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“ジュネーブから今を見る”
今日のヘッドライン
“ジュネーブから今を見る”
今日のヘッドライン
グローバル
2016年6月23日
そういえば原油価格
「今日のヘッドライン2016年5月18日号」で原油価格は長期的には需給改善による下支えが期待されるも、短期的に
は投機筋のポジションと米国の原油生産増が抑制要因となる可能性を指摘しました。その後の展開を振り返ります。
米エネルギー情報局週間在庫統計:原油は
91.7万バレルの減少と市場予想を下回る
米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)の週間石油統計
(6月17日まで)によると、米原油在庫は91.7万バレルの減少
となりました。減少幅は市場予想(170万バレル減)を下回り
ました。また、ガソリンは62.7万バレル増加しました。米原油
在庫が市場予想ほど減少しなかったことを受け、原油価格
は下落しました。また、EIAは2015年9月~2016年3月の米国
の原油貯蔵能力が3,400万バレル増加したと公表しています。
過去原油在庫が増加したことで、6月10日までの週では、貯
蔵能力の利用率は過去最高に近い73%に達しています。
「今日のヘッドライン2016年5月18日号」で原油価格を取り上
げ、長期的には需給の改善による下支えが期待されるもの
の、短期的には投機筋のポジションと米国の原油生産増産
の2点が原油価格上昇の抑制要因となる可能性を指摘しま
した。その後の展開を振り返ります。
まず、中長期的に原油需要が供給を上回るという需給の改
善により原油価格が回復するという見込みは変わっていま
せん。ただし、原油消費国である中国などの景気回復ペー
スは緩やかであることが想定されるため、短期的な下支えと
しては期待しにくい面はありますが、依然基本シナリオと見
られます。
次に短期的な要因に注目します。
1点目はヘッジファンドなど投機筋の原油先物ポジションの
代替とみなされている非石油事業者のNY原油先物ポジショ
ン(ネット)を見ると、2016年年初から原油価格の上昇に伴う
かたちで買いポジションが増えていました(図表1参照)。し
かし、原油価格が50ドル/バレルに近づくにつれ、ネットのポ
ジションは低下傾向で、原油価格の上昇を抑える要因で
あったことが伺えます。今後の投機筋の動向を占うのは困
難ですが、買いポジションが依然高水準であることに注意は
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:WTI原油価格と投機筋のポジションの推移
(日次、期間:2015年6月22日~2016年6月22日、投機筋は週次)
70
ドル/バレル
万枚 40
WTI原油価格(左軸)
60
35
投機筋ポジション(右軸)
50
30
40
25
30
20
20
15年6月
15年9月
15年12月
16年3月
15
16年6月
買 原油先物 売
どこに注目すべきか:
原油の需要と供給、投機筋、原油生産動向
必要です。
2点目は、世界の原油価格に影響を与える可能性がある米国
の原油生産動向です。同じEIAが公表した米国の原油生産は
約868万バレルと依然低下傾向ですが、稼動リグ数を見ると
足元わずかながら上昇が見られます(図表2参照)。2015年の
原油価格下落を経験しているだけに米国石油生産業者が本
格的な生産再開の可能性は低いかもしれませんが、それでも
生産増加の兆しは、需要の長期的な回復が無い限り、上値を
抑える要因となる可能性があると見られます。
当面、原油価格の緩やかなスピード調整も考えられます。
※投機筋:非石油事業者のNY原油先物ポジション(ネット)
※WTI原油価格:ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引される
原油先物(軽質スイート原油先物)の期近物価格で構成
図表2:米国の原油生産と稼動リグ数の推移
(週次、期間:2013年6月28日~2016年6月17日)
1,000
万バレル/日
稼動数
1,500
900
約868万バレル
800
700
13年6月
2,000
原油生産(左軸)
稼動リグ数(右軸)
14年6月
15年6月
3週連
続増加
1,000
500
0
16年6月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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