Introduction 「あなたの人生を変えるアロマのみつけ方」のアンケートに回答くださった方へのプレゼ ントとしてご用意した「禁断のアロマテラピー 裏アロマの書」が、予想を超える反響で した。 そこで、プレゼントの第 2 弾も「続・裏アロマの書」と題しまして、教室やテキストでは 教えてもらえない、アロマテラピーの深くて興味深い世界へお誘いします。 ギリシャ神話は、登場人物が複雑に入り組んでいるので、最後のページに相関図をつけて います。ぜひそちらを参考にしながら読み進めてください。 この物語は・・・ 魔女の時代よりさらに昔 「神々の時代」へ遡ります。 ~ギリシャ神話Ⅰ <愛と美の女神アフロディーテ> (絵:ボッティチェルリの「ヴィーナス誕生」 ) この絵は、アフロディーテ(英名ヴィーナス)が、誕生し貝に包まれて【キプロス島】に 流れ着いた時を表しています。 アフロディーテと言う名前は聞いたことがあるでしょう。 アフロディーテが誕生した時、神々は薔薇の花を創造し、 美の神の誕生を祝ったのだそうです。 そのため、薔薇とアフロディーテには深い関係があります。 アフロディーテは、ギリシャ神話の中でも恋多き女、自由奔放な女です。 アフロディーテは、鍛冶の神ヘーバイストスと結婚していましたが、男らしくて逞しい軍 神アレスと密会を繰り返していました。今で言う不倫ですね。 ある日それを、アフロディーテの息子であるエロスに目撃されます。 これを夫に告げ口されることを恐れ、アフロディーテは、「沈黙の神ハルポクラテス」にエ ロスの口を封じるようにお願いします。 そのお礼にアフロディーテからハルポクラテスに送られたのが、赤い薔薇だそうです。 究極の愛と美の精油 ローズ(薔薇) 学名 Rosa Damascena 蒸留部位 花 主な成分 シトロネロール 約 27% ゲラニオール 約 23% ネロール 約 11%他 (Vert Mer 精油の成分) 支配星:金星 華やかで高貴な香りは、香りの女王と呼ばれるローズ精油。 一滴に約 100 本の薔薇の花が必要と言われるほど、採油率が低 く、高価。 ローズ精油 16,000 円(Vert Mer オリジナル精油) お問い合わせ [email protected] ●成分や臨床から考えられる作用 ゲラニオールやネロールなど肌を美しく保つ成分が多く含まれるため、スキンケアに欠か せません。気分が高揚し、明るく前向きになります。また、性的魅力がアップすると昔か ら媚薬として使われています。 ●ローズが持つ特徴的な作用 薔薇は、アフロディーテと関連する植物です。 精油の特徴は、 「愛」 「美」というところに良く作用します。 寂しい心を温めてくれる。家族やパートナーとの関係を深めてくれる。 美しい容姿を整えてくれる。 でも、一方で激しい嫉妬や強すぎる独占欲も表現する精油だということです。 薔薇の精油がなんだかとても心に響く、あるいは心をざわつかせる。と思う時、 もしかしたら必要以上の嫉妬心や、独占欲、自己顕示欲が出ているかもしれません。 また、薔薇の支配星は金星(ヴィーナス)です。金星は恋愛や喜びに関係のある星です。 そういった感情や気分の高揚に一役買ってくれるでしょう。 ~ギリシャ神話Ⅱ <禁断の愛の末のミュルラー> キプロスと言う島の王様キニュラスには、ミュルラーという娘がいました。 さて、キプロスと言う名前を聞いて、あれ?と、思った方は賢明です。 そうです。キプロスとは、アフロディーテが貝に乗ってたどり着いた島です。 キニュラスの父親であるピグマリオン王は、人形に恋をします。この人形に生命を吹き込 んだのがアフロディーテです。 (この話は「マイ・フェアレディ」と言うタイトルで映画化 されました) 喜んだピグマリオン王は、キプロスでは未来永劫アフロディーテを 女神として祀ることを約束します。 しかし、ピグマリオンの孫娘であり、キニュラスの娘のミュルラーは、 すっかりそれを忘れてしまっていました。 それに怒ったアフロディーテは、ミュルラーに呪いをかけます。 (異説では、アフロディーテより美しいと評判になったミュルラーに嫉妬をして呪いをか けた。ともあります) その呪いは「叶わぬ恋」の罰。 アフロディーテは自分の息子であるエロスの金の矢を使って、なんとミュルラーが彼女の 父親であるキニュラスに恋をするようにしかけました。 その結果、ミュルラーは父に恋し、真っ暗闇の父キニュラスの寝床に 12 夜通います。 父キニュラスは、逢瀬の相手がまさか自分の娘だとは気付きません。しかし、12 夜目にキ ニュラスは相手の顔をどうしても見たくなり、灯りを顔に近づけると、そこに我が娘ミュ ルラーを見るのです! 驚いた父キニュラス。 そしてそこから逃げ出したミュルラー。 しかし、ミュルラーのお腹には既に二人の間の子供がいたのです。 