Digital Cinema Consortium of Japan Newsletter 第4号(2004年8月) 編集・発行/ディジタルシネマ・コンソーシアム事務局 〒239-0847 横須賀市光の丘8-3 316号室 TEL:046-839-2455、FAX:046-839-2454 http://www12.ocn.ne.jp/~d-cinema/ ディジタルシネマ・シンポジウム2004開催報告 本年6月8日午前10時より銀座ヤマハホールにおいて、ディジタルシネマ・シンポジウム2004を開催いたしまし た。ディジタルシネマ・コンソーシアム(以下DCCJ)は、横方向約4000画素、縦方向約2000画素のディジタルシネ マ(以下4Kディジタルシネマ)の研究開発及び普及を目指して活動しています。今回は、米国の大手映画会社7社 がディジタルシネマの標準規格策定を進めるために設立したDigital Cinema Initiatives, LLC(以下DCI)が最高品 質の映像として4Kディジタルシネマを規定し、またアメリカ撮影監督協会(以下ASC)と共同でディジタルシネマの 標準化評価用(Standardized Evaluation Test Material (StEM))ミニムービーを制作したことを踏まえ、DCI及び ASCの主要メンバーを招いての国際シンポジウムとなりました。 青山友紀DCCJ理事長の開会挨拶、映画議員連盟事務局長でもある斉藤斗志二衆議院議員(元防衛庁長官、 元郵政政務次官)の来賓ご挨拶に続き、「ハリウッド規格ディジタルシネマ制作」と題して、ハリウッド最新動向の 紹介、DCIが提唱するディジタルシネマシステムの概要・配給システム・セキュリティ規格・画像圧縮/音声ステム の解説を行い、次いで「DCI/ASC制作の評価用標準テスト映像4Kディジタル映写」と題して、『スター・ウォーズ』3 部作などで米アカデミー視覚効果賞を受賞したRichard Edlund氏による講演の他、StEMミニムービーの上映を交 えた講演を行いました。そして、日本映画撮影監督協会名誉会長でもある高村倉太郎DCCJ副理事長が日本にお けるフィルムアーカイブの現状とディジタルシネマへの期待を述べた後、高村監督を除く講演者全員でパネルディ スカッション・Q&Aを行いました。 写真左より青山理事長(東大)、小野副理事長(慶大)、Tom McMahon氏(ドルビー研究所)、Jim Whittlesey氏 (DCI)、Howard Lukk氏(DCI)、Richard Edlund氏(ASC)、Anthony Wechselberger氏(DCI)、藤井哲郎氏(NTT)、 Laurin Herr氏(パシフィック・インターフェース社) 今回、日本初公開となったStEMミニムービーは、 DCIの技術部長であるHoward Lukk氏の解説付きで下記の3パ ターンの上映を行いました。 1. 4Kディジタル上映(2回)DCDM(Digital Cinema Distribution Master:ディジタルシネマ配給マスター)のコンセ プトに基くマトリクス演算による色変換に従ったディジタル上映 2. アナモフィック・レンズのカメラで撮影したカットのアンサープリント(パラマウント映画より借用) 3. アンサープリントを参照したD-ILA 4Kプロジェクタ上での色補正バージョン(イマジカによる) ホール常設のフィルムプロジェクタの光源特性などから十分な品質でフィルム上映を行うことができませんでしたが、 4Kディジタルシネマについては、DCIメンバーなどからも非常に満足度の高い品質であるとの感想をいただきました。 Q&Aでは、2Kシネマにおいてより解像度の高い映像で撮影し、ダウンコンバートしたほうが品質が良いということから、 4Kシネマにおいてもより解像度の高い映像で撮影してダウンコンバートするべきではないかなどの質問が出され、そ れぞれシステム技術や撮影技術などの観点から講演者より回答が出されるなど、活発な議論が交わされました。 閉会後、参加者の皆さまからは「大変充実した内容で勉強になった。」「ハリウッドのスタジオ関係者から直接情報 を得ることができ大変有益だった。」「4K映像の鮮やかさに驚いた。」「また参加したい」等の感想が多数寄せられまし た。また、「映像、システム共に、より具体的な例が見たい。」「海外の動きに対して日本ではどのような動きがあるの か等も知りたかった。」というようなご意見も寄せられています。