NO21号(地域版20号) 北海道帯広養護学校 相談支援部通信 2014 年 3 月 20 日発行 担当:大場 今号は、人(人だけでは無いのですが)の行動について考えたいと思います。これを知っていおくと、行動 上の問題、例えば「やって欲しいことをやってくれない」、または、「やめて欲しいことをやめてくれない」 などの問題を解決する上で、とても役に立ちます。少し専門的な言葉(応用行動分析学的な視点等)も出てく るかもしれませんが、できるだけ分かりやすく掲載できるよう努力します。そして、最後までお読み頂けるこ とを期待しています。 1 行動の定義? 早速若干専門的な話題になりすが、行動の定義は心理学の中でも様々な主張があるようです。行動分析学で 有名な「スキナー」という人は「* 1 行動とは生体のもつ機能の中で外界に働きかけ、外界と交渉をもつもの」 と言っていますが、分かるようで少し難しいですね!分かりやすく定義しているのは、スキナーさんの弟子であ る「* 1 オージャン・リンズレー」という人です。かなり物騒な定義ではありますが、その定義とは、「* 1 行 動とは、死人にはできない活動のことである」とのことで、とても簡潔明瞭です。この定義に従うと「静かにし ている」「怒らない」「おとなしくしている」などは行動にはあたりません。なぜなら死んでいる人でもできる からです。どうやら行動とは、受け身ではなく、自らが能動的に何かを行うことと捉えることができそうです。 そして私たち教師が生徒の目標を考える時『「行動目標」で考えよう・・(「○○しない」ではなく「○○ができ る」)』と言われていますが、このあたりが関係しています。 また、下記に示しますが、「行動」の文字からは動くというイメージを連想してしまいますが、それだけで判 断するものではないことが分かります。そして、専門的な分野(行動分析学)では、行動の原因が「* 2 前にあ るか後ろにあるかで」行動を大きく二つに分けています。 2 レスポンデント行動 一つ目は、「熱い物を手で触れたとき、すかさず(何も考えること無く)手を引っ込める」または、「目にゴ ミが入ったとき涙が出る」これらは、身体が動く動かないにかかわらず「反射(無条件反射)」といわれます。 そして、「酸っぱい物を見ると唾液がでる」これは、経験から学習した反応です。これをあの有名なパブロフ さんは「条件反射」といいました。 これらの反射行動をリンズレーさんの定義に照らし合わせると「死人にはできない」ので当然行動となりま す。 (活動か?と問われると、個人的には微妙なところですが・・・!)これをレスポンデント行動といいます。 そしてこれらの行動は、原因が全て行動の前にあるのが特徴です。 原 因 熱い物に触れる 行 動 手を引っ込める (無条件反射) 原 因 行 目にゴミが入る 動 涙が出る (無条件反射) -1- 原 因 梅干しを見る 行 動 唾液は出る (条件反射) 3 オペラント行動 二つ目は、オペラント行動と言われ、行動の原因が行動の後にあります。この行動は、日常生活に即した興 味深い行動で、いわゆる「行動上の問題」とも深く関連しています。このオペラント行動には、「行動の原理」 と言われる法則があり、「行動上の問題」等を解決するためには欠かすことのできない考え方だと思います。 下(図1)の図を見て下さい。一見、電気のスイッチを押したのは、暗いからのように思われますが、実はそ うではありません。スイッチを押す行動の原因になっているのは、行動の結果で「電気がつく」ということを 知っているからその行動をするのです。また、スイッチを押してもヒューズが飛んでいて、絶対に電気がつか ないことを知っていれば、電気をつけるという行動は取りません。このように、行動の直後の結果で、その行 動をするか、または、しないかが決まって来 直後(原因) 図:1 直前 るため、行動の後の結果が、行動の原因とな 部屋が暗い ります。そして、このオペラント行動を利用 行 動 電気のスイッチ を押す 部屋が明るい (暗くない) した学問が応用行動分析学であり、行動上の 問題解決などに利用されています。 