14/07 - AKchem.com

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-海外雑誌の主要タイトルとサブタイトル紹介による情報-
*記事の詳しい内容については、各誌をご覧ください。
海外雑誌(ネット情報誌含む)
:
Kunststoffe international
European Plastics News;
Chemical & Engineering News;
IHS Chemical Week;
Plastics Technology;
Plastics Engineering;
Plastics News.com/China;
その他
〈7 月度の注目記事〉
電気自動車 BMW i3 に採用されたエンプラ材料
BMW 社(独)の電気自動車 i3 には、軽量化を達成しつつ安全性と快適性を確保するために、
BASF 社(独)の下記の材料が用いられています。
・フロントシートのバックレスト:GF40%強化 PA6 樹脂 Ultramid® B3ZG8 UV
適正な剛性、伸び、靱性のほかに-30~+80℃での温度耐性が必要。
・炭素繊維ボディの強化部品:GF30%強化 PBT 樹脂 Ultradur® B4040 G6
インナーシェルとアウターシェルの間の補強材で、両シェルの間の隙間を確保するととも
に、クラッシュ時にはエネルギーを吸収。適正な剛性や寸法安定性などが必要。
・リアシートシェル:ポリウレタンシステム Elastolit®
量産車で CF をウレタンと組合せを初めて採用。カップホルダーアタッチメントや物置用
トレーなどの機能を統合。厚さ 1.4mm。高い疲労強度と損傷許容性などが必要。
・A ピラーとルーフ全体の補強材:炭素繊維とポリウレタン発泡体 Elastolit® D の組合せ
高い耐圧性が必要
なお BASF 社の発表によれば、BMW i3 には上記のほかにも同社のエンプラなどが採用された
内装や外装の部品があります。
・ヒューズボックス、C ピラーカバー:GF15%強化 PA6 樹脂 Ultramid® B3ZG3
・高電圧コネクタ:GF30%強化 PA66 樹脂 Ultramid® A3EG6
・スライディングルーフのフレーム:GF30%強化 PBT 樹脂 Ultradur® B4040 G6
・ケーブル被覆材、ケーブルグランド:ポリウレタン Elastollan®、同 Elastoflex®
・インストルメントパネルの背面発泡成形部品、ルーフ構造(音響特性改善):
ポリウレタン発泡体 Elastoflex® E
・スライディングルーフモジュール:
ポリウレタンのガラスカプセル化システム Elastolit® R 8919
(Kunststoffe international, 5 月号 p.64)
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〈主要海外誌記事のディクショナリー〉
【中国・ASEAN・インド・南米など新興経済国関係】
中国の地下鉄車両、内装パネルに Bayer 社の PC 樹脂シートを採用
中国の鉄道車両製造会社 China South Railway Puzhen は、江蘇省の新たに開通した地下鉄 1
号線の低床車両内装パネルに、Bayer 社(独)の PC 樹脂シートなどを採用しました。選ばれた
理由は軽量であることと難燃性といわれています。
(Plastics News.com/China, 6 月 5 日)
射出成形品の GW Plastics 社、広東省東莞の設備を増強
射出成形品の GW Plastics 社(米)は、中国広東省東莞の既存設備を、同じ工業団地内の 2 倍
以上の面積の敷地に移動すると共に、設備を追加して生産能力を増強する予定です。同社は現在
200 人の従業員と 22 台の成形機を有し、成形品の 75%はヘルスケアデバイスの部品、残りは自
動車部品などです。
(Plastics News.com/China, 6 月 5 日)
BASF 社、中国の加工機械メーカーと提携、共押出フィルムの品質と生産性を改善
BASF 社(独)は、中国での共押出フィルムの品質と生産効率の改善のため、中国の大手加工
機械メーカーJinming Machinery 社(広東)と提携しました。BASF 社は PA 樹脂の物性や加工
ノウハウを提供し、Jinming 社はフィルム押出機のノウハウを提供するとされています。
(Plastics News.com/China, 6 月 9 日)
中国のリチウムイオン電池用セパレータメーカー、生産能力を大幅に増強
中国のリチウムイオン電池用セパレータのメーカーCangzhou Mingzhu Plastic 社は、2013 年
には販売量 1,300 万 m2、売上高 5,020 万人民元(前年比 90%増)を達成しました。現在の生産
能力は年間 2,000 万 m2 ですが、需要急騰への対応で、さらに生産能力 2,000 万 m2/年の乾式プロ
セスと 2,500 万 m2/年の湿式プロセスを増設する予定です。
(Plastics News.com/China, 6 月 10 日)
