ロボティクス導入で生まれた余裕は、 更なる品質向上に活用されよう

2016年6月10日
ロボティクス導入で生まれた余裕は、
更なる品質向上に活用されよう
土木工事の現場と言えば、設計図に基づき、測量して工事計画(工程)を策定し、重機で工事を行なうのが一
般的です。また、機械化が進んだとは言え、そこには、測量をする人をはじめ重機を動かす技術者などの作業員
が多数存在します。こうしたことから、工期や仕上がりの品質は、全てを束ねる現場監督の工程管理の技量に
よって大きく左右される状況にあります。
<ロボティクスを駆使する、近い将来の工事現場>
しかし、ロボティクスが本格的に普及することで予想される「スマート土木工事」の現場では、これまでと違った光
景が拡がっています。ドローンが上空から撮影した現場写真やレーザーなどによる高度情報、GPSなどによる位
置情報がコンピュータに伝送され、3D(3次元)地図データが作成されます。工程管理システムは、この詳細な
現場情報と設計図をAIを用いて分析し、作業場所ごとに必要となる作業内容などを詳細に計算し、担当する無
人のスマート重機に作業内容として伝えます。
そして、作業指示を受けたスマート重機は、重機の各所に設けられた
センサからの情報をもとに、自ら掘削の角度や強さなどを判断して
工事を実施し、進捗を工程管理システムに伝送します。また、工事の
進捗の他に重要部品の状態も適宜伝送され、このデータをもとに
AIで分析された重機のメンテナンス時期などが工程に盛り込まれ、
工事が進められます。
この結果、工程管理が高度化・効率化され、工程の無駄を省くだけ
でなく、場所によっては夜間も休むことなく作業が行なわれることで、
工事は理想とされる期間とコストで仕上がると期待されます。
こうした近未来の「スマート土木工事」は、すでに一部で実現され、工事の効率化が進んでいます。この実現の要
の一つとなるスマート重機は、通常の重機に比べ高価ではあるものの、熟練工の不足といった問題や人件費削
減といった課題への解決策となるだけでなく、メンテナンスの適正実施による故障減少で工事の中断を防ぐなど、
工期の短縮も図れると期待されることなどから、導入する企業が現れています。このため、普及により恩恵が期
待される、建機メーカーや、GPS、測量などの関連企業に注目が集まっています。
<「スマート土木工事」時代に現場監督が行なう仕事>
一方、こうした「スマート土木工事」により、現場監督は工程管理の業務か
らの解放が見込まれます。そして、天候を見越した工程の組み替えや、
作業員同士の相互配慮(いわゆる「あ・うん」の呼吸)を活性化し、工程を
円滑に進めると共に、無用な事故を回避するなど、現場の経験値と感性
が必要な業務に多くの時間を振り向けることとなるのです。
ロボティクスは「スマート土木工事」において現場監督の右腕となり、数字
に表れにくい、工事の品質に大きく貢献すると期待されます。
■当資料は、日興アセットマネジメントがロボティクスに関する情報についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定
ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見
解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資
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