5月24日に改正確定拠出年金法が成立し、2017年1月より公務員や専業

2016年6月27日 Vol.7
<改正確定拠出年金法が成立! NISAと合わせ非課税で投資が行える環境整備が進む>
●5月24日に改正確定拠出年金法が成立し、2017年1月より公務員や専業主婦が加入対象に。
●指定運用方法(デフォルト商品)規制の見直しなど、投信市場の拡大につながる改正ポイントも。
●DC制度改正に加えてNISA・ジュニアNISAもあり、非課税口座で投資が行える環境整備が進む。
5月24日に確定拠出年金の加入対象者拡大などを柱と
改正確定拠出年金法のポイントを説明する前に、現行の
する「確定拠出年金法等の一部を改正する法律(改正確
確定拠出年金制度を確認しておきましょう。DCには、企業
定拠出年金法)」が衆議院で可決・成立しました。確定拠
型と個人型があり、企業型は勤務先に確定拠出年金制度
出年金とは、拠出額が決まっている(確定している)という意
がないと加入できず、個人型は、企業型の確定拠出年金や
味で、対比されるものとして給付額が決まっている確定給付
確定給付年金の対象になっていない場合、あるいは自営業
年 金 が あ り ま す 。 英 語 で は 、 確 定 拠 出 は 「Defined
者などが加入できるものとなっています。勤務先に企業型DC
Contribution」、確定給付は「Defined Benefit」となり、
があり、それ以外の企業年金等がない場合は年間66万円、
確定拠出年金は「DC年金」、確定給付年金は「DB年金」
企業型DC以外の企業年金等がある場合は年間33万円の
とも言われます。DB年金は、企業が給付額を支払うための
拠出が認められています。個人型DCにおいては、自営業者
負担を行う一方で、DC年金では加入者個人が運用の成果
等は年間81万6,000円、サラリーマン等で公的年金の2階
に対する責任を負うのが大きな特徴です。
建て部分となる厚生年金がある場合は年間27万6,000円
の拠出が認められるというものです。
確定拠出年金の拠出限度額(年間)
企業型DC年金
個人型DC年金
企業年金なし
66 万円
企業年金あり
33 万円
厚生年金なし
81.6万円
厚生年金あり
27.6万円
※2016年1月1日時点
この拠出限度額も2001年のDC制度スタートから徐々に
認められてこなかった公務員や専業主婦等にも広がり、実質
拡大してきていますが、今回の改正確定拠出年金法の最大
的にすべての現役世代に広がると解説しています。また記事
のポイントは、冒頭でも指摘した通り、加入対象者の拡大だ
では、確定拠出年金とNISAを比較し、「NISAよりも税制
と思われます。5月25日付の日本経済新聞朝刊にも、「確
上のメリットは大きい」と指摘するとともに、野村総合研究所
定拠出年金 誰でも活用 改正法が成立 主婦ら対象に 節
による「主婦と公務員だけで最大400万人が個人型に入る
税メリット大きく」との見出しで、確定拠出年金の加入対象
とみる」との試算も紹介しています。
者について、2017年1月からこれまで個人型DCへの加入が
当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が作
成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。当資料記載の情報及び見通しは、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更する
ことがあります。当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として記載したものであり、その銘柄・企業の株式等の売買を推奨するものではありません。
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なお、2015年3月末時点の確定拠出年金の加入者数を
の成立により、個人型DCを提供する金融機関側のサービス
みると、企業型DCが507万人に対して、個人型DCは21万
も向上することが見込まれ、加入者や市場規模が拡大する
人にとどまっています。企業側が準備した年金制度でないと
ことが期待されます。なお、個人型DCについては、現状では
加入が進みにくいという要因もあったと考えられますが、せっか
どの販売会社でもサービスを提供しているわけではありません
く用意されている非課税制度なので、利用できる投資家は
が、今後の市場拡大を考えると、新たに参入する販売会社
有効に活用したいところです。今回の改正確定拠出年金法
が出てくることも予想されます。
確定拠出年金(企業型)の口座数と資産額
100000
90000
80000
600
資産額(左軸、億円)
加入者数(右軸、万人)
500
70000
60000
400
50000
40000
300
30000
20000
200
10000
0
100
2011年3月
2012年3月
2013年3月
2014年3月
2015年3月
(出所:運営管理機関連絡協議会、一般社団法人信託協会、社団法人生命保険協会)
なお、加入対象者の拡大については、2017年1月からの
続いて、指定運用方法の規定に関する見直しで、加入者
施行となっていますが、それ以外の主な改正時期はもう少し
が商品を選択しない場合に指定運用方法(デフォルト商品)
遅れるようです。主な改正ポイントのうち、2018年1月からの
を自動購入する手続きの整備があげられます。足元でDCの
施行となっているのが、掛金拠出の「月単位」から「年単位」
運用残高全体の6割程度が元本確保型の預金や保険商
への変更です。例えば、企業型DCでそれ以外の企業年金
品に集中し、投資信託等での運用が十分に進んでいないと
等がない場合は年間66万円の拠出が認められていますが、
いう問題意識があるため、デフォルト商品としてはバランス型の
現状では月5.5万円が上限となっており、月間の拠出額が
投信などが想定されています。その他、従業員数100人以
5.5万円に満たない場合は、その余った枠は別の月に使うこ
下の企業を対象とした簡易型DC制度の創設なども改正ポ
とはできませんでした。今回の改正で「年単位」になったことで
イントに含まれていますが、このあたりは、政令等で詳細が詰
例えば、6月・12月といったボーナス月に拠出額を増加させる
められた後、2018年5月までに施行される予定となっていま
というようなことが可能になり、資金拠出の柔軟性が高まるこ
