Japan Technical Communicators Association TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題 ここで、TC技術検定3級テクニカルライティング試験での出題がイメージできるよう、編ごとの 択一問題と応用問題の例題と解答を掲載する。なお、例題であるため、次のことに注意いただき たい。 ・ 編ごとの出題数は、実際の出題数の比率とは関係ない。 ・ すべての技術要素に対応した問題が網羅されているわけではない。 ・ すべての実際の出題形式やイメージが含まれているわけではない。 択一問題例題 第 1 編 例題 問1 テクニカルライティング技術についての説明として適切なものは、次のうちどれか。 ア 法務文書を書くための技術として始まった。 イ 産業革命と同時期に科学技術を伝える文章に適用されてきた。 ウ IT機器の複雑な機能や操作をやさしく説明する文章作成技術として考案された。 エ 広告用文書で読み手に強烈なイメージを与えるために作られた。 問2 テクニカルライティング技術を活用できない文書は、次のうちどれか。 ア 新製品の宣伝用ポスター イ 進捗会議の議事録 ウ 業務改善の提案書 エ イベント開催の告知文 問3 テクニカルライティング技術の歴史について述べた説明として適切なものは、次のうちど れか。 ア 第一次世界大戦の終了後、欧米で急速に発展した。 イ 1960年以前から、文章作成に電子的なツールが普及していた。 ウ 第二次世界大戦以降、研究・開発の専門職とその成果の伝達を行う専門職の分業化が進んだ。 エ 21世紀の現在も、文字主体の印刷物作成が主要な適用分野である。 1 TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題 Japan Technical Communicators Association 問4 実用文の特徴として適切なものは、次のうちどれか。 ア 読み手の感情を刺激する。 イ 謎解きを楽しませる。 ウ 歴史的表現や熟語を学習できる。 エ 何らかの事物を対象とした説明である。 問5 実用文の目的を述べたものとして最も適切なものは、次のうちどれか。 ア 書籍や雑誌として出版されること イ 映画や放送などで、場面の順序や出演者の動きを伝えること ウ 物事の説明や伝達をすること エ 創造的な表現や実験的な言語表現をすること 第 2 編 例題 問1 下線部に誤った漢字が使われている文は、次のうちどれか。 ア 経営の実態を把握する。 イ 限度を超える。 ウ 職を探す。 エ 文案を修整する。 問2 主語と述語の対応が不適切な文は、次のうちどれか。 ア この製品の特長は、インバーターを搭載しているため目に優しいです。 イ この保証書は、本書が明示した期間・条件のもとで無料修理をお約束するものです。 ウ タッチスイッチは、次のような使用状況のとき正常に機能しないことがあります。 エ 棒の方向は、用途に合わせて水平・垂直のどちらにも取り付けられます。 問3 下線部の品詞が補助形容詞の文は、次のうちどれか。 ア 練習しても上達しない。 イ その業界には、詳しくない。 ウ 具体的な指示がない。 エ 日曜日は働かない。 問4 参加者の人数が最も明確に表現できているものは、次のうちどれか。 ア 部長ら、6名が出席します。 イ 部長をはじめ、6名が出席します。 ウ 部長を含め、6名が出席します。 2 TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題 Japan Technical Communicators Association エ 部長以下、6名が出席します。 問5 一般に、下線部の数字の表現に算用数字が使われるものは、次のうちどれか。 ア 二級品は除外しています。 イ 懸案事項を三日以内に解決してください。 ウ 四角い形をした置物があります。 エ 十数日で完成する予定です。 問6 文の構造が重文になっているものは、次のうちどれか。 ア この新製品は、当社が研究開発した技術を使用しています。 イ これは、私が入社1年目に作成した企画書です。 ウ 会議が終わったら、議事録を作ってください。 エ 担当者が企画書を作り、上司がチェックします。 問7 一般に、下線部に漢字が使われるものは、次のうちどれか。 ア 小さいときは、省略しても良い。 イ 時間をかければ、大きく出来る。 ウ 行動を共にする。 エ 全てのアイデアが有効だ。 問8 読点の位置が適切な文は、次のうちどれか。 ア ABCシリーズでは、メニューを使って使用目的に合った多彩な機能を選ぶことができます。 イ ABCシリーズではメニューを使って、使用目的に合った多彩な機能を選ぶことができます。 ウ ABCシリーズではメニューを使って使用目的に合った多彩な機能を、選ぶことができます。 エ ABCシリーズではメニューを使って使用目的に合った多彩な機能を選ぶことが、できます。 問9 一文一義になっていない文は、次のうちどれか。 ア アジャスターが本体に収納されていない状態で動かすことは禁止されています。 イ キャリングケースなどに収納する際は、16ページに記載されている「電源を切る」の手順に 従ってください。 ウ パスワードの入力に3回続けて失敗すると、それ以降の操作ができなくなります。 エ 表示言語は15言語の中から選ぶことができますが、お買い上げ時は英語に設定されています。 