直後(原因) 図:2 4 直前 行動の原理 ポケモンのおも ちゃ欲しい(お もちゃなし) 行 動 藤丸のおもちゃ 売り場で泣き叫 び おもちゃを買っ てもらった(お もちゃあり) (1)強化の原理 上(図1)をもう少し丁寧に説明しますと、暗 いという嫌な状態(嫌子と言います)からスイッ チを押す行動で、暗くない状態になった(嫌な状 態が無くなった)と考えます。端的に言うと「嫌 な状態」が「行動」により嫌な状態で無くなりま した。これにより「暗いときに電気のスイッチを 押す」という行動が強まったとすれば(強化と言 います)、これを「嫌子消失の強化」と言います。 そして、強化にはもう一つあります。右上(図 2)は良くある光景です。「何も無い状態(おも ちゃなし)」が「行動(泣き叫び)」で「欲しい物 (おもちゃ=好子)を手に入れる」ことができた。 これにより欲しい物がある時に泣き叫ぶという行 動が増えたとすれば(強化)、これを「好子出現 の強化」と言います。 ここで重要なのは、行動を増やす(強化する) には、「嫌子消失の強化」と「好子出現の強化」 があるということです。 (2)弱化の原理 それでは、次に行動が減ることについて考えて みましょう。右の漫画をご覧下さい。(中学部杉 山亜沙子先生に描いて頂きました:すばらしい・ ・・)A 君は、気に入らないことがあると、乱暴 な行動で自分の思いを通そうとします。そこで、 * 3 やさしい応用行動分析学(明治図書) 怖い B 先生が大きな声で叱ります。 画:帯広養護学校 -2- 中学部 高畑 庄蔵 著 参考 杉山亜沙子 そのことで、A 君の乱暴な行動が減ります。 直後(原因) 図:3 直前 これを図で表すと右(図 3)のようになりま 行 B 先生は側にい ない(叱ってい ない) す。ある行動をすると嫌なこと(B 先生の怖 動 A 先生をたたい (関わり てみる 。 を求めて) B 先生が側に来 る(大きな声で 叱られる) い怒鳴り声=嫌子)が出現する。そのことで、 行動が減る場合を、「嫌子出現の弱化(罰)」 直後(原因) 図:4 直前 行 動 と言います。 ウルトラマンの おもちゃがある。 ここまで来ると弱化にももう一つあること ウルトラマンを 人にぶつける。 取り上げられウ ルトラマンのお もちゃがない。 が予想できます。日常的にいうペナルティー がこれにあたるのですが、図4をみると、好きな物(ウルトラマンのおもちゃ=好子)が消失することで、ウル トラマンのおもちゃを人にぶつけるという行動が減る場合を「好子消失の弱化」と言います。 ここで重要なのは、行動を減らす(弱化する)には、「嫌子出現の弱化」と「好子消失の弱化」があるという ことです。そして、強化と弱化をまとめると図5になりま 図5 す。この 4 つを覚えておいて、行動を観察すると行動その 出 現 消 失 好 子 強 化 弱 化 嫌 子 弱 化 強 化 ものが興味深いものになると思います。 5 罰的対応の弱点 行動の原理から考えると、問題となる行動を減らすため には罰的な対応も即効性があり有効のように思われます。 4 つの基本随伴性 ただし、この対応には問題点が数多く含まれていること * 1 行動分析学入門(集英社新書): 杉山尚子著より を知っておく必要ががあります。下記に、北海道教育大学 旭川校大久保賢一先生の講演会で紹介されていた内容を掲 載させて頂きます。 ○一時的に効果があるが維持しない。(交通違反を取り締まるオービスは、無いと分かれば違反の増加が考え られるし、上記の漫画を例に取れば、怖い先生がいないときに不適切な行動が多くなる) ○問題行動が唯一のコミュニケーション手段だった場合のその人のコミュニケーション手段を全て奪ってしま うことになる。(上記の漫画では、乱暴な行動の意味を捉え、代替できる行動を教える必要があります) ○次のような副作用が考えられる。 ・罰になれてしまう。(罰を強めるいたちごっこ・負のスパイラル) ・「見つからないようにやる」ことだけを学ぶ ・罰を与える人との関係が悪化する ・無気力で臆病になる。(何もしないのが一番になる) ・他者をコントロールするときに「罰を使えばいい」と学習してしまう。(望ましくないモデルを学習して しまう。