科目 情報処理の基礎Ⅱ 担当 寺田哲志 横山輝明 情報公開システム論 GIS概論 授業内容・要旨 情報化社会の中で働く社会人として備えておきたい基礎知識を学ぶ。 企業における情報処理戦略と、情報管理に関する知識を中心に理解を深めて行く。 インターネットを用いた情報公開システムの原理や技術について学 、情報公開の方法を体験する。 授業で は、インターネット通信や情報公開に関する技術についての講義とWWWなどを用いた情報公開の演習を実 施する。また、近年注目されているオープンデータと呼ばれる新たな情報公開の考え方について学 、アイデア 出しコンテストを実施する。 本講義では、GIS(地理情報システム:Geographic Information System)を初めて学ぶ受講生を対象とし て、GISの基礎から応用事例までを幅広く解説する。 松田善臣 また、GISソフトを用いた演習を通して、GISソフトの基本操作、データの表示方法、基本的なデータ解析方 統計学Ⅰ 寺田哲志 統計分析技法 松田善臣 社会調査法入門 藤原眞砂 哲学 大前 太 日本思想史 井上厚史 近現代史入門 石田 徹 イギリス近現代史 渡辺有二 芸術学 八田典子 法などを学習し、地域分析を行うツールとしてGISを活用できる知識と能力を身につけることを目的とする。 「統計と数学」の内容を含む記述統計を扱う。平均などの「まとまりの代表値」、標準偏差など「散らばりの代 表値」を学 、これらを踏まえて「相関係数」「回帰分析」へと発展させていく。コンピュータによる演習を通じて 理解を深める。 この講義では、統計学Ⅰ、Ⅱで学んだ統計学の基礎知識を踏まえ、多変量解析法の基本的な考え方を 理解し、実際のデータに対して分析を行うための知識と技術を修得することを目標とします。 統計学Ⅰ・Ⅱでは、2変量までのデータ解析法について学んできました。たとえば、「ある農作物の収穫量」と いう目的変数を「気温」という説明変数で表す式(単回帰式)を導出したりしたのは2変量データの解析です。 しかし、農作物の収穫量に影響を与えるのは気温だけでしょうか。気温だけが収穫量に影響を与えていると考 えるよりは、さまざまな要因(たとえば、降水量や土壌の養分量など)が影響を与えていると考える方が自然で はないでしょうか。 この例に限らず、我々の周りには複数の要因が複雑に絡み合って構成されている「もの」や「現象」が多く存 在しています。こうしたものを科学的に解明するための手法が「多変量解析法」です。 本講義では、多変量解析法の中でも特に「重回帰分析」を中心に講義を行います。また、重回帰分析以 外の手法についても、その考え方とどのような場合に用いるのかについて簡単に紹介します。 社会調査は実証的社会科学、さらに社会で市場調査をはじめとする実務をこなす上で不可欠の技法であ る。本講義では社会調査とはどのようなものか、その意義と類型に関する基本的な事項を解説する。 1.質的調査の意義をまず説明する。短期のヒアリング調査から始まって、長期の参与観察法に至る「事例研 究法」の手法の概観を行う。1つの事例を通して、世界を語る、要するに一般化する手法を説明する。 2.量的調査の手法として「アンケート調査法」を紹介する。調査設計、集計、分析の方法の概要を解説す る。最後に、 3.ウェブ上で容易に利用出来るようになった民間、官庁統計の活用法を概説する。主要統計を概観し、それ が情報の宝の山であることを理解してもらう。最後に以上のまとめを行い、それぞれの調査手法の長短を、活 用法を総括する。 かつて哲学は「万学の女王」と呼ばれていたが、科学の発展によってその座を奪われ、哲学固有の領域は次 第に狭まっている。そのなかで哲学に何らかの役割が期待されるとすれば、物事を根底から問い直すという一 貫した学的態度であろう。複雑な現代社会の諸問題に対処するためには、その問題について根底から考え 直してみることが必要である。受講生諸君が哲学という営みを通して様々な問題と格闘し、何らかの答えを導 き出せるようになることが本授業の目指すものである。 今年度は、敗戦直後の浜田市で創刊された伝説の地方紙『石見タイムズ』(週刊新聞)復刻版第1巻〜第 2巻をテキストとして、戦後民主主義の地方における発展のようすを考察することにする。島根県西部の中核 都市であり島根県立大学が位置する浜田市に、戦後すぐに創刊された『石見タイムズ』という新聞があったこ とが忘れられつつある。『石見タイムズ』は、戦後全国に誕生した地方紙の一つではない。社主の小島清友 と、戦艦大和に暗号士官として乗船した後フィリピンで捕虜となり、部下を率いて投降した清文親子が、<戦 後日本の復興は地方から始めなければならない>という信念のもとに創刊した伝説的な地方紙であり、清文 が精魂を傾けて書きつづった社説は、いまだに色あせることのない新鮮なメッセージを私たちに届けてくれ る。2014年に復刻版が出版されたこの機会に、ぜひ地元の歴史、そして戦後日本の歴史を学ぶために も、『石見タイムズ』の社説を読み直してみたいと思う。 「歴史」とは、決して「暗記するもの」ではない。著名な歴史学者であるE.H.カーは、「歴史とは歴史家と事実 との間の相互作用の不断の過程であり、過去と現在との尽きることを知らぬ対話」であると述べているが(『歴 史とは何か』岩波新書)、これはどういう意味なのだろうか。 本年度の講義では、「近代」という概念は何なのかという点に焦点を当てて考えていきたい。たとえば、本講 義の科目名にも「近代(史)」という言葉は入っているが、「近代史」というのはどういう意味なのだろうか。単純 に年表上の一定の期間を指すだけなのだろうか。「近代化」という表現があるが、これは「近代史」とはどういう 関係にあるのだろうか。 