す。
ととなります。
当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が作
成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。当資料記載の情報及び見通しは、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更する
ことがあります。当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として記載したものであり、その銘柄・企業の株式等の売買を推奨するものではありません。
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最後に、改めて確定拠出年金口座を活用するメリットとデ
座には向かない資金と考えられるので、その場合は引き出し
メリットを確認しておきましょう。メリットとしては、DC口座にお
制限のない成人向けのNISA口座を活用するのが現実的と
ける資産形成においては、投資信託への投資に限らず、預
なるでしょう。また、NISA口座の場合は、販売会社が取り
金や保険商品の運用益も全て非課税となるという点が挙げ
扱っているファンドは、NISA口座でも課税口座(特定口座や
られます。NISAと比較すると、対象となる金融商品の幅が
一般口座)でも買えるのが一般的なので、少し変わった投資
広いことに加えて、最大5年間に限定された投資維持期間と
対象のものに投資してみたいという場合では、NISA口座の
いう制限もないことがポイントといえます。つまり、いったん口座
方がファンドの選択肢は多いと思われます。そういった意味で
に入った資金は、ファンドを購入・売却して、別のファンドに投
は、老後のための資産形成の中心(コア)に据えるものとして、
資しなおすことも非課税口座の中で行うことが可能です。また
DC口座を活用していくのが望ましいと言えそうです。
掛け金が所得控除されるほか、所得税や住民税が軽減され
るなど、投資以外の税制上の優遇措置も大きいと言えるで
しょう。
いずれにせよ、今回の改正確定拠出年金法の成立で、こ
れから資産形成を行う現役世代にとっては、DCやNISA・
ジュニアNISAといった非課税口座を活用することで、資産形
一方、DC口座の注意点としては、資産は原則60歳まで
成のかなりの部分を非課税で行える環境が整ってきたと考え
引き出せないということ、そしてNISA口座と比較すると、DC
られます。投資戦略を検討する上でも、これらの非課税口座
口座で購入できるファンドの種類が限定されているということが
をどのように活用するかということが、投資成果に結びつく要素
挙げられます。60歳までに使う可能性のある資金は、DC口
として一層重要になっていきそうです。
当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が作
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ドイチェ・リポートHighlightsとは?
ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所は、主に投資信託の販売に携わる銀行や証券会社向けのサービスとして、
資産運用業界動向を分析した「ドイチェ・リポート」を発行しています。「ドイチェ・リポートHighlights」では、「ドイチェ・リポー
ト」の中から、特に個人投資家の皆さまの資産形成に役立つと思われる情報やデータをハイライトしてご紹介します。
ご留意事項
●投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、当
該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資一単位当たりの価値が変動します。したがってお客様
のご投資された金額を下回ることもあります。
また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることか
ら、リスクの内容や性質が異なりますので、ご購入に際しては、事前に最新の投資信託説明書(交付目論見書)や契約
締結前交付書面の内容をご確認の上、ご自身で判断して下さい。
●投資信託に係る費用について
【お申込みいただくお客様には以下の費用をご負担いただきます。】
 購入時に直接ご負担いただく費用・・・購入時手数料 上限3.78%(税抜3.50%)
 換金時に直接ご負担いただく費用・・・信託財産留保額 上限1.0%
 投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用・・・運用管理費用(信託報酬) 上限2.0404%程度
(税込)
 その他費用・・・上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。
投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認下さい。
≪ご注意≫
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきまして
は、ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の
料率を記載しております。投資信託の運用による損益は、すべて受益者に帰属します。投資信託は、金融機関の預貯金
と異なり、元本及び利息の保証はありません。投資信託は、預金または保険契約ではないため、預金保険及び保険契約
者保護機構の保護の対象にはなりません。登録金融機関を通じてご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対
象とはなりません。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご購入に際しては、事前に
最新の投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面の内容をご確認の上、ご自身で判断して下さい。
なお、当社では投資信託の直接の販売は行っておりませんので、実際のお申込みにあたっては、各投資信託取扱いの販
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