イタリア IFOM-IEO キャンパスでの海外研修について 医学科5回生 原 寛幸 学生番号 実習期間 2011/08/06-2011/08/29 2011/09/04 0600-19-8358 研修先 IFOM(イタリア) このレポートでは僕が行った海外研修の実習内容というよりも、海外研修の全体像につ いて焦点を当てたいと思います。まず僕は今まで海外に行ったことがなく、今回が初めて でした。このレポートでは、僕が戸惑った点や、やっておけばよかった点、その他役に立 ちそうな情報などを一通り書こうと思うので、これから海外留学しようと考えておられる 方、特に僕と同じく初めての海外留学の方や、IFOM での留学を考えている方にとって、 現地での生活を想像するにあたって、微力ながら一助となれば幸いです。 出発までに 出発までにやらないといけないことは次の3点です。 パスポート取得・・・パスポート発行の申し込みは住民登録をしている各都道府県 の定められた場所に行うのですが、申し込んでから発行までは一週間ほどかかりま す。申し込みは代理人でも可能ですが受け取りには必ず本人でないといけません。 また窓口は平日の夕方くらいまでしか開いていないところが多く、時間が取れない 方は早めに用意するほうがいいと思います。特に5回生はこの時間ポリクリで拘束 されるので注意が必要です。 フライトの予約・・・これは旅行会社で申し込みます。8月などは一般に予約が殺 到する時期なので、自分の希望する日程のフライトをとるためには早ければ早いほ どいいです。僕は8月6日出発のフライトを2週間前に予約しに行きましたが、希 望の日程では取れずに、ポリクリを1日休むことになりました。 滞在先への連絡・・・滞在先にあらかじめ挨拶し、フライトの予約が決まり次第、 往復のフライトの予定を伝えて自分に必要な宿泊施設の利用期間を伝えます。また 僕の場合は最終学歴証明書(大学在学生の場合は高校卒業証明書)、パスポート、履 歴書をメールに画像添付して送信しました。 ※あとぜひ、日本のガイドブックを持って行った方がいいと思います。観光の際に役 に立つのはもちろんですが、普段の生活でも困った時にとても役に立ちます。例えば地 下鉄の切符の買い方や、バスの券の使い方から始まり、文化の違い(イタリアの店では 入店の際には基本的に店員の方に挨拶をするのが一般的といったことや、スーパーでは 自分でレジに品物を置いてお金を払ってから自分で袋に詰めるといったこと)など。特 に「地球の歩き方」をお勧めします。まっぷる等も持って行きましたが、何も役に立ち ませんでした。その他に日本にいるうちにやっておいた方がいいことは、ユーロへの換 金です。現地の銀行でも可能ですが、観光地にあるような換金窓口ではレートが悪いで す。ただ関西空港などでも20分ほどで換金可能なので、僕は出発直前に関空で換金し ました。またどうやって現地通貨を持っていくかも考えておいた方がいいと思います。 現金だけではなく、トラベラーズチェック(TC)やクレジットカードなどを利用する方 が賢明です。僕は現金と TC で持っていきイタリア到着当日に財布を盗難にあいました。 現金はなくなりましたが TC は鞄に入れていたので、一文なしにはならずに済みました。 余談ですが海外旅行をすると日本がいかに平和な国なのかがわかります。財布ですが免 許証や健康保険証など、現地では使うことはないと思います(向こうでの身分証明は全 てパスポートで行います。)ので、必要最低限のクレジットカードと現金のみ財布に入れ て持っていくという風にした方がいいと思います。また、向こうで日本の電化製品(PC、 スマートフォン、デジカメ etc)を使おうと考えている方は日本の電化製品ショップで変 換器(IFOM ならイタリアの C タイプのもの)を買って持っていってください。IFOM なら宿泊施設の各部屋に2か所のコンセント口があり、またユーロスター(イタリア国 内の特急)の各座席にもコンセント口がありますので使う機会は多いと思います。IFOM をはじめ EU に行かれる方は EU 内の鉄道を利用する際にお得なユーレイルパスという、 日本での青春18切符のようなものがあり、必要な日数分を自分で選択できるので、予 め自分の旅行予定を立てておくといいと思います。僕は思っていた以上に観光したので 途中で足らなくなってしまいました。 現地での滞在(ここでは IFOM に関してのみ書きます) 現地の宿泊施設についてしまえば後は一段落だと思います。向こうでの実習ですが、基 本的に月曜日から金曜日の9時から17時のうちその都度いつに来てほしいということを 伝えられて、その時間にラボに向かうという感じでした。僕は3週間しかいなかったので、 基本的には自分のスーパーバイザーが今やっている実験を説明してくれた後に、実際やっ ている作業を見て、たまにこちらがやらせてもらうといった感じでした。どのような実習 内容になるかはスーパーバイザー次第だと思います。また昼食はキャンパス内の食堂で、 IFOM の生徒ですと用紙に書けば無料で食べることができます。ゲストハウスでの生活で すが朝9時に部屋のかぎを受け付けに渡しておくと、11時ごろに部屋の中を掃除してベ ッドメーキングしてくれます。入居時の説明で朝9時までに鍵を受け付けに預けるように 説明がありますが、実験が休みの日などもあり鍵を預けていない時もありましたが特に何 も言われませんでした。ただ外出時は紛失といったことも考えられますので、必ず預ける ようにした方がいいと思います。またゲストハウス内には、共同のキッチンがあり冷蔵庫 をはじめフライパンや鍋などから使い捨ての皿、フォーク、スプーン、コップなどが一通 りそろっており、近くにスーパーがありますので朝、晩に自炊することも可能です。