本講義はこれらの問いを実際の事例(史実)を基に検討していくので、高校で日本史・世界史を履修してい ない人も受講可能である。その一方で、日本史・世界史を履修していた人の場合、高校の教科書を単純に なぞるような内容にはならないことをあらかじめ理解しておいて欲しい。 イギリスの中世から現代までの政治・社会・思想・教育・文化の歴史について、西洋の社会・政治・文化史 の動向を念頭に入れながら、世界史的視野に立って考察する。特にイギリス革命期以降の政治社会の変容 とその背景、アイルランド等の統合、18世紀スコットランド社会と政治の変容、三角貿易とジェントルマン社 会、近代イギリスの食文化と変容、紅茶文化の成立と展開、建築文化・英国式庭園、アヘン戦争と幕末日 本、女性解放思想の形成とその展開、アイルランドの分離独立運動・民族対立の現状とその歴史的・民族 的・文化的背景、現代イギリスの統合と自立、スコットランド議会の創設と展開、分権と独立問題などを分 析する中から、イギリス近現代史の諸問題についての理解を深めていきたい。 「芸術の力」とは? この講義では、主に、ルネサンスから20世紀半ばまでの絵画作品と、近年の現代アート作品を具体的事例 として挙げながら、人を惹きつけ、社会に働きかける「芸術の力」について考えていく。 ポイントは以下の2点である。 ① 歴史的な流れを踏まえて、芸術に関する常識的な知識を確かなものとする。 ② 地域に根ざしたアートプロジェクト等の、現代における最先端のアートシーンにも目を向けて、社会の中で の芸術の役割について考察する。 キーワードは以下の6つである。 ルネサンス 印象派 ジャポニスム 「場」の力 ミュージアム アートプロジェクト 科目 担当 映像コミュニケーション論 瓜生忠久 比較文化論 渡部 望 日本文化論 小泉 凡 社会学 中川 敦 政治学 村井 洋 国際政治学入門 赤坂一念 行政学 光延忠彦 憲法Ⅰ 岡本 寛 刑法(刑事法) 三宅孝之 民法Ⅰ(総則) 李 憲 民法と家族 李 憲 マクロ経済学 林田吉恵 授業内容・要旨 近代という時代区分に入って、人類が産み出した文化価値の最たるものの一つに〔映画〕がある。その後〔映 画〕は、 エレクトロニクス技術の発達と相まって“テレビ・ビデオ”という「映像(媒体)」に、そして信号のデジタル化が加わっ て“コンピューター”を介した「情報(媒体)」へと枝分かれしていく。 【映像】とは、これらの〔主として動的画像と音声を併せ持った表現物〕を総称する概念としたいが、現在はそ れぞれの【映像】=動画像が相互に影響し合い、交流し合って『新しい映像の世界』を創出し、人類と文化 に寄与する時代が到来してきている。その際、必ずや要請されるのは『作品』『ソフト』『コンテンツ』等を『表現 する力』と、これらを創造する『想像力や技術力』の養成である。さらに適切な『鑑賞力と批評力』の向上も重 要な課題となろう。「映像コミュニケーション論」では、【映像】の原点である〔映画〕の誕生と発展の経緯を歴 史的に辿ることで【映像】の文化的特質を把握し、新しい技術の発達を理解・応用しながら将来への展望を 考えたい。講義では、参加する全員が概念を共有する為にも『映画作品』『ビデオ・ソフト』『パソコン・コンテン ツ』等の『映像表現物』を鑑賞視聴することから始める。その上で、これらが作り出される背景や作り手=送り 手の意図を考え、さらに鑑賞する側=受け手の対応と要求も考察し研究していきたい。 「比較文化」とは、異なった風俗習慣を持つ「他者」を文化という枠組みで理解しようとし、また異文化との比 較において「われわれ自身」を理解しようとするものです。「比較文化論」という学問が成立したのは比較的近 年のことですが、古来、旅行者や探検家たちは「比較文化」を行ってきました。現在では海外旅行が容易に なり、また身近に暮らす外国人が増えてきて、「比較文化」的言説はわれわれに親しいものとなっています。し かしそうした文化比較はどこまで正しく、相互理解に有益なのでしょうか。皮相な比較が誤解と悲劇を招いて はいないでしょうか。この講義ではそうした問題意識から出発して、いくつかの代表的な「比較文化論」を検討 していきます。 授業は「講義」と学生による「グループワーク」によって進めます。「グループワーク」では、私が提出する課題につ いて議論し、グループごとで結果をまとめ、発表してもらいます。 日本の民衆文化の特性について、各回テーマを変えてアプローチする。 具体的には、日常生活の素朴な疑問を糸口にし、とくに民衆が担い手となり、文献にのこされることの少な かった有形・無形の日本文化を、比較研究の視点をまじえて探究し、日本文化のいくつかの特質を明らかに してみたい。 大きな変化に直面しているこの時代において、社会学に何ができるか、また、社会学でなければできないこと は何か、について考えます。 講義は大きく2つに分けられます、「社会」「権力」「公共空間」「会話分析」などを取り上げながら、理論的・ 方法論的な観点から、社会学という学問をとらえようとする回と、 「恋愛」、「ジェンダー・、セクシュアリティ」、「家族」「(人間、動物の)福祉」といった具体的な論点をテーマにし ながら、それらが社会学の視点からどのように理解できるのかについて説明を行います。 「政治的判断力をめぐって」をサブタイトルとしたい。 私たちが政治の世界と関わるとき、特に問題になるのが、目の前の政治課題の意味が何であり、自分はその 課題にどのような態度をとるべきか?という問である。こんな時私たちは政治を「考え」ようとしているのだが、そ れは定食とラーメンのどちらを選ぶのか「考え」たり、生きる意味を「考え」たりするのとどう違うのだろうか?