授業計画(シラバス) 担当教員: Marcello Pagano 客員教授 授業科目の名称 単位数 生物統計学: モニタリングと評価 1単位 授業の方法 集中講義 授業の到達目標 この講義では、モニタリングと評価(M&E)のために使われる一般的で革新的な量的方法を理解する。 (統計学の入門コースを受けた学生を対象とする。 ) 授業の概要 講義の終了までに、下記の内容を学習する。 1. 直面する課題に対して適切なモニタリング評価システムをデザインできる。 2. データの限界を踏まえ適切に解釈することを含め、適切なデータを同定できる。 3. プログラムのモニタリング評価で使われる基本的・一般的な統計学的手法を用いることができる。 4. 包括的な M&E システムのための複数の方法を統合できる。 5. モニタリング評価システムについて、基本要素から複雑な手法への拡張を説明できる。 授業計画 (各コマ 90 分) 1.モニタリングと評価(M&E)の紹介 (1 月 13 日(火) 13:15-14:45) 最初の講義では、モニタリングと評価の基本的な概念を紹介し、進行中の健康プログラムを例にとり、 プログラム実施と方針において M&E システムの演じる役割を示す。 2.評価の枠組みと指標 (1 月 13 日(火) 15:15-16:45) 本講義では、論理モデルによる M&E をプログラムするための枠組みの開発、モニタリングを必要と する主要な活動と結果、そして指標の開発に関して概観する。指標は M&E システムにおいての中心 的な測定基準になり、そして何が測定されるかの厳密な定義を意味する。この講義では適切な指標を どのように開発し評価するかを議論し、さらに M&E で一般的に用いられる異なるタイプの指標につ いても議論する。 3.集団の測定 (1 月 14 日(水) 13:15-14:45) 理想的には、センサスや登録は、興味ある集団の完全な情報を供与する。本講義では、集団を適切に モニターするためのセンサスと人口動態統計の登録の価値を中心に取り扱う。 4.統計モデルのレビュー (1 月 14 日(水) 15:15-16:45) この講義は、基本的な統計的概念、例えば二項モデルや正規分布、関連する推測をレビューする。 後の講義で議論される方法論の基盤をなす頻度論的推測とベイズ流推測について述べる。 5.調査法1 (1 月 15 日(木) 13:15-14:45) & 6.調査法2 (1 月 15 日(木) 15:15-16:45) M&E システムでは、一般的に調査によりデータを収集する。調査設計は、結果の精度と解釈に影響 を与え、また、同様に調査の実施とも関わりを持つ。これらの講義では、調査で最も基本的なサンプ リング・デザイン– 単純な無作為抽出、層化サンプリングとクラスターサンプリング – と、各々の 意味について議論する。より複雑な研究デザイン(例えば多段階および EPI 調査)も議論する。 7.M&E における共通するエラー源を修正する方法 (1 月 16 日(金) 13:15-14:45) 本コースで取り扱う方法による推測の多くは、欠測値や低品質データによるバイアス対しては弱点が ある。この講義では M&E システムにおける最も共通するエラー源に焦点をあて、これらのエラーを 改善または調整するための方法を議論する。 8.ヘルスシステムにおける品質管理(1 月 16 日(金) 15:15-16:45) ロット品質保証サンプリング(Lot Quality Assurance Sampling, LQAS)はパフォーマンスに基づいて健 康管轄区域を分類するために一般的に用いられるツールである。それは、プログラム・マネージャー が最も効果的なリソースのローカル使用を決定することを支援してくれる。本講義では、LQAS の基 本的メカニズムを解説し、さらにヘルスサービスがモニターされ評価できるような通常の統計を得る ことを目的として、層化サンプリングやクラスターサンプリングによる担当区域で収集されたデータ をまとめるための道具を解説する。 ※英語力や準備知識の不足で援助が必要な学生に対しては、日本人教員による補講を各講義の後に行う。 テキスト 事前にテキストや講義用資料を専用 HP 上にて公布する。 参考資料 生物統計学入門:ハーバード大学講義テキスト(Marcello Pagano, Kimberlee Gauvreau 著;竹内正弘監訳.丸善) 学生に対する評価 コース終了後に筆記試験を行う。
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