平成27年度キャリア教育(ようこそ先輩) 教育講演会の開催 『意志あるところに道は開ける』 ~自分の心の奥から湧き出す力を信じて~ ○主催 泉崎中学校 ○共催 教育委員会 ○講師 白河消防署消防副士長 中野目雄基 <講師紹介> 中野目雄基 平成13年度 泉崎中学校卒 平成16年度 福島県立田村高校(体育科) 平成17年度 日本郵政公社 氏 (29歳) 氏(消防士) 自転車部 採用 特設駅伝部 首席卒業 入公 福島大学人文社会学群Ⅱ現代教養コース 平成23年 日本郵政グループ 平成23年 白河地方広域市町村圏整備組合消防吏員 平成27年 白河消防署 入学 退社 消防副士長 採用 現職 <講演内容> 講師として紹介されました白河消防署 中野目雄基と申します。まず、自分がこうした教育講演会を するのは初めてで、何をどのように伝えて良いか分かりません。本来、講演であれば、ここにいらっし ゃる先生方やみんなのお父さんやお母さんの方が自分よりも社会の経験があり、内容のあるお話しが出 来ると思います。 キャリア教育の『ようこそ先輩』というということで、毎年、泉崎中を卒業した社会人、特に皆さん と年齢が近い親近感ということで選ばれました。上手に出来るか分かりませんが、思っていること感じ ていることやってきたことを素直に話したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 夢・・・・夢がありますか?(プロ野球選手・大きな家に住みたい・宝くじ)夢とは将来、何となく こうしたい、ああなりたい心に描いている段階もの。 目標・・・目標はありますか?(ライバルに勝ちたい・テストで一番になりたい)目標とは“近い将 来に必ず叶えたいもの” 自分はこの2つをいつも持って生きていることにしている。 みんなと同じ中学時代は、特設駅伝部に所属していて全国中学駅伝へ出場を目標にとにかく、がむし ゃらに頑張っていた。そうした中、中学2年生のとき(体育の授業:サッカー)で大腿骨を骨折して、 救急車で運ばれて緊急手術、大腿骨をボルトで固定する大きな怪我だった。痛みもひどかったけど全国 中学駅伝という目標も消えて病院のベッドで何もやる気が起きなかった。失意というか挫折だった。 でも、そうした時、毎日のように仲間が病院にお見舞いに来てくれた。挫折はしたけど、もう一度頑 張ろうという気持ちになった。この時の仲間はかけがえのない一生の仲間、今でも付き合いが続いてい る。励ましてくれた仲間のおかげで3年生の時は地区で優勝し区間賞もとれた。でも、残念ながら県大 会では負けてしまい全国中学には行けなかった。これも挫折ですね。 高校受験、3年生はすでに目の前に迫っていると思います。自分は田村高校の体育科を希望した。当 時の田村高校は県内のあちこちから強い選手が集まってきていて、1期選抜でほとんどの定員が決まっ てしまう。自分も1期を受験したが落ちてしまった。 2期の定員は4名だった。その時、先生方や親からはやめた方が良いと説得されたが、自分の意志で 2期選抜を受験した。田村高校に行くというのは、中学1年生から決めていた。意志はあったが、心配 や不安もあった。でも、やって いけるという自信はあった。自 分で決めたことだから、逃げな いという意志が自信になった のかも知れないが、自信につい ては自分で考えるしかない。 高校時代は、体育科な訳なの で、身体を動かすこと鍛えるこ と、本当に運動漬けの毎日でし た。自分は陸上部に所属してい たので陸上=走る・陸上=走 る・陸上=走る・陸上=走る・ 陸上=走る・・・・・・挫折。 周りには自分よりも速い人がたくさんいた。本当に挫折だった。自信を持って入学したのに、その自 信が崩れてしまった。 そうした状況でも高校生なので、進学 or 就職を選択することになる。これも先生や親御さんにいろい ろ言われましたが、自分はその両方という道を選択した。大変かも知れないけど、どちらも諦めたくは なかった。必死になって勉強した。結果的に当時の日本郵政に合格し、同時に福島大学人文社会学群Ⅱ 現代教養コースに合格した。 (田村高校首席で卒業)勉強の仕方はそれぞれありますが、休み時間も勉強 するのはお勧めしない。人と関わりコミュニケーションをする方が大切、逆に人から得る情報の方が重 要です。 両方の選択と言うことは、日中は仕事を行って夜から大学で勉強する。授業料などお金も自分で払う ことで対辺だけど、仕事が忙しくて結局、福島大学は自主退学した。しかし、必死になってやったこと は今でも自分の力になっている。 その後、仕事は続けていたが、自分の意志から現在の消防という職業を選んだ。日本郵政を退職し、 白河地方広域市町村圏整備組合消防吏員の採用試験に合格し、現在に至る。 みなさんに伝えたいこと。 親御さんや先生方は次のことを必ず言う。 『いい学校』 、『いい会社』 ・偏差値が高い学校 ・給与がいい会社 でも、そうではない。