2015年度事業報告

特定非営利活動法人
国際連合世界食糧計画 WFP 協会
2015 年度
総
事業報告
括
2015 年は、1)認知度の向上、2)寄付の増強、3)パートナーシップの開拓と
深化、4)ボランティア組織の拡大の 4 つの基本方針に基づき活動してまいりました。
結果としては、寄付金合計が 12 億円超えとなり、目標額の 10 億円を 2 億円以上上回る
過去最高の寄付金額となりました。前年比でも 2014 年実績 8 億 6 千万円を 3 億 5 千万円
近く上回る結果となりました。
今回の大幅な伸長の要因としては、4 月 25 日に発生したネパール地震に対して、
個人、法人を問わず広範な方面よりこれまでにない寄付の申し出を受ける事が出来たこと
が第一に挙げられます。それと共に、この数年取り組んできた個人寄付者に対する積極的
な取り組みが功を奏した結果であると言えます。
1)
認知度の向上
「国連 WFP」の認知向上を図るために今年度も様々な活動を実施いたしました。恒例の
広報イベントとして「WFP ウォーク・ザ・ワールド」、「エッセイコンテスト」を実施、
また本年一月に就任頂いた三浦雄一郎親善大使によるネパール視察関連、忍足謙朗顧問の
テレビ番組出演などで広範なメディア露出を獲得することが出来ました。直接の発信とし
ては、「緊急アピール」という形での新聞出稿を実施し認知の獲得と同時に、多額の寄付
をいただくことができました。
2)
寄付の増強
評議員企業を中心として法人からの安定的かつ継続的な支援をいただくために、活動状
況の報告、情報共有の促進を通してリレーションの維持、強化に努めてまいりました。ま
た CRM(レッドカップキャンペーン)活動についても昨年同様多数の企業の参画を得るこ
とが出来ました。個人に対しては、ダイレクトメール、オンライン広告を実施、効果検証
を重ねることでより精度の高い効率的な投資を行うことが出来、大幅な寄付金額の伸長を
見ることとなりました。
3)
パートナーシップの開拓と深化
評議員各社をはじめとして企業・団体の CSR 部門との協働の結果、今期も様々な社内イ
ベントにブース出展などの形で参加、各社社内での国連 WFP への理解促進を図りました。
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2014 年より推進しているコーポレートプログラムには本年も 5 社が参加いただき当協会
と企業 CSR 活動との戦略的協働の進化と深化を模索しております。
4)
ボランティア組織の拡大
増加する企業、一般向けのイベントに対応するために、今年も多くのボランティアの方
々の協力が必要不可欠のものでした。ボランティア組織の拡大という点で、特に大阪、名
古屋でのボランティア組織化に取り組み、両エリアのイベントを通して一定の成果を上げ
ることが出来ました。
部門別報告
■事業部門
【企業・団体】
2011 年 11 月にスタートしたレッドカップキャンペーン(寄付つき商品販売)による企
業からの支援拡大に努め、ターゲット企業を、従来の食品関連企業中心から食品関連外企
業への提案を強化しました。今年度のキャンペーンにご賛同いただいた企業および主な商
品は次の通りです。
・プリマハム(株):とろーりデミたまハンバーグ、香薫あらびきミニステーキ
・日清食品(株):チキンラーメン、チキンラーメンどんぶり
・ユニリーバジャパン(株):リプトンティー1000ml紙パック
・(株)湖池屋:ポテトチップス 5 個入り
・キユーピー(株):ベビーフード全 23 品
・日本 KFC(株):スマイルセット
・ハウス食品(株):とんがりコーンシリーズ
・ロッテ(株):ガーナリップルチョコレート
・カンロ(株):カンロ飴
・マルイ食品(株):チキン南蛮シリーズ他
・全国農協食品(株):国産果実、冷凍ピラフ、グラタン他
・日本生活協同組合連合会:COOP ヌードル他
・中村屋(株):技あり仕込みビーフカリー2 種
このほか、食品以外の売上げ連動寄付つき商品販売としては、(株)明光ネットワーク
ジャパン(教材、ノート)、(株)グラム(ランドセル)、(株)ビバック(建設機材)、
(株)東邦銀行(投資信託商品)、(株)ディノス・セシール(カタログ販売)、(株)ユニー
ク(マウス)、(株)ナックス(紳士・婦人セーター)があります。今期寄付額は 5,852
万円になります。
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また、民間企業と WFP が両輪となり、協働で社会における公的役割を果たすパートナー
シップ「国連 WFP コーポレートプログラム」は「パートナー」として(株)カネカ、(株)フ
ァミリーマート、日清食品ホールディングス(株)、三菱商事(株)の 4 社、「サポーター」
として日本生活協同組合連合会の 1 社が参加いただきました。