このよ うに選挙投票や原発問題への賛否などを典型として、個別の事柄を、定かでない普遍性に結びつけようとす る思考の努力は特に判断力judgingと呼ばれる。本授業は政治活動に不可欠なこの判断することをテーマに 据えて政治の世界を見渡す試みである。 授業では島根の地域問題、現代日本の政治課題からチャーチルの伝記まで政治判断が働く具体的な政 治事例を提示するが、同時にその事例に込められた「判断すること」に伴う思考力の特徴は何かという抽象的 な議論も展開する。受講者には具体性と抽象性の二つの次元を行き来する精神の動きに伴う負荷に耐えよ うとする姿勢が求められるだろう。 本講義は、国際政治学を初めて学ぶ者を対象とする入門科目である。本講義では、授業と並行して時々 刻々と変化していく国際政治の現実の動向を注視する。最新の国際ニュース映像や新聞記事などを多用す ることで受講生の関心を高めつつ、日本を取り巻く国際政治の現実の厳しさを疑似体験しながら、国際政治 および日本外交の問題点を浮き彫りにし、その問題解決策を後述するコメントペーパーやワークショップ等を通 じて多角的に探求していく。 また講義の具体的な進め方であるが、原則として毎回ひとつのテーマについて60分をめどに講義を行なう。そ こでいくつかの問題提起を行ない、講義の最後の15分間でコメントペーパーに各自の意見をまとめてもらう。こ れを私が集約し、次回の講義の冒頭の15分で解説を加える、というやり方である。これが講義の基本的な流 れである。本講義では、このような双方向的な授業づくりを心がけていきたい。 行政学は、19世紀末に米国で誕生した、政治学の新領域であるが、近代国家から現代国家への過渡期 に際し、現代国家に必要な行政体制を整備するといった制度改革の課題に対応するために生まれたという側 面もある。このため、この講義では、裁判所による行政統制の問題と、行政法による法的問題とは別の行政 行為の制度や規範、たとえば予算、計画、行政規則など、おおよそ現代国家に必要な行政統制機能を講 義の対象にする。 特に、現代国家においては、政府の機能、すなわち行政サービスの範囲や規模が飛躍的に拡大したため、 国民経済を市場のメカニズムによる自動調整のみに委ねることには限界を伴うことにもなって、政府の介入も 必要になった。そこで、ここでは、近年の政治制度における大衆民主制の実現と、行政制度における現代公 務員制の確立とによって、政治や行政の関係にも大きな変動が生じている点にも留意しつつ講義が進められ る。この講義を受講することによって、国の統治制度の概略の把握が可能となる。 憲法学は「権利の保障」と「権力の分立」を二本柱として体系化されてきた。本講義は後者の「権利の保 障(人権論)」と「憲法総論」を軸に講義が展開されることになる。 この分野は多くの裁判例を通じた憲法の姿を垣間見ることができる分野であるが、理論的・歴史的な分析 も加えつつ講義を進める予定である。 犯罪と刑罰を規定した刑法(刑罰法規)の基本原理・考え方について,近代市民社会の成立,日本刑法の 歴史を踏まえて理解する。わが国の現行刑法の全体の(体系的な)把握ができて,さらに個別,具体化され た犯罪(殺人罪など)規定を,国家と市民(の人権)との緊張関係のなかで,どのように理解するべきかを,判 例を基礎に考える。 本講義は、主に民法第1編に規定されている「総則」を扱うものである。民法総則とは、民法全体に共通し て適用される通則規定を定めた部分である。本講義では、まず民法の全体像を概観し、その後 「人」、「物」、「行為」という近代私法の三要素を軸に、民法の基本的な考え方を学習する。抽象性の高い 部分なので、難解と思われる場合も多いと思うが、具体的な事例を取上げて、イメージしやすいようにして行 きたい。 本講義は、主に民法の第4編「親族」と第5編「相続」を扱うものであり、いわゆる家族法の分野を対象とす る。その内、「親族」は夫婦や親子などの家族関係に関する基本的ルールを定めており、「相続」は死亡した 者の財産をどのように扱うのかについて定めている。本講義では、家族法が家族のどのような問題にどのような 法的保護を用意しているのかを学習する。授業では、なるべく身近かなテーマや事例を挙げながら、その法的 な意味を考えて行きたいと思う。 どんな学問にも専門用語があり、基本的なものは覚えておかないとその先に進めません。同じくどんな学問に も独特の視点、思考方法があり、経済学の場合は、(1)市場観(市場の働きをどう理解するか)と、(2)データ の読み方、この2つが根幹です。 この講義ではマクロ経済学の基礎知識を体系的に身に着け、経済学の理論を学ぶ。 科目 担当 経営管理論 田中恭子 会計学 池村恵一 環境保全論 北尾邦伸 生活時間構造論 藤原眞砂 朝鮮半島社会論 福原裕二 平和学基礎論 村井 洋 国際政治学 高 一 中国政治外交論 李 暁東 ロシア政治経済論 林 裕明 授業内容・要旨 経営組織での個人や集団をいかに管理すべきか、または企業とそこで働く人々の利益をいかにして統合しな がら、組織の共通目的へ向けて人々の協働を促し維持するのかについて理解することを目的とします。特に 組織内部のマネジメントについて学び、経営組織を円滑に機能させるために必要な管理活動および組織内 での協働の促進・維持の条件についてもあわせて考えていきます。 第1部では経営学の生成背景と伝統的管理論について、第2部では経営学への人間性の導入として人間 関係論を、続いて第3部では経営への合理性の導入としての意思決定論ついて学びます。最後に第4部で 日本の企業システムや経営特徴、最近注目されている経営現象や管理方法を紹介します。 会計は、企業が行った取引を項目と数値に置き換える道具として捉えることができます。