乗務員用お客様対応マニュアル 株式会社我妻運輸 1. はじめに お客様への製品納入の最前線にいるのが、ドライバーの皆さんです。 皆さんの何気ない動作や言動が、お客様の我妻運輸への評価を決定します。 皆さんは我妻運輸の営業の第一線として重要な業務を担当しています。 皆さんがお客様から好印象を持たれれば、我妻運輸の業績アップに貢献することとなり、ひいては 皆さんの仕事も安定することになります。 逆に、皆さんがお客様に悪印象を与えてしまったら、我妻運輸の業績のダウンを招きかねません。 そうすれば、皆さんの仕事にも悪い影響を与えます。 このマニュアルは、品質を維持し、お客様に製品を納入するとともに、運転手の皆様がお客様に対 して悪い印象を与えることをできるだけ防止しようという趣旨で作成しました。 書かれていることは、いずれも、当たり前のことで、あらためてここで申し述べることではないことか もしれません。 しかし、ここに書かれていることが守れなかったために、お客様からお叱りを受け、7ヶ月間の謹慎処分 になったことも事実なのです。 改めて、このマニュアルを読んでみて、常日頃の自分の行動、態度について反省し、良い点はさらに 伸ばし、悪い点は改めてください。 そして、「自分は我妻運輸の営業の第一線なんだ」という自覚を持って、日々業務を遂行し、お客様 に接するよう心がけて下さい。 そうすれば、お客様の皆さんに対する評価だけでなく、我妻運輸に対する評価も高まることとなり、 必ずいい結果がもたらされる事でしょう。 2. 積み込み~お客様に向かって出発するまで (1)車両の点検、整理整頓 きれいな車両、整備の行き届いた車両は、お客様にも好印象を与えるはずです。 ①運行前点検は確実に実施しましょう。 ②自動車検査証等の備え付けを確認し、最大積載量及び付加条件を守りましょう。 ③積荷保定用りん木、当て物、ワイヤ、シート等諸道具がきっちりと揃い、汚れ、破損等ないか確認 しましょう。また、諸道具は所定の場所へ整理整頓し、走行中落下しないよう心がけましょう。 ④車両荷台を常に清掃し、油等で製品を汚損することのないよう確認しましょう。 また、荷台上に異物、突起物がないか確認しましょう。 (2)身支度、服装 服装は、その人の心を映し出す鏡です。きちんとした服装をしたドラーバーを見れば、お客様も「この 人なら大丈夫」と思うはずです。 ①免許証の携帯を確認しましょう。 ②服装は定められた制服を正しく装着しましょう。(会社安全服装基準図参照) ③作業中は、常に安全靴、ヘルメット等定められた安全保護具を装着しましょう。 (3)積付け上の注意 お客様に満足のいく品物をお届けするためには、運搬途上での製品損傷を防止しなければなりませ ん。積付け基準を遵守することはもちろん、きめこまやかな配慮が必要です。ここでは、一般的な心 得について述べました。品種毎の積み付け方法等は各自基準を確認してください。 ①積み込み指示書をもらったら、行き先、積荷の寸法、個数、積み付け方法、積み付け場所等を確 認しましょう。 ②積荷の特性、梱包仕様等、取り扱い上の留意点を確認しましょう。 その上で積荷に合わせた荷台上の積み込み準備をしましょう。 ③積荷の安全を考えて積荷位置を決めましょう。 ④りん木は、必ず乾燥したものを使用しましょう。 ⑤転がりやすい物にはタイヤ止めを使用しましょう。 ⑥積荷と荷台が直接接触しないよう積み付けしましょう。 ⑦ワイヤーロープは常に点検し異常の無いものを使用しましょう。 ⑧積荷の荷姿・重量を確認して「我妻運輸積み付け基本マニュアル」により固縛方法を決めましょう。 ⑨積荷にワイヤー、荷締め機等が当たるところは必ず当て物をしましょう。 ⑩製品の品種よっては積荷上への土足での直乗りは厳禁です。 ただし、やむ得ず乗る場合は紙、及びシート靴カバーを装着し、その他の場合でも靴底をよく拭く などして、足跡をつけないように作業しましょう。 ⑪シートは上掛けと下掛け用にボディー又は積荷をすっぽり覆うことのできるように常に2枚以上 (製品荷姿により枚数は異なる)用意し、所定のシート掛けを品種基準・お客様基準に合わせて実施 しましょう。 (シート掛けは雨濡れ防止の他に、埃対策・荷札落下対策でもあり、かつ天候急変に備え、シート 掛け基準のある製品は天候に関係なく実施しましょう) また、シートを荷台に留めるゴムは、上掛け、下掛け、について基準に合わせて実施しましょう。 ⑫シート、緩衝材類は常に乾燥した状態で保管、使用しましょう。 