スピーチ - 岩谷学園テクノビジネス専門学校 日本語科

神奈川県専修学校各種学校協会主催 日本語スピーチコンテスト(2015 年 1 月 22 日)
岩谷学園テクノビジネス横浜保育専門学校 日本語科
BALJIR BUDSUREN(バルジル ブドスレン)
モンゴルの伝統的な音楽「ホーミー」
皆さんは、モンゴルの伝統的な音楽「ホーミー」をご存知ですか。たぶん知らないと思い
ますので、ここで少し紹介させていただきます。
(ホーミー)
これはモンゴルの伝統音楽です。喉を震わせて、違う高さの音を同時に出しながら、歌を
歌います。演奏するとき、大変な体力と気力が必要なので、演奏は 2~3 分しかできないも
のですが、モンゴルの民族音楽を紹介する際は欠かせないものです。ホーミーの歴史はとて
も古く、風の音や、小川のせせらぎや、山のこだまの音などを人間が真似て作ったものだと
言われています。
今から 4 年前、モンゴルの冬の大祭り、お正月に、友人の家で初めて友人がホーミーを歌
うのを聞きました。それを聞いている時、モンゴルの広い草原、山、川、植物、動物が全部
目に見えてきて、何だかいい感じがして、とてもうれしくなりました。私は歌えるようにな
りたいと思いました。そして、友だちに「どうしたら歌えるようになれますか。教えてくれ
ませんか」と頼みました。友だちは、ちょっと難しいよと答えたけれど、教えてくれること
になりました。
それから一年間は、学校でも、うちでも、歩いている時もずっと練習をしていました。食
べ物を食べたり話したりすると、喉が痛くなるまで練習して、やっと歌えるようになりまし
た。初めて学校の祭りに友だちと参加して歌った時は、とても緊張しました。でも、歌い終
わった時「やったー」と思いました。私は緊張などすっかり忘れて、自由に空を飛ぶ鳥のよ
うにいい気持ちになりました。大声で「本当にやったー!」と友達に言いました。
今モンゴルでは 18 歳~35 歳の若者が人口の 73%を占めています。情報社会の中で若者
たちは新しい音楽を聞く機会が増えて、ホーミーに興味や関心を持たなくなってきました。
誰でもできる簡単なものではないし、教える人も学びたい人も少なくなっています。このま
まではホーミーはなくなってしまいます。
私はなんとかしてホーミーを守りたいです。そのために、できる限りやってみようと思っ
ています。今、考えていることは、モンゴルの若者に人気がある「ビートボックス」という
現代音楽とホーミーをうまく合わせて、かっこいいイメージにして、少しでも若い人に関心
を持ってもらうことです。実は今、自分で曲を作りながら、練習しています。
それから、できるだけ多くの人々にホーミーを聞いてもらって仲間を集めたいです。そし
て仲間と一緒に、大切なモンゴルの伝統音楽を継承させていきたいです。私はホーミーを「ク
ールジャパン」のように、「クールモンゴル」にしたいです。
2015 年 1 月 22 日
努力賞