項目と数値に置き換 えられた企業取引は、会計情報として財務諸表に掲載され、投資家などのさまざまな利害関係者の意思決 定に役立つと考えられています。この授業では、会計のうち、とくに投資家のような外部利害関係者の意思決 定に役立つとされる財務会計の基本的な考え方を学んでいきます。 環境的自然の保存か開発かをめぐる2項対立的状況下での「自然保護」論や、加害者責任・発生源対策 が問われる「公害」論とは異なった地平ないしは位相で、「環境保全」は論じられねばならない。いまや環境問 題は文明史的段階をむかえており、地球規模の問題であり、ライフスタイル(暮らし方)や科学技術や産業の ありかたの問題であり、持続可能な社会にむけてのデザインの問題でもある。2011年の「3・11」は、原子炉暴 走を伴っての文明の災禍として立ち現われた。人間と自然をめぐる「関係」と「存在」の豊かさをどのように取り 戻し、未来に向けてどのような見取り図を描くかが問われている。このことに一人ひとりが応える資質を身につけ るべく講義する。 生活時間構造論は全国で、本学で唯一開講されている講義である。最近の少子高齢化問題にも大きな 貢献が期待される学問分野である。家庭、地域、職場における男女のワークライフバランスの推進は出産、 子育て、介護などの問題の解決に鍵を担っているからである。受講生はこれらの時間的実態を明快に理解で きる。 生活時間構造論は生活時間調査データを活用して構築されている。活用される生活時間調査(Survey on Time Use)データは、被調査者に1日24時間をどのように消費したかを日記帳形式の調査票に記録するこ とを依頼し、この記録をもとに集団(性、年齢、職業、地域などさまざまの属性集団)の時間の消費状況等を 集計したものである。家計調査(household budgets)がお金の使われ方を消費項目別に集計するのに対し て、生活時間調査は1日の時間の使われ方を行動項目別に集計する。タイムバジェット調査とも言われる理 由はそこにある。国民所得や家計支出など金額で表示される経済指標と同様、時間の使われ方という非経 済指標を用いて生活の諸側面の質を把握する狙いがある。生活時間データは政策科学の展開に不可欠な 社会の診断データである。 本講座ではNHK国民生活時間調査、総務省社会生活基本調査のデータを用い過剰労働、過労死、 子育て、介護などの諸問題に関する藤原の知見を紹介し、受講生とともに政策を考えたい。女性の一生に 関して論じる。また、少子高齢化の先進県である島根県が子育てしながら働く主婦がもっとも多い、全国でも 女性の労働参加が進んだ地域であることを紹介する。現代的問題を考える機会を持てる講義である。 本講義は、「朝鮮半島地域研究」入門を意識して内容が構成される。地域研究は、理論研究とともに両輪 をなす研究体系であり、その役割は、内政、国際関係、経済、社会、歴史、文化一般等々の多くの分野 で、できるだけ包括的に関連させる研究を行い、ある地域を地域全体として把握することにある(岡部達 味)。そこで、本講義では、「学としての地域研究」を習得する「はじめの一歩」として、朝鮮半島地域(あるい は韓国及び北朝鮮地域)を地域全体として理解するための初歩的な知識の習得を目指す。また、その過程 (講義内ではない)では、受講者はMOODLEを使用して、韓国の学生と任意の言語で意見交換をしつつ、 韓国社会の現状について調査し、それを基にしてレポートの作成を行うなどの作業も行ってもらう。なお、全講 義中の1回は、韓国人講師を招聘し、講演会を実施する。 平和学は平和が人間にとって基本的な価値であることを認識し、平和の実現を目指して戦争の要因を探 求・分析し、戦争防止と平和実現の諸手段を開発する学問です。また数十年の歴史を持ち、多くの学問分 野を包括する広い対象を持っています。本授業は平和学が総合政策学の一つであることに注目しながらその 基礎的な知識と手法を学ぶものです。すなわち、平和という価値の実現と戦争現象の究明のために、政治 学、法学、経済学、社会学、心理学、教育学など諸学問を動員し、同時に平和と戦争が様々な利益観や 立場をもつ行為者に取り巻かれていることを重要視します。 まず、授業の第1部では戦争と平和の問題状況と歴史・思想について、さらに政策的取り組みの基礎知 識を学びます(第1回~10回)。さらに第2部では受講者の関心を高め、調査能力とプレゼンテーション能力を 向上させることを目的に実践的状況を想定したシミュレーション・ゲーミングを行う予定です(第11回~15回)。 ここで授業参加者は平和構築、軍縮、領土問題交渉などから(参加者数などを考慮して開講時に決 定。2008年は子ども兵問題NGO会議2009年核廃絶会議2010年東アジア平和会議2011と2012年核軍縮 会議、2013年NGO会議という設定で行った)ゲーム上の役割を引き受けながら、各自の状況と背景を自ら調 査しそれに適合する政策を立案し、他の参加者との交渉を通して「より妥当な結果」を実現することを目指し ます。また受講者と話し合ってTEDをイメージした平和トークを行う選択肢もあります(2014年ひとり5-10分の スピーチコンテスト) 冷戦の再来か。新聞などのマスメディアにおいては、昨今のウクライナをめぐる米欧とロシアの対立状況を、20 世紀後半の国際秩序であった冷戦になぞらえる傾向がうかがえる。はたして冷戦は再来するのだろうか。 本講義は、国際政治の史的展開についての基本的な知識を習得し、今日の国際政治の特質を批判的 に見ることのできる力を養うことを目標とする。授業を進めるに際しては、18,19世紀のヨーロッパ国際政治から 始めるが、力点が置かれるのは20世紀後半の冷戦という時代である。