平成 28 年度 愛知学泉大学シラバス 科目名 担当者名 基礎栄養学実験 Experiment of basic nutrition 増田 尚 基礎・専門 選択・必修 単位数 別 別 専門 1 必修 開講 年次 2年 後期 科目の概要 食物の体に対する効果、すなわち、栄養価値は動物実験を通して決められてきた。それは、栄養素が不足し、食品 の栄養価が低い場合には、動物の成長が抑制されるからである。そこで、本実験では、五大栄養素の 1 つであるたん ぱく質を取りあげ、実験動物としてラットを用い、たんぱく質の代謝と関連させて、食品たんぱく質の質及び量が、ラット の成長、窒素出納、血中尿素窒素濃度及び肝臓アルギナーゼ活性に及ぼす影響を理解する。 学習・教育内容 達成目標 ① 実験技術を習得する。 ① 実験器具が適切に使うことができる。これにより、測定ミス がなくなる。 ② フローシート(実験方法)を作成する。 ② 器具の使い方が理解でき、また実験がスムーズに進 む。そのため、実験工程のミスがなくなる。 ③ それぞれのたんぱく質の栄養評価方法を理解する。 ③ 体にとってベストなたんぱく質の質と量が理解できる。 ④ たんぱく質代謝(尿素サイクル)と栄養状態の関連性につ ④ たんぱく質の摂取量が少ない場合、多い場合、質が悪 いて理解し説明できる。 い場合(アミノ酸スコアが低いとき)のたんぱく質代謝の 動向が理解できる。 ⑤ 実験結果の統計処理を行う。 ⑤ エクセルを使いこなすことができる。 社会人基礎力(12 の能力)のうち 学生が達成すべき行動目標 育成する能力 主体性・実行力・課題発見力・ 主体性・実行力:実験書から、フローシートを作成し実験することができる。 計画力・創造力 課題発見力・創造力:実験毎のデータと理論を結びつけて考察できる。 計画力:前述のことを実施するには、必ずレポート作成やデータ処理は早目に取り掛 かることができる。 テキスト及び参考文献 テキスト:健康を考えた栄養学実験(アイ・ケイコーポレーション) 健康・栄養科学シリーズ基礎栄養学(南江堂) 他科目との関連、資格との関連 他科目との関連:基礎栄養学Ⅰ・Ⅱ、解剖・生理学Ⅰ・Ⅱ、生化学Ⅰ・Ⅱ、応用栄養学Ⅰ・Ⅱ、全ての実験科目 資格との関連:管理栄養士、栄養士、食品衛生監視員、栄養教諭 学習上の助言 受講生への希望・要望 化学の計算(規定、モル計算)、中和滴定の原理、タンパク 実験を行う前には、かならず実験テキストを読み理解し、実 質の栄養評価法、タンパク質代謝(尿素サイクル)を理解 験がスムーズに行えるようフローシートを必ず作成しておく する。 こと。 また、学生個人で 25 匹分の実験データを処理します。ディ また、生き物を扱った貴重な実験を行う為、いい加減な気 スカッションの際には自身が作成したデータ表及び図を持 持ちや、動物が苦手というような私情を絶対に持ち込まな 参すること。 いこと。 成果発表 評価方法 試験 小テスト レポート 作品 授業態度 その他 合計 (口頭・実技) 総合評価 前 に踏 み 出す力 主体性 考え抜 く力 働きかけ力 実行力 課題発見力 チームで働く力 計画力 創造力 発信力 傾聴力 柔軟性 情況把握力 規律性 ストレスコントロール力 40 50 ○ ○ 10 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 100 【評価方法】 評価方法 筆記試験 評価の 割合 40 ① ② ③ ④ ⑤ ① ② ③ ④ ⑤ 小テスト レポート 成果発表 (口頭・実技) ✓ ✓ ✓ 50 10 作品 授業態度 その他 総合評価 割合 達成 目標 ① ✓ ② ✓ ③ ✓ ④ ✓ ⑤ ✓ 各評価方法、評価にあたって重視する点、評価についてのコメント ・持ち込みはなし。 ・基礎栄養学実験の内容(実験結果)を理解しているかを問います。従って、 論述が主となります。 ・授業中に何度も伝えた『肝アルギナーゼ活性』及び『たんぱく質の栄養評価 法』の計算を理解すること。 ・20種のアミノ酸は日本語・英語どちらでも書けるようになること。 ・課題①『実験1 食品たんぱく質の質及び量がラットの成長に及ぼす影響』 ・課題②『実験2 食品たんぱく質の質及び量がラットの窒素出納に及ぼす影 響』 ・課題③『実験3 食品たんぱく質の質及び量がラットの BUN に及ぼす影響』 ・課題④『実験4 食品たんぱく質の質及び量がラットの肝アルギナーゼ活性 に及ぼす影響』 (12.5点/各課題) レポート内容:1回目の授業で資料を配布し説明します。 課題の評価:レポートの採点基準(ルーブリック評価表)を提示し、評価の可視 化をします。 ① ② ③ ④ ⑤ ① ② ③ ④ ⑤ ① ② ③ ④ ⑤ ① ② ③ ④ 4 種類のレポートは全て繋がった内容になっています。そのため、それぞれの レポート提出日(初回の授業で提示)にどれかのレポートが未提出だった場 合は、全レポート点が0点になります。 ・質問等に対して挙手し答えた場合、1回2点(10点まで)で成績に加算しま す。 ✓ ✓ 100 【達成目標の目安】 達成レベル A(優)の目安 基礎栄養学実験の目的に対して、実験結果より、4つの結 論が導きだせる。 