今後も一般を対象としたディジタルシネマに関するイ ベント等を開催することにより、ディジタルシネマの普及促進を図り、コンテンツ流通促進に寄与したいと考えておりま す。 デジタルシネマ実験推進協議会設立 コンテンツ流通促進政策を推進する総務省の協力の下、独立行政法人情報通信研究機構(NiCT)、DCCJおよ び映像関連の企業・団体を中心に「デジタルシネマ実験推進協議会」が設立され、本年5月31日、虎ノ門パスト ラルにて設立総会が開催されました。 ■協議会の目的 ■協議会の活動方針 z情報通信ネットワークの飛躍的な高 度化の進展を踏まえ、超大容量のデ ジタルシネマをネットワーク流通にお ける重要なデジタルコンテンツと捉え、 デジタルシネマの流通基盤技術の確 立を目指す。 実証実験 z制作から配信上映までの関係者の 総力を結集して、「4K」規格のデジタ ルシネマの流通技術、品質評価技術、 セキュリティ技術の確立を目指す実験 等を推進する。 z欧米の関係各機関と連携して国際 的な展開を図り、国際標準化に貢献 する。 デジタルシネマの流通技術、品質評価技術、セキュリティ技術に関す る実証実験の実施 デジタルシネマの早期実現のための調査研究の実施 普及啓発 デジタルシネマの早期実現に向けた提言、要望等の取りまとめ デジタルシネマに係る技術や利用等に関する講演会、シンポジウム等 の開催 海外関係機関との連携 デジタルシネマに係る国外の機関との情報交流及び連携 米国ETC 、SCT 、イリノイ大学、欧州EDCF 、イタリア国立映画学校等 普及啓発 実証実験 セミナー,シンポジウム開催 NiCT開発4Kカメラによる撮影風景 ©NiCT 4Kデジタルシネマ 配信・映写システム ©NTT 札幌 国際ディジタルシネマ・シンポジウム2004 実施風景 高速・高信頼・セキュア ネットワーク配信技術 金沢 北九州 提言・要望取りまとめ 長野 仙台 大阪 小金井 福岡 岡山 高知 海外関係機関との連携 沖縄 つくば 名古屋 けいはんな 大手町 USA 【凡例】 20Gbps 10Gbps 1 Gbps 光テストベッド JGN II ネットワーク概要 ■デジタルシネマ実験推進協議会 会員名簿 (五十音順・一部個人名の代わりに団体名を掲載しております。) アストロデザイン、池上通信機、 IMAGICA、インフォシティ、NTTコミュニケーションズ、オリンパス、角川映画、神奈川大学、京都 大学、慶應義塾大学、 計測技術研究所、 KDDI研究所、ザクセル、独立行政法人情報通信研究機構、スキップシティ、成蹊大学、 ソニー 、大日本印刷、中央コリドー高速通信実験プロジェクト推進協議会、特定非営利活動法人ディジタルシネマ・コンソーシアム、 テクノロジー・アライアンス・グループ、社団法人デジタルメディア協会、財団法人テレコム先端技術研究支援センター、テレビ朝日、 テレビ東京、東京工科大学、東京大学、東京理科大学、東京放送、ナックイメージテクノロジー、ナムコ、西日本電信電話、日活、協 同組合日本映画撮影監督協会、日本シネアーツ社、日本テレビ放送網 、日本電気、日本電信電話、日本ビクター、日本放送協会、 東日本電信電話、フジテレビジョン、三菱電機、立命館大学、早稲田大学、WOWWOW、YRP研究開発推進協会。 オブザーバー:総務省 お問合せ先: デジタルシネマ実験推進協議会事務局 (テレコム先端技術研究支援センター内) 電話03-3351-8166 FAX03-3351-1624 e-mail [email protected] 「映画の広場」1周年の集い ディジタルシネマ・コンソーシアム副理事長 日本映画撮影監督協会 名誉会長 高村倉太郎 「映画の広場」は、文化庁が設けた「映画振興に関する懇談会」(座長・高野悦子)が1年有余の論議を経て、平成 15年4月、文化庁長官に答申した「日本映画再生のため」の12の提言の中の1つ、「みんなが集える場が作れるよ うに」という要望に基づいて、平成15年6月14日、東京国立近代美術館フィルムセンターの7階に開設されたもので す。 今回、開設1周年を迎えた6月29日、これまでを振り返り広場のあり方や課題、今後の活性化などについて話し合 うために「映画の広場」1周年の集いがフィルムセンターで開催されました。コーディネーターは文化庁文化部長・寺 脇研氏、パネリストとしては 製作・プロデューサー 原 正人(アスミック・エースエンタテインメント(株)取締役会長) 演じる人・女優 香川 京子 監督 望月 六郎 観客 関口 裕子(キネマ旬報編集長) 製作スタッフを代表して私、高村倉太郎、とそれぞれの分野の方が参加し、忌憚のない意見交換が行われました。 