また、雨天時は荷台、りん木等についても雨濡れがないか確認しましょう。 ⑬保定、固縛の手抜きは絶対に行わない。 (4)出発にあたって ①積荷と送り状の明細をチェックし、誤りや異常の有無を確認しましょう。 また、製品に損傷、サビ、濡れ、ラベル脱落、員数の不適合が無いか確認しましょう。 不適合品を発見した場合は担当者の方に連絡し指示を受けましょう。 ②納入先が初めての時は、電話番号、住所、道順を十分確認して、間違ったり迷ったりしないようしま しょう ③2ヶ所卸しや持ち込み時間指定がある場合も、十分確認してお客様に迷惑をかけないようにしま しょう。 ④納入先の受け入れ窓口、また倉庫の間口、設備や、早朝時の待機場所など確認しておきましょう。 3. お客様への輸送途上 常に法令を遵守し、安全運行に努めることが大前提ですが、下記項目にも注意して運行しましょう。 また、不幸にして事故や不具合が発生した場合にもあわてることなくルールに則って処置を行いま しょう。 ①鋼材、機械類は輸送の難しい製品です。運転中、急ブレーキ、急ハンドルを切らないこと。 また、カーブでは十分速度を落とし、積荷に衝撃を与えないようにしましょう。 急な車線変更も避けるようにしましょう。 ②故障等で停止する場合、後方から進行してくる車が追突しないよう停止表示板を見やすい位置に 出すこと。 ③運行途中、積荷の状態を点検し、異常の有無を調べましょう。 中長距離運行時(行程2時間超)は、積み地を出たところで、積荷移動、荷締め点検、シート掛け 等の確認を実施しましょう。その後は定期的に(約2~3時間毎)安全な場所に停車して確認しま しょう。 ④点検の結果、不適合品を発見した時は「規定の連絡ルール」に基づいて処置を行いましょう。 ⑤交通事故、渋滞、故障等で指定納入時間に対して遅れそうなときも、「我妻運輸規定の連 絡ルート」に基づいて処置を行いましょう。 4. お客様に到着したら 肝心なのは第一印象です。その為にも、お客様には丁寧に接しましょう。 ①お客様では、皆さんは会社・荷主の代表者です。誠意と礼節をもって相手に接するようにしましょう。 特に、挨拶、御礼等は、大きな声ではっきりと相手方に伝えましょう。またお辞儀などの動作も明確 に相手からそれとわかるようにメリハリをつけて行いましょう。 例) おはようございます。我妻運輸の○○です。ご注文の△△の製品をお届けに参りました。 卸場所はどちらでしょうか? ②お客様に早朝時は、定められた場所で待機しましょう。また、定められた場所がない場合は、交通 の妨げにならず、また、近隣の住民に迷惑とならない場所で待機するようにしましょう。 ③待機している時には、飲食・喫煙・携帯電話等は車内で行うこと。また、ゴミや吸殻をお客様に敷地 内、または、周辺道路にポイ捨てすることは厳禁です。 ④お客様の構内の器物等を破損した場合には、直ぐにお客様に報告し、その指示を仰ぐとともに、そ の内容を「会社規定の連絡ルート」に基づいて連絡しましょう。 5. お客様での荷卸し お客様での荷卸し作業においても、積み込み地同様、安全保護具の装着はもちろんのこと安全最優 先、品質最優先で作業を行いましょう。また、お客様のご都合で必ずしも安全でない場所、品質に必ず しもよくない環境での作業が発生するかもしれませんが、その場合でも与えられた条件のなかで、安 全、品質に最大限の配慮をお願いします。そのような姿勢が、お客様の信頼を獲得することにつなが ります。 (1)荷降ろし作業 ①荷卸し作業を実施する場合は、積み込み地と設備、器具が異なるので事故防止、製品損傷防止に 十分注意しましょう。 ②荷卸し作業は、お客様側の指揮者の指示に従って行いましょう。また、作業を進める上で疑問が 生じた場合には、必ず、指示者の判断を仰ぎましょう。 ③積荷の固縛を外す時には、荷崩れに注意しながら行いましょう。 (2)荷降ろしの際の注意事項 ①荷卸し中、荷卸し後にかかわらず、製品不適合を発見した場合には、お客様に必ずお伝えし、その判断 を仰ぎましょう。 例) 申し訳ございません、この製品に不具合が生じているようです。一度見ていただいて処置につ きご指示をいただけませんか? ②また、お客様より不適合の指摘を受けた場合には、謙虚にその内容を承り、併せてお客様の判断を仰ぎ ましょう。 ③ラベルの落下については、あくまでお客様の了解と立会の下、現品照合が確実に出来るものについては 再度付けるようにしましょう。