2015.6.2.katikupanf

1 加入資格と補償対象の家畜は
加入資格には2つの要件があります。また、補償対象の家畜は以下の一覧表のとおりです。
①住所要件:組合の区域内に住所を有する者
②業務要件:牛、馬または豚につき養畜の業務を営む者
家
畜
の
種
類
共
済
目
的
成乳牛
加
入
月
齢
等
出生後第13月の末日を経過した乳用種の雌牛
乳用成牛
育成乳牛
出生後第5月の末日を経過し、第13月の末日を経過しない乳用種の雌牛
乳牛の雌等
子牛
乳用牛から生まれた出生後第5月の末日を経過しない乳用種の子牛
胎児
共済掛金期間中に胎齢240日に達する可能性のある乳用種の胎児
乳用子牛
牛
肉用牛等
肥育用成牛
出生後第5月の末日を経過した肥育牛
肥育用子牛
出生後第5月の末日を経過していない肥育牛
その他の肉用成牛
その他の
肉用子牛等
肥育牛以外の出生後第5月の末日を経過した肉用牛
子牛
肥育牛以外の出生後第5月の末日を経過していない肉用牛
胎児
共済掛金期間中に胎齢240日に達する可能性のある肉用牛の胎児
乳用種種雄牛
乳用牛に属する種雄牛で、種畜証明書の交付を受けている牛
肉用種種雄牛
肉用牛に属する種雄牛で、種畜証明書の交付を受けている牛
種雄馬以外の馬
一
般
馬
出生後第4月の末日を経過した馬
馬
種雄馬
種畜証明書の交付を受けている馬
種豚
出生後第5月の末日を経過した繁殖用に供される豚
肉豚
出生後第20日目(その日に離乳してないときは、離乳日)以上の肥育豚
豚
◇ 掛金期間中は、月齢が変わっても共済目的の変更はありません。
◇ 乳牛の雌等の場合、乳用種の雌以外の子牛は出生後第5月の末日を経過しますと加入資格が無くなり除外と
なります。
2
加入方式は
加入は、組合等に加入の申込みを行い、組合が承諾することにより加入することができます。
①包括共済
対象家畜の種類ごとに全頭加入します。対象となる家畜の種類は乳牛の雌等・肉用牛等・種雄馬以外の
馬・種豚となります。また、新しく導入された家畜または加入資格月齢に達した家畜は、自動的に家畜共済
に付されることになります。
②個別共済
家畜1頭ごとに加入します。対象となる家畜の種類は乳用種種雄牛・肉用種種雄牛・種雄馬となります。
③特定包括共済
対象となる家畜の種類は肉豚となります。飼養するの肉豚全体を一括で加入します。
◇ 子牛・胎児を共済目的とする子牛共済は農家選択であり、共済掛金期間の開始する2週間前までに子牛共済
を選択しないことを申出ることができます。
加入にあたっては、獣医師が健康診断を行い、個別共済については次の①~④のいずれかに該当する場合、
包括共済については③に該当する場合、もしくは①,②,④に該当する家畜が引受頭数の2分の1を超える
場合は加入することができません。
①発育不全、衰弱、奇型、不具または悪癖の著しいもの
②疾病にかかり、または傷害を受けているもの
③通常の飼養管理または供用の方法と著しく異なる方法で飼養管理され、もしくは供用され、またはその
恐れがあるもの
④12歳を超える牛、明け17歳以上の馬または6歳を超える種豚
-1-
【事故除外方式】
包括共済および特定包括共済については、共済事故の一部を補償の対象としない方式(事故除外方式)を選択
することもできます。その場合、事故の一部を除外するのに見合う分の共済掛金が割引されます。
①対象となる家畜の種類と事故除外できる者の基準
対象となる
家畜の種類
事故除外できる者の基準
乳牛の雌等
共済掛金期間開始の時の有資格頭数が6頭以上であって、かつ、5年以上継続して飼養している者
肉用牛等
種雄馬以外の馬 当該種類の家畜を5年以上継続して飼養している者
種豚
肉豚
共済掛金期間開始の時の有資格頭数が200頭以上あって、かつ、5年以上継続して飼養している者
②除外できる共済事故と対象となる家畜の種類
事故除外の
区分
除外できる共済事故
対象となる家畜種類
1号事故除外
火災、伝染病(法定伝染病及び届出伝染病)または自然災害による死廃
事故以外の死廃事故
乳牛の雌等・肉用牛等・
種雄馬以外の馬・種豚