「みんなが集える場」を目指して作られた「映画の広場」ではあったが、正直言ってこの1年ほとんど機能していな かったと言ってよいと思う。理由はいろいろあるが、その1つ、「映画の広場」があるフィルムセンターってどこにあるの。 フィルムセンターは1952年(昭和27年)に設置された国立近代美術館の映画部門として開設され、1970年(昭 和45年)に機能を拡充する形でフィルムセンターとして開館しました。昭和初期、旧日活本社が在ったところで、東京 都中央区京橋3−7−6、東京メトロ銀座線・京橋駅出口1から徒歩1分のところです。 1984年(昭和59年)、センター5階より出火、一部の外国映画のフィルムを焼失しました。これを機に相模原市に フィルムの保存庫として、フィルムセンター相模原分館が建築されました(1986年(昭和61年))。その後、フィルム センター整備委員会が設置され、1991年(平成3年)、フィルムセンターの新営工事に着手。1995年(平成7年)、 現在の新フィルムセンターが開館しました。 現在のフィルムセンターは、映画フィルムの収集、保存、修復、上映、展示、図書の閲覧などの事業の他に、優秀 映画鑑賞推進事業、映画製作専門家養成講座の開設など、わが国の映画振興の中心的機関として活発な活動を続 けています。 昭和30年代、日本映画は年間製作本数500本、映画館数7500館、年間観客動員数12億人を数え、娯楽の王 者として君臨し、それを支えていた撮影所には多くの人々が集い、優れた人材を多く輩出していました。 人々が集まるということは、文化を生み、産業を発展させる不可欠の要因とも言えます。 近年の日本映画は、最盛期に比べ製作本数で260本、映画館数は2600館、観客動員数は1億6000万人と1/2 から1/10近く激減し、撮影所は貸スタジオと化し、人々が集う場所ではなくなりました。この様な状況を憂い、先ず 人々が集える場をということから「映画の広場」が開設された訳です。 しかし、広場が出来たから人々が集うというほど単純なものではないことは誰もが分かっていることです。人々が集 うには、そこに何がしかの魅力が必要なことは当然考えなくてはならないことです。今回のシンポジウムでも、その点 に多くの発言が集中しました。 現在フィルムセンターには劇映画8300本、文化短編映画8600本、アニメーション500本、ニュース映画6600 本など約27600本の作品が収蔵されています。この中には歴史的、文化的にみて極めて貴重な作品も数多くありま す。しかし、これを観ようとすれば当然フィルムの損傷・劣化は避けられません。若しこれらの作品をデジタル化でき れば鑑賞によるフィルムの劣化を防ぎ、フィルムの永久保存の可能性を高めることができるのではないでしょうか。 そしてデジタル化された貴重な作品を広場で自由に鑑賞し、研究・調査に役立てられ れば、フィルムセンターらしい広場の魅力が生まれるのではないでしょうか。 映画を創る人、映画を観る人、映画を研究したい人、そして映画の魅力を幅広い 人々に楽しんでもらえる場として「映画の広場」が活性化する、そんな夢を私は見てい ます。 ディジタルシネマ・コンソーシアムの全面的な協力が望まれているのではないでしょう か。 【上映・展示企画に関するお問合せ先】 東京国立近代美術館フィルムセンター http://www.momat.go.jp/FC/fc.html 電話: 03-5777-8600 FAX: 03-3561-0830 Digital Cinema Consortium of Japan Newsletter 第4号(2004年8月) 電子情報通信学会 業績賞受賞! ディジタルシネマ・コンソーシアム理事長 青山友紀 電子情報通信学会において、「4Kディジタルシネマの提唱と開発」が平成15年度業績賞 に輝いた。ディジタルシネマ・コンソーシアムの青山友紀、小野定康、藤井哲郎の3名が同 学会の通常総会の席で写真に示す業績賞を受賞した。授賞の理由は同学会誌7月号に掲 載されているが、その理由の最後には、「・・・受賞者らはNPOディジタルシネマ・コンソーシ アム(DCCJ: Digital Cinema Consortium of Japan)を設立し、日本発の先端技術をベース に映画業界を巻き込み、全世界に向けた普及活動も展開している。・・・・以上のように、受 賞者は超高精細映像技術の先駆的研究開発に取り組み、4Kディジタルシネマ配信システ ムを開発し、コンテンツの王様である映画をブロードバンド時代のキラーアプリケーションに 取り込んだ。