問10 複数の解釈ができる文は、次のうちどれか。 ア 5種類の材料がすべてそろってから作業を始めます。 3 TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題 Japan Technical Communicators Association イ ゲームは、すべての手札がなくなると上がりです。 ウ すべてのウィルスに効果があるわけではありません。 エ 同梱されている接着剤は、すべて使わないでください。 第 3 編 例題 問1 論理的な文の組み立てとして適切なものは、次のうちどれか。 ア 相手が知らないことを最初に説明する。 イ 最初は部分的なことから説明する。 ウ 重要なことを最初に説明する。 エ 詳細なことを最初に説明する。 問2 人間の認知特性に配慮した表現方法に関する説明として適切なものは、次のうちどれか。 ア パッと見の印象を良くするとよい。 イ 箇条書きや項目数は、8個から12個の間がよい。 ウ 具体例やたとえはできる限り使わないほうがよい。 エ 操作結果などの正誤は、一定時間以上経過後にわかるようにするのがよい。 問3 事実を述べている文は、次のうちどれか。 ア インターネットを使えば、誰でも簡単に商品が購入できます。 イ 当店では、送料無料で商品をお届けしています。 ウ 今年は、アジアンテイストのランプがはやると推測されます。 エ 自宅で作るハーブティーは、リラックス効果があります。 問4 伝える「相手(読み手)」の特徴を想定するときに、初めに行うべきことは、次のうちど れか。 ア 伝える相手がどの程度の知識を持っているかを明確にする。 イ 伝える相手がどのような価値観を持っているかを明確にする。 ウ 伝える相手が読んだ後、どのような心の動きをするかを明確にする。 エ 伝える相手がどのような範囲の読み手かを明確にする。 問5 文章のチェックに関する説明として適切なものは、次のうちどれか。 ア 文章のチェックは、ツールを利用した機械的手法に限定する必要がある。 イ 文章のチェックは、第三者が行う前に自分自身で行う必要がある。 ウ 文章のチェックは、画面上で行うほうが印刷して行うよりも精度が高まる。 エ 自分自身が行う文章のチェックは、一般的には「校正」と呼ばれる。 4 TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題 Japan Technical Communicators Association 第 4 編 例題 問1 表現設計を行った場合に期待される効果として適切なものは、次のうちどれか。 ア 書き手個人のスキルや好みによる差を軽減する。 イ 表現手法のバリエーションを増やす。 ウ 文章よりビジュアルが目立つようになる。 エ 読み手に必要な情報がそろっているかを確認できる。 問2 表記の統一を目的のひとつとして、表現設計で決めるもので最も適切なものは、次のうち どれか。 ア サンプル原稿 イ 基本フォーマット ウ 執筆ルール エ 図版ルール 問3 書くべき情報の順序や階層関係を試行錯誤しながら検討するときに役立つ制作ツールと して最も適切なものは、次のうちどれか。 ア 文書校正ツール イ アウトラインプロセッサー ウ オーサリングソフトウェア エ ペイントツール 問4 情報のグループ化(階層化)についての説明として適切なものは、次のうちどれか。 ア 書き手の思考プロセスを、そのまま読み手が追えるようにする。 イ 4階層以上に分類整理すると、理解しやすくなる。 ウ 階層化は、文書の提供媒体には影響されない。 エ 情報の包含関係を示すことで、わかりやすくなったり探しやすくなったりする。 問5 適切な引用として認められるための条件のひとつとして適切なものは、次のうちどれか。 ア 引用した文が「主」で、自分の説明や主張が「従」であること。 イ 引用する部分の表現が適切に変更されていること。 ウ 自分で書いた部分と引用した部分の区分がされていないこと。 エ 著者名、書名、出版社名など、出所が明示されていること。 5 TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題 Japan Technical Communicators Association 総合的例題(多岐選択問題) 【問1】 <会議室使用時の注意事項>について、誤解がないようわかりやすく書き直すため、 次の設問に答えなさい。 <会議室使用時の注意事項> 会議室をご使用になる際は、次の点にご注意ください。 (A) 会議室を使用していない間は部屋の電灯をつけたままにしないでください。 (B) 設置されているコンピューターは会議室専用のため、持ち出さないでください。 (C) 会議室のインターネット接続速度は、個人デスクエリアのように速くありません。 (D) コンピューターの電源を入れないでプロジェクターに接続すると、プロジェクターに画面 が表示されません。 〔設問1〕 (A)の文章は肯定文に書き直すことができる。同じ意味をもち、最も誤解を招かない表現を <選択肢1>から選び、記号を解答用紙に記入しなさい。 <選択肢1> ア 会議室を使用している間は部屋の電灯を消したままにしてください。 イ 会議室を使用していないときは部屋の電灯を消してください。 ウ 会議室を使用していないときは部屋の電灯をつけてください。 エ 会議室を使用している間は部屋の電灯をつけたままにしてください。 