健康だより 7 月号 ウィルス性肝炎 ~国内最大級の感染症 「どのように防ぐ!?」~ 1.肝細胞がんの主な原因はウィルス性肝炎 現在、我が国の死因の第一位は、国民の約半分が罹患していると言われる“がん” 。 その中でも、肝細胞がんは、肺・胃・大腸・乳がんと共に5大がんと呼ばれ、死因 として大きな割合を占めています。 肝細胞がんの原因は、約 7 割が C 型肝炎、約 2 割程度が B 型肝炎と、約 9 割は ウィルス性肝炎に起因しています。 しかし、悲観することはありません!ウィルス肝炎検査を受け、肝炎の兆候を早期 発見し、治療を受けることで、肝硬変や肝がんへの進行を阻止することが可能です。 少なくとも、一生に一度は、ウィルス肝炎検査を受けましょう。 2.肝炎ウィルスマーカー検査 【虎の門病院ホームページより引用】 1)検査方法 血液検査 2)いつ受けるか? 感染したと思われる時期から 3 か月経過後に検査を受けることで、より正確な結果を得ることができます。 3)どこで受けるか? ①市町村における住民基本健診 ②お住まいの都道府県等の保健所 ③お近くの医療機関 3.B・C 型肝炎ウィルスの感染経路 B 型肝炎 C 型肝炎 ウィルス DNA ウィルス/ヘパドナウイルス科 RNA ウィルス/フラビウイルス科 感染経路 血液・体液 血液・体液 潜伏期間 1~6 か月 2 週~6 か月 性感染 あり 稀 母子感染 あり 稀 治療法 抗ウィルス薬 インターフェロン・抗ウィルス薬 ワクチン あり なし (一般社団法人 日本臨床検査薬協会ホームページより引用・改訂) 医療法人社団 俊秀会 エヌ・ケイ・クリニック 健康だより 7 月号 4.感染拡大を防止する 肝炎ウィルスは、主に、血液中または肝臓に存在します。よって、肝炎ウィルスに感染している方の血液に触れるこ とで感染の危険性は高まりますが、以下の基本的事項を守って頂くことで、日常生活の中で感染する心配はほぼ無くな ります。 1. 他人と歯ブラシやかみそりを共有使用しないようにしましょう。 2. 感染した方の血液や分泌物がついた物を片付ける際には、直接素手で触れ ることなく、手袋を着用し、ビニール袋に入れて廃棄しましょう。 3. 感染した方のけがの手当てを行う際は手袋を着用しましょう。 4. B 型および C 型肝炎ウィルスに感染しているパートナーとの性的接触の際は コンドームを使用しましょう。 【ミニミニ解剖生理学】 肝臓は、重さが 1~1.5kg もある大きな臓器です。 肝臓には、栄養素が多く含まれた血液が流れ込み、 その栄養素を分解・合成・貯蔵する働きを担っていま す。また、アルコールなど有害物質の解毒や食べ物の 消化・吸収を支える胆汁酸を含む胆汁を作るなど、さ しずめ、大化学工場といった働きを一手に引き受けて います。しかし、この大きな臓器は、 「沈黙の臓器」と も呼ばれ、炎症などによって障害された状態において も、自覚症状として出現することは少なく、気づいた 時には既に進行した状態にある場合が多いのです。 ~ B・C 型肝炎の患者さまへ ~ インターフェロン治療および核酸アナログ治療に対する医療費 助成制度が行われています。 お住まいの都道府県またはお近くの保健所にお問い合わせな さることをお勧めします。 医療法人社団 俊秀会 エヌ・ケイ・クリニック
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