ハリウッド技術陣からも認められたその業績は誠に顕著なものがあり、本会業 績賞にふさわしいものである。」と記述されている。 この受賞は上記3名が代表して受賞したが、当NPO の活動が電子情報通信学会において評価されたもの であり、本コンソーシアムとしては誠に喜ばしいことで ある。本受賞は当コンソーシアム会員全員による4k ディジタルシネマプロトタイプシステムの開発成果と日 本および欧米での評価試験やデモによる同技術の世 界への発信に対して与えられたものであるということで、 3名の受賞者から副賞の金一封が当コンソーシアムに 寄付されたことを報告する。 特定非営利活動法人ディジタルシネマ・コンソーシアム 法人会員一覧(7月末現在) アストロデザイン株式会社、池上通信機株式会社、株式会社IMAGICA、株式会社オプト ウェーブ研究所、オリンパス株式会社、株式会社計測技術研究所、株式会社スキップシ ティ、ソニー株式会社、大日本印刷株式会社、有限会社トランスメディア・コミュニケーション ズ、株式会社ナック・イメージテクノロジー、株式会社日本シネアーツ社、日本電信電話株 式会社、日本電気株式会社、日本ビクター株式会社、東日本電信電話株式会社、三菱電 機株式会社 (50音順) Digital Cinema Consortium of Japan Newsletter 第4号(2004年8月) 第2回DCCJセミナー開催報告 ディジタルシネマ技術セミナー ー ハリウッドが策定中の標準草案より − 本年4月28日午後1時半より東京大学・武田ホールにおいて、第2回DCCJセミナーを開催し、70名が受講されました。 世界の映画業界の中心である米国ハリウッドでは、大手映画会社7社で構成されるDigital Cinema Initiatives, LLC (DCI)が進めるディジタルシネマの業界標準策定作業が、いよいよ大詰めを迎えています。 本セミナーでは、DCIが2003年12月に発表したDigital Cinema System Specification(映像フォーマットの要求仕様案)第3版の中から、 特に“画像特性仕様”と“セキュリティ仕様”に焦点を当て、各方面の第1 人者の方々にわかりやすく解説していただきました。 まず、青山友紀DCCJ理事長がご挨拶を兼ねてDCCJの狙いと活動に ついてお話した後、慶應義塾大学・小野定康教授がこれまでの映画の 歴史とディジタルシネマの規格概要・問題点についてわかりやすく紹介。 次いで、日本ビクター株式会社・吉村真氏がディジタルシネマに求めら れる画像特性について解説してくださいました。 (写真左) 青山理事長 (写真下) 講義に聴き入る受講者の皆さん 15分の休憩をはさんで、三菱電機株式会社・北上眞氏によるセキュリティ仕様の解説、NTT未来ねっと研究所・藤井 哲郎氏によるディジタルシネマの標準規格策定をめぐるハリウッドの最新動向の紹介の後、日本映画撮影監督協会・高 村倉太郎氏が現在の日本映画フィルムの保存体制の問題点や今後の動向について解説してくださいました。 終了後、受講者の皆さまから「有益であった」、「DCIの規格化の進捗状況がよく理解できた」、「プロジェクタの目指して いる特性がわかった」、「スペックに関するいくつかの疑問が解決した」、「また機会があれば是非参加したい」等のご感想 や、「映像製作者育成等の専門学校への出張セミナー等があれば良いのでは」といったご提案が寄せられました。 プロジェクターやマイクの不具合による進行の不手際についてご不満の声もあり、受講者の皆さまに大変ご迷惑をおか けいたしましたことを、あらためてお詫び申し上げます。今後の活動の反省点として活かし、これからも様々な形でディジ タルシネマの最新情報を提供する機会を設けてまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。 ◆◇◆アンケート集計結果はDCCJのサイトでご覧いただけます◆◇◆ Digital Cinema Consortium of Japan Newsletter 第4号(2004年8月) 関連ニュースご紹介 関連ニュースご紹介 ■ DCI標準策定動向 7月1日付けで、DCI (Digital Cinema Initiatives, LCC)よりDigital Cinema System Specifications第4版が発行されました。