各部 屋での飲食は禁止されていて、このキッチンでのみ食事できるので、他の部屋の方もこら れます。ここで食事をしていると他の国やイタリアから来ている学生や研究員などとも話 をすることができます。 これがゲストハウスのキッチンです。 他にゲストハウスには共同の洗濯機、乾燥機があり、洗剤、柔軟剤がもらえます。各部 屋にはドライヤーも備え付けられています。 ミラノでの交通ですが、メトロ(地下鉄)、トラム(路上電車) 、バスがあります。これ らの乗車券はすべて共通で、1回券(75分間有効)、1日券などがあります。1回券なら 基本的に75分以内なら何回でも乗り降りできます。但しメトロだけは一回しか乗れませ んが、メトロ→バス→トラムなども可能です。1日券ならメトロも含めて何度でも使えま す。券はメトロの駅にある自販機で買うか、タバッキと言われるタバコ屋(日本でのコン ビニのようなもの)で買えます。 これはメトロの駅にある自動券売機です。 これには日付が刻印されていないので、まとめて買って持っておいた方が便利です。日 付刻印はメトロならば改札を通るときに自動で記入されますが、トラムやバスなどでは自 分で刻印機に通して行わないといけません。(券をいくら持っていても刻印された有効な券 がないと無賃乗車扱いとなり、その場合かなりの罰金を払わされるようです。)ミラノ市内 とは別に週末の旅行などの場合は、ユーレイルパス(EP)を使うことになると思います。 これは選んだ日は1日イタリアの国鉄である trenitalia の fs 線に何度でも乗れるというも のです。Fs 線には大きく分けてユーロスター(ES)、インターティー(IC) 、レッジョナー レ(R)があり、R は EP のみで乗れます。特急である ES、IC には座席指定料さえ払えば 乗れます。料金は ES10ユーロ、IC3ユーロです。乗車券や座席指定券は各駅の自動券売 機で買うことができます。各列車の運行予定や、かかる時間などは自動券売機で調べられ る他、trenitalia の HP でも調べることができます。 ちょっとわかりずらいですが、この写真の中央辺りに写っている機械が fs 線の自動券売 機です。 EP にも購入時は日付が記入されておりませんので、乗車前に自分でボールペンで記入し ないといけません。(鉛筆などだとダメなようです。)特急の場合は必ず車掌さんが、チェ ックしに来ますので、特急の場合は EP と座席指定券を見せます。R の場合はほとんどチェ ックがありませんでしたが、もし来た場合は EP をみせます。EP がなくなり乗車券を購入 した場合も同じく、刻印機(fs 駅の各ホームにあります。)に通してから乗車します。刻印 を忘れた場合でも乗車後ボールペンで記入しておけば大丈夫だとか大丈夫じゃないとか、、 帰国 帰国は特に問題ないと思います。行きと同じ道を帰るだけです。ただ、日本入国時に、 税関を通らないといけません。EU 内でタバコやお酒など課税対象となるものを購入して 日本に持ち込む場合、免税範囲を超えた分は課税対象となります。が、飛行機内で自己 申告書が配られ、記入し関西航空内の税関に提出し、ほとんどは自己申告で終わるよう です。僕の場合も、課税対象はありますか?と聞かれ、ワインを一本買っただけであり ません、と答えて終わりでした。鞄の中身を開けられたりもありませんでした。とはい っても念のためきちんと課税範囲を調べて買い物しましょう。 最後に 他に気をつけてほしいことは、トランジットの際の搭乗時間が日本時間なのか、現地時間 なのかを確認すること。僕の場合はフライトの半券は日本時間表示で、トランジットの空 港の電光掲示板表示は現地時間だったので誤差がありました。後、予想以上に英語が通じ ませんでした。ラボの人なら英語で通じますが、街中だとほぼイタリア語でないと使えな いと思った方がいいと思います。大きい駅のインフォメーションセンターなどは英語で話 せましたが、観光地のホテルやチケット売り場の窓口などでは英語が通じないことが多い です。なので生活で使いそうなイタリア語を少し覚えておくときっと役に立ちます。英語 でなくイタリア語で話しかけると、割引きにしてくれたりいろいろと得をしたことも多か ったです。また海外は思った以上に物騒です。盗難など、特に気をつけておいてください。 またいたるところに物乞いの人がいます。僕が見かけたのは、観光地で親しげに近づいて 腕にミサンガを巻きつけて後からミサンガ代を要求してくる人や、鳩の餌を押しつけてき て鳩にあげさせて、えさ代を請求する人、切符などの自動券売機の横で居座って、勝手に 向こうから買い方などを教えてきて、手伝い料を請求してくる人、列車に乗ってるといき なり入ってきてバイオリンを弾きだして、終わった後各座席を回って演奏料を徴収しだす 人など。これらは基本的に払う必要はないので知らん顔しておきましょう。ただ暴力など のトラブルに巻き込まれるということもあるようなので、はじめからきちんと対処するに 越したことはありません。僕はミサンガの人は腕に巻こうとしてきたら振り払って、えさ を渡してきた人にはきちんと返していました。長々と書きましたが、今回の滞在はとても 楽しかったです。違う文化、考え方を持った人たちと接することはとても刺激的でした。 これから留学に行く人や留学を考えている人にはぜひとも海外留学を楽しんできていただ きたいです。 留学する人は気をつけて楽しんできてください。
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