2号事故除外
火災、伝染病(法定伝染病及び届出伝染病)または自然災害による死廃
事故以外の死廃事故及び病傷事故の全部
乳牛の雌等・肉用牛等・
種雄馬以外の馬・種豚
6号事故除外
火災、伝染病(法定伝染病、豚エンテロウイルス性脳脊髄炎またはニパ
ウイルス感染症)または自然災害による死亡事故以外の死亡事故
肉豚
3
共済掛金期間は
共済金の支払対象となる補償期間(共済掛金期間といいます)は、掛金の支払いを受けた日の翌日から1年間で
す。組合では特定包括共済以外について責任開始の始期を統一していることから、4月2日に責任開始、翌年4月
1日に責任満了となります。年度途中に加入した場合は、加入日から翌4月1日までを共済掛金期間とします。
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共済金額は
共済金の支払最高額をいいます。共済金額は次のように算定します。
共済金額
=
共済価額
× 付保割合
◇ 共済価額は、包括共済では個々の家畜の評価額の合計額が、個別共済では個々の評価額が共済価額となり、
個々の評価額は、最寄りの家畜市場における同種同類の家畜について、過去1年間の取引価格を基準に算定
され、月齢ごとに設定されています。
◇ 付保割合は、加入申込時に最低40%から最高80%の範囲内で選択することが可能です。
◇ 家畜の異動により、付保割合はその都度変動します。
〈①加入時に付保割合を80%とした場合〉
ア:50万円 イ:30万円 ウ:20万円
共済金額:80万円
共済価額:100万円(50万円+30万円+20万円)
付保割合:80%
〈②評価額60万円の牛(エ)を導入した場合〉
ア:50万円 イ:30万円 ウ:20万円 エ:60万円
共済金額:80万円
共済価額:160万円(100万円+60万円)
付保割合:50%
〈③評価額50万円の牛(ア)を譲渡した場合〉
イ:30万円 ウ:20万円 エ:60万円
共済金額:80万円
共済価額:110万円(160万円-50万円)
-2-
付保割合:72.7%
5
農家負担額は
農家が負担する掛金は、次のように算定します。また、業務の執行に要する費用で、事務賦課金が別途負担と
なります。
農家負担共済掛金
=
共済金額 × 共済掛金率
- 国庫負担額
◇ 国庫負担額は、共済金額×共済掛金率×国庫負担割合で算定され、国庫負担割合は、牛・馬では50%、豚
では40%となっています。
◇ 共済掛金率は、過去3年間の被害率等を基礎にして農林水産大臣が定め、3年ごとに改定されます。なお、
共済掛金率については、農林水産大臣が定めた率に、農家ごとの過去一定期間(原則3年間)の被害率を加味
して設定することもできるようになっています。これを危険段階別共済掛金率といいます。
◇ 農家負担額は、一括納入となっていますが、負担を分散するために、一定条件のもとで分割して納入するこ
とができます。
◇ 家畜の導入、幼齢家畜の加入資格取得等により共済価額が増加した時、付保割合は下がります。付保割合を
維持するために、異動直前の付保割合の範囲内で共済金額の増額を請求することができます。
【共済掛金計算例】
・家畜の種類:乳牛の雌等
・付保割合:80%
・共済掛金率:10.432%
・加入頭数:3頭(ア:50万円、イ:30万円、ウ:20万円)
・共済価額:50万円+30万円+20万円=100万円
・共済金額:共済価額(100万円)×
・共済掛金:共済金額(80万円)×
6
付保割合(80%)=
80万円
共済掛金率(10.432%)=
83,456円
・国庫負担掛金:共済掛金(83,456円)×
国庫負担割合(50%)=
41,728円
・農家負担掛金:共済掛金(83,456円)-
国庫負担掛金(41,728円)=
41,728円
対象となる事故は
死亡(と殺は除かれます)、廃用、疾病及び傷害が対象となります。事故が発生した時、および共済金の支払い
を受けるべき損害があると認められた時は組合職員が確認しますので、すぐに組合へ通知願います。
