テーマ「男性の育児休業取得について」 平成28年8月24日(水) 午前8時45分~9時45分 【対談要旨】 育児休業を取得している男性職員3人と「男性の育児休業取得」について懇談 を行いました。 まとめ ○(3人の共通点)上の子の面倒を見ながら赤ちゃんのお世話と家事をするた めに育休を取得 ○(同上)管理職に理解があった ○(同上)そもそも家事をしていた ○仕事と育児のバランスが大切ではないか ○仕事と育児を両立させるにあたっては、管理職になるタイミングと本人の意 向が重要となるのではないか ○管理職になる、ならないを含め、さまざまな働き方が選択できるようになれ ばいいのではないか (育児休業を取得するまで) 福岡市長(以下、市長) :今日は男性の育児休業(以下、育休)取得について聴 くために、実際に取得されている皆さんに来ていただきました。 職員3人:よろしくお願いします。 市長:みなさんは育休を取得するのは何回目ですか。 職員3人:今回が初めてです。 市長:育休を取得するきっかけを教えてください。 職員A:出産後すぐは、妻も産褥期で家事も思うようにできませんし、上の子 が小学生で学校があって、妻が実家に帰省して子育てすることができませんの で、私が上の子の面倒をはじめ、家事全般をするために取得しました。 職員B:私の場合は、親が自営業をしているため、出産後のフルタイムのサポ ートを受けるのが難しく、上の子どもたちの面倒をみるために取得しました。 市長:育休期間中は給料が支給されない代わりに、手当金が支給されますが、 現在の手当金についてどう思いますか。 職員C:手当金が支給されるのは、とてもありがたいです。支給されなくなる と、厳しいですね。すぐに働ける状態になれるのなら良いのですが、保育所に 入れなかった場合は休むしかなくなりますので。 市長:やはり保育所に入所できるかどうかが重要になってくるということです ね。 職員C:保育所の入所の状況によって、いつまで育休をとるかが大きく左右さ れます。入所できるかどうか不安です。 市長:Aさんは育休からの復帰時期は、どういったところで判断しますか。 職員A:私の場合は、出産後の育児がある程度落ち着き、妻の体調が戻ってき たら復帰しようと思っていますので、今回の場合は、3か月限定で取得しまし た。育休の取り方について、手当金が現在は1歳までしか支給されませんが、 それが2歳まで支給されるなら、1年目の授乳期は妻に育休をとってもらって、 復帰のタイミングで保育所に入所できなかったら、2年目の離乳後は父親がと るという選択肢もできるので良いと思います。 市長:育休を取得するにあたって、抵抗とかはありましたか。 職員C:管理職に相談しましたら、背中を押してくれましたのでとることがで きました。ありがたかったです。今の時期が職場の繁忙期ではなかったことも 良かったのかもしれません。私の場合、私と妻の両親ともにまだ働いています ので、平日のサポートが受けにくい状況です。妻は赤ちゃんの面倒に必死です し、じゃあ上の子は誰が面倒をみるかといったら私になりますので、今は家事 全般もやっています。育休をとらせてもらった以上、家事も頑張らないといけ ませんね。 市長:Cさんは、料理を作るのが上手なんですか。 職員C:いえいえ、レシピを確認しながら作っています。保存できるものを多 く作るようにしています。 職員A:私は、妻が妊娠したときに、職場の上司に「来年、育休を取得したい と考えています。」と相談しました。その管理職は理解してくださいまして、 「制 度があるので、きっちり取得したらいいよ。」と言ってくれました。その言葉が あったので、前年度から自分が担当していた仕事を後輩に教えることができて、 準備を進めることができました。職場では、特に管理職の理解があったように 思います。同僚の中では何人か理解してくれていない人がいるように感じます。 市長:Aさんもごはんを作っているんですか。 職員A:作っています。食事によって母乳の味が変わるため、美味しい母乳が 良く出るように、妻にはパン食ではなく、ご飯や味噌汁がメインの和食を食べ てもらうようにしています。子どもはいつも和食では嫌がるので子供用のメニ ューを別で作ったりもします。もともと料理は好きで、これまでも朝食は作っ ていましたが、三食とも作るとなるとさすがにレパートリーが足りなくなって きて、最近レシピを見ながらいろいろ勉強しています。 市長:Bさんはどうでしたか。 職員B:実は私自身は抵抗がありました。職場の体制、とくに人員配置の関係 で、私が抜けてしまってもいいのかなと悩んでいました。でも、職場の管理職 は「仕事は私たちがやるから、休んだらいいよ。」と言ってくれたので、とるこ とができました。あと、人事課も私が育休をとることに驚いたりしませんでし たね。いろいろな人に「育休とるの?」って批判されるのかと思っていました。 (育児と仕事) 市長:例えば、子どもが小さいときに家で仕事ができたら、育児と仕事がもっ と両立できると思いますか。例えば、仕事を家で行うとか。 職員C:出産直後は難しいと思いますが、落ち着いてきたら、妻が2人の子ど もの面倒を見ている間に、私が仕事をすることができると思います。 