緊急支援については「2015 年度シリア」で、3 月 3 日に全国朝刊 7 段モノクロ(日経、
朝日、読売、毎日、産経)を出稿しました結果、24 の企業・団体から 2,137 万円、「ネ
パール地震」で、4 月 30 日、5 月 1 日に全国朝刊 7 段モノクロ(日経、朝日、読売、
毎日、産経)を出稿しました結果、111 の企業・団体から 8,767 万円の寄付をいただきま
した。協会の新たな取組みとして 10 月から 12 月「世界食料デーキャンペーン 2015|届
けよう!未来を育む給食 ~1 万人に 1 年間、学ぶ喜びを~」の中で「2015 年度 学校給
食プログラム」には 30 の企業・団体から 3,954 万円の寄付をいただきました。また、レ
ッドカップキャンペーンの更なる認知拡大を図るために、10 月よりレッドカップの販売
を開始し、評議員、一般協力者を中心に 3,944 個(学校給食 31,552 日分)の支援をいた
だきました。
新規獲得の為のダイレクトメールを昨年に続き 11 月に、帝国データバンクを活用して
10 万件を実施しました。115 件で 497 万円の支援をいただきました。
その他、株主優待による寄付、給与天引きによる従業員寄付、各種ポイントプログラ
ム、店頭募金箱、社内募金、専用アプリ募金、マッチング寄付など、継続的に支援してい
ただける仕組みを継続しました。
【個人】
10 億円という大きな目標の達成を視野に、攻めと守り両面において積極的に活動を行
いました。攻めの施策としては、ターゲットを絞ったダイレクトメールの発送、およびオ
ンライン広告の出稿を行い新規支援者の獲得を行いました。ダイレクトメールの発送につ
いては、昨年、一昨年に実施した施策の成果を元に、最も効果が高いと思われる施策に絞
ることで費用対効果の向上に努めました。
オンライン広告については、効果検証をより有効に行うために体制を変更、強化し、
他団体の動向に注目するなど、運用成績の向上を意識した出稿を心掛けました。また、例
年秋に実施している「寄付キャンペーン」においても、「届けよう!未来を育む給食 ~
1 万人に 1 年間、学ぶ喜びを~」と初めて明確な数値目標を掲げ、ウェブサイトにて進捗
をご報告しながらご協力のお願いを行うことで、より効果的にご支援を頂くことができま
した。
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守りの施策としては、より多くの寄付のお申し出を手続きできるよう、委託先を変更
し事務能力の向上に努めました。また、支援者の方々から寄せられるご意見に対し、出来
る限り改善に努め、既存支援者の皆さまとの信頼関係の醸成も意識しながら日々の活動を
行いました。10 月 1 日からは、クレジットカードを所有しない方々にも気軽にご寄付い
ただけるよう、新しいご寄付の方法としてコンビニ決済を導入しました。
「WFP マンスリー募金」については、1 年間で 8,154 件から 9,745 件となり、昨年に引
き続き増加基調を維持しました。
■広報・イベント・アドボカシー
イベント、視察、出展及び講演、他団体とのコラボレーションを通じ、国連 WFP の認知
度向上及び活動への理解促進を図りました。
3 月 3 日には、シリア紛争の難民・避難民への支援を呼び掛けるため、五大紙(朝日・
読売・毎日・日経・産経)全国朝刊に広告(7 段モノクロ)を出稿しました。
3 月 12 日の通常評議会後、三浦雄一郎さんの国連 WFP 協会親善大使任命式およびトー
クショーを開催。当日はメディアも誘致、毎日新聞、読売新聞、日経新聞、産経新聞、時
事通信、その他オンラインメディア等で紹介されました。
4 月 25 日のネパール大地震の発生を受け、翌 26 日より約 3 ヵ月間、HP 及び SNS を通じ
た積極的な情報配信及び寄付訴求を行いました。30 日には、朝日・読売・毎日・産経新
聞、5 月 1 日には日本経済新聞の全国朝刊に広告(7 段モノクロ)を出稿、5 月 3 日より
三浦雄一郎親善大使のご協力のもと制作したメッセージビデオを配信し、緊急支援を呼び
かけました。
5 月 24 日(日)にはチャリティーウォークイベント「WFP ウォーク・ザ・ワールド」
を、横浜みなとみらいで開催しました。10 回目となる今回は、過去最多の 4,212 人が参
加。参加費から 401 万 1,200 円が集まり、およそ 13 万 4 千人の子どもたちに学校給食を
届けることができました。ゲストの荻原健司さん(スキー・ノルディック複合オリンピッ
ク金メダリスト)、荻原次晴さん(同長野オリンピック日本代表)、三浦豪太さん(顧
問)にも歩いて頂きました。
7 月 19 日~25 日には三浦雄一郎親善大使がネパールの被災地を訪問し、WFP の支援現
場を視察しました。9 月 1 日には国連大学にてネパール視察報告会を開催し、視察ビデオ