近代ヨーロッパ国際政治史の展開を踏 まえた上で、20世紀の国際政治、とりわけ冷戦期国際政治の変容をたどることになる。そのような作業こそ が、依然として混沌としている21世紀の国際政治を把握するために必要となるからである。 ここ二十数年来、中国は、「改革・開放」政策を実施することによって、経済が飛躍的に成長したとともに、国 際舞台での存在感を増しつつある。しかし、中国の台頭に伴い、「中国脅威論」もまたつきまとっている。 激しく変化し続ける中国をどのように捉えるのか。また、国内の激動は地域大国である中国の対外関係にど のような影響を与えているのか。この授業では、以上の問題意識に基づいて、建国後の現代中国の紆余曲 折の歩みを、歴史的連続性と中国をめぐる国際契機との両方から見ていきたい。さらに、中国自身の変化 は、同時に周辺の国や地域、そして世界に影響を及ぼしているため、この授業では、1949年建国後の中国 外交を中国国内政治と関連付けながら説明する。 社会主義から資本主義への体制転換を遂げてきたロシア・東欧諸国の政治・経済の現状を、社会主義体 制下との比較により明らかにすることを目的とする。まず、社会主義とは何かについて、経済史の流れ、思想お よび実態面から検討する。次に、現存した社会主義の経済システム(計画経済)を、資本主義(市場経済) との比較において明らかにする。計画化のプロセス、企業経営のあり方、経済パフォーマンスの特徴を評価す る。続いて、マクロ・ミクロ両面から移行の経済政策を概観するとともに、ロシア、東欧における移行のプロセス を特徴づける。最後に、ロシア・東欧諸国の政治・経済構造は西欧や日本のシステムと比較してどのように特 徴づけることができるのか、社会主義期と比較してどのように変化したのかを総括し、今後の展望を示す。 科目 戦後日本政治外交史 担当 別枝行夫 アジア比較政治 佐藤 壮 国際機構論 庄司克宏 北東アジア関係概論 井上 治 日中関係論 江口伸吾 日本朝鮮半島交流史 石田 徹 政策過程論 光延忠彦 経済政策論 西藤真一 情報政策論 金野和弘 文化政策論 大橋敏博 授業内容・要旨 後日本政治外交史のタイトル通り、1945年8月、わが国がアジア太平洋戦争に敗戦してから現在(2015 年)までの日本政治史を、外交問題に重点を置きつつ概観することが目的である。現代を知り、未来を展望 することによって政策提言を行うためには、その前提である過去の歴史とりわけ「近い」過去である戦後史を知 ることが重要である。なお、政治の分野では戦後史の大きな流れをほぼ網羅的に取り扱うが、外交の分野で は、戦後日本外交史の中で重要と思われる相手国との関係を中心に据える。具体的にはアメリカ合衆国、 中国(台湾=中華民国/中国=中華人民共和国の双方)、ロシア(ソビエト連邦~ロシア)、朝鮮半島 (韓国=大韓民国/北朝鮮=朝鮮民主主義人民共和国)を中心にし、必要に応じその他の国、地域にも 触れる。 この科目は以下のような「到達目標」を掲げる。 ①戦後の日本政治史ならびに日本外交史についての大まかな流れを自分の言葉で説明できる。 ②日本政治のメカニズムすなわち政策が決定される仕組みについて基本的な理解が得られる。 ③日本外交のメカニズムすなわち日本と諸外国の関係がどう構築されたかについて基本的な理解が得られ る。 ④戦後日本社会の特徴をつかみ、それに対して肯定的あるいは批判的な観点を示すことができるようにな る。 ⑤結果として現代政治に関して興味と関心を持ち、積極的に政治的意思表明ができるようになる。 さらに、授業においては、資料として外務省外交史料館が収蔵する生の戦後日本外交史料を配布し、読み 込む。その結果外交史料の基本的な読解能力を身につけることができるであろう。 なぜある国は民主国家となり、ある国は民主国家でないのか。どのような政治体制や政治文化が、政治的 紛争・対立や統治の質に、いかなる影響を与えるのだろうか。権威主義体制の特徴は何か。異なる国々の 政治をどのように比較すればよいのだろうか。この講義は、アジア地域(北東アジア、東南アジア、南アジアを想 定)の政治共同体の政治現象に関わる事実認識や因果関係を解明するために、どのような比較政治の手 法・概念・理論を用いることができるのかを論じる。 この講義では、単に各国ごとの政治体制や政治制度を静態的に紹介するのではなく、国民国家の形成、 民主化、国家の成長戦略、植民地主義の遺産、政軍関係、多民族社会の統治などの政治的事象が、ア ジア世界においてどのように展開しているのかについて、受講生が歴史的、動態的に分析する視点を養うこと を最大の目的とする。また、本講義は、受講生が他者との議論を通じて相互に学び合うことにも力点をおく。 そのため、講義時間中、受講生には発言の機会を多く与えるので、積極的に参加する姿勢が求められる。 政府間国際機構についての基礎を踏まえた後、EUの機構および活動を概観し、普遍的国際機構(例えば、 安全保障について国連、通商についてWTO、通貨についてIMF、開発援助について世界銀行、難民問題に ついてUNHCRなど)をとりあげてEUと比較する。また、アジアにおける地域統合の可能性についてもふれる。 補完性原則により、EUでは国家との関係だけでなく、地方自治体との関係も重視されている。その点を日本 政府と島根県の関係に投影して比較検討することも行いたい。 質疑応答による双方向型授業を行う。 北東アジア地域の中国、朝鮮半島(韓国・北朝鮮)、モンゴル、ロシア(極東地方)、かつて日本が中国の 東北地方にたてた傀儡政権「満洲国」について、①それぞれの地域の近代を知る上で重要となる事柄、② 近現代の日本との関係を示す事柄について学び、近現代北東アジア諸地域の関係とその構造性を理解す る。 