自分がされたことを人にする) * 4 大久保/ 2013 6 行動を減らすもう一つ方法 行動を増やしたり(強化)、減らしたり(弱 図:5 直前 化)するためには、行動の直後の結果が重要 であることをお伝えしましたが、もし行動の ジュースが飲み たい(ジュース なし) 行 動 自販機に 120 円 入れて、ボタン を押す。 直後(原因) ジュースがでて こない。(ジュー スなし) 結果で何も伴わなかったらどうなるのでしょ う?嫌子や好子が出現したり、消失したりしないことを専門用語で、「消去」と言います。図 5 のように、ジュ ースが出ない自販機があってもジュースを買いません。すなわち(この自販機では)ジュースを買おうとする行 動が無くなるなるのです。これを「消去の原理」と言います。ただし、今まででジュースが出ていた自販機でし -3- たら、ジュースがなぜでないのかと、何度もボタンを押したり、釣り銭返却レバーを下げたり、戻したり、場合 によっては叩いたり、蹴飛ばしたり、普段はしない行動を無意識のうちにすることがあります。これを専門用語 で「消去抵抗」と言います。 普段は「藤丸」のおもちゃ売り場で泣き叫びをするとおもちゃを買ってもらえましたが、お母さんがその行 動を無視していると、普段以上の大きな声で、泣き叫びがあったり、その時間も長くなります。これも「消去抵 抗(消去バーストとも言います)」です。理論的には、抵抗に負けないで、問題となる行動を無視し続けること で、やがて行動は収束するのですが、現実はそう簡単ではありません。「無視できる」程度の行動なら良いので すが、行動がエスカレートしていくと危険が伴う場合も多く、完全に無視できることはそんなに多くは無いと思 います。 上記の「罰的対応の弱点」と「消去抵抗の現実」を考えると、「強化と消去の組み合わせ」によるアプローチ が現実的で、副作用の少ない有効な方法かもしれません(分化強化といいます)。これを* 2 ある専門家は「ア メとムチ」ならぬ「アメとアメなし」と呼んでいます。望ましい行動を強化で増やし、望ましくない行動を減ら す手続きはムチ(罰)ではなく、消去で減らすというものです。〔詳しく説明することは、難しいため「メリッ トの法則(集英社)」:奥田健次著」が参考になりますのでご一読頂ければと思います。〕 7 「行動の形態」と「行動の機能」 望ましい行動であれ、問題と言われる望ましくない行動であれ、行動には必ず意味があります。これを行動 の機能と呼びます。例えば、授業中の離席を考えてみます。 「教師や周りからの注目を集めるための離席〔注目〕」 「他の楽しい活動や物を得るための離席〔要求〕」「矢継ぎ早の難問提示や教室内のざわつきから逃げ出すため の離席〔逃避〕」「歩き回ることでスッキリした感覚を得るための離席〔感覚〕」など、同じ離席という行動(形 態)であっても、離席する機能(意味)は様々なです。行動を見るとは、観察から「行動の形態」を観ると同時 に、「行動の機能」を見極めることが、とても重要であると言われています。そして、その行動の機能(意味) は、下記の4つであり、一つの行動には、複数の機能が備わることも多くあります。 図:6 行動の機能 * 4 大久保/ 2013 8 行動の意味を捉える方法 行動の意味を捉える方法として、まずは、前後関係を含めた行動を捉えます。(A:先行事象)どういった状 況で、(B:行動)どのような行動が起こり、(C:結果)どのような結果が伴ったか、という3つの枠組みで行 動を捉えてみます。これを「ABC の分析」といいます。 -4- 図:7(剛ちゃんの ABC の分析) A(きっかけ) ・苦手な算数テスト中 ・頑張って問題を解こうとす るが分からない。暇になる ・誰も助けてくれない。 ・いつになったら終わるのか 見通しが持てない。 B(こうどう) C(けっか) ・「授業中立ち歩き」をして、廊 下に飛び出してみた。 ・先生が注意をしてくる。(注 目される) ・廊下まで追いかけて来た。 ・おんぶをして教室までつれて 来られた。 ・テストを受けなくてすんだ。 注目 (逃避) それでは、具体的に「授業中の立ち歩き」を例に考えてみます(図7)。 まずは、「きっかけ」が何なのかを考えます。