ミニギターアンプの製作 1.研究概要 平良 竣也 田上 颯人 田村 恭章 ターアンプの回路を考えた。 エ レ キ ギ タ ー は ,基 本 的 に ア ン プ を 通 し 今回は,音の歪みを変え るため,3 種類の て使うことを前提にしている。このアンプ パワーアンプ用 IC を使用した。以下に各パ と は ,ギ タ ー か ら の 信 号 を 増 幅 さ せ て 大 き ワーアンプ用 IC の特徴を示す。 な音を出すための装置である。 ・JRC(NJM) 386 BD 私 た ち は ,様 々 な 音 質 の ギ タ ー ア ン プ を 製 作 し ,そ の 過 程 に お い て ,抵 抗 ,コ ン デ ン サ,パワーアンプ用 IC やその他の電子部品 の 特 徴 を 理 解 し ,回 路 作 り の 技 術 向 上 を 目 指した。そして,目標の達成に向け,協力し 協調性を培う。 標準的な音を出すパワ ーアンプ用 IC である。 ・LM 386 N クリーンな音を出すパ ワーアンプ 用 IC である。 ・JRC(NJM) 386 D パ ワ ー 感 が あ り ,他 と 比 べ る と 歪 2.研究の具体的内容 みの強い音を出すパワーアンプ用 以下の手順で研究を行った。 IC である。 2-1.回路の研究 ネットの回路を参考に,今回製作するギ 図1 ギターアンプの回路図 2-2.テスト配線 ブレッドボード上にテ スト配線をした。 参 考 に し た 回 路 に は ,LED が 壊 れ る 等 の ミ スが多くあった。そのため,LED の前に抵抗 を入れるなどをして,少しずつ改善をした。 回路図を図 1 に示し,実際にテストした回 路を写真 1 に示す。 写真 3 エッチングの様子 2-4.ケース製作 今 回 使 っ た ケ ー ス は ,工 作 実 習 室 に 余 っ ていたケースを再利用した。一つだけ傷の 写真 1 試作したギターアンプ な い き れ い な ケ ー ス が あ っ た が ,他 の 二 つ は ,前 と 後 ろ に い く つ か の 穴 が あ る ケ ー ス 2-3.基板製作 を使用した。いくつか穴が開いているケー プリント基板の製作手順を以下に示す。 (1)CAD ソ フ ト で 回 路 パ タ ー ン を 設 計 す る 。 (2)感 光 基 板 に パ タ ー ン を 焼 き 付 け 現 像 す ス の 穴 を 利 用 し て ,パ ー ツ を 取 り 付 け る 穴 として利用した。 ケ ー ス の 製 作 に あ た り ,最 初 に ケ ー ス の る。 デザインを考えた。今回は,前面のスピーカ (3)感光基板をエッチングする。 ー の 部 分 に い く つ か の 穴 を あ け ,音 を 出 す (4)感 光 基 板 に 部 品 取 り 付 け 用 の 穴 を 開 け 方法にした。 完成。 次に,可変抵抗の配置を決めた。配線する 感光基板への焼き付け作業の様子を写真 2, 際 に ,可 変 抵 抗 が し っ か り と 収 ま る よ う に エッチングの様子を写真 3 に示す。 測った。 そ の 他 ,基 板 を つ け る た め の ね じ 穴 や 可 変抵抗,LED,トグルスイッチ,入出力ジャッ ク の 部 分 の 位 置 を 決 め ,穴 あ け 作 業 を 行 っ た。 穴 開 け が 終 わ り ,可 変 抵 抗 を 付 け よ う と したが設計のミスによりもう一つ穴を開け ることになった。 2-5.半田付け及び動作確認 基 板 に パ ー ツ を 取 り 付 け ,動 作 確 認 を 行 写真 2 プリント基板への焼付作業 っ た 際 ,き ち ん と 動 作 す る こ と が で き な か った。動作しない原因を探っていくうちに パ タ ー ン の ミ ス が 見 つ か り ,パ タ ー ン を 直 した。さらに,ノイズが発生したため,半田 づ け の あ ま い 部 分 を 探 し て 直 し ,電 気 的 ノ 確認をせず,作業を行ったため,逆に焼 イズをカットするためのコンデンサを入れ い て し ま い ,配 線 が で き な い 回 路 に な た。その結果,ノイズを無くすことに成功し, ってしまった。その時は基板もエッチ きちんと音が出るようになった。 ン グ 液 も 先 生 側 の 提 供 だ っ た の で ,申 し訳ないことをしたと反省した。 最 初 の 段 階 で は ,ネ ッ ト に あ っ た 回 路 を 参考に製作する予定だった。しかし,参考に した回路にミスがあり,パワーアンプ用 IC の デ ー タ シ ー ト と 参 考 回 路 を 参 考 に し ,修 正しながら製作することになった。 ブ レ ッ ド ボ ー ド 上 の 配 線 で は ,う ま く 動 作 し て い た が ,半 田 付 け が あ ま か っ た こ と や 電 気 的 ノ イ ズ が あ っ た た め ,自 分 達 で コ 写真 4 基板をケースへ取り付け ンデンサを取り付けるなど,工夫をした。 