内視鏡の洗浄・消毒の実際

内視鏡の洗浄・消毒
(細菌検査による内視鏡の洗浄・消毒効果の検証)
○松本慶子 尾坂栄 杉本和代
当院では、年間約 1340 件の内視鏡検査・治療を行っている。
内視鏡室のスタッフは日に医師1名、看護師2名。
内視鏡室では、全ての検査終了後にどのような感染症があっても次の検査の方に感染さ
せないように、ガイドラインにのっとった方法で、洗浄・消毒を行っている。ディスオー
パという高水準消毒液を用い、自動洗浄・消毒器(エンドクレンズS)を使用している。
内視鏡の洗浄・消毒のガイドラインは 2004 年 3 月に日本消化器内視鏡技師会が作成した
「内視鏡の洗浄・消毒に関するガイドライン」第 2 版、その後 2008 年 5 月に日本環境感染
学会・日本消化器内視鏡学会・日本消化器内視鏡技師会の3学会が合同で作成した「消化
器内視鏡の洗浄・消毒マルチソサエティガイドライン」がある。
私たちはこれらのガイドラインを遵守しながら日々業務を行っている。特に自動洗浄消
毒器を使用する前の予備(用手)洗浄は重要で、ブラッシングが不十分であると確実な消毒効
果は得られない。
また、このガイドラインの中には、施設ごとに年 1 回は無作為に抽出した内視鏡機器、
処置具について表面や鉗子チャンネルなどの一般細菌の培養検査を行うこととある。
私たちが現在行っている洗浄・消毒が効果的であるのか検証し、その結果洗浄・消毒方
法を改善する必要があれば改善したいと考え、今回内視鏡の一般細菌の培養検査を行うこ
ととした。
(民間の検査機関(BML)
今回対象となった内視鏡からはいずれも細菌数0という結果が得られた。ガイドライン
が守られていれば通常の内視鏡から細菌は検出されないはずであり、ガイドライン以下の
水準で洗浄・消毒している場合は検出される可能性が高いといわれている。
今回の結果は、当院の内視鏡室で洗浄・消毒のガイドラインが守られ、内視鏡の安全が
保たれているといえる。今後も引き続き検査を行うことが出来ればと考える。