テビナシールクリーム1%の 生物学的同等性試験に関する資料

テ ビ ナ シ ー ル ク リ ー ム 1% の
生物学的同等性試験に関する資料
テルビナフィン塩酸塩クリーム『テビナシールクリーム1%』(東亜薬品株式会社 製造販売)と
標準製剤との生物学的同等性について、モルモット白癬菌感染症モデル,モルモットカンジダ菌
感染症モデル及びモルモット癜風菌感染症モデルの3モデルを用いて薬力学的試験にて検討を行
ったところ、以下のような結果を得た。
[各試験における被験薬剤・使用動物・投与量]
試験製剤:テビナシールクリーム1%(1g中にテルビナフィン塩酸塩10mg含有)
標準製剤:1g中にテルビナフィン塩酸塩10mg含有
被験動物:各感染症モデルにつき、モルモット各 20 匹
<1.モルモット白癬菌感染症モデルに対する治療効果>
1-1.方法
試験方法:モルモット背部の交差しない左右2箇所(2cm×2cm)を抜毛及び角質層を剥離後、
70%アルコールで消毒し、白癬菌液(4.7×107個/mL)を1部位あたり0.05mL滴下・
塗抹接種した。剥離部位を「試験製剤処置部位」、「標準製剤処置部位」、「無処
置部位」の3部位に分け、感染が確認された白癬菌接種5日後より無処置部位を除く
各部位に被験薬剤0.3mLを1日1回、10日間塗布した。
感染部位病変度(治療効果)の判定については、被験薬剤投与開始日から投与10日
後まで毎日1回、被験薬剤投与直前に肉眼的観察を行い、表1に示す判定基準により5
段階で各部位の治療効果の比較を行った。
1-2.結果
試験製剤投与部位、標準製剤投与部位、無処置部位の病変度の推移を図1に示す。
試験製剤投与部位並びに標準製剤投与部位は、何れも無処置部位と比較して有意な治療効果を
示し、また、全期間を通じて両製剤投与部位の間には、有意差は認められなかった。
病変度評点
図1.白癬菌感染症モデルでの病変度の推移
4.0
試験製剤
標準製剤
Control(無処置)
3.0
mean±S.D.、n=10
2.0
1.0
※
※
※
※
0.0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
投与日数(日)
※:Controlに対して有意差あり(多重比較検定)
2009年7月改訂
<2.モルモットカンジダ菌感染症モデルに対する治療効果>
2-1.方法
試験方法:モルモット背部の交差しない左右2箇所(2cm×2cm)を抜毛及び角質層を剥離後、
70%アルコールで消毒し、カンジダ菌液(3.1×108 個/mL)を1部位あたり0.05mL
滴下・塗抹接種した。剥離部位を「試験製剤処置部位」、「標準製剤処置部位」、
「無処置部位」の3部位に分け、感染が確認されたカンジダ菌接種5日後より無処置
部位を除く各部位に被験薬剤0.3mLを1日1回、10日間塗布した。
感染部位病変度(治療効果)の判定については、被験薬剤投与開始日から投与10日
後まで毎日1回、被験薬剤投与直前に肉眼的観察を行い、表1に示す判定基準により5
段階で各部位の治療効果の比較を行った。
2-2.結果
試験製剤投与部位、標準製剤投与部位、無処置部位の病変度の推移を図2に示す。
試験製剤投与部位並びに標準製剤投与部位は、何れも無処置部位と比較して有意な治療効果を
示し、また、全期間を通じて両製剤投与部位の間には、有意差は認められなかった。
図2.カンジダ菌感染症モデルでの病変度の推移
病変度評点
4.0
3.0
2.0
試験製剤
標準製剤
Control(無処置)
1.0
※
※
※
※
※
※
※
※
※
※
※
mean±S.D.、n=10
0.0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
投与日数(日)
※:Controlに対して有意差あり(多重比較検定)
2009年7月改訂
<3.モルモット癜風菌感染症モデルに対する治療効果>
3-1.方法
試験方法:モルモット背部の交差しない左右2箇所(2cm×2cm)を抜毛及び角質層を剥離後、
70%アルコールで消毒し、癜風菌液(4.7×10 7個/mL)を1部位あたり0.05mL滴下・
塗抹接種した。剥離部位を「試験製剤処置部位」、「標準製剤処置部位」、「無処
置部位」の3部位に分け、感染が確認された癜風菌接種5日後より無処置部位を除く
各部位に被験薬剤0.3mLを1日1回、10日間塗布した。
感染部位病変度(治療効果)の判定については、被験薬剤投与開始日から投与10日
後まで毎日1回、被験薬剤投与直前に肉眼的観察を行い、表1に示す判定基準により5
段階で各部位の治療効果の比較を行った。
3-1.結果
試験製剤投与部位、標準製剤投与部位、無処置部位の病変度の推移を図3に示す。
試験製剤投与部位並びに標準製剤投与部位は、何れも無処置部位と比較して有意な治療効果を
示し、また、全期間を通じて両製剤投与部位の間には、有意差は認められなかった。
病変度評点
図3.癜風菌感染症モデルでの病変度の推移
4.0
試験製剤
標準製剤
Control(無処置)
3.0
mean±S.D.、n=10
2.0
1.0
※
0
1
2
3
4
5
6
※
※
0.0
7
8
※
9
※
※
※
10
投与日数(日)
※:Controlに対して有意差あり(多重比較検定)
<4.結論>
本試験では、テビナシールクリーム1%及び標準製剤を投与し、両製剤の白癬菌、カンジダ菌及
び癜風菌感染症モデルにおける治療効果を比較検討した。その結果得られた両製剤の治療効果は、
何れも無処置部位と比較して有意差が認められ、試験製剤と標準製剤間には有意差は認められな
かった。
よって、『テビナシールクリーム1%』(東亜薬品株式会社 製造販売)と標準製剤の生物学的同
等性が確認された。
2009年7月改訂
表 1 感染部位病変度の判定基準
評点
状
態
0
局所病変が全く認められない状態
1
少数個の小さな紅斑又は紅斑性丘疹が島状に散在して認められる状態又は病変が軽快
し、新しい被毛が発育してきた状態
2
紅斑が感染部位全体に広がり、蓑皮剥離を伴う状態
3
部分的に強い発赤、腫脹などの炎症状態及び軽度出血や痂皮の形成がみられ、豊富に鱗
屑が生じる状態
4
肥厚した痂皮の形成、出血性びらん又は潰瘍がみられる状態
2009年7月改訂