罪の重さにミュルラーは、自ら「天界には入れない者として、誰にも知られずこの世の 果てで地のものとも天のもともならず生き続けていきたい」と祈りを捧げ、ついには地 に根を張る樹木となりました。 それが、ミュルラーの樹。 ミルラと呼ばれる樹です。 そしてこの樹木を切って出てくる樹脂が、現在アロマテラピーで用いる、ミルラ精油の原 料。赤い樹脂は、 「ミュルラーの涙」と呼ばれています。 ミルラは、禁断の愛の果ての涙だったのです。 禁断の愛「涙」の精油 ミルラ(没薬) ミルラ精油:http://pranarom.jp/commodities/p048.html (PRANAROM) 学名: Commiphora molmol 採油部位: 樹脂 主な成分: クルゼレン 約 43% フラノオイデスマ-1.3-ジエン 約 24%他 (プラナロム精油の成分) 支配星: 太陽 ミイラが出土された時に発見された樹脂としても有名で、 防腐剤として使われていたと考えられます。 ●成分や臨床から考えられる作用 鎮掻痒作用、抗炎症作用などが期待できますが、ホルモン様作用があるため、妊産婦やエ ストロゲンによる疾患のある方は、使用量や使用頻度を控えた方が良いでしょう。 (ミルラが持つ特徴的な作用) 深い悲しみを癒してくれます。じっと耐える強さを与えてくれます。強い決意を与えてく れます。 しかし一方で、神をも恐れぬ傍若無人な姿も見えます。 ミルラがあなたの心に何かを訴えた時、もしかしたら人目も気にせず振る舞い過ぎること で不遜に思われているかもしれません。 ミルラの支配星は、太陽です。太陽は男性を表します。 また主体性や行動力の象徴でもありますので、リーダー的な強さが必要な時にバックアッ プしてくれるかもしれません。 さて、続きです。 ミュルラーの息子 美少年アドニスとアフロディーテ この時のミュルラーの子供を、なんとまたここで登場、 アフロディーテが取り上げます。 この赤ん坊がアドニスです。アフロディーテは、この瞬間にこの美しい少年(っていうか 赤ん坊)アドニスに心を奪われます。 しかしこの子供アドニスは、他の神々によってアフロディーテから引き離され、箱に入れ てある女性の元へ預けられます。 冥府の女王ペルセポネの登場 アドニスを預けられた女性は、冥府の女王ペルセポネ。 つまり、冥界を牛耳っている女性なのですが、なかなか気性の激しい女性のようです。 アドニスを預けられた時、アフロディーテから「この箱は決して開けないように」と言わ れるのですが… 開けるな。と言われれば開けたくなるのが、人の心…いや、神の心? というわけでペルセポネは、あっさりと箱を開けてしまい、そこで美しい赤ん坊アドニス を見るのです。 ペルセポネのもとですくすくと美しい少年に育つアドニス。日を追うごとにアドニスに心 奪われるペルセポネ。 しかし、アドニスはアフロディーテから預かっているだけなので、いつかアフロディーテ の元に返さなければなりません。 そしてとうとうアフロディーテが、アドニスに会いに来る日が来ます。 美しく育ったアドニスを見るや否や、早く連れ帰りたいアフロディーテ。 しかし、どうしても手放したくないペルセポネ。 板挟みになったアドニスは、 「1 年のうち春と夏をアフロディーテと、秋と冬をペルセポネ と過ごす。 」と言う約束をして、アフロディーテの元へ行きました。 そして春と夏を楽しくアドニスと過ごしたアフロディーテですが、秋になったからといっ て、ペルセポネの元へ返すなんてさらさら考えていません。 秋になっても冬になろうとしても自分の元に戻らないアドニス。 嫉妬に狂ったペルセポネは、アフロディーテの不倫相手の軍神アレスに告げ口をします。 「ちょっと~、あなたのアフロディーテ、若い男に夢中になってるけど、いいのぉ?」 それを聞いたアレスは怒り狂い、自らがイノシシに変身して、 恋敵アドニスを追突し、殺してしまいます。 この時にアドニスから流れた赤い血が、アネモネになったと言われています。 風が吹くとはらはらと落ちてしまう花弁は、 アドニスを想起させます。 ~ギリシャ神話Ⅲ <ニンフミンター> 冥府の王ハーデスは、美しいニンフ(妖精)ミンターに夢中になりました。 それに嫉妬したその妻ペルセポネは、ミンターを踏みつぶしたそうです! そしてミンターを土の上の雑草にしてしまいました。 悲しんだハーデスは、その草に香りをつけ薬草にしました。 それが「ミントの葉」です。 そして太陽が降り注ぐたびに、芳香を漂わせ自分の存在を知らせるのです。 ギリシャ神話でミントは、実は「妖精」だったのです。 あの香りの軽さは、妖精が姿を変えた結果だったのかもしれません。 踏みにじられ、姿を雑草に変えられましたが、 ミントは凄い生命力であっという間に地面いっぱいに広がります。 ひらりと身軽に視点を変えながら、 自分自身のテリトリーを広げていくしたたかな強さ。 これがミントの本当の姿かもしれません。 