現品照合ができないものについては、お客様の判断を仰ぎましょう。 自己の判断だけで、また、多分これくらいだろう不確実な思い込みで、付け直すことは厳禁です。 積込み時と変化がないか特に注意しましょう。 ④不適合品についてお客様の指示を受けたら、その内容を「会社規定のルール」に基づき連絡しましょう。 ⑤荷卸しが終了したら、お届けした製品に異常が無いかお客様に必ず確認しましょう。その上で、必ず受領印 を頂きましょう。 例) お届けした製品に不具合はございませんか? ⑥お客さまの事務所、倉庫から退出するときも挨拶、御礼を忘れずに行いましょう。 例) ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。失礼します。 6. 濡れ防止、シート掛け要領 鋼材製品は、水分にあうとすぐに錆びるデリケートな荷物です。濡れ事故を起こさないよう細心の注意が必 要です。ここでは、濡れ防止要領、および、シート掛け要領について注意事項を記します。 (1)濡れ防止要領 ①シートは必ず掛ける(シート掛け免除対象品は除く)ようにし、常時内掛シート、外掛けシートの2重掛けを 基本とします。 また、シートは必ず積荷全体を覆うようにしましょう。 ②梅雨、台風時に輸送する時は、特に厳重にシート掛けをしましょう。 ③シートは極力1枚物を基本とします。やむを得ず継合わせにより2枚使用するときは、前方側を上、後方側 を下にして、合わせ目は十分に取るようにしましょう。 ④シート上に雨水がたまると水分がシートを通り、濡れの原因になるのでシート上に水がたまらないようにし ましょう。また、シートの末端は小ロープ、またはゴムでしばりましょう。 ⑤走行中、風を巻き込むことがあるので定期点検時(約2時間毎)に必ずシート状況を確認しましょう。 ⑥穴の空いたシート、濡れたシートの使用は厳禁。 ⑦荷台に使用していないスタンションポケットがあるときには足元から水分の巻き上げを起こすのでフタをし て逆流防止をしましょう。 ⑧シートを外す時には雨水で積荷を濡らしたり、お客様の置き場内の製品等を濡らさない要十分注意しま しょう。 ⑨空車時でも降雨が予想される時には、シートを掛けるなど適当な方法を用いて荷台や保定材を濡らさない 用にしましょう。 ⑩2ヶ所降ろしの場合にも、一ヶ所目で卸し終わったら、再度シート掛けを行い、2ヶ所目のお客様に向かい ましょう。 (2)シート掛け ①シートは乾いたものを使用しましょう。 ②やむを得ず濡れたシートを使用するときには、乾いたシートを内掛けにしましょう。 ③シートかけは完全に積荷が外部より見えないようにし、特に鳥居、煽りのワイヤーロープ穴、スタンショ ン穴からの浸水を防止しましょう。 ④シートはテント張りにして水はけをよくするようにしましょう。 ⑤荒天時はシートの上からもゴムひも、ロープを掛け、風でシートがめくれないようにしましょう。 ⑥お客様に到着後、シート上に水たまりが生じている時には、必ずほうき等で水を取り除いた後にシートをは ずようにしましょう。 ⑦積荷、ワイヤーロープ等でシートを損傷する恐れがあるときには接触部に毛布、ゴム等で緩衝材をあてま しょう。 7. 運行終了後 運行中に見聞きしたことや、お客様とのちょっとした会話の中に、意外に大切な情報があることがあります。 運行終了後、下記のような事項は必ず報告して今後に活かす用にしましょう。 ①往復道路状況について、異常の有無、工事箇所、渋滞箇所、所要時間等。 ②積荷の状況が運行中どうであったか、固縛方法は適切であったか。改善すべきところはないか。 ③特に初めてのお客様の場合に、 荷下ろし場所の間口はどうか、卸具は何で能力はどうか、荷卸しの混雑状況はどうか、どれくらい待つ のか、お客様の品質に関する感度はどの程度か。その他今後注意すべき点。 ④従来からのお客様でも今まで、聞いていたり知っていた点と違う点はないか。 例) 担当者変更や、設備の新設、待機場所の変更 ⑤お客様のコメント 特にクレームはないが、「もうちょっと早く着けないのか」「今度こんなことがあったら、クレームにするぞ」 「次からこうしてくれるとありがたいなあ」等今後対応が必要と思われるコメント。 また、「他社はこうしてくれるから助かっている。貴社もこうできないか」「他社はここがいい」逆に「貴社は こういうところがいい」といった、他社との比較コメント。 以 上
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