平成25年秋号(PDF:536KB)

埼玉県警察
山岳救助隊
秩父警察署
℡0494-24-0110
小鹿野警察署
℡0494-75-0110
山岳救助隊ニュースは埼玉県警のH P からアクセスできます http://www.police.pref.saitama.lg.jp/kenkei/
平成2 5 年【7 ~9 月】埼玉県内の山岳遭難発生状 況
件数1 7 件(重傷5 人・軽傷6 人・無事7 人)
発生日
7月 6日
7月 7日
7月17日
7月18日
7月31日
8月14日
8月25日
9月 1日
9月 7日
9月12日
9月14日
9月18日
9月18日
9月21日
9月25日
9月28日
9月30日
山岳名
小鹿野二子山
小鹿野二子山
白泰山
熊倉山
両神山
両神山
小鹿野二子山
妙法ヶ岳
両神山
両神山
熊倉山
三峰山
伊豆ヶ岳
両神山
棒の嶺
大持山
入 川
PT構成
10人
2人
単独
2人
単独
単独
単独
5人
3人
18人
7人
3人
単独
単独
10人
単独
単独
年齢・性別
63歳男性
35歳女性
57歳男性
78・69歳女性
55歳女性
46歳男性
18歳男性
18歳男性
66歳女性
79歳男性
66歳男性
36歳女性
78歳男性
36歳男性
51歳女性
50歳男性
45歳男性
遭難・事故原因等
下山中、突いたストックが縮みバランスを崩し滑落
道を間違え、戻ろうとして滑落
栃本広場から入山、道迷いし沢に入り込み滑落
登山口を勘違いして入山、登山道から外れ道迷い
下山中、会所付近で道迷い、沢に入り込む
鎖場で転落し、足首を負傷して歩行不能
山頂で寝過ごし日没、行動不能
PTバラバラで下山中に道迷い
6日オオトギ沢清浄の滝下流で発見
登山道上で足を踏み外し転倒
下山中、登山道から5m滑落
下山中、登山道上で蜂に襲撃され負傷
清浄の滝に打たれた後、登山道へ戻る際に転倒
伊豆ヶ岳から天目指峠へ縦走中に道迷い
日帰り登山で行方不明、翌日西岳付近で発見
木の階段で転倒し、手首骨折
大持山からの下山途中に道迷い
柳小屋からの下山中道迷いし、沢に入り込み滑落
死傷別
重傷
軽傷
軽傷
無事
無事
軽傷
無事
重傷
重傷
軽傷
軽傷
軽傷
無事
無事
重傷
無事
重傷
何のための複数登山?!
以前から当山岳救助隊では「単独登山は危険です」と登山者の方に注意を促してきましたが、グループ(パ
ーティー)で登ればそれでいいのか??と思うことがしばしばあります。
具体的には遭難現場に到着すると、せっかくパーティーで入山しているにもかかわらず、遭難者(負傷者)
に対して何もしていないケースです。
(もちろん不用意に動かさない方がよい場合もありますが…)
リーダーが負傷してしまい、他のメンバーはどうにもできないといったケースも…。
確かに複数で登れば、誰かが行動不能になっても救助要請だけはできます。しかし、できることは救助要
請だけですか?普段から各自で話し合ってみたり、搬送や救護(包帯・添え木等)について訓練してみてく
ださい。これらの原因は、リーダー以外のメンバーが、「山に連れて行ってもらっている。
」感覚であること
が大きいと思います。参加者は集合時間に集まるだけで、これから登る山も分からないといった、笑い話の
ようなケースもありました。全てのメンバーがリーダーになれとは申しませんが、各自が最低限ビバークが
できて、一人になっても自力で下山でき、万一の際には応急措置ができるような知識・技術・体力・装備を
身につけ、リーダー任せにしないように心がけていただきたいと思います。
山の基本はセルフレスキューです。何かあれば救助を要請して、ヘリ
コプターに救助してもらえばいいという安易な考えはやめていただきた
いのです。
また最近の山岳遭難の傾向として、パーティーがバラバラで行動して
いるため、下山した駐車場で行き違いとなり救助を求めたケース(遭難
にあらず)や、パーティーと別れた後に道に迷い、単独で遭難した事故
も発生しているなど、せっかく複数登山をしていても全く意味がないケ
