公務で活躍中の女性職員 法務省 名執 雅子 大臣官房施設課長 私は、就職活動中に少年院を見学したことがきっかけで法務省に入りま した。それは偶然ともいえる選択であり、仕事の意義が実感できずに思い悩 んだ時期や、業務の多忙さと二人の子育てが重なってたいへんな時期もあ りました。そのたびに周囲の方々に支えられ、中途で投げ出すわけにはいか ないと思える仕事に出会い、ここまで続けることができました。今は、若い 頃につまらないと思っていた業務も含め、これまで経験した全ての仕事はつ ながっていて、意味があったと感じています。そして、法務省で「国の治安を 支え、犯罪と非行を減らす」という側面から、社会の役に立つ仕事に携わっ てこられたことに誇りを感じています。 仕事は継続しているうちに「運命の仕事」になっていく。自分を育ててく れる。これが30年余り国家公務員として働いてきた私の実感です。 国家公務員の仕事は多種多様ですが、どの省庁、どの分野に携わろうと も、公益のために働いている責任とやりがいを感じられるは 昭和 58 年 平成 18 年 平成 20 年 平成 23 年 平成 25 年 平成 26 年 外務省 法務省採用(上級職行政区分) 青葉女子学園(女子少年院)長 法務省大臣官房秘書課広報室長 法務省矯正局少年矯正課長 法務省矯正局総務課長 現職 ずです。パワーと柔軟性を兼ね備えた女性が、公務のあらゆ る分野で息長く活躍し、新しい日本を創り上げていくことが 期待されています。 国民の幸せな生活のために一緒に働きましょう。 小林 麻紀 欧州局政策課長 入省して25年、地域ではアジア、中南米、欧州を、国際機関の仕事として は、非常任理事国としての安保理業務や経済協力開発機構(OECD)の貿 易委員会作業部会議長等、政治安全保障、経済、文化広報、条約締結など 様々な業務に携わりました。常に多くの勉強の必要性に迫られ、関係省庁、 企業、研究機関、NGO等多様な人々と協議をし、様々な情報や意見を吸い 上げながら政策立案し、発動していく過程に携わる、公務員の仕事は常に 挑戦と刺激に満ちています。外務省では、若い内から日本の代表として発言 することも求められますし、首脳・外相会談の準備過程を手掛け、実際の会 談に同席できることも醍醐味でしょう。 私生活とのバランスは常に大きな課題であり、覚悟が必要です。私も海外 赴任時も本省においても、常に家族の多大な協力と周囲の理解を得て何と かやってきました。 「ものごとは常により良い方向に向かう」、こう信じてきま 平成 2 年 平成 3 年 平成 13 年 平成 16 年 平成 20 年 平成 23 年 平成 25 年 平成 27 年 3 外務省採用(外務Ⅰ種試験) フランス大使館(留学および勤務) 産前産後休暇 / 育児休業 経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部参事官 マレーシア大使館経済部長 経済条約課長 中米カリブ課長 現職 したが、実際、女性職員は飛躍的に増え、制度整備も進み ました。現在は、結婚することも子供を持つことも普通の選 択肢として捉えられるようになったと思います。ですから是 非、やりがいのある仕事をしたいという気持ちを大切に、将 来を選んで下さい。 先輩職員からのメッセージ 会計検査院 岩崎 晶子 事務総長官房人事課副長 ずっと働き続けたい、そして働くのであれば自分自身も成長できるような 仕事をしたいと思い国家公務員を志望しました。 会計検査院に勤務して20数年が経過しましたが、検査業務を始め、官房 業務、出向など多様な勤務を経験する機会が得られました。特に検査業務 では、出張が全国にわたっていたり、若いうちから市町村へ1人で赴いたり するなど、多くの刺激を受けることができます。勉強が大変であったり、報告 書としてまとめる期限との戦いで苦しいと感じたりすることもありますが、幅 広い行政の知識を得ながら、検査先の担当者の方から直接話を聞いて現状 を確認できることが、検査業務の醍醐味ではないかと思います。当初、国家 公務員を志望した目的は、これまでの勤務において達成されていると感じま す。 平成 4 年 平成 11 年 平成 18 年 平成 21 年 平成 23 年 平成 27 年 外務省 会計検査院採用(Ⅱ種行政区分) 第 2 局上席調査官(年金担当)付調査官 人事院に出向 事務総長官房能力開発官付研修企画官 第 3 局環境検査課調査官 現職 また、近年女性の職員が増えていますが、男女の別なく 活躍のチャンスがあり、女性も自身の力を発揮できる環境 にあります。みなさんも是非、国家公務員として働いてみま せんか? 鈴木 優美 国際法局海洋室課長補佐 激動する世界の中、日本の安全と繁栄を確保する環境を作る。外務省の 魅力の一つは、それを実現するツールの多様性にあると感じます。 