こ れ ら の 失 敗 を 生 か す こ と に よ っ て ,電 子回路の知識が身についた。また,実際の物 を 作 る た め の 技 術 が 取 得 出 来 ,目 標 で あ っ た 電 子 部 品 の 特 徴 を 理 解 し ,回 路 作 り の 技 術向上を目指すことが出来た。 <感想> 今回,ギターアンプを製 作にあたり,電子 機器を一から製作することは初めてだった。 写真 5 完成したミニギターアンプ 高校で学んだ電子回路の知識だけではあま り身についていなかったのだと実際の作業 3.研究のまとめ を通じて感じた。特にパーツ等を買いに行 JRC386BD を 基 準 と し て パ ワ ー ア ン プ 用 く際,パーツの知識,情報をしっかり持って IC の音の違いを聞き比べた結果,LM386N は い な い と 間 違 っ た も の を 買 い ,時 間 も お 金 歪 み が 小 さ く ,一 つ 一 つ の 音 が き れ い に 聞 も掛かってしまった。しかし,これらのミス こえた。そして,JRC386D は,歪みが大きか を通じて,学んだことがある。座学ばかりで った。 勉 強 す る の で は な く ,実 際 に 物 を 製 作 し 体 今回ミニギターアンプの製作にあたって, 以下のミスがあった。 験することで教科書には載っていない細か い工夫なども学んでいかなければ上手に動 ・参考にした回路の欠陥 作をする製品が作れないことである。また, ・パーツの発注ミス 今 回 の 課 題 研 究 で は ,3 人 で 協 力 を し て 製 ・回路のパターンミス 作をした。複数人で協力するに当たり,しっ ・ケースの設計ミス かりとコミュニケーションを取っていかな ・基板の大失敗 ければ情報の行き違いで大きなミスにつな 基 板 の 焼 き 付 け 作 業 の 際 に ,表 裏 の がる。社会でも複数人で活動をする場合が 多くある。実際に,課題研究でも情報がしっ 出てきた。全体を通して,先が分からなくな か り と 伝 わ っ て お ら ず ,基 板 を 反 対 に 焼 き っ た ら と に か く 進 ん で ,そ れ が 失 敗 す る 道 付けしてしまうなどのミスにつながった。 で も ,そ こ か ら 新 し い も の を 学 び 成 功 の 道 今回の課題研究で学んだことを活かしてい にいけるのだと感じた。進路は違うがこの きたいと思う。(平良) 課題研究で学んだ事をこれから進んでいく 道に生かしていきたいと思います。(田上) 今回,ミニギターアンプ を製作していき, いままで持っていた電子回路の知識をさら に深めていくことができた。そして,部品ご と の 特 性 や ,一 つ の も の を 作 る 大 変 さ を 知 る こ と が で き ,さ ら に エ ッ チ ン グ な ど 知 識 参考文献 ・Southbound76’s 「http://pub.ne.jp/southbound76/?e ntry_id=3089403」 しかなかったことを実際にしていき理解を ・LM386 を用いたベース用小型簡易アン 深めることができた。知識だけでなく実際 プ製作 に作業をしていくうちに知識だけでは身に 着けることができないコツなどを学ぶ事が 出来た。しかし,今回ミニギターアンプを製 作 し て い く に あ た っ て ,成 功 だ け で は な く 失敗もした。そして,失敗を通じてメンバー 内のコミュニケーションや作業ごとの確認 などモノ作りをしていくのには様々なこと に気を付けていかなければいけないと学ん だ。失敗を重ねていくうちに技術が向上し ていき最後にはとても良いものが作れた。 これらを通じてモノ作りの楽しさと難しさ を 知 り ,将 来 モ ノ 作 り を し て い く よ う な 仕 事に就きたいと考えるようになった。そし て ,課 題 研 究 で 得 た 知 識 を 生 か し て 人 に 役 立つものを作れる技術者になりたいと思う。 (田村) 今 回 の 課 題 研 究 で ,私 た ち の グ ル ー プ は 作 業 分 担 を す る こ と で ,効 率 の 良 い 作 業 手 順で進めていた。私がした作業は主に半田 付 け や エ ッ チ ン グ ,穴 あ け な ど の 体 を 使 う 作業をした。そのおかげで機械などを扱う 技術が身に付いた。その最中に大きな失敗 を す る こ と も あ っ た が ,そ の 失 敗 を 踏 ま え て や り 直 し ,2 回 目 は ち ゃ ん と し た も の が 出来た。そのとき「モノ作りは楽しい!」 「もっといいモノを作りたい」などの欲も 「http://wikiwiki.jp/hokkemirin/?F rontPage」
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