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の上映、三浦親善大使のトークショー、忍足謙朗顧問の講演を実施しました。今回初の試
みとして一般参加者も募りましたが、当日は 315 名(一般 170 名)の参加者があり、
54,504 円のご寄付も頂きました。開催後実施したアンケートでは、国連 WFP の活動の理
解促進へと繋がったとの声を多く頂きました。ネパール視察及び報告会については、五大
紙、NHK、テレビ朝日「徹子の部屋」等、多くのメディアで紹介されました。また 10 月
14 日~10 月 27 日には、国連 WFP の活動紹介と三浦親善大使によるネパール現地視察を記
録した写真展をニコンプラザ仙台にて開催しました。
10 月 1 日~12 月 31 日には世界食料デーキャンペーン 2015「届けよう!未来を育む給
食」に合わせ、他団体とのコラボレーションの促進を図りました。日本ラグビーフットボ
ール協会には秩父宮ラグビー競技場にて「タックルハンガー」のプロモーションビデオの
上映、パンフレット及びポスターの展示のご協力を頂きました。また、クラーク国際高等
学校には文化祭にて、栄養強化ビスケットを再現したクッキー及びレッドカップの販売等
を行って頂きました。
「WFP エッセイコンテスト 2015」を「忘れられない○○なごはん」というテーマで開催
しました。全国から過去最高の 15,841 通の作品が寄せられ、応募 1 作品につき給食約 3
日分(90 円)が 3 社の寄付協力企業より贈呈され、寄付金額は 1,425,690 円(1 社あたり
475,230 円)となり、およそ 47,523 人の子どもたちに栄養価の高い給食を届けることが
できました。審査員にはさかなクンさん(東京海洋大学名誉博士)、竹下景子さん(親善
大使)、三浦雄一郎さん(親善大使)、湯川れい子さん(顧問)、三國清三さん(顧問)
他のご協力を頂きました。10 月 16 日の「世界食糧デー」には第一ホテル東京にて表彰式
を行い、湯川さんにも参加頂きました。また最優秀賞である WFP 賞の受賞作品を竹下景子
親善大使に朗読していただいた映像を表彰式で上映し、専用ウェブページおよびホームペ
ージにも掲載しました。
その他、グローバルフェスタ(東京都内)、横浜国際フェスタ、ワールドコラボフェス
タ(名古屋)等の複数におよぶイベントや展示会に出展し、来場者にアピールするととも
に国連 WFP の認知向上に努めました。10 月からはレッドカップの販売を開始し、現在ま
でに 3,944 個売上げ、学校給食約 31,552 日分の寄付を届けることができました。また、
広報媒体もより見やすく対象にあったものにするため、基本パンフレット及び学校給食パ
ンフレット等の改訂及び、子ども向けチラシの新規制作を行いました。
■管理部門
ファンドレイジングおよび情報発信活動をバックオフィス業務から推進する為、以下を
実施しました。
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1) 法務・人事
ジョブディスクリプション(職務記述書)をもとに、担当業務、レポーティングライン
を明確化し組織を再編しました。また、教育、研修支援を充実させるため、日本ファンド
レ イ ジン グ協 会が 主催す る 「フ ァン ドレ イジン グ ・日本 2015 」へ 職員 に 参加 して
もらい、後日に協会内にて講座をもとにした情報共有を行いました。その他、横浜市や神
奈川県が主催するファンドレイジングや NPO 会計・法務の学習会にも積極的に参加しても
らいました。
人事面では、4 名の事務局正職員採用人事(スタッフ 2 名、マネジャー1 名、事務局長
1 名)を行い、積極的なファンドレイジング及び情報発信を行える人員体制を整えま
した。また、本年度から開始したレッドカップの販売に伴い、収益事業の申請手続きや各
種税務届も行いました。
2) 経理・勤怠管理
クラウドサービスの勤怠管理システムを導入し、出退勤の申請及び管理のペーパレス
化、簡便化を実現しました。また、マイナンバー制度の開始に伴い、職員への制度説明の
資料作成及び説明会の実施、「個人番号および特定個人情報の適正な取り扱いに関する基
本方針」を策定しました。
3) 総務・IT
3 月に通常評議会、2・5・9・12 月に理事会を開催しました。11 月に顧問懇親会を開催
し、ファンドレイジングへの協力及びアドバイスをいただきました。また、過去の全ての
書類について法令の保存期間・方法等を調査し、データ保存の業者選定に着手しました。
IT 関連では、LAN 配線・ネットワーク回線の整備、サーバーと各種フォームの移行、フ
ァイアウォールの独立、スマートホン化など各種対応を行いました。また、WFP 日本事務
所を介して、プロボノでの認知度調査に着手しました。
以上
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