特集② みんなで力を合わせて、「いい会社」をつくりましょう! - 社員の成⻑重視:人を育てる風土づくり - デライトコンサルティング株式会社 代表取締役 近藤 圭伸 氏 前回は「認め合う風土づくり」について紹介しました。今回は「人を育てる風土づくり」です。両方と もに「風土づくり」とあります。実はよい風土をつくるには⻑い年⽉が必要です。20年や30年かかるか もしれません。また、会社がそれを強力に推進してもよい風土ができるとはかぎりません。なぜなら、風 土は社員の自律的な行動がベースにあるからです。 「いい会社」にはまぎれもなく「人を育てる風土」があるものです。それは⻑い年⽉を経て育まれてき たもので、その会社独自のものです。よい風土(社風)のある会社は強くてしなやかです。そのような会 社からは「よい製品」「よいサービス」が生まれます。 ●「人を育てる風土づくり」の意義 社員の成⻑重視における「人を育てる風土づくり」とは、会社が「社員同士が教え合い成⻑する風土( 環境)づくりを支援している」ということです。 「人を育てる風土」は会社や上司が力んでもなかなかできるものではありません。社員の自主的かつ自 発的な取り組みを支援したり、その環境づくりをすることが大切です。 人は他人に教えて(与えて)喜んでもらうことで、生きがいや働きがいを感じます。「人を育てる風土」 ができあがると、経験豊かな大先輩から新入社員までが一体となって切磋琢磨するようになり、どんどん 新しい価値を生み出すようになります。 また、仕事のコツやノウハウの共有化ができ、一人の社員にしか分からないという状況がなくなり、組 織力が向上していきます。 ●「人を育てる風土づくり」の具体的実践例 「いい会社」が「人を育てる風土づくり」についてどのように取り組んでいるのか、その具体的実践例 を紹介します。 【具体的実践例】 ■社員からの申し出があれば積極的に研修参加の機会を与えている ■先輩と後輩、上司と部下とのOJTを積極的に推進している ■社員の自発的なサークル活動や委員会活動などを積極的に支援している ■他部署や外部(異業種他社)との交流を積極的に行っている ■各種会議では、若い社員や一般社員の意見を引き出すように進められている 「人を育てる風土づくり」は、会社が直接的に何かするよりも、継続して社員の自主性を引き出したり、 人が育つ環境づくりをすることがとても重要です。時間はかかると思いますが、時間をかけてできあがっ た風土はそう簡単に壊れませんし、会社にとっても社員にとっても幸せをもたらします。 次回は、「当たり前のことの継続:あいさつ」について紹介します。 デライトコンサルティング株式会社 代表取締役 近藤 圭伸 1989年 株式会社デンソーに入社。その後、監査法人トーマツのコンサルティング部門で、人事・賃金 コンサルタントとして、さまざまな業種・規模にわたる企業のコンサルティングを経験。 平成11年に独立し、デライトコンサルティング㈱を設立。現在、管理職・職場リーダーの人事労務 管理力開発及び「いい会社」づくりに力を注ぐ。中小企業診断士、社会保険労務士。 著書:『わかりやすい会社規程作成の手引き』(新日本法規出版) 『上司の「人事労務管理力」』(中央経済社) 『管理職・職場リーダーのための人事・労務Q&A』(中央経済社) 人事賃金制度の構築・運用支援、人事労務相談の顧問業務を数多く実施しています。また、管理職・ 職場リーダーの人事労務管理力研修など、上司と部下の信頼関係づくりや組織力向上のための研修を 行っています。 www.delight-c.com
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