私自身、入省後は人権や文化交流、国際法等様々な分野を経験しまし た。転機となったのは、アフリカ勤務で感じた世界と日本の繁栄は同一線 上にあるとの強い思い、そしてその後携わった国際開発目標策定のための 国連交渉。より良い世界に向け、価値観も主張も異なる193国連加盟国が合 意形成を目指す長く困難な交渉が結実した瞬間の感動は忘れられません。 国連という世界の縮図の場で、日本と世界双方に裨益する枠組み策定に貢献 し、安定と繁栄の基盤を作る。幅広い外交選択肢の中で、自分の目指す一つ の道が見えた瞬間でした。 悩み試行錯誤を続ける日々の中で、忘れられない瞬間に何度も出会い、 平成 19 年 平成 21 年 平成 23 年 平成 25 年 平成 27 年 5 外務省採用(Ⅰ種法律区分) 在英国日本大使館外交官補 在ガーナ日本大使館二等書記官 国際協力局地球規模課題総括課 現職 多様な経験を積む度に目標が更に幅を広げ進化していく。 そんなこの仕事に、入省後8年経った今もわくわくし続けて います。 先輩職員からのメッセージ 厚生労働省 林 亜衣子 雇用均等・児童家庭局母子保健課係長 私は、人の暮らしを支える制度づくりに魅力を感じ、厚生労働省に入省し ました。現在は、妊娠・出産に係る支援をはじめとする母子保健の業務に 携わっており、妊婦さんや赤ちゃんを街中で見かけるたびに、日々の業務と 人々の生活との密接ぶりを感じます。 入省して今年で5年目となりますが、戦没者遺族援護、労働者の職業能力 開発、母子保健と様々な分野の業務を経験し、厚生労働省が担うフィールド の広さを実感しています。また、男女の別なく若いときから色々な仕事を任 せてもらえる一方で、周りに産休・育休から復帰し子育てと両立しながら活 躍する先輩方も沢山いらっしゃるので、自分自身のキャリアパスを具体的に 思い描きながら仕事ができる職場だと感じています。 人の生活に直結するからこそ、世の中の注目が高く、責任も重い仕事で 平成 23 年 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 平成 27 年 す。その分やりがいも大きく、チーム皆で一丸となって働き、 厚生労働省採用(Ⅰ種法律区分) 社会・援護局援護企画課外事室 職業能力開発局能力開発課 職業能力開発局総務課 現職 経済産業省 仕事をやり遂げたときの喜びはひとしおです。ぜひ皆さん も、国家公務員の門を叩いてみませんか。 児玉 歩 製造産業局製造産業技術戦略室係長 技術系公務員を志したのは、男女関係なく続けやすい職業であり、理系 の知識を活かして環境対策などの社会問題に取り組める職種であること に魅力を感じたためです。中でも、経済産業省は、環境対策ひとつとっても 経済成長とのバランスや国際的観点を持って国の施策を担うという視野の 広さに惹かれ、入省を決めました。その期待を裏切られることなく、入省後 は、専門に近い化学物質管理の分野のみならず、IT分野の国際協力や途 上国への技術協力等の国際分野や留学を経験しました。現在は、分野横断 的なイノベーション推進のための技術戦略政策を担当しており、今なお、当 省の仕事の幅広さを実感しています。どの部署においても専門分野を超え た幅広い視野を持つことが必要とされるためか、勉強熱心で成長意欲の高 い職員が多いです。絶えず新しい分野に触れることは刺激 平成 16 年 経済産業省採用(Ⅱ種化学区分) 平成 17 年 製造産業局化学物質管理課リスク評価室 平成 19 年 商務情報政策局情報政策課国際室 平成 21 年 留学(政策研究大学院大学 国際開発学修士コース) 平成 23 年 貿易経済協力局技術協力課 平成 25 年 大臣官房秘書課 平成 27 年 現職 的でもある一方で大変ですが、向上心あふれる同僚に恵ま れていることが私自身の仕事への意欲につながっていると 思います。 6 先輩職員からのメッセージ 特許庁 松山 紗希 審査第一部事務機器 外国の方たちとの交流や、メディアからの情報によって、日本の技術力が 世界各地の人々の生活を支えていることを知るたび、とてもうれしく思ってい ました。優れた日本の技術をもっともっと世界に発信していきたいという思い から、国家公務員である特許庁審査官を志望しました。 国家公務員になるため努力したこと、心がけたことを挙げると、内向的な 性格を改善するため、接客のアルバイトをはじめ、学会や研究発表の場には 進んで参加し、一人で国内外を旅行してその土地の人と触れ合うなど、人と 話す機会を積極的にもつよう努めました。人と接する機会が増えるにつれて それを楽しいと思えるようになり、この人たちの生活を支えるために働きたい と強く感じるようになりました。 女性として、これからの人生設計に悩んでいる方もいらっしゃると思いま す。私もその一人でした。