積載/板取りアルゴリズム

積載/板取りアルゴリズム
海洋ロジスティクス科学講座
C09
山村 三朗
積載/板取り問題とは
積載問題の典型例は、コンテナの中にできるだけ多くの貨物を配置する問題があります。板取り問題は
積載問題の2次元版にあたり、与えられた板から指定されたある形状の小板をできるだけ多く切り取る問
題です。本質的にはこの2つの問題は同一の問題ですが、実用的に様々な条件を考慮する場合には、指
定された条件に応じて固有の問題が出てきます。本研究室では、2次元、3次元の積載/板取り問題を効
率よく解くためのアルゴリズム(解法)などを開発しています。
2次元単一種アルゴリズム
同一のサイズの長方形の小板を指定された長方形の板から切り取る問題で、例えば、パレット上の貨物の
最適な積載や製造過程での材料の最小化を計るために利用可能です。
提案している解法は、いわゆるパターン解法と呼ばれる方法で、いくつかのパターンクラスを用意し、それ
らを未使用領域に再帰的に適用する方法を採用しています。このとき、各パターンクラスごとに良質な解を
生成できる確率と、それを見つける手間のトレードオフを考慮して、次に試すパターンクラスを決定することな
どにより、効率を上げる工夫をしています。
この方法でランダムデータに対して得られる平均占有率
は、90.5%であり、積載限界個数に対する実効的な占有
率は99.3%であることから、比較的高い確率で最適解に
なっていることを示唆しています。
図1の例は理論上の積載限界個数を達成しているので、
最適解になっています。
領域: 405×228
小板:
85×52
積載限界個数: 19
実積載個数: 19
3次元多品種積載アルゴリズム
図1 2次元単一種板取り問題の解の例
指定された直方体のコンテナ集合と貨物集合に対して、効率よく積載します。積載は、まず積載領域を
決定し、その領域のどこに積載するかを決め、次に貨物を選択します。そのとき、積載の可能性のあるす
べての貨物に対してその後積載できると予想される貨物量が最大になると予測できるような貨物を選択
する戦略を取っています。現在の所、平均的な積載率は85%程度を達成しています。
その他
3次元単一種積載
問題、多品種/
単一種の凸多角
形板取り問題や
関連するアルゴリ
ズム開発も行って
います。
また、本研究課
題の他にも、ITS,
ネットワーク関係
など情報処理に
関わる幅広い分
野の研究をしてい
ます。
図2
3次元多品種積載問題の解の例