成人女性の運動負荷レベルの違いによる身体構造の変化に関する調査 南 友乃(競技スポーツ学科 トレーニング・健康コース) 指導教員 小松 猛 キーワード:姿勢,運動能力,運動負荷レベル 1. 緒言 近年,少子高齢化は日本では大きな問題 が、ストレッチなどを取り入れることが必 要だと思われる。 となっており,今後,シニア層の増加と 筋持久力に関しては、腹筋の持久力が弱 その年代の人たちが健康に生きたいという いと背筋とのバランスの崩れから姿勢の歪 欲求から,スポーツクラブへの利用の増加 みにも繋がるため多く取り入れる必要があ が見込まれる. る. スポーツ業界を利用している 20 歳~65 姿勢測定については,前傾+後傾の姿勢に 歳の健康状態に注目し,健康のバロメータ なっている人が全体で多く,姿勢が良好だ になると考えられる姿勢バランスの変化に ったのはすべて高負荷群であった.(図 1) 注目し,スポーツジムを利用する成人女性 仕事上同じ姿勢を長時間保持しており, の姿勢と体力,体組成がどのように関連す 仕事以外で,スマホの使用などで前傾の姿 るのかを目的として以下のような調査を行 勢になりがちで,そのようなことから姿勢 った. の歪みに繋がっているのではないかと思わ 2.研究方法 れる. 京都府のスポーツジムに通う 20 歳~60 歳の女性会員 25 名を対象とした. (20 代 4 人,30 代 3 人,40 代 8 人,50 代 6 人, 60 代 4 人) 測定項目としては,アンケート調査,体組 成測定,体力測定,姿勢測定を行った. 3.結果と考察 70 60 50 40 30 20 10 0 良好 本研究の結果からは,体組成に関しては 後傾 高負荷群(n=14) 高負荷群、低負荷群と比較して必ずしも筋 前傾 後傾+前傾 低負荷群(n=11) 力や骨量に対して高負荷群に高いデータが 図 1:高負荷群、低負荷群の姿勢別の割合 出ているわけではなかった. 4.結論 高負荷群の方がより持久力が高いという 可能な限り負荷が高めの運動によって筋 結果が得られたことから, 有酸素運動を取 肉を強化することが,健康の保持増進とと り入れることで長時間運動をすることがで もに姿勢の改善,障害予防に有用であると き、負荷のかかる運動が効率的にできるの 考えられ,意識の変化が必要だと思われる. ではないかと考える. 参考文献 柔軟性は,どちらも数値が低かった. 塩田 そのためスポーツジムの利用では、筋肉 矯正の意識と姿勢変化の関連について,作 トレーニングや有酸素運動に集中しがちだ 徹(2007)女子大学生における姿勢 新学院大学紀要 17,91-103
© Copyright 2024 Paperzz