職員A:私の場合は、仕事の内容的に、市役所の外で仕事するのは難しいと思 います。 職員B:子どもが夜9時には寝ますので、それ以降の時間に仕事をすることは できると思います。 市長:もし仮に、市役所内に保育所があればどうですか。 職員C:あれば非常に助かりますけど、周りの市民の目が気になりますね。 市長:子育てへのサポートのあり方については、どのように感じていますか。 職員A:いろんなパターンがあっていいと思います。共働きで子どもを保育所 に預けるのもありですし、妻が専業主婦で、夫がしっかりと働いてくるのもあ りだと思います。そんないろんなパターンがある中で、どのパターンでも子育 てがうまくできる仕組みがあればいいのではないかと思います。 市長:育休を取得するまでの職場での残業時間はどうでしたか。 職員B:私自身は少なかったです。 職員A:私の部署もそんなに残業はなかったですね。他の部署をみると、慢性 的に残業しているところはありました。 職員C:私の部署は年度末は忙しいですね。それ以外の時期は、とくに残業は ありません。 市長:育休を取得するまでにも家事はしていましたか。 職員3人:していました。 職員B:でもご飯をつくるときに、献立を考えるのが大変ですね。食べた後に、 すぐに次の献立を考え始めるようにしています。 職員A:カレーでしたら3パターンできますよ。カレーライスにナン・カレー、 それにカレーうどんができます。 市長:周りの友人などから民間企業での育休について、何か聞かれたことはあ りますか。 職員A:私のまわりの民間企業に勤めている友人の中では、取得した人はいな いです。友人は私が育休を取得したことに驚いていました。 職員B:そうですよね。友人ではありませんが、私も病院の先生に驚かれまし た。でも、お父さんのサポートがあるのはいいですねと言われました。 (管理職になること) 市長:話は変わりますけど、管理職登用への第一歩となる主査試験については どう思いますか。茨木市では、主査のさらに先の係長職から管理職となり、残 業代が出ないシステムとなっています。 職員A:私の職場の管理職は、主査試験を受けて当たり前という雰囲気があり ました。 職員C:しんどい試験だと聞いています。残業代の関係で、主査の方が係長以 上の管理職よりも給料が高くなると先輩職員に聞いたことがあります。 職員B:私は受けるか悩みますね。先輩職員からいろんな話を聞いていて、私 の周りでは「受けたほうがいいよ」と言う人があまりいないです。そんなこと を聞いていると、自分の中で、受けるメリットが見当たらないです。管理職に なれば、呼び出されることが多いです。仕事だけでなく、地域清掃やいろんな ことで呼び出されますので、子どもが大きくなれば私もしっかり務めたいと思 いますが、小さい間は手もかかりますので、家でしっかりと子育てに専念した いです。仕事と育児のバランスについて、どうしたらいいのか悩んでいます。 管理職にならずに、バリバリ仕事をしている先輩もいまして、そういう働き方 もいいかなと。 職員C:私は今のところ、一応受ける予定にしています。管理職の方々を見て いると、決して楽な仕事ではなく、ものすごく負担がかかって、しんどいと思 いますが、将来的なことを見据えれば、主査試験を受けてゆくゆくは管理職に なっていかなければいけないのかなと思いました。主査試験を受ける頃に、仕 事と子育ての両立ができるのかなと、今考えても大変そうだと思いました。 市長:主査試験や管理職登用の方法について思うところはありますか。 職員A:もっと早い時期に受けることができてもいいと思います。あと、庁内 全体的に「主査試験は受けて当然」みたいな風潮になっていますが、それこそ 働き方の選択で、いろいろな働き方があってもいいのではないでしょうか。性 別に関係なく、自分の人生、生活を考えて、主査試験を受ける、受けないを周 りに干渉されず、本人の意思で選択することができる職場環境になればいいな と思います。 職員B:私は管理職になる、ならないの意思表示ができればいいと思います。 主査になって、ある日突然、人事異動で管理職になった先輩を何人か見てきて、 「今のタイミングか。しかも、この部署か。」と漏らしている人もいました。自 分が希望していない管理職にならないといけない状況があるのなら、管理職を 希望しない人がいるのは仕方ないのかなと思いました。 職員A:今、Bさんが言っていたように、ライフプランの中で今は子育てに専 念したいので、タイミングとしては難しいけれども、再来年になれば管理職に なってもしっかり務められるといったことがあると思います。どこかのタイミ ングで管理職になれるかを聞いてもらえたらありがたいです。主査試験の場で 確認してもいいですし、毎年人事課が実施している自己申告制度で「管理職に なりたいか」の項目を設けてもいいと思います。 市長:本日は育休中でお忙しいところ、育休だけでなく、さまざまなテーマに ついて、貴重な「生」の声を聞かせていただき、ありがとうございました。こ れからも子育て頑張ってください。 3人:ありがとうございました。
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