大切なのは『自分がやりがいを持てるところ』 。 自分の人生において端から見ためは関係ない。 自分の一生、自分の人生を決めるのは、親でも先生でもない。 自分の生きていく道なのだから、自分で決めて欲しい。 (※他人が決めた生き方だと、失敗したとき立ち直れない。) 自分の意志=意見を突き通して、突き通して突き通して、その意見をしっかりと周りに伝えること。 ○親がこの高校に行きなさいと言われたから行く子・・・・親にとって良い子。 ○先生にこう言われたからやる子・・・・先生にとって良い子。 でも、自分の思いや意志・意見を言える子になってほしい。言うことは反抗でも罪でもない。意見を 言う伝える、それで怒られることもあるかも知れないが、そこではじめて得られる答えがある。 今の時期が一番大切。今のうちに自分の意志を持って、 『自分の意見を言う』 『自分で決める』 『自分で 行動する』。これをやったかやらないかで中学から大きな差が付く。 なぜならば、みんなはやがて社会人になる。社会人になると自分の意志や意見、そして行動も全部が 全部自分でやらなくてはいけない。やらなくてはいけない。 社会人と学生の違いは、自分の行ったことに全部責任がある。責任感の重さが違う。 その責任を背負えるように大人になってもらいたい。 『ようこそ先輩』として母校にみんなに伝えたいことは2つ。自分は父親なので息子にも次にことを言 おうと思っている。(まだ小さいので言いません。) ○自分の意志、思いをしっかり持つこと。 ○夢や希望を常に持ち続け諦めないこと。 次にもう一つ、自分が消防学校時代に教官に 教えてもらった教えがある。 人としての『かきくけこ』(感謝・気配り・工 夫・献身・行動) 例えば、お父さんお母さんに感謝しています か?思春期なのでしゃべりたくないというの もあるかも知れない。でも、大切に育ててきた 我が子にあいさつもされないなんて悲しすぎ る。話ができなければあいさつをしてほしい。 次に周りを見て気付けること。毎日、同じで はない、少しでも良いから工夫をして変えてい くこと。献身、自分の得ではない他の人が良くなるように尽くす心。 最後に行動、行動が一番欠けている人が多い。いわゆる『おとなしい』=黙っていれば何も無いとい う人。※行動があってはじめて変化が起きる。思っていても、分かっていても動かなければ何も変化は 起きない。言うこと。動くこと。『行動こそがすべて』です。 就職や進学で悩んでいる母校のみんなへ イメージで自分の人生を決めては行けない。ましてやインターネットなど表面の情報しか載っていな いことや他人の噂話などで決めないこと。 例えば、消防というと、 (きつい、危険、厳しい、暇、休みが多い、くさい・・・・)など、男性が多 いので男臭いは当たっています。最近は女性の職員もいますけどね。自分は、消防という職業にやりが いと楽しみを持って働いている。みんなは知らないと思いますが、消防士は24時間完全勤務です。一 端、出勤すると何があっても職場を離れることが許されません。また、災害が発生すれば、食事の時も 仮眠中もトイレの時も3分以内には出動します。現場はいろいろな状況があります。事故があれば腕や 足がとれていることもある。人が死んでいる場合もある。 消防はそこに、困っている人、助けを求めている人・・・これに応える仕事。 自分たちは24時間勤務の明けは非番というものあります。この時は何をしているかというと、ほと んどの消防署員は30Km・40Kmぐらい自分が受け持っている管内の道路や民家を回っている。ど こに消火栓があってとか、近道の確認とか、大きな消防車が通れるスペースがあるかとかを確認して回 っている。みんなの家の近くて体格が良くてウロウロしている人がいたら消防署員かもしれない。 みなさんも先日、県南地方の防災訓練に参加してもらいましたが、いざ災害が発生すれば消防署員だ けでは対応できない。本当にみんなの力が必要になります。そうやって地域が守られていることを覚え ておいて欲しい。 学校とか職業とかイメージだけで、自分の人生という道を決めてはいけない。 物事というのは、自分でやってみないと見てみないと分からない。自分の意志で動くことも自分の意 見を伝えることも『すべてが大切な行動』。人から指示された人生を歩むのではなく、自分で決めた人生 を歩んで欲しい。端からみてどうこうではない。自分がどうしたいかを大切にすること。 人生はやってみて失敗もする時もある。人は失敗を繰り返して成功する術を見つけていく。それがあ って成功できるようになる。しかし、その失敗は他人が決めたことだと何も得ることができない。 自分の意志で決めて行動した時、必ず道が開かれる。泉崎中のみなさん自分を信じて頑張ってくださ い。
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