ミュージアムとは何か。それは、人類が営々と築き上げてきた物 的資料に歴史的な価値づけを与えつつ次世代へと受け継いでゆく ための保存空間であるとともに、それら物的資料を積極的に享受、 活用する場である。 日本学術振興会の研究プロジェクト「ミュージアムの活用と未 来ー鑑賞行動の脱領域的研究」グループでは、これまで 4 カ年に わたり美術系ミュージアムと科学系ミュージアムに関して美術 史、美術館教育、ヴィジュアル・デザイン、社会学、工学などの研 究者が、それぞれの領域の垣根を越えて「鑑賞行動」をめぐる共同 講演会「触って観る」 アートの研究開発とその普及啓蒙 講師 : 安田輝男 ディスカッサント : 鳥山由子 筑波大学特任教授 (日)13:30-15:00 2008年10月26日 筑波大学芸術学系棟 B203 研究をおこなってきた。プロジェクト最終年度にあたる今年は、 共催 : 科学研究費補助金萌芽研究 「視覚に障害のある人が絵画等の画像情報を取得し鑑賞する為の研究」 ミュージアム」を事例とした多角的な分析をはじめとして、鑑賞 安田輝男 YASUDA Teruo 倉敷市の大原美術館が毎夏開催する「チルドレンズ・アート・ ガイドロボットをモティーフにした社会学的および工学的研究、 視覚障がい者のためのハンズオン的な鑑賞支援に関する実地的調 査、そして携帯用端末を用いた鑑賞支援についての研究など、さ まざまな成果の総体を報告するためにパネル・プレゼンテーショ ンをおこなう。 また、とくに美術系ミュージアムに関しては、筑波大学の美術 史研究室が中心となり企画してきた一連の国際シンポジウム[美 筑波技術大学産業技術学部総合デザイン学科教授。 東京大学文学部美学芸術学科卒業後、 (株)博報堂(クリエイティブ部門、 研究開発部門)を経て、1999 年から現職。専門は、広告クリエイティブ、 および視覚伝達デザイン。二科展デザイン部のほか、朝日広告賞、毎日広 告デザイン賞、日経広告賞、電通賞など受賞多数。著書に『あの広告はすご かった!』 『あの広告コピーはすごかった!』 『あのネーミングはすごかっ た!』 (いずれも中経出版)、 『パロディ広告大全集 全一巻』 『パロディ CM 大全集 全一巻』 (ともに誠文堂新光社)、 『広告用語辞典』 (共著・東洋経済 新報社)、 『面白潮流図鑑』 (共著・講談社)など。 術 史 研 究 に お け る 環 流 ー 大 学 と ミ ュ ー ジ ア ム の 未 来(2005)、 ミュージアムの未来を拓くー視覚を超えた美術鑑賞(2006)、大学 ミュージアムの活用と未来(2006)、ミュージアムにおける PDA ガイドの活用(2007)、ミュージアムの内と外(2007)]をまとめる 意味で、大学附属のアート・ミュージアムやアート・コレクショ 二科展「触って観る」 ポスターコーナー (国立新美術館), 2007 ンに焦点を当てる。同様に、科学系ミュージアムについては、埼玉 大学と筑波大学が協働し、ガイドロボットを主役に据えた研究開 発と社会学的研究のための国際シンポジウムを開催する。 活動記録 「ミュージアムの未来−ロボットとアーティス トと語る私たちの美術館」 (大原美術館), 2007 「ミュージアムの未来−ロボットとアーティス , 2007 トと語る私たちの美術館」 (大原美術館) シンポジウム「視覚を超えた美術鑑賞」 (筑波大学) シンポジウム「大学ミュージアムの未来と活用」 における「触れるミニ展覧会」, 2006 スピーカーほか、2006 児玉幸子展の実施(科学技術館) ・鑑賞行為の 分析・鑑賞支援システムの実験 , 2005 会場アクセス 大学会館前 筑波大学西 つくばセンター(つくば駅)から 「筑波大学中央」行き、または 「筑波大学循環(右回り)」で ■ 「大学会館前」または ■ 「筑波大学西」下車 総合交流会館まで徒歩0分 芸術学系棟まで徒歩0分 「ミュージアムの未来−ロボットとアーティス トと語る私たちの美術館」 (大原美術館), 2007 つくばエクスプレス 45min 秋葉原 東京 総合交流会館 芸術学系棟 10min 児玉幸子展の実施(科学技術館) ・鑑賞行為の 分析・鑑賞支援システムの実験 , 2005 シンポジウム「ミュージアムにおける PDA ガイ ドの活用」 (筑波大学)ディスカッション , 2007 筑波大学 中央 つくば駅 (つくばセンター) 高速バス 65min チルドレンズ・アート・ミュージアムでのアン ケート調査(大原美術館), 2006 シンポジウム「チルドレンズ・アート・ミュージ アム研究」 (大原美術館), 2006
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