事故除外方式を選択した場合は、その除外した事故については共済金の支払対象外となります。
〈共済金の免責〉
異動通知がなされていない未加入畜が事故となった時、加入以前の疾病・傷害が原因で生じた事故である時、
飼養管理が悪くて事故になった時、診療を受けずに病状が悪化して生じた事故や不注意で事故となった時、損害
防止のために獣医師から受けた指導を守らなかった時などは、共済金の全部または一部が免責となります。
〈待期間〉
新規に共済掛金期間が開始した日から2週間(待期間といいます)の間に発生した事故について、事故の原因が
共済掛金期間の開始後であることが明確でない場合は、共済金の支払いを請求することができません。
◇ 待期間の日数の数え方は以下のとおりとなります。
①新規加入および資格取得となった家畜
②導入となった家畜
7
→
→
加入日から14日間
加入日の翌日から14日間
共済金の支払額は
【死廃事故】
次のAまたはBのうち、いずれか小さい額が共済金として支払われます。なお、過去の事故が多かった場合
は、支払限度額が適用され、特定事故(火災、自然災害等)以外の一般事故については限度額の範囲内で共済金が
支払われます。
-3-
A=(事故家畜の評価額-肉皮等の残存物価額-補償金)×事故直前の付保割合(共済金額/共済価額)
B=
事故家畜の評価額-肉皮等の残存物価額-補償金-法令殺に伴う手当金
◇ Aの場合の肉皮等の残存物価額は、事故家畜の評価額の2分の1が限度となります。ただし、基準額を下回っ
た場合は、基準額となります。
◇ 死廃事故の場合、補償割合の最高額は評価額の80%と定められています。
【病傷事故】
治療に要した費用(診療費)が共済金となり、給付限度額の範囲内で共済金が支払われます。ただし、初診料
や給付外の医薬品等は除かれます。なお、組合家畜診療所を利用した場合は、診療費と共済金が相殺されます。
【死廃事故支払共済金の計算例】
・加入畜アの事故例:乳牛の雌等に加入していたアは後肢を骨折し、獣医師の診断により廃用事故と認定され、
屠畜場へ搬入された。
・加入畜アの評価額:50万円
・事故直前の付保割合:80%
・肉皮等残存物価額:30,000円
・次の算式でAおよびBを計算
A:[事故になった家畜の評価額(50万円)-
-
補償金(0円)]×
事故直前の付保割合(80%)=
B:事故になった家畜の評価額(50万円)-
-
補償金(0円)-
肉皮等残存物価額(30,000円)
376,000円
肉皮等残存物価額(30,000円)
法令殺に伴う手当金(0円)=
470,000円
・支払共済金:AまたはBのうち、いずれか小さい額となるので支払共済金は
Aの376,000円となります。
8
組合への通知義務
包括共済では、家畜頭数の増減により付保割合が変動します。そのため組合は常に家畜共済に付されている
家畜全頭の現状を把握する必要があります。次の場合は、加入者から組合への通知が義務づけられており、こ
の通知義務を怠ると補償を満度に受けられない場合がありますので、ご留意願います。
①家畜の異動があった時(譲渡、導入、資格取得、子牛等を補償対象としている場合の子牛の出生等)
なお、乳牛の雌から出生した乳牛の雌子牛以外の子牛の除外・目的変更については、次のとおりです。
(1)乳牛の雌等のみ子牛選択で加入している農家
出生後第5月の末日を経過した日に除外される(資格喪失)
(2)乳牛の雌等、肉用牛等ともに子牛選択で加入している農家
出生後第2月の末日を経過した日に乳牛の雌等から肉用牛等に目的変更される
②家畜が病気またはけがをした時
③家畜が死亡した時
④家畜に去勢、除角、その他大きな手術をする時
⑤放牧、共進会への出陳または輓馬、エンデュランス競技に参加する時
⑥家畜に管理人を定めたり、飼養場所を変える時
⑦家畜が行方不明になった時
⑧乳用子牛等を補償対象としている場合で、引受時以後に胎児の品種が変わり、胎児価額の変更を必要と
した時(人工授精後239日以内の通知が必要)
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