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欧州
2016年1月19日
マイナーだけど欧州銀行セクターで気になる点
中国経済の減速懸念や原油価格の下落などが株式市場全般に向かい風となる中、南欧の銀行の一部に信用力の
悪化を示唆する動きが見られます。個別行の問題とは見られますが、注意は必要な点もあると思われます。
欧州株:3営業日続落、約1年ぶり安値
銀行株の下げなどが主な背景
欧州株式市場は2016年1月18日、銀行株の下げなどを背景
に3営業日続落し、指標のストックス欧州600指数は前週末
比0.4%安の328.64と、2014年12月以来の安値で引けました
(図表1参照)。銀行株ではイタリアのモンテ・デイ・パスキ・
ディ・シエナ(モンテ・パスキ)やバンカ・ポポラーレ・デレミリ
ア・ロマーニャの不良債権が懸念され大幅安となりました。
どこに注目すべきか:
ECB審査、単一監督メカニズム、ベイルイン
中国経済の減速懸念や原油価格の下落などが株式市場全
般に向かい風となる中、南欧の銀行の一部に信用力の悪化
を示唆する動きが見られます。個別行の問題とは見られます
が、注意は必要な点もあると思われます。
まず、南欧の銀行が18日の市場で下落した理由は、不良債
権規模への懸念があげられます。きっかけは、ユーロ圏内の
信用の質に厳しい目を向ける欧州中央銀行(ECB)がモンテ・
パスキやウニクレディトなどイタリアの銀行に対し、不良債権
データの提出を要請したことです。今後の審査はECBの下で
ユーロ圏の銀行監督を統括する単一監督メカニズム(SSM)
が担当し、今後数週間に実施される運びです。過去最低の
金利や景気低迷で利益率が縮小している中、報道によると、
イタリアの銀行の不良債権は2015年11月に過去最高に達し
ており、市場は一部銀行の不良債権を懸念しています。
不良債権だけならば対応は可能かもしれません。例えば、モ
ンテ・パスキは2009年以降、複数回、公的資金の救済を受け
ています(図表2参照)。しかし、次の問題は欧州で銀行救済
の方法が変わる可能性があることです。その具体的なケース
はポルトガルの中央銀行が2015年12月15日に命じた優先債
の移管です。エスピリト・サント銀行の分割で新設されたノボ・
バンコ(グッドバンク)の一部優先債について、ポルトガル中
銀は不良債権の受け皿銀行(バッドバンク)への移管を命じ
ました。このバッドバンクは清算されることになっているた
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め、移管される債券の持ち主は損失を負う運びです。ポルトガ
ル中銀は声明で、エスピリト・サント銀行の損失は株主と債権
者が吸収し、金融システムや納税者が負うものではないことを
確実にする上で必要な措置と説明しています。
欧州では(米国など他の国でも)銀行救済に公的資金の使用
を回避する制度(ベイルイン)を策定中です。ポルトガル中銀
の決定に伴い財務基盤が脆弱な銀行に対し、株式市場や社
債市場などで懸念が高まっています。今回の件はポルトガル
やイタリアの例外的ケースと片付けることも可能かもしれませ
んが、ベイルイン導入の動きなどに注意は必要と思われます。
図表1:欧州株式(全体)と欧州銀行株の推移
(日次、期間:2015年1月19日~2016年1月18日)
420
株価指数 230
株価指数
400
210
380
※欧州銀行株:
ストックス欧州600
銀行指数
360
340
320
300
15年1月
190
ストックス欧州600指数(左軸)
欧州銀行株(右軸)
15年4月
15年7月
170
150
15年10月
図表2:モンテ・パスキ銀行の株価の推移
(日次、期間:2011年1月18日~2016年1月18日)
25 ユーロ
モンテ・パスキ銀行
※2009年3月
20
にも公的支援
15
2013年2月
10
公的支援
5
0
11年1月
13年1月
15年1月
記載された銘柄はあくまでも参考として紹介したものであり、その銘柄・企
業の売買を推奨するものではありません。
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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