サムスングループのCheil社、広東省東莞市にABS樹脂とPC樹脂の新工場建設
サムスングループ(韓)傘下の Cheil 社は、中国広東省東莞市に ABS 樹脂と PC 樹脂の新工場
を建設しました。現地の生産能力は、既存設備と合わせて 2 万 7,000 トン/年です。同社はこの工
場のほかに、中国の天津(2 万 4,000 トン/年)
、韓国の麗水(24 万トン/年)に工場があり、いず
れも製品を中国市場へ供給しています。
(Plastics News.com/China, 6 月 10 日)
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自動車部品の IAC 社、上海にアジア本部を設置、地域の工場と R&D センターを統括
自動車部品の International Automotive Components(IAC)社(ルクセンブルグ)は、アジ
アの 20 の工場と 6 つの R&D センターを統括するために、上海にアジア本部を開設しました。同
社はインスツルメントパネル、コンソール、ドアパネルなどを製造し、20 カ国の 90 の拠点で合
計 28,000 人を雇用し、昨年の売上高は 53 億ドルでした。
(Plastics News.com/China, 6 月 13 日)
中国の熱可塑性樹脂コンポジット市場は年率 30%で成長、特に自動車で需要急拡大
コンポジット材料などの Owens Corning 社(米)は、今年、中国における長繊維強化熱可塑
性樹脂の売上高を前年比で倍増させる予定です。同社によれば、中国の熱可塑性樹脂コンポジッ
ト市場は年率 30%で成長しており、特に環境汚染対策の一環として進められている自動車軽量化
の用途で需要が急成長しています。
(Plastics News.com/China, 6 月 17 日)
BASF 社、アジアでのエンプラ・コンパウンド生産能力を増強、来年 22 万 5,000 トン/年に
BASF 社(独)は、上海の浦東新区サイトで、エンプラ(PA、PBT)コンパウンド設備の生産
能力を 4 万 5,000 トン/年から 10 万トン/年に増強しました。2015 年稼働の韓国のプラントを入
れると、アジアでの生産能力は 22 万 5,000 トン/年になる予定です。
(Plastics News.com/China, 6 月 20 日)
台湾の自動車部品メーカーTong Yang Industrial 社、台湾と中国で工場などを増強
自動車プラスチック部品の Tong Yang Industrial 社(台)は、台湾で新しい成型工場や研究開
発センターを建設するとともに、中国本土のバンパー工場などで増強を行う予定です。投資額は
約 1 億ドルです。同社は、2013 年の売上高 6 億 4,740 万 US ドル(前年比 15%増)で、台湾、
中国本土、イタリアに工場を有し、世界全体で 7,000 人以上を雇用しています。
(Plastics News.com/China, 6 月 24 日)
KraussMaffei 社、中国で製造した成形機を、ドイツ家電メーカーの中国工場に納入
成形機の KraussMaffei 社(独)は、同社が中国で生産した射出成型機 4 台を、ドイツの大手
家電メーカーBSH Bosch and Siemens Hausqerate 社の南京工場に供給すると発表しました。
KraussMaffei 社が中国製の機械を BSH 社へ納入するのは初めてです。BSH 社は成形機を洗濯
機の部品成形などの生産に使用するといわれています。(Plastics News.com/China, 6 月 27 日)
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10 年前に中国へ進出した米の設備部品メーカー、製品の多くを米国での生産に変更
液体処理設備の部品メーカーGreen Leaf 社(米)は、2000 年代初めに中国へ進出しましたが、
大部分の製品の生産を米国へ移す予定です。米国で生産することにより、中国で増大しているコ
ストと輸送のリードタイムを削減でき、25~35%のコスト削減につながると予想しています。少
量生産で、出荷を急がない一部の製品については、中国での生産を継続する予定です。
また 10 年前に中国へ進出した回転成形品の Hedstrom Plastics 社(米)も、同様の理由で他
国への再移転や米国へ戻ることを検討しています。
(Plastics News.com/China, 6 月 13 日、6 月 27 日)
インド機械工業会、中国に対するアンチダンピング税の延長を政府に要請
インド機械工業会は、中国製射出成形機の輸入に対するアンチダンピング税をさらに 2019 年
まで延長するよう政府に要請しています。同工業会によれば、中国は関税を回避するために、2
年前からベトナムなどの工場で生産した成形機をインドへ輸出しており、ベトナム製機械の輸入
が急速に増えています。そのため同工業会は、ベトナムなどからの輸入に対しても関税適用を求
めることを検討しています。
