもあり、議長を除く39名のうち賛成が確実視されたのは19名、
このまま採決すれば
否決と言う状態でありました。私は最後の説得を試み、最終的には当日朝の会談で1名が賛成に変わ
公共施設の修繕計画を精査し、
できるだけ正確な金額を割り出し、施設の統廃合計画も含めて考えて
議会の中には「議員は少なければ少ないほどいい」
と言う
必 要で、これらのほとんどを自らの 身を切って捻 出するた
意見と
「議員は多ければ多いほどいい」と言う意見が根強く
め、ひとりクビにすることにしたのです。より良く議会が進化
あります。また、おもしろい現象ですが、議員は少ないほど
し、市政に貢献することは私の大義です。よって定数改正の
いい、と言う立場の人と議員の報酬は減らさなくていい、と
提案者になったものです。
言う人はほとんどイコール、議員は多い方がいい、と言う立
場の人と議員の報酬は減らすべきだ、
と言う人とほとんどイ
コールです。つまりはコインの裏表。世間には「定数減らせ」
「 報 酬 減らせ 」あるいは「 両 方 減らせ 」と言う声があります
が、失礼ながら私から見ればこの意見に「自分に影響が少な
い方」で応えている、
と見えています。選挙に強い、当選が濃
厚な人はおもに定数を、別の収入があるだの党の制度だの
報酬の減が自分にあまり影響しない人たちはおもに報酬の
減を訴えている、全員とは言いませんが、そういうカラクリ
です。
議員の数は
少なければ少ないほどいい
イコール
議員の報酬は
減らさなくていい
議会の
インターネット中継
資料のI
T化
「議会だより」の
ページ数UP
来期改革案に必要な費用
年間 約1300万
イコール
議員の数は
多い方がいい
=
=
いく責任が私たちにも生じました。議会は生きて、動いているのです・・・
これらを実施するためには年間約1300万強の予算増額が
=
り、賛成20、反対19と言うまさに薄氷の勝利を得たのです。
この結果をもとに、
これからたくさんある
用できるようにする資料のIT化も実施します。
議員定数に対する私の考え
イコール
議員の報酬は
減らすべきだ
議員1名