しかし今は、国家公務員は女性が働きやすい職で ある、という言葉を信じて目指してきてよかったと心から思っ 平成 27 年 特許庁採用(総合職農業農村工学区分) 現職 ています。女性の皆さんが生き生きと働ける場所がここにあ ると思います。皆さんと働けることを心から楽しみにしていま す。 海外で勤務をしている職員 文部科学省 倉田 佳奈江 外務省在英国日本大使館一等書記官 私は、現在、文部科学省から外務省に出向し、在英国日本大使館で科学 技術・原子力分野のアタッシェとして勤務しています。日英学術交流は150 年以上に及ぶ歴史を有し、大学交流や研究者交流も積極的に行われていま すが、昨今、科学技術外交や社会インフラ輸出などに対する期待が高まる 中、両国の強みを活かした相互にWin-Winな関係の構築に資するような、新 しい分野・形での連携協力の創出・促進を目指して、日英の関係者との意見 交換や各種イベントの企画・実施など、多忙ながらも充実した日々を過ごし ています。 幼い娘を連れての海外赴任に不安が全くなかったわけではありません が、上司や同僚、当地で出会ったベビーシッターさん、そして何よりも家族の 理解と支援に支えられ、新しい仕事に挑戦し続けています。ライフプランや 平成 14 年 文部科学省採用(Ⅰ種理工Ⅳ区分) 平成 18 年 英国留学(LSE 修士) 平成 19 年 研究開発局宇宙利用推進室専門職 平成 21 年 九州大学総務部総務課長(出向) 平成 23 年 研究開発局原子力課長補佐 平成 24 年 産前産後休暇 / 育児休業 平成 25 年 大臣官房政策課評価室長補佐 平成 26 年 現職 7 価値観も様々だと思いますが、各々の希望や状況に応じて、 国内外で様々な経験をすることができるのも国家公務員の 魅力の1つだと思います。 先輩職員からのメッセージ 行政官長期在外研究員制度で留学した経験のある職員 総務省 川口 真友美 自治大学校教授 総務省に入省して15年、国、地方、海外と3つのフィールドを経験してきま した。私の経歴を見て、皆さんは留学経験がどう役立つのかと疑問に思わ れるかもしれません。しかし、留学で得られるものは、語学力や大学院で学 んだ知識だけではありません。日々その国と日本を比べながら生活すること で、これまで当然と思っていた日本の制度を相対化して見ることができるよ うになります。そうした視点は、私たち行政官にとって大変重要なものであ り、特に、国・地方を通ずる制度を所管する総務省において、よりよい制度 づくりを進めていく上で、強く必要とされる視点だろうと思います。 平成 13 年 平成 16 年 平成 18 年 平成 21 年 平成 25 年 平成 26 年 平成 26 年 平成 27 年 総務省採用(Ⅰ種法律区分) 自治税務局市町村税課 英国留学(ロンドン大学(UCL)、公共政策学修士) 神奈川県国際課長、市町村財政課長 総務省行政管理局副管理官 内閣官房内閣人事局 産前産後休暇 / 育児休業 現職 国家公務員には、国だけではなく、海外や地方自治体も 含め幅広い活躍のフィールドが広がっています。また、まさ に今、女性の活躍が強く叫ばれ、求められているタイミング でもあります。やる気あふれる女性の皆さんと、ともに働け ることを楽しみにしています! ※行政官長期在外研究員制度は、各府省が推薦し、人事院の選抜審査に合格した若手職員(在職期間が 8 年未満)を外国の大学院 へ派遣して研究活動に従事させる制度です。(原則 2 年間) 仕事と家庭の両立支援制度を活用した職員 環境省 栁 良江 環境調査研修所庶務課庶務係長 自然環境に携わる仕事がしたいと考えていたとき、業務内容だけでなく 職場の雰囲気の良さ、若手でも責任ある仕事を任せてもらえるところに魅 力を感じ、環境省に入省しました。入省当初は仕事中心の生活でしたが、結 婚して子どもを産んだあとは、家庭との両立を第一に考えるようになりまし た。今は比較的業務負担の少ない職場で働いていますが、係長として様々 な仕事を任せてもらっており、大変やりがいを感じています。 仕事と家庭の両立には周囲の協力が必要不可欠です。ときには子どもの 病気や保育園の行事などで急に休みをもらうこともありますが、上司や同僚 の理解、協力があったおかげでこれまで働き続けられました。 平成 20 年 平成 22 年 平成 22 年 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 環境省採用(Ⅱ種行政区分) 環境保健部企画課庶務文書係 産前産後休暇 / 育児休業 復職 環境調査研修所庶務課庶務係 現職 子育てをしながら働く職員はたくさんいます。女性だか ら、と働くことに漠然と不安を感じている方はぜひ、国家公 務員を選択肢の一つにしてみてください。 8
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