本講義では、現在に至る日中関係の歴史的展開を跡付け、今後の日中関係の行方を分析するための基 礎的知識を提示する。 日中関係をみると、その歴史は長く、友好と敵対が交錯する複雑な過程を経てきたことがわかる。また、隣 国同士であるという相互の地理的環境から、両国関係を客観的に捉えることが困難な状況にもある。このよ うな状況のなかで、両国関係の未来を構想するためには、歴史的知識と社会科学的方法論に基づいた冷 静な考察が何よりも求められるであろう。 本講義では、以上の問題関心から、日中関係の歴史的展開を跡付けることによって、現在の諸問題を考 察するための幅広い視野と両国関係をより客観的に分析する方法を考察する。 今年度の本講義では、主に幕末期~明治期の日本と朝鮮との関係の中に見いだせる「外交秩序・外交 思想」に焦点を当て、この時期の日朝両国がどのような考えをもとにお互いの関係を作っていったのかを考えて みたい。 具体的には、1840年代から1894年の日清戦争までを中心的対象として、日本と朝鮮の政治・思想・外交 の有り様とその変化を検討していく。 現在の日本と韓国(さらには中国)との間では「歴史認識」が問題視されるようになって久しいが、この問題 はどのように解決することができるだろうか。さらに言えば「この問題の解決」とはどういう状態を指しているのだろ うか。 少なくとも、日本と韓国(歴史的には朝鮮、さらには中国)が歴史上どのような関係を持ってきたのかを知る ことは、「歴史認識」問題を解きほぐす上で必要な手順と言って良い。もし、その過程で、現在の韓国(さらに は中国)の「反日」のそもそもの原因についてもある程度の理解ができるのであれば、より望ましいことだろう。 今日、グローバリゼーションが進むなかにあって、諸政策は基本的にそれぞれの国の枠組みの中で動いてい る。たとえば、福祉政策、教育政策、農業政策などは国を単位として形成、決定され、かつ実施されている。 その意味で国は私たちの暮らしに大きな関わりを持っているのである。 この講義では、その国する主要な理論を概観した上で、その特質や機能、その手段としての政治における権 力の問題、さらに政治権力を具体化する政策が、政府という組織を通じて行う集合的決定としての政策過 程の理論的な諸問題をも検討する。 国に関するこれまでの議論について主な論点を理解し、組織や制度といった政策を分析する上で重要な役 割を果たす概念についても論理的かつ批判的に考察する力を養う。 さらに、民主主義国の役割について、主要な論争についても理解を深めることを目指す。 経済政策はおおまかに分類すれば、ミクロ経済政策・マクロ経済政策・所得再分配政策に区別される。この ように、経済政策は我々の生活になじみ深い財政・金融政策のみにとどまらず、そのカバーする範囲はきわめ て広い。この講義では、われわれの社会において、政府はいかなる目的を持ち、どのような関与を行っているの かその概要をおもにグラフや簡単な数式を用いながら紹介する。 高度情報社会ともいわれる現在,政府や地方公共団体が実施する施策のほとんどが情報に関係している といっても過言ではない。それゆえ情報政策とは,単に情報通信産業の振興に関する政策を指すのではな く,あらゆる政策がその対象となりつつある。 本講義の目的は,情報政策の基礎概念を習得するとともに,その概念をもとに政策を分析・評価できる能 力を養成することである。本講義では,代表的な情報政策を解説するとともに,政策評価に必要な視点や 手法を提供する。 情報政策は日々刻々と変化を続けているため,その時点での最新データを用いる必要がある。それゆえ講 義で用いる最新事例や統計データは,信頼のできるWebページに依る場合が多い。これらの補助資料は随 時,moodleにて掲載・紹介する。 芸術文化の振興、文化財の保存・活用など我が国の文化政策の変遷、現状と課題を考察するとともに、近 年実施されてきた芸術創造活動等を支援するための具体的な文化政策(文化芸術振興基本法の成立、 芸術文化振興基金の創設、新しい芸術活動支援システム)について、その背景や実施過程、問題点等を検 討し、政策の形成と実現のメカニズムを考察する。また、諸外国の文化政策の展開を参考にしつつ、今後の我 が国文化政策の方向を考える。 科目 地域産業政策論 行政法Ⅱ 金融経済論 世界経済論 (国際経済論) 中国経済論 担当 授業内容・要旨 昨今の地方分権や行財政改革の流れにおいて、国から地方へと権限の委譲が進んでいる。このような流れ の中で現在では、各地域での産業振興の手腕が問われている。 授業では、まず、地域産業を取り巻く現状や地域産業に関する理論、地域産業政策への展開について概 観する。そして地域産業振興に関する新しい動きについて成功事例を取り上げつつ、身近な事例からどのよう 久保田典男 な産業振興策が図られてきたかを紹介していく。 なお、授業では島根県の事例も多く取り上げ、島根県の抱える地域課題や島根県における地域産業政策 についても理解を深める。 これらを通して、今後の地域産業振興においてどのような政策が有効なのかを、受講者と一緒に考えていきた い。 行政体(国や地方自治体)は様々な行政領域において、多種多様な活動を行っている。しかし、たとえば、 自動車の運転免許の発付と原子炉設置許可は、共に「行政行為」という活動と位置づけられる。このように、 岩本浩史 行政領域ごとの特殊性を捨象し、共通点に着目して、それぞれの活動の法的特色を明らかにするのが、本 講義の扱う、行政法総論における行政活動論である。 なお、行政法Ⅰを既に受講していることが望ましい。 【金融経済論で学ぶことは何か?】 金融経済論では「お金」や「銀行」に関することを初歩の初歩から学んでいきます。