「 剛ちゃん は、苦手な算数のテストが分からなくて、少々飽 きてきた状態です」「誰からのアドバイスもありません」そんな時、「廊下に飛び出す」という「行動」をして みると、TT の先生が「ちゃんと座って~と注意しながら追いかけて来ました」「しょうがないね~!おんぶして 教室までつれて行ってあげるから頑張るんだよと励ましてくれました」でも「その時、チャイムが鳴って、テス トは終了」。結局やらなくて済みました。さぁ~この場合 剛ちゃん は、この行動から何を学んだでしょう? 廊下に飛び出す行動で、TT の先生からの注目というご褒美と算数のテストをしなくてすんだという逃避できた というご褒美です。そして、廊下に飛び出すという行動が増えたとすれば、先に述べた「注目:好子出現の強化」 「逃避:嫌子消失の強化」ということになります。「授業中の立ち歩き」を無くそうと頑張っている。TT の先生 の支援は、逆に「授業中の立ち歩き」を増やしている結果となっています。図7ように 3 つの枠組みに当てはめ ることは、行動の機能(意味)を捉える上でとても役に立ちます。 このように 行動の機能(意味)をつかむ手続きを「機能的アセスメント」と言います。問題と言われる望ま しくない行動に潜むその子なりのメッセージを解釈することが、「機能的アセスメント」の重要な目的だと思い ます。 情報提供:東京学芸大学小笠原研究室(www.kei-ogasahara.com/support/assessment/)のWEB 行動への支援を行うときに、まず最初になぜその行動が起こっているのか、その理由を探ることが必要とな ります。この WEB には、「機能的アセスメント」で用いることのできるワークシートが「ABC の分析」の他 にも、多数紹介されています。私は、MAS(Motivation Assessment Scale)などをよく活用させて頂いていま す。一度覗いて見て下さい。 9 対応を考える それでは、この「授業中の立ち歩き」を軽減させる方法を考えてみます。まず最初に考えることは、「きっか け」となることをなるべく少なくすることです。例示では、テストという場面なので難しさはありますが、もし 許されるならば、座って頑張って問題に向かっている 剛ちゃん に対して「TT の先生がヒントカード提示す る」「問題の解き方の手順書の使用を認める」「ここまで終わったら何ができるなどの見通しを伝える」などで、 まったく分からない状態を軽減したり、暇になってしまう状態をできるだけ少なくします。また、音やざわつき などがきっかけとなるようであれば、完全に取り除くことも必要になる場合もあります。 次に、「授業中の立ち歩き」の結果で、注目や逃避などの本人にとってのプラスの結果を与えないことも重要 です。「授業中の立ち歩き」に関してはたんたんと対応し、座って頑張って問題に向かっている 対しては、大いに注目することを忘れてはいけません。問題となる不適切な行動は「消去 (結果何もおこらない)」。そして、その代わりとなる適切な行動を「強化(注目される・ 誉められる)」することが、この事例の基本的な対応となると思います。また、逃避につい ては、この事例は、「分からない場面・暇な場面」からの逃避ですので、「分かる・暇じゃ ない」があれば、逃避する必要はありません。少し古い資料ですが対応例が、分かりやす く掲載されていたので引用させて頂きます。 -5- 剛ちゃん に 行動の意味(機能) 注 目 逃 避 要 求 感 覚 10 機能の内容(藤原/ 2001) 対応例 その場にふさわしくない不適 ・その行動が生起している最中や直後の言葉掛け、叱責がその行動を強めていることが明らか 切な注目の獲得行動をするこ になった場合、その行動へは基本的に関わらない。(その以外の場面では、子どもからの働 とで、実は周りの人とのかか き掛けを大いに受け入れる。) わりや注目を得ている。 ・少しでもその場に合った行動や活動への参加をしているときに、こまめに子どもに 注目(う なずき,言葉掛け,視線を送る,肩に触れる)することで、注意を向けていることを知らせる。 ・適切な要求の仕方(「~をください。」「~をさせてください。」)を教える。その場にふさわ しい要求が少しでもできたら,すぐに要求に応じる。 ・すぐに応じられない場合は、子どもに分かるように「いつかなうのか」の約束をし、伝える。 ・初期段階では、ことごとく援助をして、とにかく,目の前の課題を達成することを 目標に する。そのために、適切な難度や量の課題を個別に用意する。 ・やり方が分からないときやうまくいかないときに、支援を求めることができたらすぐに支援 し、その行動自体も課題の成功とともにほめる。 周りとの関係からではなく、 ・特定の感覚を楽しむことを禁止するのでなく、大人がその活動に入って、人との関係の中で 自らその行動をすることで得 楽しむことを経験させる。 られる感覚を楽しむ。 ・この活動を頑張ったら、その感覚を用いて遊べるといった時間帯を設定し、子どもに伝える。 *5 平成16年 鹿児島県総合教育センター指導資料より引用 困った行動逃避の獲得をする ことで,嫌なことややりたく ないことから逃れる。 やりたいこを続けられたり、 やってほしいことや欲しい物 などを手に入れる。 再び行動の原理 一般的には、相手の行動を変えようとするとき、相手の行動の「前」にいろいろなことを試みます。「頑張り なさい…と励ましたり」、「○○をしないといけない…と理由を諭したり」「□□を今やらないと、大変なことに なるよ!…と脅したり」しながら、期待感を伝え、結果を予測させることは、大切なことです。また、前もって 「指示を分かりやすく明確にする」「スケジュールで見通しを伝える」なども有効な支援方法です。しかし、そ れと同じくらい、あるいはそれ以上に、相手が何かやった「後」にどう対応するかということが重要であること は、行動の原理を考えると理解できます。(* 4 大久保/ 2013) 望ましい行動を増やし損なう場面として、できているのに、できて当然なので誉めない。 (例:静かに座って、 テストに取り組んでいることがあたりまえではなく、そのことがスゴイことを誉めます。)誉めずに、次の課題 を提示したり、やることを指示することで、やっても、やっても課題が増えるだけだと感じる場合もあります。 また、不適切な行動を増やしてしまう例として、良くありがちなのは、「注目」という「ご褒美」与えてしま うことです。大人側は、 「どうしてこの子は何度注意しても反省しないのかしら…」と考えるかもしれませんが、 子ども側は「良いことしても見てくれないけど、イタズラしたらみんなが振り向いてくれる…」と感じているか もしれません。支援者側の意図に反して、「叱られる=子どもにとってのプラスの結果」となることもあるわけ です。さらに、大きな声で褒められたり、頭をなでられることを感覚が過敏な子どもにとっては、マイナスの結 果になることもあります。子ども側の立場で行動の意味を捉え、支援を考える…とれも大切なことだと思います。 以上、行動についての見方・捉え方・考え方などについて、応用行動分析(ABAと言ったりします)の考え方を基に、ほんの 一部をまとめてみました。その中でもまとめ切れていないところや分かりにくい部分もあったかと思います。また、広い枠で支 援を考えると、「行動」だけではなく「心」にも注目する必要があると思います。ただし、実際に見えている「行動」から、見 えない「心」を考えることもできます。応用行動分析の考え方を知ることは、支援者の引き出しを増やすことにつながると私は 思っています。 引用・参考文献 *1 杉山尚子著(集英社新書)行動分析学入門 *2 奥田健次著(集英社新書)メリットの法則 *3 高畑庄蔵著(明治図書)やさしい応用行動分析学 *4 平成25年9月 大久保賢一作成 講演会資料 *5 平成16年 鹿児島県総合教育センター指導資料 26 年度とかねっと夏季研修会を 7 月末から 8 月上旬に実施する予定になっています。そして、その内容は、 午前は応用行動分析(ABA)に関する講演会〔講師:大学の先生を予定〕 午後は ICT(タブレット端末の活用) に関する講演会〔講師:特別支援学校の先生を予定〕を計画中です。乞うご期待!! 今号の担当は、高等部:特別支援教育コーディネーター -6- 大場史郎でした
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