「自動車市場で見る中国のビジネスチャンス」 経済月報 No.477 掲載分

経済月報
No.477 掲載分
平成 27 年 1 月
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【青島支店】
「自動車市場で見る中国のビジネスチャンス」
<はじめに>
中国の印象を聞かれた時、何を想像するでしょうか。
四半世紀前であれば、自転車が道路を縦横無尽に走行している場面が想像できたと思い
ます。しかし、経済発展が続いている中国において、北京や上海などの大都市だけでなく、
沿岸部にある山東省の青島市でも、そのような場面を見ることは少なくなりました。
【車社会となった現在の街の様子】
数年前に比べると、中国国内の自動車販売台数の伸びはやや落ち着いているものの、他
国と比べるとまだまだ勢いがあります。
中国で自動車が普及する要因に、中国特有の考え方があります。中国人男性が結婚でき
る条件に「住居、自動車を所有すること」という考え方があり、自動車は単に所有すると
いうだけでなく、一種のステータスとみなされています。
また、政府主導で一般道路や高速道路等のインフラ整備も積極的に行われていることか
ら、今後もモータリゼーションは進み、底堅い自動車需要が見込まれています。
しかし、モータリゼーションの進行とともに、環境問題や、交通渋滞等の社会問題が発
生しており、こうした問題を背景に、中国政府は省エネ車・新エネ車への転換に力を入れ
てきているため、新たな市場が開拓されつつあります。高い技術力をもっている日系自動
車関連会社にとっては、引き続き十分なビジネスチャンスがあると思われます。
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<中国における自動車の普及および日系自動車メーカーの販売台数>
自動車販売台数
(単位:千台)
2011年
2012年
2013年
18,505
19,306
21,984
4,210
5,370
5,375
12,800
14,490
15,600
中国
日本
米国
出所:日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部
2012 年 4 月作成
2011 年世界主要国の自動車生産・販売動向
2013 年 4 月作成
2012 年世界主要国の自動車生産・販売動向
2014 年 4 月作成
2013 年世界主要国の自動車生産・販売動向
中国は、2009 年に生産台数 1,379 万台、販売台数 1,364 万台を達成し、生産台数は日本、
販売台数はアメリカを抜き、世界最大の自動車生産・販売国の地位を獲得しました。
その後も中国自動車産業の拡大は続き、2013 年には自動車生産台数 2,211 万台、販売台
数 2,198 万台になり、ともに初めて 2,000 万台を突破しました。
2014 年の自動車販売台数も 2,000 万台以上となると予想されており、安定拡大の見通し
です。
2004 年の自動車販売台数が約 500 万台であったことと比較すると、通常では考えられない
ほどの速さで自動車が普及したと言えるのではないでしょうか。
【建設中のフォルクスワーゲン長沙工場 2015 年末に完成予定】
日産
トヨタ
ホンダ
マツダ
日系メーカー販売台数
(単位:千台)
2011年
2012年
2013年
1,247
1,182
1,266
883
841
918
618
599
757
215
187
187
出所:各社発表
2
(※東風ブランドを含。)
2012 年は日中関係の悪化から各日系自動車メーカーとも自動車販売台数が減少していま
すが、2013 年には回復し、自動車販売台数を伸ばしています。
2014 年 11 月に北京で行われたアジア太平洋経済協力(APEC)では、日中首脳会談が行わ
れました。今後、日中関係が改善されれば、大手日系自動車メーカーの更なる自動車販売
台数増加に寄与することでしょう。
<中国でのビジネスチャンス>
中国は、経済発展した沿岸部の都市を中心に自動車が普及しています。今後、経済発展
にともない、内陸部へ自動車の普及が想定されるため、依然として底堅い需要が見込まれ
ています。
中国で自動車が普及するにつれてビジネスモデルが変化してきました。当初、中国にお
ける日系自動車関連企業のビジネスモデルは、大手日系自動車メーカーの中国進出に合わ
せて中国に生産拠点を構え、大手日系自動車メーカーと取引することでした。しかし、中
国には多くの欧米自動車メーカーが進出していること、また地場自動車メーカーも多数あ
ることから、それら日系以外の自動車メーカーとの取引拡大が新たなビジネスモデルとな
っており、日系自動車関連企業が中国で成功する方法であると考えられます。
私たちのお客様には、中国進出当初、日系自動車メーカーからの受注が大半でしたが、
営業活動や高い技術力が認められ、現在は地場自動車メーカーからの受注が半分以上にな
った取引先もあります。
中国で成功するには、中国の営業方法や商慣習等を学ぶ必要がありますが、日本で培っ
た営業力や経験は十分に成功する糧となるはずです。
中国全土ではもちろん、青島市でも日中合同の商談会等によるビジネスマッチングの機
会は多くなっており、積極的な参加をお勧めします。
まずは中国の空気を肌で感じ、実際に中国地場企業の話を聞くことが、ビジネスチャン
スを掴む第一歩ではないでしょうか。
【参考資料】
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会 ホームページ
以
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