閲覧にはDCIサイトでの登 録が必要となっております。登録方法など詳細は下記サイトをご覧ください。 http://www.dcimovies.com/ ■ デジタルシネマ推進フォーラム設立 6月、政府が取り組む新産業創造戦略(e-Japan重点計画 - 2004)の一環として、デジタル技術を活用したコンテ ンツの権利者と劇場等上映施設との間の仲介システムの実用化及びデジタルシネマの推進を目指す経済産業省 および文部科学省は、デジタル映像技術を活用した上映を推進するため、デジタルシネマ推進フォーラムを設立 しました。 フィルムを使わず制作・配信できるデジタルシネマに対応したスクリーンは、現在は国内で20強ほどですが、今 後は各関係省庁と、財団法人デジタルコンテンツ協会、映画会社やメーカなどがスクラムを組み、デジタル映像産 業の普及について検討していく予定。特定非営利活動法人ディジタルシネマ・コンソーシアムを代表して、青山友 紀理事長がフォーラムに参加いたしました。6月15日に開催された設立総会には、当法人個人正会員でもある慶 應義塾大学教授・小野定康氏、NTT未来ねっと研究所グループリーダ・藤井哲郎氏が出席。藤井氏によると、東 北新社グループ代表・植村伴次郎氏が人材育成の大切さを述べられたこと、ナムコ会長・中村雅哉氏が『映画は 産業であると同時に文化である』と力説されていたことが、特に印象に残ったそうです。 ■ 日本ビクター D-ILAホームシアタープロジェクションシステム「DLA-HD2K」発売 3月10日付けで、日本ビクター(株)は、新開発のフルHD高解像度D-ILA(Direct-Drive Image Light Amplifier) デバイスを搭載し、高品位かつ高精細な映像を実現したホームシアタープロジェクションシステム 「DLA-HD2K」 の発売を発表しました。BS/地上デジタル放送などのハイビジョン映像はもちろん、アナログ放送や手持ちのDVD ソフトなどSD映像ソースもフルHD解像度(約210万画素=1920×1080ドット)の緻密で滑らかな映像表現で大画面 投写でき、家庭で“映画館の迫力”を楽しめます。http://www.jvc-victor.co.jp/press/2004/dla-hd2k.html ■ オリンパス 800万画素の高精細デジタル動画システムを実用化 4月9日付けで、オリンパス(株)は、世界初の「入力(撮影)−編集−出力」まで一貫して対応可能な800万画素 の高精細デジタル動画システムの実用化を発表しました。ハイビジョンの4倍に相当するシステムで、入力機能と しては、800万画素高精細デジタル動画カメラ、及びハードディスクレコーダーを試作機から大幅に小型・軽量化す ることに成功。また編集機能についても、レコーダーから編集までのデータのリアルタイム転送などにより大画面、 実解像度での確認が可能となり、編集作業時間の短縮を実現。あわせて、高精細デジタル動画の撮影から録画、 編集、大型スクリーンでの投影までを一括で対応できる専用編集施設「オリンパス高精細シアター」を4月9日に東 京・渋谷の当社幡ヶ谷事業場内に開設しました。 http://www.olympus.co.jp/jp/news/2004a/nr040409sh880j.cfm ■ ソニー 業界初の「4K SXRD」デジタルシネマプロジェクターを商品化 6月4日付けで、米国 Sony Electronics Inc.は、フルHDTVの4倍を超える885万画素(横4096画素・縦2160画素) の高精細液晶ディスプレイデバイス「4K SXRD (Silicon X-tal Reflective Display)」を搭載したデジタルシネマプロ ジェクター「SRX-R110」「SRX-R105」の2機種を、米国市場向けに発売することを発表しました。「4K」プロジェク ターの商品化は業界初。http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200406/04-0604/ ■ 最大の難関はビジネスモデル 6月21日から24日までの日程でアムステルダムで開催されたCinema Expo中、 “Global Digital Cinema Update”と題した技術セミナーが行われ、DCIのCEO・Chuck Goldwater氏、全米劇場所有者協会(NATO)会長・John Fithian氏などが参加しました。 