スポークの 組 ク み 方 カタ の 相違 ソウイ による 自転車 ジテンシャ リム

平成 26 年度卒業研究発表要旨
2015 年 2 月 23 日
231 スポークの組み方の相違によるリム変形、強度特性に関する研究
11-1-833-0004 坊垣 亮介
人間工学科 ユニバーサルデザイン研究室(加藤 一行教授)
1 目的
人々の暮らしを豊かに、また、効率的にする手段として自転車
が存在している。近年では、日本国内の自転車保有台数は約
7000 万台 1)となっており、国民の約 50%近くが利用している。ま
た、エコブームやダイエットに良い等の様々な理由により、自転
車の利用数は増加し、種類は多様化傾向 2)にある。そのような中、
年度により多少は増減するが、自転車生産台数は 概ね、
900~950 万台 3)を推移している。ここで注目すべきは、毎年生産
されている製品の約 90%3)が輸入品であるいう事である。輸入品
の中には、フレームへの溶接が不十分な物や、各部に粗悪な部
品が利用されている場合もある。JIS 等の規格に基づいて生産さ
れている場合でも、一台一台にまでは、輸入業者の管理が行き
届いていない状態である。
しかし、自転車産業振興協会技術研究所 4)への事故報告に
は、大手自転車メーカーの不良は散見されるが、小規模な会社
等は、ほぼ見受けられない。これには、輸入されている多くの軽
快車の価格が非常に安いために生じる、利用者自体の妥協や、
仮に製品不良が存在する場合でも、各店舗レベルでの対応で解
決出来る場合が多いためと考えられる。また、輸入代理店、取扱
店等からの報告経路が、適切に働いていないことが考えられる。
このような状態にあるためとは、断定できないが、自転車のホイ
ールがロックした事に関連する転倒事故の多くは、製品に起因し
たかどうかは判断出来ないと結論付けられている場合も多々存
在する。
そこで、自転車の要であるホイール構造の理解、及び、安全面
での改善策検討を行うために、模擬ホイールの作製を行う。
その後、作製した模擬ホイールに対して、オートグラフを用い
た破壊試験を行う事により、実際の変化の様子、荷重や変形量
等、定量的な評価の指標となるデータを採取する。それらを組み
合わせ、スポークの組み方による強度の差異を考察する。
2 方法
日本工業規格 5)に基づいて製作し、更に追加条件として、縦方
向、横方向の振れを 1.5mm 以下、全てのスポーク張力の差異を
±10%以下の値となるように 6 種類の異なるスポークの組み方を
したホイール、市販車から取り外した既製ホイール 1 種類を用い
て、破壊試験を行い、採取したデータの検討を行う。
試験に用いた装置は、島津製作所 精密万能試験機 オートグラ
フ AG-250kNG である。データ採取は、試験力(荷重)及びストロ
ーク(変形量)の採取を行う。これらのデータを採取する際は、事
前に測定時間を 10m(s) と規定する。
3 結果
破壊試験により採取した、試験力(荷重)及びストローク(変形量)
データから、軸剛性の算出に適当と思われるデータ部位を抽出
し、値を算出すると図 1 のようになる。
算出された軸剛性の値と、ホイールが保持出来た最大荷重値
の関係グラフを図 2 に示す。
この結果、組み方毎に軸剛性が異なる事から、スポークの組み
方による軸剛性の差異は、何らかの形で存在する事が見受けら
れる。また、軸剛性の変位に対する耐力の変化も 8 本組、6 本組、
0 本組の一部ではあるが、顕著に表れている事が確認出来る。
図 1 軸剛性の推移
図 2 荷重-軸剛性のグラフ
4 考察
図 2 によると、軸剛性の値が上昇する事により、耐荷重が極端
に増加する傾向は、希薄ではあるが、認められる。しかし、今回
の破壊試験では、絶対的に試験のデータ数が少ないため、確定
的ではない。そのため、ホイールごとの耐力、軸剛性の数値に何
らかの差異が存在していても、統計的な有意差を示す事が出来
ていない。このような事から、今後は、データ数の充実が望まれる。
更に、ホイールの精度を上げてはいるが、再現性と言う点におい
ては、未知数であるため併せての改善も望まれる。
また、自転車ホイールは、本来、走行状態での荷重変化、変
形量が生じるため、静的状態での変化が、動的状態での変化に
どのような影響を及ぼすか示さなければならい。
参考文献
1) 国土交通省
総合的交通基盤整備連絡会議内資料 道路
統計年報 2007~2010,(2012).
2) 国土交通省
道路局
地方道・環境課
道路交通安全対
策室,(2006).
3) 社団法人
自転車協会
4) 一 般 財 団 法 人
自転車工業の概観,(2011).
自転車産業振興協会技術研究所
www.jcbtc.or.jp
5) 日本工業規格
日本工業規格
JIS9301, JIS D9311