(Plastics News.com/China, 6 月 27 日)
【欧米・中東関係】
環状オレフィンポリマーを用いて注射器を射出成形するためのマルチキャビティ金型
環状オレフィンポリマー(COP)とそのコポリマー(COC)は、優れた水蒸気バリア性、透明
性、強度、耐薬品性などの特性を有し、さまざまなメディカルデバイスにおいてガラス代替材料
として用いられています。金型メーカーの Schöttli 社(スイス)は、これらのポリマーを用いて
注射器を射出成形するために設計したホットランナーとノズルシステムを有するマルチキャビテ
ィ金型を製作しました。このシステムを用いることで、均一な薄肉成形品を短いサイクル時間で
成形できると同社はいっています。
(Kunststoffe international, 5 月号 p.44-46)
地面に埋めて、雨水の吸収と保持に有効なフレーム状の製品、材料は GF 強化 PP など
園芸用具や雨水管理施設の DeepRoot 社(米)は、地面に埋めて、雨水の吸収と保持を容易に
するフレーム状の製品 Silva Cell® を開発しました。Silva Cell® は、パイプで組まれた長さ
1,200mm、幅 600mm、高さ 400mm のフレームと格子状の天板から成り、フレームは必要によ
り、高さを 2 段、3 段に組むことができます。材料はガラス繊維強化 PP 樹脂の射出成形品と、
亜鉛メッキ鋼チューブを用いています。Silva Cell® を地面に埋めることで、豪雨で地面に溢れ
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る水を減らし、木の成長を支えることができるとされています。英国のウェールズでは、雨で水
浸しになる小学校の運動場で採用されました。
(European Plastics News, 6 月号 p.16)
Bayer MaterialScience 社の GF 強化ポリウレタン製窓枠
Bayer MaterialScience 社(独)は、GF80%強化ポリウレタンを用いた窓枠を開発しました。
この材料は、木材や PVC 樹脂と同レベルの低い熱伝導性を有し、木材のような腐敗や、老朽化
した PVC に見られる脆さはないと同社はいっています。成形は GF のロービングを引っ張りな
がらウレタン液を含浸させて異形押出で行われ、必要なサイズに切断されます。
(European Plastics News, 6 月号 p.17)
Miele 社、掃除機ハウジング表面のロゴ成形に、バリオサーム加熱冷却システムを使用
家電製品の Miele 社(独)は、電気掃除機ハウジング(ABS 樹脂)の成形において、ラウン
ドした表面に盛り上がったロゴ(社名)を入れるために、
「バリオサーム」と呼ばれる金型の特定
の個所を急速に加熱/冷却できるシステムを用いました。この方法を用いることで、冷却時間が
延びることなく、高品質の表面を実現できるとしています。このシステムは洗濯機の高光沢のド
アリングにも使われ、ABS 樹脂でバックモールドされた透明な PC 樹脂からできています。
(European Plastics News, 6 月号 p.23)
デュポン社のアイオノマー樹脂 Surlyn®を用いたバリア性の9層フィルム
デュポン社(米)と成形機の Reifenhäuser Kiefel Extrusion 社(独)は、デュポンの高剛性
のアイオノマー樹脂 Surlyn® を用いて、バリア性の 9 層フィルムを共同で開発しました。両社
によれば、既存の 7 層の PA/PE フィルムにくらべて、厚さが 20%減少し、耐貫通性が優れ、材
料コストは 10%低下します。用途はチーズ、骨付肉などの減圧パック用フィルムです。
(European Plastics News, 6 月号 p.31)
SABIC 社の再生可能な資源から製造されたポリオレフィン樹脂
SABIC は、ISCC プラス認証制度(EU のバイオマスならびにバイオエネルギーの認証制度)
で認定された、
再生可能な資源から作られたポリオレフィン樹脂を発表しました。
同社によれば、
これらの PP や PE は食物と直接競合しない廃棄オイルなどから作られ、化石資源から作られた
相当品と同等の性能を有します。
(European Plastics News, 6 月号 p.33)
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Vitro Minerals 社、従来品より比重が 10~17%小さい無機フィラーを上市
リサイクルガラスを用いてガラス繊維などを製造する Vitro Minerals 社(米)は、一般的な無
機フィラーに比べて比重が 10~17%小さい無機フィラーWhiteLiteTM を上市しました。このフィ
ラーはリサイクル材料から作られたアルミノシリケートで、シリカ結晶を含まず、PA 樹脂や PP
樹脂のスクラッチ耐性改善などに使用されます。
(Plastics Engineering, 6 月号 p.52-53)
A. Schulman 社、コンパウンドなどの Ferro 社のスペシャリティプラスチック事業を買収
