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2014年9月3日
ドラギ・マジックの賞味期限が問われるかも
市場の見方同様、9月4日開催のECB政策理事会では利下げなど追加的な金融緩和策が実施される見込みは後
退した可能性もあります。市場の過大な金融緩和期待の修正と、マイナス金利の回避が背景と思われます。
ECB:ユーロ圏翌日物平均金利(EONIA)が
初のマイナス圏に突入
ユーロ圏の短期金融市場で2014年8月28日、ユーロ圏無担
保翌日物平均金利(EONIA)が初のマイナス圏入りとなりまし
た。欧州中央銀行(ECB)は中銀預金ファシリティを6月5日の
政策理事会でマイナス圏に設定しました。EONIAは28日にマ
イナス0.004%に低下したものの、29日にはプラスに転じました
が、今週に入り再びマイナスとなっています(図表1参照)。
一方で、報道によると、最新のブルームバーグのエコノミスト
調査では、ECBが9月4日の政策理事会で主要政策金利を0.1
ポイント引き下げ過去最低の0.05%にすると予想しているのは
6人で残る51人は据え置きを見込んでいます。
どこに注目すべきか
期待インフレ率、ECB政策会合、EONIA
市場の見方と同じく、2014年9月4日開催のECB政策理事会
では利下げなど追加的な金融緩和策が実施される見込みは
後退した可能性もあります。市場の過大な金融緩和期待の
修正と、マイナス金利の回避が背景と思われます。
まず、金融緩和期待の修正についてですが、8月後半のジャ
クソンホールでのシンポジウムでECBのドラギ総裁が行った
発言を受け、金融緩和に対する期待が高まる局面もありまし
た。ブレーク・イーブン・レートで見た期待インフレ率は一時2%
を下回りました(図表2参照)。しかし、足元の期待インフレ率
は2%を回復しており、脆弱なユーロ圏の景気を考慮すれば、
予断は許されないものの、市場の「期待」はひとまず落ち着
いた格好です。
次に、EONIAがマイナスとなったことへの懸念です(図表1参
照)。現在ユーロ圏の政策金利は上限(貸出ファシリティ)
+0.4%、下限(預金ファシリティ)-0.1%の真ん中に政策金利
(+0.15%)が設定されています。EONIAは今週下限近辺での
取引となっています。
仮に0.1%の利下げを政策金利並びに上限、下限金利に行っ
たとすると、EONIAがマイナス圏で常態化する懸念がありま
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す。すでにマイナスとなっている預金ファシリティはマイナスと
なった後でも残高に変動が見られず、銀行はマイナス金利(コ
スト)を受け入れている模様です。しかし、EONIAのマイナスが
常態化すると、銀行はコストを貸出金利に上乗せする懸念が
あります。実際、2012年のデンマークの例では民間銀行は利
ざや確保のため貸出金利を引き上げています。6月、ドラギ総
裁が政策金利について下限に近いことを示唆したことは以上
の点を懸念しての発言と思われます。
そこで量的金融緩和への期待が自然と高まりますが、ドラギ
総裁は財政政策とのパッケージを条件とするなど量的金融緩
和には消極的、あるいは実施はまだ先と見ているように思わ
れます。6月に比べユーロ圏景気の弱さが見られる中、今回、
6月に公表した政策パッケージの効果を見守る、といった内容
だけでは市場が失望する懸念もあり、踏み込んだ発言がある
かに注目しています。
図表1:ユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)
(日次、期間:2013年9月2日~2014年9月2日)
0.7 %
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
-0.1
13年9月
EONIA
13年12月
14年3月
14年6月
14年9月
図表2:ユーロ圏ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)
(日次、期間:2013年9月2日~2014年9月2日)
2.4 %
2.3
2.2
2.1
2.0
1.9
13年9月
期待インフレ率は一時、
大幅に低下したが、足
元は回復傾向
5年/5年BEIスワップ・フォワード・レート
13年12月
14年3月
14年6月
14年9月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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