〔設問2〕 (C)の文章は、次の3通りに解釈できる。(1)と(2)に入る語句を、<選択肢2>から選び、 記号を解答用紙に記入しなさい。 解釈1: 個人デスクエリアのインターネット通信速度は (1) が、会議室は (2) 。 解釈2:会議室も個人デスクエリアもインターネット通信速度は (2) 。 解釈3: 会議室のインターネット通信速度は (1) が、個人デスクエリアほどではない。 <選択肢2 > ア 遅い イ 速い ウ 同じだ 6 TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題 Japan Technical Communicators Association 〔設問3〕 (D)の文章は、二重否定の表現を使っている。二重否定について述べた以下の文章のうち、(3) と(4)に入る語句を、<選択肢3>から選び、記号を解答用紙に記入しなさい。 「~しないと、(3) 」という二重否定の文は混乱を招くので、実用文の文章表現としてはふ さわしくない。論理的に矛盾しない限り、「~しないと、~する」、「~すると、(3) 」、 「~すると、~する」のような表現にするとよい。 これにならって、(D)の文章は「コンピューターの電源を入れてからプロジェクターに接続す ると、プロジェクターに画面が(4) 。」と書き直すことができる。 <選択肢3 > ア ~する 【問2】 イ ~しない ウ 表示されます エ 表示されません 文体とその解説について、次の設問に答えなさい。 〔設問1〕 次の<表1 本文以外における文体の使い分け例>に対する<解説1>の(1)から(5)に入る語を、 次の<選択肢>から選びなさい。 <表1 本文以外における文体の使い分け例> 種類 見出し 例 ○ (a) セットアップを行う × (b) セットアップを行う。 ○ (c) セットアップの手順 操作手順 ○ (d) ドライブにDVD ディスクをセットします。 ○ (e) 「登録」を選択し、[ 次へ] ボタンをクリックする。 注意書き ○ (f)[実行]ボタンを押した後は、取り消すことができません。 確認してから押してください。 × (g)[実行]ボタンを押した後は、取り消すことができない。確認してから押 すこと。 <解説1 > 見出しに使う文体は、(a)のように (1) を基本とし、文末に (2) は付けません。また、同じ意 味であるなら、(c)のように (3) を使ってもかまいません。 操作手順に使う文体は、(d)のように (4) を基本とします。また、目的や読み手によっては、 7 TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題 Japan Technical Communicators Association (e)のように (1) を使ってもかまいません。 注意書きに使う文体も、(f)のように (4) を基本とします。(g)のように、(1) や (3) で書く と、(5) になるので気を付けます。 <選択肢> ア である調 イ ですます調 ウ 体言止め エ 使役形 オ 命令調 カ 箇条書き キ 句点 ク 読点 〔設問2〕 次の<視点に一貫性を持たせる例>に対する<解説2>について、(6)から(10)に入る語を、次の <選択肢>から選びなさい。(複数回選択可) <視点に一貫性を持たせる例> ×(h) アイコンにマウスポインターが合わされ、クリックします。 ○(i) アイコンにマウスポインターを合わせ、クリックします。 <解説2 > 上の文(h)は、文の前半の (6) が (7) で、(8) になっているため、文の後半と視点に一貫性 がありません。 これに対して、下の文(i)は、全体の (6) が (9) であり、(10) で表現されているため、視点 が一貫しています。 <選択肢> ア システム側 イ オ 能動態 否定文 カ 主語 ウ キ 述語 エ 受動態 命令文 ク 利用者 8 TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題 Japan Technical Communicators Association 例題の解答 択一問題例題の解答 第1編例題(択一問題) 問1 問2 問3 問4 問5 ウ ア ウ エ ウ 第2編例題(択一問題) 問1 問2 問3 問4 問5 エ ア イ ウ イ 問6 問7 問8 問9 問10 エ ウ ア エ エ 第3編例題(択一問題) 問1 問2 問3 問4 問5 ウ ア イ エ イ 第4編例題(択一問題) 問1 問2 問3 問4 問5 ア ウ イ エ エ 総合問題の例題(多岐選択)の解答 総合例題(多岐選択)【問1】 設問1 イ 設問2 設問3 (1) (2) (3) (4) イ ア イ ウ 9 TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題 Japan Technical Communicators Association 総合例題(多岐選択)【問2】 設問1 (1) (2) (3) (4) (5) ア キ ウ イ オ (6) (7) (8) (9) (10) イ ア エ ク オ 設問2 10 TC技術検定3級テクニカルライティング試験の例題
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