コンパウンドの A. Schulman 社(米)が、エンプラ・コンパウンドや着色材のメーカーFerro
社(米)のスペシャリティプラスチック事業を、9,100 万ドルで買収します。同事業は主に米国
とスペインに拠点を有し、2013 年の売上高は 1 億 5,400 ドルです。
(IHS Chemical Week, 6 月 9 日/6 月 16 日号, p.10)
SABIC 社、透明導電 PC フィルムの開発で、Cima NanoTech 社と提携
SABIC 社(サウジアラビア)は、透明で導電性の PC 樹脂フィルムを開発するために、Cima
NanoTech 社(米)と提携しました。Cima NanoTech 社は、ITO を用いずに透明で柔軟性を有
するナノ粒子の導電層をコーティングする技術(SANTE®)を有し、導電フィルムはロールツー
ロールのプロセスで量産できます。
(Plastics Technology, 7 月号, p.8)
(Plastics News.com/China, 6 月 3 日)
米国のプラスチック産業従事者の平均総所得 12 万 2,300 ドル、前年比 11%増
リクルーティングの Gros Executive Recruiters 社(米)によると、米国のプラスチック産業
従事者の 2013 年平均総所得は 12 万 2,300 米ドル(前年比 11%増)
、そのうち給与(固定給)は
10 万 4,000 米ドル(同 9%増)でした。職種別の年間総所得は、上級管理者 17 万 7,000 ドル、
工場エンジニアリング 13 万 8,000 ドル、営業 12 万 4,000 ドル、開発 11 万 3,800 ドル、経理 10
万 4,500 ドル、製造 9 万ドルなどとなっています。
(Plastics News.com/China, 6 月 5 日)
熱可塑性樹脂コンポジットをコアに用いた架空送電ライン
Celanese 社(米)と電線ケーブルメーカー Southwire 社(米)は、熱可塑性樹脂コンポジッ
トをコアに用いた架空送電ラインを開発しました。送電線は、CF 連続繊維とポリフェニレンサ
ルファイドのストランド(7 本)からなるコアと、外側のアルミニウム導線などからなります。
樹脂コンポジットを用いるメリットは、軽量、ラインの弛み増が少ないなどとされています。
(Plastics News.com/China, 6 月 9 日)
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欧州の PVC リサイクル量、2013 年は 43 万 5,000 トン、前年比 20%増
欧州の PVC 工業会によれば、欧州における PVC のリサイクル量は 2013 年に約 43 万 5,000
トンで、前年比 20%増でした。リサイクル量が多い国は、独、英、スペインでした。同工業会は
リサイクル量の目標を 2020 年に 80 万トンとしています。なお欧州の PVC 消費量は 2011 年 657
万トン(日本塩ビ工業・環境協会の資料)といわれています。
(Plastics News.com/China, 6 月 20 日)
Evonik 社、PA12 樹脂生産能力を増強
エンプラの Evonik 社は、ドイツ、Marl 工場の PA12 樹脂生産能力を 5,000 トン/年増強しまし
た。同工場は 2012 年 3 月に爆発と火災の事故を起こし、約半年後に生産を再開しました。現在
は事故前の出荷量を取り戻しています。
(Plastics News.com/China, 6 月 30 日)
Ineos グループ、BASF 社が保有する Styrolution 社の株をすべて買取
Ineos グループ(スイス)は、BASF 社(独)とのスチレン系合弁事業 Styrolution 社の BASF
社が保有する 50%の株を買い取ると発表しました。買収価格は 11 億ユーロの予定です。
Styrolution 社の 2013 年売上高は 58 億ユーロで、従業員数は約 3,200 人、10 カ国の 17 のサイ
トで操業しています。
(Plastics News.com/China, 6 月 30 日)
(IHS Chemical Week, 7 月 7 日, p.7)
Borealis 社と Borouge 社、ルノー・日産の「連合仕様」に適応する PP 樹脂を共同開発
PP 樹脂などの Borealis 社(オーストリア)と Borouge 社(Borealis 社とアブダビ国営石油会
社の合弁事業)は、共同でルノー・日産の「連合仕様」に適応する PP 樹脂の開発を進めていま
す。すでに日産 Qashqai 車(日本名:エクストレイル)のドアパネルと内装トリムに PP 樹脂が
供給されており、これらの材料は、高流動性で生産効率が高く、優れたスクラッチ耐性や表面外
観を有するとされています。
(International Plastics News for Asia 6 月号, p.14)
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