みなさんは経済というと 真っ先に企業をイメージするのではないでしょうか?確かに経済活動の主役は企業です。しかし、お金の貸し 借りを通じて、これら企業を支えている影の主役は「銀行」なのです。銀行の仕事である「金融」の仕組みがな ければ大半の企業は経営すらできないでしょう。それだけ「金融」は社会の中で極めて重要な役割を果たして いるのです。 具体的に学ぶことは主に以下の3つです。①「銀行」や「証券会社」といった金融機関の役割②「金利(利 木村秀史 子・利息)」とは何か? ③日本銀行の役割 【なぜ金融経済論を学ぶのか?】 「金融」と聞くと難しいというイメージや借金を連想するような悪いイメージがありませんか?それは誤解で す。「金融」は、みなさんにとって大変身近な存在です。例えば、みなさんが「預金」をすることは立派な金融活 活動の1つです。最近では自分の年金をどのように運用するかを金融の知識を使って自分で決めなければな らないケースが増えており、一般人でも金融の知識が要求されるような時代になりつつあります。また、「アベノミ クス」については金融の知識がなければ理解することは難しいでしょう。このように、金融に関する最低限の知 識は今や一般人でさえも知らないでは済まされない「常識」なのです。 【世界経済論(国際経済論)で学ぶことは何か?】 世界経済論(国際経済論)では、世界の国々を「経済」という切り口で観察していきます。世界の国々がど のようにして経済で繋がっているのかということを「貿易」や「企業」から学びます。最近のグローバル化した世界 では、企業の商売相手は国内の客だけとは限りません。優良な企業ほど海外の顧客にも目を向けています。 また、本講座では、世界の国々の経済、つまり各国がどんな商売をして生計を立てているのかについても学 びます。例えば、中国のように工業製品を作って売っている国もあれば、中東のように石油やガスだけで稼いで いる国もあります。どの国も日本と同じような商売をしているわけではないのです。 木村秀史 【なぜ世界経済論(国際経済論)を学ぶのか?】 みなさんは、私たちが暮らしている日本という国のことをどれだけ理解していますか?自分の身の回りのこと、 地域のこと、日本のことを知っていると自負している学生さんでも、本当の意味で日本を理解したことにはなり ません。それは、外の世界から日本を見ていないからです。本当の意味で日本を理解するためには、世界と比 較したうえで日本という国がどのような状況に置かれているのか理解することが必要なのです。また、現在のよう にグローバル化した世界では、みなさんがどんな企業に就職したとしても、将来的に外国経済と何かしらの形 で関わる可能性があります。世界の経済について知ることは、これから社会に出る学生さんにとって知らないで は済まされない重要な知識なのです。 本講義では、中国建国以来の経済発展過程を概観し、改革開放以降の経済政策を中心に、産業構造 調整、地域経済格差、財政、金融、雇用、社会保障などの改革、及び外資導入政策、外国貿易の変遷 張 忠任 と実態、中国のWTO加盟の影響、西部大開発および「新特区」、および米金融危機の中国経済への影響 などについて講義する。 現代企業論 生田泰亮 企業会計 永井 康 キャリア論 生田泰亮 地域観光資源論 林 秀司 環境関係法 岩本浩史 現代社会は「企業社会」といっても過言ではありません。我々の日常生活は、多くの面で企業に影響を受 け、依存しています。ですから、現代社会を生きていくならば、企業という存在を理解することが重要となってき ます。企業と一口に言っても、その規模、構造、機能、事業活動は、実に複雑で多様です。本講義では、企 業と社会を理解する基本的枠組みとして、株式会社を中心に論じていきます。前半は、会社の法律や仕組 みについて、後半は企業の事業戦略と企業統治を論じます。 会計の重要性は,企業経営にとどまらず,近年では国や地方自治体などの公的部門においても,行政のア カウンタビリティー(説明責任)の向上やディスクロージャー(現状,活動内容,活動成果などに関する情報の 開示)の充実を図る目的で,企業会計の考え方が導入され,財政運営の健全化のために会計情報を作成 する動きが加速しています。このような現状からも,卒業後どのような職業に就いても,会計の基本的知識は 語学・ITとならび重要なコミュニケーション・ツールとして必要不可欠なものになってきているといえます。 会計学には,簿記,財務会計,原価計算,管理会計,経営分析,会計監査,国際会計,税務会計,公 会計,NPO会計など多岐にわたる内容を含んだ領域があります。 この授業では,会計制度や会計機能に関する歴史的な発展の推移を念頭におきながら,主に現代企業会 計の全体的な構造と問題点を考察していきますが,会計学の諸領域にも広く目を向け,それらに関する基礎 知識についても概説していきます。 *会計学を初めて学ぶには,まず簿記から始めることが通常ですが,この授業では簿記の説明は最小限にとど めていくため,受講にあたり簿記の知識は必要ありません。 本講義では、みなさんが「働く」「仕事をする」「生きる」といったことを考える際に有益な「考え方」を学んでも らいます。みなさんの大半は、会社や自治体、各種団体といった、組織に参加し、仕事をして生きていくわけ ですが「組織とどのように付き合っていくのか?」「仕事に関わる能力をいかに鍛えていくのか?」が一生の課 題、人生設計の鍵となります。キャリア論を学ぶ意義は、自分の人生を自身で考え、意思決定し、行動する ためです。学生のうちからこうしたキャリア・プラン、キャリア・デザインを考え、実践してもらえることを期待します。 