パネルディスカッションで、Fithian氏は「DCIは標準化策定期限として本年9月を目標と しているが、ディジタルシネマの普及をめぐる重要な問題のいくつかは、それまでに解 決されないと考えている」と述べました。最大の難関はビジネスモデルで、NATO協会 員のみならず、メーカ、映画配給会社など、すべての業界関係者にとって公正なビジ ネスモデルの継続的必要性を訴え、DCIのこれまでの取り組みを高く評価しつつも、9 月までにビジネスモデルを策定するのは難しいだろうと予想し、9月以降も引き続き検 討を続けるよう求めました。Goldwater氏によると、DCIはビジネスモデル策定に向け米 国内の金融機関と予備的な議論を行っている段階とのこと。 次ページへつづく Digital Cinema Consortium of Japan Newsletter 第4号(2004年8月) ■ 慶應義塾大学 デジタル・コンテンツ研究事業が「スーパーCOE」に採択される 5月26日、慶應義塾大学が平成16年度文部科学省科学技術振興調整費「戦略的研究拠点育成事業」(通称 スーパーCOE)委託機関に採択されました。同事業は、優れた研究体制を作るための組織改革に対し、重点的に支 援する研究助成として平成13年度に創設されたもので、文部科学省の研究助成の中では最大規模。私立大学が 同事業に採択されたのは今回が初めて。 採択された事業は、研究推進組織として「デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構」を新設し、 1) 学術的デジタルコンテンツの生成・蓄積・編集・統合・発信、 2) 革新的デジタルコンテンツ技術の開発、 3) 革新的デジタルメディア技術の開発、 4) デジタルコンテンツ国際流通・セキュリティ基盤構築、 5) デジタルコンテンツ国際知財・標準化戦略等について、人文・社会科学・理工・医学融合型の知の創造と 流通を国際的に先導しようとするもの。 また、この事業を通し、世界中で絶対数が不足している学術的コンテンツの統合的構築・システムデザイン等を担 うデジタルコンテンツ・デザイナー、デジタルメディア・コンテンツの先端研究者や技術者、デジタルコンテンツの流 通・知的財産権・標準化・セキュリティ・社会基盤構築等の国際的専門家を育成していくとのこと。 http://www.keio.ac.jp/news/040526.html 第2回通常総会開催報告 本年6月29日午後1時より東京大学・会議室にお いて、通常総会を開催いたしました。総会の次第なら びに決議事項を下記のとおりご報告いたします。 1、開会のあいさつ 2、資格(定数)確認 出席者数 個人正会員数35名(当時)のうち 26名 (内 委任状提出者数 16名) 3、議長、議事録署名人選出 4、議題 第一号議案 平成15年度収支決算について (関連報告) 平成15年度監査報告 第二号議案 平成15年度事業報告について 第三号議案 平成16年度収支予算について 第四号議案 平成16年度事業計画について ◆◇◆ 今後の活動予定 ◆◇◆ 文化・芸術の振興という観点から、ディジタルシネマの 技術標準を国際連携のもとで確立させ、この標準に基づ いて映画コンテンツのディジタル化を進め、これらの保 存・制作・配信・上映を幅広い関係者の協力により社会 に定着させられるような活動を計画してまいります。 東京国際映画祭関連行事への参加 (10月末予定) 関西発の4Kディジタルシネマ公開実験 (11月予定) (NICTけいはんな情報通信オープンラボ) European Digital Cinema Forum (EDCF)、南カリフォ ルニア大学(USC)のETC等との連携 技術セミナーの開催、ニュースレターの発行など。 今後とも皆様からのご支援ご指導のほど宜しくお願いい たします。 5、閉会のあいさつ 各議案について、議長(青山友紀理事長)より説明 し、採決の結果、出席者全員の賛成をもって承認さ れました。 特定非営利活動法人ディジタルシネマ・コンソーシアム(DCCJ) 入会のご案内 (会員の種類) ■法人会員(年会費、1口10万円より) ■個人正会員(年会費、5,000円) (ご入会方法) 指定の申込書にご記入の上、FAXまたは郵便でお申込みください。 申込書は当法人ホームページからダウンロードできます。 Digital Cinema Consortium of Japan Newsletter 第4号(2004年8月)
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