ペルセポネの嫉妬によって姿を変えられた 「妖精」の精油 ミント ペパーミント精油:http://pranarom.jp/commodities/p119.html (PRANAROM) 学名: Mentha × piperita 採油部位:全草(根以外) 主な成分:メントール 約 33% メントン 約 30% (PRANAROM 精油成分) 支配星: 水星 ミントの中でも、ピリッとする香り。 コショウ(ペッパー)と言う名前の付いたペパーミント。 メントールは、冷却作用などがあり夏の暑い日などにスッキリするために使えますが、血 管を収縮し、その反作用で血管が拡張するため、血圧に問題のある方は使わない方が安全 です。また、メントンなど消化促進に良い成分もあるため、健胃作用も期待できます。 ちなみに、食べられるハーブから採られる精油には、健胃作用、消化促進作用があります。 ペパーミントは、予見のハーブと言われ、予知夢を見るために用いられたとされています。 ペパーミントは、水星が支配星です。 水星はコミュニケーションや移動の象徴です。 まさに足に翼が生えたマーキュリー(水星)の軽やかなイメージですね。 アロマテラピーをもっと楽しむ秘訣 アロマテラピーと、一言で括ってしまっても、 このように色んな角度から見ることができます。 こんな隠されたストーリーがあると思うと、 ちょっと違った見え方がしてきませんか? 何が正しい、何が良い。ではなく、何が自分にしっくりくるか。ということに夢中になる ことがアロマテラピーをもっと楽しくする秘訣だと思います。 今回ご紹介した 3 本の精油。 ・ローズ 花 ・ミルラ 樹脂 ・ペパーミント 全草(葉と考えても良いです) ・ローズは、誰よりも自分を愛し、美しくあろうとするアフロディーテ。 花の精油は、頭と心を静める、あるいは高揚させる。 そして女性らしさを高める特徴がありました。 ・ミルラは、悲しい恋の結末が生んだ涙でした。 しかしミュルラーは本当に不幸だったのでしょうか? 樹脂の精油は、植物の血液。傷口をふさぎ、皮膚を守ってくれます。それは皮膚だけでな く、心の傷も同様です。ミュルラーと同様に強い決意を与えてくれます。 ・ペパーミントは、軽快で無邪気な妖精が姿を変えました。 でもただ無邪気なだけだったのでしょうか? この生命力は一体何を表しているでしょう? 全草、葉の精油は、光合成による呼吸の安定と成長に象徴されるように、呼吸を整え、酸 素や栄養分を取り込み成長を促してくれます。それは、肉体的な成長だけでなく、精神的 な成長。そして逞しく広がる生命力にも繋がるかもしれません。 <魔女のアロマレシピ> ~ギリシャ神話に教わる媚薬(香油) アフロディーテとミュルラー、そしてミンター。 それぞれ愛に翻弄される精油たち。これをうまく組み合わせて、媚薬を作ってみました。 ●タレイア(Thalia) アフロディーテの侍女の一人で花の女神の名前。 「開花」を意味します。 「あなたに秘められた愛と美の花を咲かせる香油 Thalia(タレイア) 」 クリーム容器(10ml) ホホバオイル 10ml 蜜蝋(ミツロウ) 2g ローズ 2 滴 ミルラ 2 滴 ペパーミント 1 滴 プチグレン(なければ柑橘系の精油) 2 滴 1.ミツロウとホホバオイルを混ぜて、湯せんにかけます。 2.ミツロウが全部溶けたら、精油をそれぞれ入れてよく混ぜます。 ※この段階は固まりやすいので手早く! 3.混ざったらクリーム容器に移し、固まるのを待って出来上がり! ローズの濃厚で深い香りにミルラが加わることで、さらに高貴な香りになります。 そこにペパーミントを入れると、ぱっと香りが華やぎます。 ただそれだけだと、重い香りと軽い香りがそれぞれバラバラに香るので、プチグレンなど の柑橘系の香りが入ると、全体に馴染み香りがまとまります。 プチグレン、マンダリン、ビターオレンジなどですと、やや重めに傾きます。 レモン、ネロリ、ベルガモットなどですと、爽やかな広がりが生まれます。 使い方は? 香水のように香らせたいところに塗ります。胸の間にすっとヒト塗りして、あなた自身に 「愛」の魔法をかけてください。 このまま眠れば、何か素晴らしい予知夢を見るかもしれませんね。 <おまけ> 実は…精油の濃度が 2%未満ですので、フェイスクリームやリップクリームなどとして使っ ても大丈夫です。 私はリップクリームとして使っていますが、香りだけでなくローズの細胞再生作用などで 唇の荒れが穏やかに回復します。 動画で詳しく作り方を解説しています。 ⇒ http://youtu.be/ON5fdeYDw4g おまけ☆登場人物☆相関図 裏アロマの書Ⅱ及び、動画について、ご質問や感想などありましたらご連絡ください。 ⇒ [email protected]
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