商品プラットフォーム 取り組みの変遷 2007年 3月期 – 2009年 3月期 導入期 主な成果 ・指標への意識が向上 2010年 3月期 2011年 3月期 2012年 3月期 – 2014年 3月期 2015年 3月期 2016年 3月期 –(計画) ・ MD の仮説検証の精度が向上 ・予算実績管理と期中MD 修正の 精度が向上 ・天候不順、セール時期の変動など外部 環境の変化への対応力の向上 ・お客様の購買動向の変化に対応した 8 シーズンMD の検証と導入 ・8 シーズンMD の推進によるプロパー 消化率(定価販売比率)の向上と 在庫の適性化 ・お客様の購買動向の変化に対応し、 事業ごとの特性に応じた MD の細分化 (8 シーズンMD)の検証と導入 ・8 シーズンMD の運用、検証および改善を 通じ適品を適時、適量に調達することにより プロパー消化率を向上 ・アウトレット在庫分析の深化による キャリー在庫消化の促進 ・上記に伴う残在庫の低減=在庫回転の 向上と在庫内容の改善 ・国内生産比率の維持とアセアン生産比率 の拡大 推進期 安定稼働期 ・商品の仕入・生産、消化のコント ロール精度が向上 商品プラットフォーム MD プラットフォーム ・重要指標のモニタリングを 開始 ・シーズン計画書*1による MD 設計の開始 生産 プラットフォーム ・事業ごとの工場情報を全社で 共有する仕組みの構築開始 ・為替変動等に対応する分析力の強化 ・MD 業務の可視化・仕組み化の推進 ・重要指標のモニタリング・分析の強化 ・商品業務プロセスの課題抽出と改善 ・在庫の早期消化の強化 ・新プロセスの標準化 ・MD 施策成功事例の事業間情報共有 ・商品調達区分や調達時期に応じた 重要指標の分析を開始 ・主要取引先を選定 ・主要工場との取り組みを開始 ・主要工場の精査 ・適地適産の推進による生産国の拡大 ・日本・中国生産工場の整理に着手 ・管理強化による納期・品質・コストの 適正化 ・中長期成長を見据えた生産背景の精査 ・各生産国、原料調達国の貿易協定や 関税率の変更等への柔軟な対応 ・最適な SCM 構築を目的に生産業務の たな卸と標準化 *1 応用稼働期 ・中国生産問題への本格的な取り組み ・計画に対する実績・見込みの 進捗管理の強化 ・適地適産の推進による生産国の拡大 ・各生産国、原料調達国の貿易協定や 関税率の変更等への柔軟な対応 シーズン計画書:売上高、売上総利益額や最終消化率の目標をもとに、仕入金額、在庫金額、消化方法を決める仕入計画書。 商品プラットフォームとは 商品プラットフォームの成果と課題 8 シーズンMDとは 商品プラットフォームは、MDプラットフォームと生産プラットフォー 当社は、2007 年 3月期頃から MD プラットフォームへの取り組 8シーズンMDとは、1年を8 つのシーズンに区分し、それぞれの これらの課題解決に向け、2015年春夏シーズンから一部の事 ムから成る商品の仕入・生産∼投入∼消化活動を支える仕組み みを本格的に開始しました。それ以降、売上総利益額、最終消 シーズンにおいて気温に対応した商品をお客様に提供する仕組み 業において 8 シーズンMD を運用しています。これまで 1 年を梅 です。担当者の経験やスキルに左右されやすい業務を標準化・ 化率、残在庫率など重要指標のモニタリング・分析、業務プロ です。近年、お客様の消費意識が変化しており、 「価値あるもので 春・春・夏・初秋・秋・冬の6つに区分していた商品計画を、事 仕組み化することで、MD 業務の安定化を推進しています。 セスの可視化・標準化などさまざまな取り組みを強化してきま あれば先物でも買いたい」 ・ 「今すぐ着られるものが欲しい」 という 業の特性に応じて梅春・春・初夏・盛夏・晩夏・初秋・秋・冬 MD プラットフォームとは、商品の流れにおける現状の把握と した。生産プラットフォームでは、事業ごとに持つ工場情報の 意識が共存しています。気候の変動によって夏から秋、冬から春な の最大 8 シーズンに区分して運用します。細分化された各シー 次の判断を助ける仕組みです。全事業で統一された進捗管理 共有、主要取引先の選定・精査や連携強化などを推進してきま どのシーズン端境期が長期化し、お客様の感じる季節感と店頭 ズンに適した品番数を精査し、必要在庫量を見極めて投入する 表と指標により、売れ筋商品については追加生産、スローセラー した。 に並ぶ商品にギャップも生じています。加えて、セール時の売上増 ことで、在庫増加の抑制とプロパー消化率の向上を図ります。さら 商品については消化促進対策といった判断を、誰でもすばやく この結果、MD計画立案・検証力、商品の仕入・生産および を目的に在庫に奥行きをつける調達計画をとっていたため、セール にこれらの運用を随時検証、改善することにより、在庫回転の向 正確に行うことができます。この結果、在庫消化率や換金率が 消化の精度が徐々に向上し、販売状況に応じた柔軟な在庫コン 不調時の在庫増加リスクが高まりました。当社は従来、1年を6つ 上と在庫内容の改善を目指します。 高まり、売上総利益やたな卸資産、キャッシュ・フローの改善に トロールが可能となってきました。また天候不順によるシーズン に区分したシーズンをもとに調達した商品を販売してきましたが、 寄与しています。 進行の遅れなどの外部環境にも左右されにくい営業基盤がで この環境変化には十分な対応ができなくなっています。 生産プラットフォームは、MD 計画を具現化するための仕入・ きつつあります。一方、2013 年から急速に進行した円安に対し 生産戦略を策定する仕組みです。生産は外部工場に委託して ては、現時点では十二分な対応が行えていません。円安による いますが、事業ごとに持つ原料・素材調達、生産工場の情報を 仕入原価の上昇に対し、MDの細分化(8シーズンMD)による 全社で集約し、その事業やアイテムごとに最適な委託先を選択 プロパー消化率(定価販売比率)の向上や生産国の選択肢拡 しています。これにより、仕入・生産に係る仕入原価とリードタイ 大など、多面的な対応を行うことで、最終的な売上総利益率を ムの適正化につなげ、 「5 適」 を満たす商品の提供を目指して 低減させないための仕組みの構築を目指しています。 *2 います。 *2 5適:お客様が、適時:欲しい時に、適品:欲しいものが、適価:欲しいと思う価格で、適量: 欲しい量だけを、適所:欲しい場所で購入できること。 MD の細分化 12月 旧MD 新MD 1月 冬 冬 2月 3月 梅春 梅春 4月 5月 6月 春 春 夏 初夏 盛夏 旧MD:梅春・春・夏・初秋・秋・冬の 6 シーズン → 気温や季節感に合わせてシーズンを細分化、それぞれに合わせた商品・数量を明確化 13 8月 9月 初秋 晩夏 新MD:梅春・春・初夏・盛夏・晩夏・初秋・秋・冬の最大 8 シーズン 12 7月 10月 秋 初秋 11月 12月 冬 秋 冬
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