ースも散見されます。
①
思いのほか早い夕暮れ。
(早出早着の基本)
秋から冬にかけて日没が早くなります。午後3時には下山できるゆとりのある計画を立てましょう。
②
万全な装備
日帰りでも軽さばかりを追求せず、ヘッドライトや十分な食料、防寒着を所持しましょう。
③
予想外の天気
麓は紅葉でも山頂付近は積雪といったこともあります。事前に天気等の情報を収集しましょう。
④
落ち葉により登山道が判別しにくい
落ち葉が積もり登山道を見失いやすくなっています。地図とコンパスを確実に携行しましょう。
⑤
熊や蜂などの野生動物との遭遇
秋は蜂の活動が活発化します。黒い服装や、香りが強い香水や化粧品はつけないようにしましょう。
⑥
キノコ採りで道迷い(登山届の提出と複数での登山)
低山でも万が一に備え、登山届を提出しましょう。「キノコを採りに秩父の山に行ってくる」という
家族への伝言だけでは、秩父のどの山に登ったのかも分かりません。
⑦
探検冒険ほどほどに
インターネットの情報を鵜呑みにして、通行禁止の登山道・廃道・バリエーションルートを登ろう
とする人には相応の危険が伴います。自分の技量や体力を認識し、相応の登山をしましょう。
■□埼玉県山岳救助隊の活動から□■
私は、山岳救助隊に志願して入隊しました。普段は駐在所の警察官として、地域の安全安心のために仕事をして
いますが、遭難事故が発生した時、その仕事を一時中断して現場に駆け付けます。今では、警察や消防が主に山岳
遭難の救助活動や捜索を行っていますが、山岳救助隊が編成される以前は、山小屋関係者・遭難者が所属する山岳
会のメンバーや、地元警察署の山登り経験等全くない警察官が捜索をしていた時代もありました。
これから、私が入隊してから数々の出動の中で、印象に残っている遭難について書きます。
これは妙法ヶ岳を登山した男性を、捜索開始から6日目に沢の中で発見救助した事案です。
遭難者は山頂からの下山途中に道に迷い、踏み跡もない山道を下へ下へと向かい、オオトギ沢へと出てしまった
のです。発見したのは、遭難してから既に6日間が経過していましたが、遭難者は食糧も無く、防寒着も無い状態
で、沢の水を飲んで餓えをしのいでいたところを無事生存発見することができたのです。平成22年8月には、両
神山で道迷いした男性が14日後に沢の中で発見救助された事案もありました。
2件の生存発見の事例に共通していることは、『行動ができなくなってから、無理してその場を動かなかった』
ということにあったと思います。幻覚や幻聴もある状態で、更に無理をして行動していれば、滑落等により致命的
なケガをしていたことでしょう。「待っていて救助隊が来るのか?」と不安に駆られる気持ちと「これ以上動かな
いほうがいい」という様々な葛藤がある中で、救助を信じて待つ、ことを決断するのは大変難しい選択だったと思
います。
どちらの遭難者も無事救助することでき、心配している家族の元へと帰すことができて本当によかったと思いま
す。これからも我々救助隊は、家族の元に帰りたいと思う人、また、その人を待っている家族がいる限り全力で活
動をします。
【山岳救助隊5年目隊員 K・Y】
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登
団
体
名
所
在
地
山
計
画
書
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登山開始日時
下山予定日時
山(域)名
ル
メンバー
氏名
ー
ト
合計
年齢
名
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SL
携
帯
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食分
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車種
ナンバー