みなさんが「たくましく生きるためのヒント」になるような有効な概念、様々な事例を提示したいと思います。 近年、多くの地域が地域振興のために観光振興に取り組んでいる。観光振興には、自然、歴史、文化、 産業などの地域資源を生かしていくことが必要になってくる。この授業では、そうした地域の観光資源について の理解を深め、その保全や活用のあり方について考察していく。観光振興には経済的効果が期待されている ことは言うまでもないが、一方で、まちづくりとも密接に関係している。この授業では、この点を重視し、景観ま ちづくりや持続的な観光のあり方にも言及していく。 なお、講義の素材として、島根県の地域課題をとり入れていく。 本講義は、まず、わが国における環境保護に関する現行法制度を概観することに重点を置く。講義対象 は、国内環境問題に関する法制度に限定する(したがって、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨等の地 球環境問題・国際環境問題は扱わない)。その上で、環境問題に対処するために現行法制度の(あるいは 現在の環境法学の)どこに問題があるのか、どこをどのように改めれば良いのか、を考えたい。 なお、講義担当者の専門が行政法であるため、本講義は主として行政法学的アプローチにより進められる。 したがって、行政法Ⅰをすでに受講していること、および行政法Ⅱを受講することが望ましい。 科目 担当 環境経済学 豊田知世 国際環境政治学 沖村理史 キャリア形成Ⅱ 松尾哲也 教職入門 塩津英樹 教育心理学 川中淳子 英語科教育法Ⅰ ケイン・エレナ 生徒指導論 川中淳子 授業内容・要旨 環境経済学は、環境問題を経済学の視点から考える学問です。環境問題は、私たちの身近な地域的な問 題から地球規模で考えなければならない問題まで、複数の分野にまたがった幅広い問題です。本講義では、 なぜ環境問題が発生するのか、なぜ環境対策が必要なのか、ということを経済学の視点から学びつつ、環境 問題の評価手法や、環境問題解決のための経済学的手法について理解することを目的とします。 国際的な環境問題は21世紀の国際社会が抱えるグローバル・イシューのうち、主要な一つである。本講義 では、主に地球環境問題とグローバル・ガバナンスに焦点をあて、諸問題の個々の内容に踏み込んで、事例 を検討する。具体的には、国際的な環境問題が社会化するプロセスとして重要な国際環境会議と、政策決 定の手段として重要な国際環境条約をとりあげ、意義と交渉過程を検討する。本講義の目的は以下の三 点である。 1) 現実に展開している地球環境問題の現状の把握とそれをとらえる視点の理解 2) 政策決定に当たり、直面するさまざまな側面の相互関連を自ら考える作業 3) 自ら考える作業を通じて出てきた問題点・意見の交換 大学3年生の時期は、いよいよ卒業後の人生に向けて、準備を進め、活動する時期です。民間企業・公 務員・進学等、それぞれ目標は異なりますが、自己と職業について理解を深め、採用試験に向けて、自己P Rと志望動機の書き方、面接対策について学ぶ必要があります。進学する人も、いずれ就職活動をすること になります。 授業では、自己PR・志望動機の書き方、ビジネスコミュニケーションについて学びます。また業界・企業・職 種研究の基礎を学び、実践します。 さらに、4年生の内定者や企業等で働いている社会人の講演等を通じて、業界動向や求められる人材像 について学び、自己のキャリア形成に活用します。 キャリア形成は、就職決定後も続きます。若者の早期離職の問題が深刻化するなかで、本授業では、長 い職業生活で直面する課題に対処する考え方・キャリアマネジメントについても理解を深めます。 これから迎える職業生活という本格的なキャリアのスタートを切る前に、自分らしく、たくましく生きるために必 要なことを実践的に学習します。 現代の学校教育における教師の役割と職務内容について広い観点から講義し、学生の皆さん個々人が、 教職の意義について理解を深めることを目的とします。 島根県立大学では専任教員による教職科目が少ないので、本授業においては、教育心理学に関する基 本的知識を身につけることに加えて、教職課程でのすべての学びを深める。 In this course, students who aim to become English teachers will learn basic principles of language teaching and learning, and also study the skills needed to become effective teachers. Students will learn about language acquisition theories and the approaches they influenced, in particular focusing on current good practice in the language classroom. This class is taught in simple English. Students must prepare for class by reading their textbook or supplementary reading every week. Weekly homework will take about two hours per week. ・不登校、いじめ、発達障害など、教育現場において児童生徒への個別の支援が必要な事柄について知 る。 ・教育の変遷について考察する。
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