達成レベル B(良)の目安 基礎栄養学実験の4つの結論が導きだせないが、教 員からの説明があれば理解ができる。 回数 学習・教育内容 授業の 実施方法 達成レベル C(可)の目安 予習・復習 時間 能力 (分) 名 実験1 食品たんぱく質の質と量 PER、NPR の説明、飼 PER と NPR の相違点を理 1回 復習:純度補正法をレ 主体性 の違いがラットの成長に及ぼす 料組成表の作成(純 解する。純度補正の計算 120 実行力 ポートにまとめる。 / 影響 度補正の計算) が理解できる。 2回 6種類の実験飼料の調製 / 飼料が均一かつ調製量 成分が均一な飼料を 復習:飼料調製法をレ 主体性 と出来上がり量が 2g以内 120 実行力 調製する。 ポートにまとめる の誤差になること。 復習:解剖当日のフロ 尿、糞、血液、肝臓採 5回目で実施する実験の 3回 尿、糞、血液、肝臓の採取方法 ーシート(使用器具等 取のデモンストレーシ 流れを理解し、フローシ 120 計画力 記載したもの)を完成さ / について理解する。 ョンを実施する。 ートが作成できる。 せる。 4回 飼育開始 / 3 回目の授業で調製 した飼料を実験動物 に 1 週間与える。この 復習:毎日、体重・摂食 毎日の測定を実施し、観 期間中毎日、体重・ 量のデータを写し、エク 210 計画力 察記録をつける。 飼料摂取量を測定 セルに入力をする。 し、さらに糞・尿の採 取を行う。 予習:フローシートを使 実際に実験動物を解 って、尿、糞、血液、肝 剖し、血液と肝臓を採 フローシートを見ながら、 5回 臓採取方法を最終確認 尿、糞、血液、肝臓を採取する。 取する。また、糞と尿 自身で血液、肝臓、尿、 60 主体性 する。 / のサンプル処理を行 糞の採取ができる。 復習:実験方法まで、レ う。 ポートを作成する。 6回 実験1 まとめ / ラット飼育中に毎日測 予習:PER と NPR を算 主体性 定していた体重や摂 25 匹分のデータを処理 出 し 、 考 察 を 考 え て く 実行力 食量より、たんぱく質 して、表及び図を持参し る。 120 課題発 の栄養価の判定 見力 て授業に参加している。 復習:実験1のレポート (PER NPR)を行い考 創造力 を完成させる。 察する。 実験2 食品たんぱく質の質及 ケルダール法を用い 予習:フローシートを作 7回 フローシートに基づいて び量が窒素出納におよぼす影 て、実際に窒素分析 成し、測定原理(分解・ 60 主体性 実験を遂行できる。 / 響 (分解操作)を行う。 蒸留)を理解する。 8回 飼料・糞・尿の窒素測定 / ケルダール法を用い 復習:実験方法までの て、実際に窒素分析 フローシートに基づいて レポートを完成させる。 60 主体性 (蒸留操作)を行う。 実験を遂行できる。 NPU と生物価を算出す る。 回数 学習・教育内容 9回 実験2 まとめ / 授業の 実施方法 達成レベル C(可)の目安 予習・復習 時間 能力 (分) 名 飼料・糞・尿の窒素測 主体性 定より、たんぱく質の 25 匹分のデータを処理 実行力 復習:実験2のレポート 栄養 価の判定(NPU して、表及び図を持参し 120 課題発 を完成させる。 見力 生物価)を行い考察 て授業に参加している。 創造力 する。 食品たんぱく質の質 実験3 食品たんぱく質の質及 10回 及び量が血中尿素窒 フローシートに基づいて 復習:実験方法までレ び量が血中尿素窒素(BUN)に 60 主体性 素に及ぼす影響につ 実験を遂行できる。 ポートを作成する。 / 及ぼす影響 いて検討する。 11回 実験3 つづき / 定量実験における検 検量線の式が算出でき 復習:BUN 濃度を算出 量線の数式を算出 60 主体性 る。 し、考察を考える。 し、濃度を計算する。 12回 実験3まとめ / 血中尿素窒素濃度の 25 匹分のデータを処理 実行力 復習:実験2のレポート 算 出 を 行 い 考 察 す して、表及び図を持参し 120 課題発 を完成させる。 見力 る。 て授業に参加している。 主体性 創造力 予習:フローシートを作 成する。 実験4 食品たんぱく質の質及 13回 肝臓中のアルギナー フローシートに基づいて 復習:実験方法までレ び量が肝臓アルギナーゼ活性 60 主体性 ゼ活性の測定を行う。 実験を遂行できる。 ポートを作成し、肝アル / に及ぼす影響 ギナーゼ活性のデータ 処理を行う。 主体性 14回 実験4 まとめ / 肝臓アルギナーゼ活 25 匹分のデータを処理 実行力 復習:実験4のレポート 性の算出を行い考察 して、表及び図を持参し 120 課題発 をまとめる。 見力 する。 て授業に参加している。 創造力 15回 総括 / 主体性 復習:レポートの総括を 実行力 栄養学実験の全体の 授業で伝えた内容を理 まとめ、10題の問題の 240 課題発 まとめ 解できた。 答えをレポートに追記 見力 する。 創造力 能力名:①主体性 ②働きかけ力 ③実行力 ④課題発見力 ⑤計画力 ⑥創造力 ⑦発信力 ⑧傾聴力 ⑨柔軟性 ⑩情況把握力 ⑪規律性 ⑫ストレスコントロール力
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